助成金申請代行が得意な社労士に一括で見積もりする

助成金は、一定の条件を満たすことで国や自治体から支給される返済不要の給付金です。企業の経営支援や雇用促進などを目的としており、幅広い分野で活用されています。

条件さえ満たせば返済義務がないため、資金繰りに悩む中小企業にとって大きな助けになるでしょう。助成金の給付には、綿密な事前準備が必須であるため、専門家・専門機関に申請を代行してもらう個人・企業も少なくありません。

助成金と補助金の違い

助成金は要件を満たしていれば原則として支給されるのに対し、補助金は公募で審査を通過した場合に限り支給されます。助成金にも申請内容や書類の確認といった形式的な審査はありますが、補助金のような公募制・採択制の厳しい審査はないため、比較的ハードルが低いといえるでしょう。

加えて、助成金は厚生労働省の管轄であるケースが多く、経済産業省や他の省庁が管轄する補助金と目的や条件が異なることが少なくありません。申請方法や必要書類、給付までの期間などの違いに注意が必要です。

助成金の申請代行を利用するメリットとして、以下の4つが挙げられます。

1. 複雑な制度の理解・選定を任せられる

助成金申請代行を利用する大きなメリットの1つは、助成金の選定や制度の理解を任せられる点です。助成金は数が多く、それぞれに異なる要件や申請期限が設定されています。初心者にとっては、どれが自社に適しているか判断するだけでも大きな負担となるでしょう。

助成金申請を利用することで、最新情報に通じた専門家が自社に最適な助成金を提案してくれます。申請要件や制度についてわかりやすく説明してくれるため、無駄な調査時間を省けるのが大きなメリットです。

2. 必要書類の作成や提出を代行してもらえる

助成金申請代行は、面倒な書類作成や手続きの大部分を申請者に代わって行います。助成金申請には多くの書類が必要で、記載ミスや漏れがあれば不支給になるケースも少なくありません。助成金の申請を自社の社員に任せると、本業に加え助成金申請の負担が増えることになります。

助成金の申請をプロに依頼することで、書類作成や提出がスムーズに行えるでしょう。慣れない書類の仕様や申請期限を気にすることなく申請が行えるメリットがあります。

3. 申請却下のリスクを減らせる

助成金申請代行を利用することで、申請が却下されるリスクを最小限に抑えられる点がメリットです。助成金には厳格な基準が設けられており、要件を満たしていない、書類に不備があるなどのケースでは、申請が却下されます。助成金申請に慣れていない企業では、申請却下につながる細かなミスが多くなりがちです。

助成金申請代行は過去の実績と豊富な専門知識によって、リスク回避のためのチェック体制を整えています。低リスクで助成金申請を目指すのであれば、プロの目でチェックを受けられる申請代行を利用するのが賢いといえるでしょう。

4. 本業に集中できる時間的余裕が生まれる

申請を外部委託することで、社員が本業に集中できるメリットがあります。申請業務を社員に任せると、慣れない作業に時間を取られ、本業に支障が出るケースも少なくありません。とくに中小企業にとって、人的リソースの配分は大きな課題となるでしょう。

申請作業を申請代行に任せることで、リソースの配分を気にせず経営や営業に専念できます。時間的・精神的な余裕が、企業全体の生産性を高めることにつながるケースもあるでしょう。

助成金代行の費用は「着手金＋成功報酬型」が一般的です。着手金は3万円〜15万円と、事務所によって幅があります。成功報酬のパーセンテージも社労士事務所によって幅があり、助成金額の10〜30％が目安です。

事務所によっては、助成金に関する無料相談を設けているところも多いため、事前に複数の社労士を比較検討しましょう。各事務所のサポート内容と費用対効果を見極め、もっとも自社の利益となる社労士を選ぶことが重要です。

助成金申請代行を利用する場合、申請から給付までの期間を計算しなければなりません。助成金は申請してすぐに給付されるわけではなく、支給決定までに3カ月～6カ月かかるのが一般的です。審査期間や書類の整備状況によって差が出ます。

非常に人気のある助成金や、必要書類が多い助成金の場合、給付までかなり時間がかかるでしょう。資金繰りに悪影響が出ることを防ぐため、十分余裕を持ったスケジュールで動くことが成功のカギです。

助成金にはさまざまな種類がありますが、おおよそ以下の4つに分類されます。

複数の助成金を1つの企業が申請することも可能であるため、自社に適用されそうな助成金を常に探しましょう

1.雇用系の助成金

雇用系の助成金は、労働者の雇用維持や新規雇用に対して支給されるものです。例として「雇用調整助成金」や「トライアル雇用助成金」があります。

人材確保や離職防止のために活用されるケースが多く、中小企業の事業継続に多いに役立つでしょう。複数の従業員を抱える企業や新規雇用を検討している企業に、もっとも利用されやすい助成金です。

2.人材育成系の助成金

人材育成系の助成金は、社員のスキルアップを支援するための制度です。研修や資格取得に使える「人材開発支援助成金」や「キャリアアップ助成金」などが挙げられます。人材育成に不可欠な研修費や教育費の一部が補助される点が魅力です。

人材の定着や業務効率の向上を図れるため、長期的に見ても費用対効果が高いといえるでしょう。とくに、今いる社員の育成に力を入れたい企業にとって、メリットの大きな助成金です。

3.働き方の多様化系の助成金

助成金のなかには、働き方改革に合わせた制度もあります。テレワーク導入や時短勤務制度の整備など、新しい働き方を支援する助成金です。例えば「働き方改革推進支援助成金」「人材確保等支援助成金（テレワークコース）」などが該当します。

柔軟な労働環境を整えることで、従業員の満足度向上や離職防止にもつながるでしょう。多様な働き方に対応していることをアピールできれば、採用活動にもいい影響が期待できます。

4.中高齢者系の助成金

中小企業が利用できる助成金として、中高齢者の雇用に関する制度があります。高年齢者の雇用促進を目的とした助成金で「 早期再就職支援等助成金（中途採用拡大コース）」「65歳超雇用推進助成金 」などが有名です。企業の人材確保や中高齢者の雇用先の確保を目的として、年齢に応じた雇用環境整備を支援します。

労働力人口の減少が進むなか、中高齢者が長く働き続けられる環境を整えることが企業にとって急務です。多様な人材活用を進める企業の資金面での負担を減らすため、有効な助成金といえるでしょう。

助成金申請代行に強い社労士を比較する際、以下の4つのポイントを考慮しましょう。

助成金に強い社労士を選ぶには、実績やサポート体制など複数の観点から比較することが重要です。費用だけで判断せず、担当者との相性や費用に見合った効果が得られるかを検討しましょう。

1.取扱実績・得意分野

助成金申請代行選びでは、これまでの取扱実績や得意分野を見極める必要があります。社労士や社労士事務所によって得意とする助成金の種類が異なるため、希望する助成金の実績があるか確認が必要です。実績が多いほど給付に至る確率も上がるでしょう。

担当者に、これまで扱ってきた助成金の事例や実際の支給額などを聞いてみるのも有効です。とくに、自社と似たケースで成功を収めている社労士は信頼できます。

2.費用体系

助成金申請代行で必ず確認しておくべき項目が、費用体系です。費用体系が明確ではない場合、想定していた料金と社労士からの請求に乖離が生まれるおそれがあります。申請代行にかかる費用に加え、追加費用の有無や返金保証の有無なども事前確認しましょう。

料金に関する認識が不一致のまま契約を進めると、後々トラブルの原因になることも少なくありません。契約前には契約書をしっかり確認し、疑問点を尋ねることで不安を解消しましょう。

3.コミュニケーションと提案力

助成金に限らず、申請代行には高いコミュニケーション能力と提案力を求めるべきです。助成金の制度は複雑であることが多いため、難解な制度を分かりやすく説明してくれる社労士は非常に頼りになります。質問への対応が迅速でていねいかどうかもチェックしましょう。

社労士によっては、自分が調査した助成金以外の制度を紹介してくれることもあります。加えて、給付された助成金の効果的な活用方法を提案してくれる社労士は、企業のよきパートナーとなるでしょう。積極的な提案力はを持つ社労士を見つけることが重要です。

4.申請後のフォロー体制

助成金申請代行選びでは、申請後のフォロー体制も重視しなければなりません。助成金は申請して待っていればいいわけではなく、給付決定までの進捗管理や問い合わせ対応が求められます。書類の不備をすぐに訂正してくれるか、定期的な進捗報告があるか確認しましょう。

継続的に利用するためにも、アフターサポートが充実している社労士を選ぶことで、信頼関係の構築にもつながります。

助成金申請代行の流れは、およそ以下のとおりです。

1.適用可能な助成金の選定

助成金申請代行の力を借りながら、自社の状況に合った助成金を洗い出し、申請可能性を精査します。プロの意見を聞きながら調査することで、活用できそうな助成金の見落としを防げるでしょう。

とくに、都道府県や市区町村が設定している助成金は見落としがちです。国の助成金と比較して給付額は少ないものの、申請できる業者が限られているため給付へのハードルは高くありません。制度に詳しい社労士からアドバイスを受けつつ、活用できそうな助成金を見つけましょう。

2.制度整備

助成金は申請すれば必ず給付されるものではなく、要件に適した社内制度が必要です。社労士の意見を聞きつつ、社内制度の整備を進めましょう。制度に不備があり、要件を満たさないまま申請を行うと却下されるおそれがあります。

文書作成や制度設計に不安がある場合、遠慮なく助成金申請代行に相談しましょう。制度設計は、助成金給付の成否のカギを握るポイントであるため、時間がかかるとしても失敗しない制度整備が必要です。

3.申請書類の作成・提出

社内制度が整ったなら、助成金の申請に移ります。助成金申請代行を利用した場合、社員に負担をかけることなく必要書類を作成・提出できるでしょう。ただし、社内で準備すべき書類もあるため、有効期限や記載ミスに注意が必要です。

助成金申請代行は過去の申請経験を活かしつつ、正確かつ迅速に書類作成を進めてくれます。完成度の高い書類作成が行えるため、不備による差し戻しのリスクを最小限に抑えられるでしょう。

4.給付決定・入金

申請が受理され、審査を通過すれば給付決定が下されます。指定口座に助成金が振り込まれますが、給付決定後、すぐに入金されるわけではない点に注意が必要です。一般的に、給付決定から入金まで1カ月～2カ月かかるでしょう。

給付決定後も、不明点や不安な点があれば助成金申請代行に相談可能です。とくに、アフターフォローが充実している代行業者は、入金されるまで伴走してくれる体制を整えています。