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人材の新規雇用でもらえる助成金とは?受給の条件・手続きの流れも解説!

最終更新日:2022年12月02日
Reメンバー労務オフィス
監修者
社会保険労務士 遠藤良介
人材の新規雇用でもらえる助成金とは?受給の条件・手続きの流れも解説!
この記事で解決できるお悩み
  • 雇用関係助成金の種類が知りたい
  • 支給対象となる条件が知りたい
  • 自身がどのタイプの雇用関係助成金が受け取れるのか知りたい

助成金にはさまざまな種類があり、代表例の一つとして挙げられるのが雇用の維持・促進を目的として支給される雇用関係助成金です。しかし、支給される目的は雇用の維持や促進のほかに「労働環境整備」「人材育成」など幅広く、それに応じて雇用関係助成金の種類も多岐に渡ります。

そのため、自身がどのタイプの雇用関係助成金が受け取れるのかということはあらかじめしっかりと確認しておく必要があるのです。当記事では雇用関係助成金の種類や支給対象となる条件などを詳しく解説します。

雇用関係助成金とは

雇用関係助成金とは、従業員の新規雇用・雇用維持、雇用環境の整備、人材開発、従業員の仕事・家庭の両立支援など、従業員の雇用に関係する事業者の活動を支援するための助成金です。

雇用関係助成金の返済は不要

雇用関係助成金に限ったことではありませんが、受給した助成金は返済する必要がありません。小規模事業者や中小企業にとって、これは助成金を活用するうえでもっとも大きなメリットであり、受給した助成金は「雑収入」として会計処理できるため、使途に関しての制限もありません。

助成金プログラムは頻繁に改訂される

ただし、新規雇用・雇用維持をはじめとした助成金には多種多様なプログラムが存在する一方、常に同じプログラムが実施されているとは限らないことに注意が必要でしょう。

厚生労働省をはじめ、国や地方自治体が主体となることの多い助成金プログラムは、そのときどきの社会情勢に応じて内容が変更される、廃止されるなど、頻繁に改訂されるからです。

適切な雇用関係助成金を受給するためは常に最新情報を収集することが肝心

2008年のリーマンショックを契機に、失業防止を目的とする「雇用調整助成金」プログラムが開始されましたが、状況に応じて支給要件は度々変更されました。適切な雇用関係助成金を受給するためには、常に最新情報を収集することが肝心。専門家をうまく活用するのもひとつの方法です。

雇用関係助成金の受給条件

雇用関係助成金は、小規模事業者・中小企業の新規雇用・雇用維持などを支援するプログラムではありますが、申請さえすれば受給できるというものではありません。

個々の助成金プログラムによっても受給条件は異なりますが、以下から、大前提として満たさなければならない受給条件を簡単に紹介していきます。

参照元:厚生労働省「各雇用関係助成金に共通の要件等」

雇用保険適用事業所の事業主であること

ひとつめの受給条件は「雇用保険適用事業所の事業主であること」。これは雇用関係助成金が、企業が支払っている雇用保険の一部を財源としているためです。従業員を新規雇用した場合は、速やかに雇用保険の被保険者資格取得の届出をハローワークに提出しましょう。

労働基準法など労働関係法令の違反がないこと

2つめの受給条件は「労働基準法など労働関係法令の違反がないこと」。労働関係法令の例としては以下があげられます。

  • 労働基準法
  • 労働契約法
  • 労働安全衛生法
  • 最低賃金法
  • 労働者派遣法
  • 健康保険法
  • 厚生年金保険法など

受給審査に協力すること

3つめの受給条件は「受給審査に協力すること」。当然のことではありますが、審査を受けずに雇用関係助成金は受給できません。

審査内容としては「管轄労働局からの実地調査」や「支給・不支給の決定に必要な書類(就業規則・出席簿など)の確認」などが挙げられます。管轄労働局から調査や書類の提出を求められた際は、適切に対応・協力しなければなりません。

受給審査に必要な書類(就業規則や出勤簿など)を作成・整備・保管していること

4つめの受給条件は「支給のための審査に必要な書類(就業規則や出勤簿など)を作成・整備・保管していること」。タイムカードや勤怠管理サービスなどで労働時間を日々記録するようにしましょう。

申請期間内に申請すること

5つめの受給条件は「申請期間内に申請すること」。当然のことですが、期限切れの申請を受け付けてもらえません。申請書に不備がある場合も考慮し、余裕をもって申請することが肝心です。

助成金は企業規模によって受給金額が異なる

雇用関係助成金に限らず、助成金は企業規模に応じて受給できる金額が異なる場合がほとんど。これは、助成金の主な目的が「雇用の安定を促進する」ことにあり、新規雇用の難しい小規模事業者や中小企業をより手厚く支援する意味合いがあるからです。そのため、中小企業の定義を把握しておくことが重要となります。

産業分野 資本金または出資額 従事雇用する労働者数
小売業・飲食店 5000万円以下 50名以下
サービス業 5000万円以下 100名以下
卸売業 1億円以下 100名以下
その他業種 3億円以下 300名以下

多種多様なプログラムが存在する雇用関係助成金では、個々の助成金プログラムに応じて中小企業の定義が変更されることも。目的に応じた助成金プログラムをしっかり見極め、条件や内容を確認しておくことが肝心です。以下からは、小規模事業者・中小企業におすすめの雇用関係助成金を紹介していきましょう。

活用したい雇用関係助成金:1. 人材開発支援助成金

人材開発支援助成金は、職業訓練や人材育成制度を導入する際に活用できる雇用関係助成金です。

支給要件

人材開発支援助成金には以下の8つのコースが用意されており、自社の目的・ニーズに応じて選択する必要があります。なお、令和4年10月1日に制度の見直しがされており、より利用しやすい助成金になっています。

  • 特定訓練コース
  • 一般訓練コース
  • 特別育成訓練コース
  • 教育特別訓練休暇付与コース
  • 建設労働者認定訓練コース
  • 建設労働者技能実習コース
  • 障害者職業能力開発コース
  • 人への投資促進コース

多くの企業から利用される「特定訓練コース」「一般訓練コース」「特別育成訓練コース」に加え、令和4年4月から新設された「人への投資促進コース」の4つを紹介します。

特定訓練コース

若年層への訓練を目的としたコースとなり、企業の利益に直結する特定業務の訓練実施が求められます。

  • 職場で実務訓練をする「OJT」
  • 職場で実務訓練をしない「OFF-JT」

の2つに分かれ、それぞれで受給できる金額が異なります。

  賃金助成(1人1時間あたり) 経費助成 OJT実施助成(1人1コースあたり)
OJT なし なし 20万円(11万円)
OFF-JT 760円(380円) 45%(30%) なし

※カッコ内は中小企業以外への支給額

一般訓練コース

職務に関連した知識や技能を習得させることを目的としたコース。特定訓練コースよりも幅広い業務訓練の実施が求められることが特徴。受給できる金額は以下の通りです。

  賃金助成(1人1時間あたり) 経費助成
一般訓練コース 380円 30%

特別育成訓練コース

非正規雇用者向けに実施されるコース。特定訓練コースと同様、OJTとOFF-JTの2種類があり、それぞれで受給できる金額は異なります。

  賃金助成(1人1時間あたり) 経費助成 実施助成(1人1コースあたり)
OJT なし なし 10万円(9万円)
OFF-JT 760円(475円) 正社員化した場合 70%
非正規雇用を維持した場合 60%
なし

経費助成も、以下のように訓練時間に応じて支給額が異なります。

訓練時間 受給金額
20時間以上100時間未満 15万円(10万円)
100〜200時間未満 30万円(20万円)
200時間以上 50万円(30万円)

参照元:厚生労働省「人材開発支援助成金」

令和4年8月から10月にかけて、支給申請時の添付書類の簡素化などが実施されています。

人への投資促進コース(令和4年4月1日新設)

「人への投資」を加速化させるため、国民からの意見を参考にして創設された訓練コースです。

  • 高度デジタル人材訓練/成長分野等人材訓練
  • 情報技術分野認定学習併用職業訓練(IT分野未経験者の即戦力化のための訓練です)
  • 長期教育訓練休暇等制度
  • 自発的職業能力開発訓練
  • 定額制訓練

上記5コースに対して助成がされます。

厚生労働省「人への投資促進コース リーフレット(簡易版)」

活用したい雇用関係助成金:2. 人材確保等支援助成金

人材確保等支援助成金は、労働者が適切な環境で働ける取り組みを実施した事業者が受給できる、人材確保促進を目的とした助成金です。

支給要件

人材確保等支援助成金の各コースそれぞれで、目標離職率などの達成が求められます。

介護福祉機器助成コース

労働者の身体的負担を軽減するため新たな介護福祉機器の導入等を通じて従業員の離職率の低下に取り組む介護事業主に対して助成します。

  • 助成金額

    目標達成助成:離職率低下(雇用保険被保険者の規模に応じて、3%〜15%)
            導入費用の20%を助成(上限150万円)

  • 助成対象機器

    ・移動・昇降用リフト(立位補助器、非装着型移乗介助機器を含む。)
    ・装着型移乗介助機器
    ・体位変換支援機器

テレワークコース

良質なテレワークを制度として導入し実施することにより、労働者の人材確保や雇用管理改善等の観点から効果をあげた中小企業事業主に対して助成します。

  • 助成金額

    機器等導入助成:1企業あたり、支給対象となる経費の30%
    目標達成助成:企業あたり、支給対象となる経費の20% 

  • 主な要件

    機器等導入助成
    ・評価期間において、1回以上、テレワーク実施対象労働者全員がテレワークを実施 等 
    目標達成助成
    ・評価時離職率が、計画時離職率以下であること 等

活用したい雇用関係助成金:3. 特定求職者雇用開発助成金

特定求職者雇用開発助成金は、特定の対象者を雇用した際に助成金を受給できるプログラムです。

支給要件

母子家庭の母親、高年齢者、身体・知的障害者をハローワークなどを通じて雇用し、2年以上雇用した際に受給できます。それぞれで受給できる金額は以下の通りです。

母子家庭の母親を雇用した場合

  週の労働時間が20時間〜30時間 週の労働時間が30時間以上
支給額 40万円(30万円) 60万円(50万円)

※カッコ内は中小企業以外への支給

高年齢者を雇用した場合

  週の労働時間が20時間〜30時間 週の労働時間が30時間以上
支給額
※60歳以上65歳未満
40万円(30万円) 60万円(50万円)
65歳以上:生涯現役コース 50万円(40万円) 70万円(60万円)

身体・知的障害者を雇用した場合

  週の労働時間が20時間〜30時間 週の労働時間が30時間以上
支給額 80万円(30万円) 120万円(50万円)

参照元:厚生労働省「特定求職者雇用開発助成金」

活用したい雇用関係助成金:4. キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金は、非正規雇用労働者が安定的に雇用されるよう、取り組む事業者が受給できる助成金です。

支給要件

キャリアアップ助成金には以下の7つのコースが用意されており、自社の目的・ニーズに応じて選択する必要があります。

  • 正社員化コース
  • 障害者正社員コース
  • 賃金規定等改定コース
  • 賃金規定等共通化コース
  • 賞与・退職金制度導入コース
  • 選択的適用拡大導入時処遇改善コース
  • 短時間労働者労働時間延長コース

多くの企業から利用される「正社員化コース」、新設された「賞与・退職金制度導入コース」の2つを紹介します。

正社員化コース

非正規労働者を正規雇用労働者に転換する、もしくは直接雇用するコースです。正社員として新規雇用した労働者1人あたりに、以下の金額を受給できます。

  支給額
有期雇用労働者→正規雇用労働者 57万円(42万7500円)
無期雇用労働者→正規雇用労働者 28万5000円(21万3750円)

また、正規雇用労働者は「賞与または退職金の制度かつ昇給がある」こと、非正規雇用労働者は「正社員と異なる雇用区分の就業規則等が適用されている」こと、とそれぞれ定義されました。

賞与・退職金制度導入コース

有期雇用労働者等を対象に賞与・退職金制度を導入し、支給または積立てを実施した場合に助成する制度です。

  • 支給額

    1事業所当たり38万円(28万5,000円) ※カッコ内は中小企業以外の額

また、事業主側の要件として、

  • 賞与については、6か月分相当として50,000円以上支給した事業主
  • 退職金については、1か月分相当として3,000円以上を6か月分または6か月分相当として18,000円以上積立てした事業主であること

上記の一方または両方に該当するなど、があげられます。

参照元:厚生労働省「キャリアアップ助成金」

雇用関係助成金の申請手順

雇用関係助成金は多種多様であるため、それぞれのプログラムごとに申請手順を確認する必要がありますが、おおまかには以下の手順を踏むことになるでしょう。

  • 計画を立てて申請する
  • 計画に沿って施策を実施する
  • 助成金を申請する

たとえば「働き方改革推進支援助成金」を利用するのであれば、まず従業員へのヒアリングや人事部の意見を取り入れるなどして、働き方改革の計画を作成します。

作成した計画をハローワークに申請し、取り組みを実施します。取り組み後に助成金の申請を行い、審査を通過すれば助成金が支給されるという流れです。

雇用関係助成金はあらかじめ支給されるものではなく、取り組みを行った後に支給されるものであるということをしっかりと理解しておいてください。

まとめ

本記事では、中小企業オーナーの方が活用したい、雇用関係助成金の種類や受給条件などを解説するとともに、おすすめの助成金プログラム、手続き・申請のおおまかな流れを紹介してきました。返済が不要な助成金は、潤沢な資金調達が難しい中小企業にとって、是非とも利用したい制度。特にビジネスの成長に欠かせない優秀な人材の確保には、雇用関係助成金は非常に魅力的です。

ただし、助成金は常に同じプログラムが実施されているわけではないことも事実。自社の目的・ゴールを明確にし、適した助成金プログラムを利用するため、常に最新情報を収集する必要があります。そんなときに頼りになるのが社労士。計画のサポートをしてくれるだけでなく、受給に向けた最適な申請サポートもしてくれるでしょう。

そんなとき「比較ビズ」なら、必要事項を入力する2分程度の手間で、助成金獲得に強い社労士をスピーディーに探せます。どの専門家に相談すべきなのか?迷うようなことがあれば、是非利用してみてください。

監修者の一言

「構造的な賃上げ」「リスキリング(学び直し)」「労働移動の円滑化」を3本柱とした「人への投資」について、国では盛んに検討されています。

また、令和4年10月28日に策定された雇用・労働総合政策パッケージの中でも ・人材開発支援助成金のコース新設や助成率の引き上げ ・キャリアアップ助成金(正社員化コース、賃金規程等改定コース)の拡充、 その他、労働移動関連の助成金などの新設・拡充が盛り込まれています。

「人材が欲しい(例:キャリアアップ助成金)」「人材を育成したい(例:人材開発支援助成金)」「労働条件を改善したい(例:人材確保等支援助成金)」など、経営者の皆様のニーズに合わせた雇用関係助成金の利用を是非お勧めいたします。”雇用関係助成金の専門家”社会保険労務士にご相談ください。

Reメンバー労務オフィス
社会保険労務士 遠藤良介
監修者

東京都出身。ビール会社の営業、地方公務員、飲食チェーン店店長等を経て、社会保険労務士事務所に入所。在籍中に社会保険労務士資格を取得し、様々な業種の顧問先の労務担当として従事。現在は、ハローワークのアドバイザーとしてシニア世代の職業相談等に携わりながら、愛知県一宮市にReメンバー労務オフィスを開業。「会社と従業員を、笑顔に」をモットーに日々奮闘中。

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