高齢者雇用を促す助成金、65歳超雇用推進助成金のメリットとリスクを探る

更新日:2019年09月05日 発注カテゴリ: 助成金申請代行
高齢者雇用を促す助成金、65歳超雇用推進助成金のメリットとリスクを探る

少子高齢化の時代、高齢者の雇用促進は日本政府の大きな課題となっております。それを解決するためにある「65歳超雇用推進助成金」とはどんなものなのか、受給額や申請の流れなど、高齢者の雇用を検討している企業に役立つであろう内容をまとめました。

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65歳超雇用推進助成金とは?

政府では「ニッポン一億総活躍プラン」を掲げたさまざまな政策を推進しており、その中において大きな柱となっているのが高齢者の雇用推進です。

定年を過ぎても働きたい意欲を持っている方や仕事を生きがいにしたいと思っている方、さらに経済的な事情で収入減を確保したい方まで、これからさらに進行していく高齢化社会を見据えた雇用対策が求められています。

こうした高齢者が働く場が求められている一方で、なかなか供給が追いついていないのが実情です。定年の壁もありますし、高齢者を雇用することにためらいやリスクを感じている企業が多いのがその理由です。

そこで政府では65歳超の高齢者を雇用することで助成金が支給される制度を用意しました。それが「65歳超雇用推進助成金」です。

こうした高齢者の雇用を促す助成金はこれがはじめてではなく、ほかにも「継続雇用定着推進助成金」「中小企業定年引上げ奨励金」といった制度もありますが、この助成金ではこうした取り組みをさらに1歩推し進めてさらに高齢者雇用を促す狙いがあります。

65歳超雇用推進助成金の受給条件

中小企業を中心に人手不足が大きな問題になっている現在、高齢者雇用に関心を持っている企業は少なくありません。ただどうしてもコストの問題がネックになるケースが多く、雇用に踏み切れない傾向が見られます。

この助成金はそうした経済的な問題点を解消するために用意されたものですから、うまく活用することでコストと人手不足の問題の両方を解消することも可能です。

となるとぜひとも利用したいと考える経営者の方も多いはず。ただ公的な助成金ですから、受給のためにはあらかじめ設けられた条件をクリアする必要があります。

ポイントは単に高齢者を雇用するだけでなく、高齢者を積極的に雇用するような環境を用意する必要があることです。

具体的な条件は「定年を65歳以上に引き上げる」「定年の定めを廃止する」「希望者全員を66歳以上の年齢でも雇用する継続雇用制度の導入」のうちいずれかを導入することです。

つまり助成金目的に高齢者を特別に雇用するのではなく、継続的に65歳超の高齢者を雇用する環境であることを証明する必要があるわけです。

ほかにも注意しておくべきポイントがあります。こうした条件を満たすためには就業規則を変更したうえで規定を盛り込む必要が出てきますが、その改訂作業の際に社労士などの専門家に依頼するなど費用をかけていることがまずひとつ。

それからこの助成金を申請するまでに65歳以上の雇用保険被保険者が1人以上、1年以上継続して雇用されていることです。

ですからこの助成金を申請する際にはあらかじめ手続きの準備だけでなく、会社の就業環境そのものを適切な環境に整えておく必要があるわけです。

65歳超雇用推進助成金の受給額

このように手間がかかる以上、条件をクリアすることでどれだけの金額を受給できるのかが気になるものです。具体的な金額は申請した当時の高齢者雇用の環境によって異なります。

まず66歳以上に定年が引き上げる、または定年を廃止した場合には最大で120万円の助成を受けることができます。また65歳超になっても継続雇用を希望した従業員全員を69歳まで継続して雇用した場合には最大で60万円が支給されます。

さらに継続雇用の希望者全員を70歳以上になっても継続して雇用する場合には最大で80万円が支給されます。なお、これらの条件が重複して当てはまる場合には金額が多い方が適用されることになっています。

ですから、この助成金を目的に就業規則を改定する場合には、どの条件を満たすかをよく検討したうえで決定することが重要になってきます。

この点はどれだけ高齢者を積極的に雇用する気があるのか、職場に高齢者が活躍する余地がどれだけあるのかなどをよく考慮したうえんで判断する必要があるでしょう。

65歳超雇用推進助成金の申請方法

助成金に関してはハローワークで案内してもらうことができるので、まず情報収集のために訪れてみるとよいでしょう。問題なのは申請よりも審査、この助成金の審査は独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構という組織によって行われているのですが、他の雇用関連の助成金に比べて審査が厳しいとされています。

きちんと条件をクリアしているのはもちろん、種類の作成など手続きに関しても不備がないようしっかり準備したうえで審査に臨むことが求められるでしょう。

65歳超雇用推進助成金のメリット・デメリット

メリットはなんといっても助成金を受け取ることができる点です。とくに継続雇用の場合、すでに会社で長年働き続けて適正や能力を把握している人材を65歳超になっても継続して雇用し続けることで助成金を受け取ることができます。

つまりある程度「使える人材」であることを前提に、継続雇用しつつ助成金を受け取ることができるわけです。高齢者雇用の経済的なリスクを軽減しつつ人材を有効に活用できる。人手不足の解消手段として非常に優れた選択肢といえるでしょう。

ではデメリットはどうか?先ほども触れたように就業規定を改定する際に専門家に依頼するなど費用(経費)をかけている必要がある点がまず挙げられます。つまり必ずしも「タダでもらえる」助成金ではないわけです。

また先ほど審査が厳しいと書きましたが、そうなると申請の手続きの際にも士業の力を借りなければならないシチュエーションが出てきます。

この助成金の手続きを扱っている社労士事務所では助成金の受給が決定した後に成功報酬の形で報酬を支払うシステムをとっているところもあるのでそれほど負担が大きいわけではありませんが、少なからぬ費用がかかるため、支給された助成金をまるまる高齢者雇用の対策に活用できるわけではないことは覚えておく必要がありそうです。

そして見逃せないデメリットは「高齢者の従業員を有効に活用できるか」です。経験という点では大きなメリットを持っている高齢者ですが、体力や柔軟性、適応力といった点ではやはりどうしてもマイナス材料を抱えてしまいます。業種によっては時代の移り変わりに柔軟に適応することが求められますから、高齢者ではなかなか難しい面も出てきます。

また高齢者をどう活かすか、人事の面でも難しい面が出てくるでしょう。継続雇用の際に肩書きや権限はどうするのか?60代後半、70代の従業員が企業の上層に多く在籍している環境だと新陳代謝がうまくいかなくなってしまうといった問題も出てきます。

かといってあまり地位や肩書きを低くしてしまうと高齢者からの不満を招くことになりかねませんし、「年下の上司」との付き合いがうまくできるかどうかといった職場の人間関係の問題も出てくるでしょう。

こうしたデメリットを防ぐための環境を築くための経費に助成金がほとんどなくなってしまうというケースも出てきますし、高齢者が働きやすい環境を整えたことで企業の生産性が挙がるのか?人員を増やすだけでなく本当の意味で人手不足の解消になるのか?こうした難しい面もよく考えたうえで判断し、有効に活用していくことが求められるのです。

まとめ

このように高齢者の雇用を検討している企業にとってはメリットの多い助成金ですが、支給された助成金を有効に活用するためにはまず高齢者を有効に活用できる環境づくりが求められます。この点はこの助成金を活用するうえでなかなか難しい部分でしょう。

業種によって高齢者の知識やスキルが役立つところとそうでないところがありますし、バリアフリー対策などが必要になってくるかどうかも違ってきます。あくまで自分の業種・職場で、この助成金のために就業規則を変更する価値がどれだけあるのかもよく検討しておきたいところです。

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