「ここでいい」を「ここがいい」へ。発注先探しなら比較ビズで

トライアル雇用制度とは?助成金・制度の仕組み・注意すべきポイントを解説!

公開日:2019年07月26日 最終更新日:2022年05月23日
トライアル雇用制度とは?助成金・制度の仕組み・注意すべきポイントを解説!
この記事で解決できるお悩み
  • トライアル雇用制度とは?助成金を受給できる制度?
  • トライアル雇用制度を利用するには?申請要件は?
  • トライアル雇用のメリットは?注意すべきデメリットはある?

トライアル雇用制度を利用すれば、従業員を雇用できるだけでなく助成金も受給できます。対象となる中小企業の経営者にとってはメリットしかないように思える一方、求職者のなかにはトライアル雇用制度の利用を不安視する声も少なくありません。

こうした懸念を払拭し、両者がメリットを享受するには、利用する企業経営者がトライアル雇用制度の意義・仕組みをきちんと理解しておくことが重要です。

そこで本記事では、助成金の受給要件や金額、制度の意義・仕組み・申請手順・必要書類など、知っておきたいトライアル雇用制度の基礎知識を徹底解説!トライアル雇用制度を利用する際に注意すべきポイントも紹介していきます。

トライアル雇用制度とは

トライアル雇用とは、職業経験の不足で就労が困難、就労に特別の配慮が必要などの事情を抱えた求職者を支援することを目的に、厚生労働省主導で創設された助成金制度です。

具体的には「ハローワーク」「雇用関係助成金を取り扱う職業紹介事業者」などから紹介された求職者を「原則3か月間トライアル雇用」した企業に、要件に応じた助成金が支給されます。企業側は、トライアル雇用期間中に求職者の適性を見極め、継続雇用するか否かを決定可能。トライアル雇用中の求職者は労働法のもとで保護され、給与も支払われます。

トライアル雇用制度の対象となる「就労が困難な求職者」とは、以下のいずれかに該当する方のこと。紹介日とは、ハローワークなどがトライアル雇用制度を希望する企業に、求職者を紹介する日のことです。

トライアル雇用制度の対象となる求職者の要件 概要
紹介日前日から過去2年以内に、2回以上転職・離職している方
紹介日前日時点で、離職している期間が1年以上の方 パート・アルバイト含め一切の就労をしていないこと
妊娠・出産・育児を理由に離職し、紹介日前日時点で安定した職業に就いていない方 安定した職業・・・「期間の定めのない契約」「通常労働者と就労時間が同等」
ハローワークなどの担当者制による個別支援を受けてい55歳未満の方
就労に特別な配慮を要する方 生活保護受給者、母子家庭の母、父子家庭の父、日雇労働者、季節労働者、永住帰国者、ホームレス、住居喪失不安定就労者、生活困窮者

トライアル雇用制度を利用して求職者を試行雇用した企業は、トライアル期間終了後、2か月以内に申請することで助成金を受給可能。トライアル雇用のみで、求職者と継続契約しなくても助成金は支給され、返済する義務もありません。これは、助成金が要件を満たしていれば支給される返済義務のない給付金だからです。

トライアル雇用制度を利用するメリット

トライアル雇用制度の概要が把握できたところで、制度を利用することによってどのようなメリットが得られるのか?雇用する側の企業、雇用される側の求職者、それぞれの立場で紹介しておきましょう。

企業のメリット トライアル雇用期間で求職者の適性を見極め、継続雇用するか否かを判断できる トライアル雇用中の求職者給与を助成金で補填できる ハローワークなどへ申し込むため採用コストがかからない
求職者のメリット 就労、継続雇用のチャンスをつかめる これまでに経験のない職種でもチャレンジできる 未経験の職場に就労することで、新たなスキル・知識を得られる

特に企業側にとっては、従業員を採用する際に課題になりがちな「求職者とのミスマッチ」「給与」「採用コスト」を一定上解決できるため、トライアル雇用制度はメリットが大きいと感じられるかもしれません。

トライアル雇用制度を利用するデメリット

ただし、冒頭でも触れたように、トライアル雇用制度はメリットばかりだとはいえない一面もあります。雇用する側の企業、雇用される側の求職者が注意すべき、トライアル雇用制度のデメリットは以下の通り。

企業のデメリット 制度を利用するための手続きが煩雑 求職者の教育・指導で現場の負担が増える 求職者から敬遠される場合がある
求職者のデメリット トライアル後の継続雇用は保障されない 継続雇用されない場合は、短期の職歴として残る 制度の利用に不安がある

特に「求職者から敬遠される」「制度の利用が不安」というデメリットは、助成金目当てでトライアル雇用制度を利用する企業が少なからず存在するため。具体的には、最初から継続雇用は考えずに、助成金の受給のみを目当てにトライアル雇用制度を利用する企業があるということです。

結局は「適性が合わなかった」といわれてしまえばそれまで。継続雇用が法的に義務付けられているわけでもなく、助成金の支給が停止されるわけでもありません。トライアル雇用制度はメリットばかりではないということを理解し、利用するか否かを慎重に判断していく必要があるでしょう。

トライアル雇用制度の要件・仕組み:一般コース

ここまでで、メリット・デメリットを含む、トライアル雇用制度の大まかな概要が理解できたはずです。しかし、大きく「一般コース」「障害者コース」に分類できるトライアル雇用制度は、さらにいくつかのコースが存在し、それぞれのコースによって要件・仕組み・助成金の受給要件・金額も微妙に異なります。

以下から、トライアル雇用制度それぞれのコースの要件・仕組みなどをできる限り分かりやすく解説していきましょう。まずは「一般コース」ですが、おおまかな仕組みは以下の図の通り。

出典厚生労働省「トライアル雇用助成金リーフレット(事業主向け)」

では、「一般コース」に分類されるコースを、ここでは以下の通り3つからそれぞれ解説していきましょう。

  • 一般トライアルコース
  • 新型コロナウイルス感染症対応トライアルコース
  • 新型コロナウイルス感染症対応短時間トライアルコース

一般トライアルコース

「一般トライアルコース」の対象となる求職者は、トライアル雇用制度の対象となる「就労が困難な求職者」であること、ハローワークなどに求職申し込みをしていること、なおかつ以下の2つの要件を満たしている方です。

  • 1週間の所定労働時間30時間以上の無期雇用を希望している方
  • 紹介日の時点で「安定した職業に就く」「自営業者・役員で週30時間働いている」「学校に在籍している」「トライアル雇用期間中の労働者」に該当しない方であること

また、一般トライアルコースのトライアル雇用制度を利用できる、雇用する側の企業に求められる要件は以下の5つの通りです。

  • ハローワークなどの紹介で雇い入れること
  • 原則3か月間トライアル雇用すること
  • 求職者の1週間の所定労働時間が30時間を下回らないこと
  • 雇用保険適用事業所の事業主であること
  • 一定期間従業員を解雇したことのない事業主であること

新型コロナウイルス感染症対応トライアルコース

「新型コロナウイルス感染症対応トライアルコース」の対象となる求職者は、ハローワークなどに求職申し込みをしていること、なおかつ以下の2つの要件を満たしている方です。

  • 1週間の所定労働時間30時間以上の無期雇用を希望している方
  • 紹介日の時点で「離職している」「就労経験のない職業を希望している」に該当する方であること

また、新型コロナウイルス感染症対応トライアルコースのトライアル雇用制度を利用できる、雇用する側の企業に求められる要件は一般トライアルコースと同様です。

新型コロナウイルス感染症対応短時間トライアルコース

「新型コロナウイルス感染症対応短時間トライアルコース」の対象となる求職者は、ハローワークなどに求職申し込みをしていること、なおかつ以下の要件の2つを満たしている方です。

  • 1週間の所定労働時間20時間以上30時間未満の無期雇用を希望している方
  • 紹介日の時点で「離職している」「就労経験のない職業を希望している」に該当する方であること

また、新型コロナウイルス感染症対応短時間トライアルコースのトライアル雇用制度を利用できる、雇用する側の企業に求められる要件は以下の5つの通りです。

  • ハローワークなどの紹介で雇い入れること
  • 原則3か月間トライアル雇用すること
  • 求職者の1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満であること
  • 雇用保険適用事業所の事業主であること
  • 一定期間従業員を解雇したことのない事業主であること

助成金の受給要件・金額

それぞれの一般コースの助成金の金額については以下の通り。

  • 「一般トライアルコース」・・・原則として月額40,000円(最大トライアル雇用期間3か月分)
  • 「新型コロナウイルス感染症対応トライアルコース」・・・上記と同じ
  • 「新型コロナウイルス感染症対応短時間トライアルコース」・・・月額25,000円

ただし、一般トライアルコースの対象者が母子家庭の母、父子家庭の父である場合、新型コロナウイルス感染症対応コースを利用する企業が雇用調整助成金を受給していない場合、それぞれの助成金の額が増額されます。

また、雇用期間が1か月に満たない月がある場合、「就労した日数 ÷ 就労予定日数 = A」とし、Aのパーセンテージに応じた助成金が支給される仕組みです。表にしてみましょう。

Aのパーセンテージ 一般・新型コロナウイルス感染症対応の月額 母子家庭の母、父子家庭の父、雇用調整助成金未受給の月額 新型コロナウイルス感染症対応短時間の月額 新型コロナウイルス感染症対応短時間の月額(雇用調整助成金未受給)
75%以上 40,000円 50,000円 25,000円 31,200円
50%以上75%未満 30,000円 37,500円 18,700円 23,400円
25%以上50%未満 20,000円 25,000円 12,500円 15,600円
0%越25%未満 10,000円/td> 12,500円 6,200円 7,800円
0% 0円 0円 0円 0円

トライアル雇用制度の要件・仕組み:障害者コース

トライアル雇用制度には、障害者向けの「障害者コース」も用意されています。一般コースとは対象者、およびトライアル期間の例外など、要件で異なる点がありますが、仕組みとしては一般コースと同様です。

出典:厚生労働省「障害者トライアル雇用助成金のご案内(事業主向け)」

では、「障害者コース」に分類されるコースを、ここでは以下の通り2つからそれぞれ解説していきましょう。

  • 障害者トライアルコース
  • 障害者短時間トライアルコース

障害者トライアルコース

「障害者トライアルコース」の対象は、継続雇用を希望しハローワークなどに求職申し込みをしていて、以下のいずれかに該当する「障害者雇用促進法に規定する障害者」の方です。

  • 紹介日の時点で「就労経験のない職業を希望している」方
  • 紹介日前2年以内に、離職・転職が2回以上ある方
  • 紹介日前に離職期間が6か月を超えている方
  • 重度身体障害者、重度知的障害者、精神障害者

障害者トライアルコースのトライアル雇用制度を利用できる、雇用する側の企業に求められる要件は一般コースと同様。また、精神障害者のトライアル雇用の場合は最大12か月まで、テレワークによるトライアル雇用の場合は最大6か月までトライアル期間を延長可能。延長された月の分だけ助成金も支給されます。

障害者短時間トライアルコース

「障害者短時間トライアルコース」の対象となるのは、原則として障害者トライアルコースと同様ですが、週の所定労働時間を10時間から20時間未満とし、期間中に20時間以上を目指すという点が異なります。

助成金の受給要件・金額

「障害者トライアルコース」「障害者短時間トライアルコース」では、原則として月額40,000円(最大トライアル雇用期間3か月分)が事業主に支給されます。ただし、対象者が精神障害者である場合は、助成金が月額80,000円に増額されます。精神障害者の場合は最大12か月、テレワーク活用の場合は最大6か月までトライアル期間を延長可能なのは上述した通り。

また、雇用期間が1か月に満たない月がある場合、「就労した日数 ÷ 就労予定日数 = A」とし、Aのパーセンテージに応じた助成金が支給されるのは、一般コースと同様です。表にしてみましょう。

Aのパーセンテージ 障害者トライアルコースの月額 精神障害者を雇い入れた場合の月額 障害者短時間トライアルコースの月額
75%以上 40,000円 80,000円 40,000円
50%以上75%未満 30,000円 60,000円 30,000円
25%以上50%未満 20,000円 40,000円 20,000円
0%越25%未満 10,000円/td> 20,000円 10,000円/td>
0% 0円 0円 0円

トライアル雇用助成金の申請手順

それでは、トライアル雇用制度の要件・仕組み・助成金の計算方法が把握できたところで、実際の申請手順を必要な書類とともに簡単に解説していきましょう。具体的な流れは、以下の図の通りです。

出典:厚生労働省「トライアル雇用助成金リーフレット(事業主向け)」

申請手順には、下記の通り主に5つの工程があります。それぞれ解説しましょう。

  1. 求人の応募・面接
  2. 面接・トライアル雇用開始
  3. トライアル雇用実施計画書の提出(雇用日から2週間以内)
  4. トライアル雇用期間の終了
  5. 助成金支給申請(トライアル雇用終了日から2か月以内)

ゝ畤佑留募・面接

トライアル雇用制度を利用する最初のステップは、ハローワークなどの職業紹介事業者へ「求人を応募する」こと。ハローワークであればオンラインの「求人者マイページ」から「求人区分」>「トライアル雇用併用の希望」>「希望する」にチェックを入れるだけです。

出典:厚生労働省「トライアル雇用」

面接・トライアル雇用開始

ハローワークから紹介を受けた求職者と面接し、選考を経てトライアル雇用開始です。この際、書類選考などは実施されません。

トライアル雇用実施計画書の提出(雇用日から2週間以内)

トライアル雇用開始から2週間以内に「トライアル雇用実施計画書」をハローワークに提出します。提出が必要な書類は以下の3点。

共通様式第1号 トライアル雇用等実施計画書
実施様式第1号 トライアル雇用対象となる求職者の確認票
実施様式第2号 助成金支給対象の事業主要件票

ダウンロードページ:厚生労働省「トライアル雇用助成金」の申請様式ダウンロード

どの書類も記入が難しいわけではありません。以下に、トライアル雇用等実施計画書である、共通様式第1号のサンプルを紹介しておきます。

出典:厚生労働省「トライアル雇用助成金 共通様式第1号記載例」

トライアル雇用期間の終了

トライアル雇用期間終了後、試行雇用の求職者を継続雇用するか否かを決定します。もちろん、トライアル期間中に終了後の継続雇用を決めてしまっても構いません。

助成金支給申請(トライアル雇用終了日から2か月以内)

求職者を継続雇用するか否かにかかわらず、トライアル雇用終了日から2か月以内に助成金支給申請を済ませます。提出が必要な書類は以下の2点。

共通様式第1号 支給要件確認申立書
共通様式第2号 結果報告書兼、助成金支給申請書

ダウンロードページ:厚生労働省「トライアル雇用助成金」の申請様式ダウンロード

こちらの書類も特に記入が難しいわけではありません。以下に、結果報告書兼、助成金支給申請書である、共通様式第2号のサンプルを紹介しておきます。

出典:厚生労働省「トライアル雇用助成金 共通様式第2号記載例」

トライアル雇用制度利用で注意すべきポイント

最後に、トライアル雇用制度の利用を有意義なものにするため、注意しておくべきポイントを以下の2つから紹介しておきましょう。

  • 助成金目当ての利用は本末転倒
  • 助成金制度は頻繁に改正・廃止・創設される

助成金目当ての利用は本末転倒

もっとも重要なのは、自社の求人ニーズが、トライアル雇用制度の意義・メリットに合致しているかを確認することです。利用する側の企業にとってのトライアル雇用制度は「長く働く意志を持つ」「埋もれた優秀な人材を」「採用コストをかけずに」採用できるまたとないチャンス。助成金目当てにトライアル雇用制度を利用するのでは本末転倒です。

雇用関係助成金は、あくまでも「労働者の雇用機会を創出」が目的であり、既存従業員を育成したい、レベルを底上げしたいために助成金を獲得したいなら、トライアル雇用助成金以外の制度を検討すべきです。

助成金制度は頻繁に改正・廃止・創設される

本記事で解説したトライアル雇用制度の内容は、2022年5月時点での情報です。比較ビズでは、できる限り最新情報をお届けするよう努力していますが、助成金・補助金制度は頻繁に改正・廃止・創設されることを覚えておく必要があります。

複雑になりがちな助成金・補助金制度の最新情報は、プログラムを主導する機関のホームページでも確認できますが、不安なようなら専門家に相談してみるのもひとつの方法です。

まとめ

トライアル雇用助成金制度の本質とはなにか?知りたい方に向け、本記事では、助成金の受給要件や金額、制度の意義・仕組み・申請手順・必要書類など、知っておきたいトライアル雇用制度の基礎知識を解説するとともに、トライアル雇用制度を利用する際に注意すべきポイントも紹介してきました。

助成金目当ての心無い一部企業の影響もあり、求職者の間でトライアル雇用制度に対する不安感が生じているのが現実です。こうした懸念を払拭し、両者がWin-Winの関係になるためにも、本質を理解したトライアル雇用制度の有効活用が重要。自社ニーズに合致しているのか?専門家に相談してみるのもおすすめです。

そんなとき「比較ビズ」なら、必要事項を入力する2分程度の手間で、助成金・補助金の獲得に強い専門家をスピーディーに探せます。どの専門家に相談すべきなのか?迷うようなことがあれば、是非利用してみてください。

助成金申請代行を一括見積もりで発注先を楽に探す
助成金申請代行を一括見積もりで発注先を楽に探す
比較ビズへ掲載しませんか?

一括見積もりで発注先を探す