ピザ屋開業に必要なものは?資格や費用・事前の準備・成功の秘訣を紹介

最終更新日:2023年12月21日
ピザ屋開業に必要なものは?資格や費用・事前の準備・成功の秘訣を紹介
この記事で解決できるお悩み
  • ピザ屋開業に必要な資格や届出は?
  • ピザ屋開業にかかる費用は?
  • ピザ屋開業における成功の秘訣は?

「ピザ屋を開業する際、必要なものは?」とお悩みのピザ屋を開業したい方、必見です。ピザ屋を開業するためには、食品衛生責任者の資格や営業許可申請・開業費用などが必要です。

この記事では、ピザ屋開業に必要なものを資格・届け出・費用・事前の準備のそれぞれの項目で解説し、ピザ屋開業における成功の秘訣を紹介します。記事を読み終わった頃には、必要な費用や設備がわかり、スムーズに開業準備をすすめられるでしょう。

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開業前に押さえたいピザ業界の知識

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日本人の食文化の変化や宅配業界の拡大により、ピザ業界の規模も大きくなるでしょう。業態は主にデリバリー型・実店舗型・移動販売型の3つです。

以下からくわしく解説します。

ピザ業界の市場規模は年々拡大傾向

ピザ業界の市場規模は、年々拡大傾向にあります。2022年度のピザ市場は、前年比3.6%増の3,278.9億円でした。2021年度に初めて3,000億円を突破し、2年連続の増加で過去最高です。調査が開始された1993年度は1,770億円であり、2022年度はその1.8倍以上です。

コロナ禍が落ち着いてきたことに伴って、外食産業の売上が回復傾向であることが大きい要因であると考えられています。ピザはデリバリーで食べることが主流でしたが、現在はレストランやカフェでも食べることができ、ピッツェリア(石窯を設置し、ピザ中心にメニューを展開するイタリア料理店)が増えています。

参照:2022年「ピザマーケット調査報告」ピザ評議会|食品産業新聞社ニュース

ピザ屋の主な業態

ピザ屋の主な販売業態は、デリバリー型・実店舗型・移動販売型の3種類です。それぞれにメリット・デメリットがあり、どれを選択するかによって店の規模は大きく変わり、働き方もそれぞれ異なります。

デリバリー型

デリバリー型とは、ピザを製造して自宅や会社など顧客が指定する場所に届ける販売方法です。店内で提供しないため、イートインスペースは必要ありません。店舗は小さくて済み、目立つ立地である必要もない点がメリットです。

その代わりに配達要員とその人件費の確保が必要になる点や、バイクでの移動に伴う交通事故やトラブルのリスクを伴う点がデメリットです。

実店舗型

実店舗型とは、イートインスペースを用意して店内でピザを食べてもらう販売方法です。顧客が直接足を運び、その場で実食できる店が認知されることで、リピーターが増えて運営が安定しやすくなります。店舗が大型であれば効果はさらに大きくなり、多くの収益につながるでしょう。

テイクアウト可能な店舗では包装紙やビニール袋などのゴミが周辺に捨てられ、近隣の店舗や住民とのトラブルにつながるおそれがあります。家賃・人件費がかさみ経費負担が増す可能性がある点もデメリットといえるでしょう。

移動販売型

移動販売型とは、キッチンカーやケータリングなど常設の店舗を構えずピザを販売する方法です。フェスティバル会場やイベント会場などの集客が見込める場所で販売できます。

販売場所が固定されていない点、人件費を抑えられる点、車両の維持費は実店舗の家賃よりもはるかに安価な点がメリットです。デメリットは、デリバリー型と同様に交通事故のリスクがある点が挙げられます。車両が故障した場合、修理が終わるまではピザ販売ができない点もマイナス要素です。

ピザ屋開業に必要な資格

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ピザ屋を開業する場合、必要不可欠な資格が2つあります。

  • 食品衛生管理者
  • 防火管理者

以上の資格が必要になるため、事前に取得しましょう。

食品衛生責任者

食品衛生責任者は、飲食店の調理営業や食品の販売業に必要なもので、食品衛生法施行規則に定められた資格です。取得には保健所で養成講習会を受講する必要がありますが、調理師・栄養士・管理栄養士・製菓衛生師などは講習を免除されます。費用は1万円程度です。

食品衛生責任者は、年1回の食品衛生責任者実務講習の受講が義務付けられています。職務は「衛生管理に当たること」「法令順守のために必要な注意を行なうこと」「営業者に対して必要な意見を述べること」の3点です。

防火管理者

防火管理者は消防法に定める防火管理のための国家資格で、不特定多数の人が出入りする建物で必要になります。建物の収容人員が30名以上かつ延べ床面積が300平方メートル以上の場合は甲種防火管理者が必要です。甲種の基準未満の場合、乙種防火管理者が必要になります。

基本的には、資格講習の受講および効果測定試験での合格が資格取得条件です。費用は甲種で8,000円、乙種で7,000円です(一般財団法人 日本防火・防災協会が主催の場合)。学歴や学識経験によって試験を受けなくても取得可能な場合があるため、消防本部(消防署)に事前確認をしましょう。

参照:防火管理講習|一般財団法人 日本防火・防災協会

ピザ屋開業に必要な届け出

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ピザ屋開業のために必須な届け出は、以下の3つです。

  • 食品営業許可申請
  • 火を使用する設備等の設置届
  • 開業届

以上の届け出を行わないと営業が認められないため、営業開始日までに必ず対応しましょう。

食品営業許可申請

食品営業許可申請とは、食品を扱う事業を行う際に必要になる許可申請です。保健所に対して申請を行います。

工事開始前に保健所へ相談し、設計図に問題がないことを確認することが大切です。工事完了の10日ほど前には申請書を提出し、完成時点で施設検査を受けられるようにしましょう。

火を使用する設備等の設置届

火を使用する設備等の設置届とは、建物内外に一定規模以上の炉・コンロ・ボイラーなど火を使用する設備を設置する際に必要な届け出です。

設備の設置日までに消防署に提出します。店舗の収容人数が30人を超える場合は、営業開始日までに「防火管理者専任届」を提出してください。

開業届

開業届とは、個人事業を開始したことを税務署に知らせるための届け出です。所轄の税務署に提出します。提出期限は開業から1カ月以内で、ある程度の規模で事業を行う場合は「青色申告承認申請書」を提出するといいでしょう。

個人事業主は確定申告が必要になりますが、青色申告にすることで確定申告の際に青色申告特別控除が受けられます。その他にも、青色事業専従者給与控除・事業損失の繰越控除(3年)などの優遇措置を受けられるでしょう。

ピザ屋開業に必要な費用:約1,000万円

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事業規模にもよりますが、ピザ屋の開業費用として約1,000万円が必要です。開業後に困らないよう、初期費用・運営資金ともに必要な費用を用意しましょう。

初期費用の目安

初期費用の目安は、実店舗を構える場合は1,000万円程度といわれています。実際の費用例を項目別に見ていきましょう。

店舗物件取得費
保証金100万円程度
礼金20万円程度
仲介手数料20万円程度
家賃前払い20万円程度
店舗投資費用
厨房器具費700万円程度
看板施工費
内外装工事費
採用広告費10万円程度
販売促進費20万円程度
備品費40万円程度
その他
初期仕入れ材料費50万円程度
運転資金1〜3カ月分
合計1,000万円程度

デリバリー型の場合はバイク1台に30万円程度が必要なため、店舗費用に加え、使用台数分のバイク費用が必要になります。移動販売型の場合は、車両購入に70万円程度、改造に230万円程度、あわせて300万円程度が必要です。

運営資金の目安

ピザ屋開業には、開業費用と別に6カ月分の運転資金が必要といわれています。金額にすると、600万〜1,000万円です。運転資金には、店舗家賃・食材費・人件費・広告費などが含まれます。

デリバリー型では、人件費の縮小が重要課題となります。昨今、顧客が商品を店舗に受け取りに行くと半額になるサービスが広がっています。店は配達の人件費を削減、顧客は焼きたてを低価格で入手と、互いにメリットが生じます。

広告費はやみくもに使用せず、費用対効果を見定めて投下することが重要です。

開業資金の調達方法

開業資金の調達方法は、金融機関からの融資・国や地方自治体の補助金や助成金・クラウドファンディングなどがあります。

金融機関からの融資は、実績がないと難しい場合が多いです。政府系金融機関の日本政策金融公庫の「新創業融資制度」は無担保・無保証人で融資を受けられます。

国や地方自治体の補助金・助成金制度のなかから、条件のあうものに申請しましょう。クラウドファンディングとは、インターネットを通じて不特定多数の人から資金を調達する方法です。開業前から認知度を高められるメリットもあります。

ピザ屋開業に必要な準備

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  • 必要な設備を調達
  • 材料の選択や仕入れ方法の構築
  • メニュー考案や商品開発

開業当初は無理をせずに、最低限の設備・備品などを準備することが成功につながるといわれています。原価を抑えつつ、競合他社との差別化を図ることも重要課題といえるでしょう。

必要な設備を調達

ピザ屋開業に必要な設備は、以下のとおりです。

  • ピザオーブン(2台)
  • ピザカッター
  • スチール
  • デリカッター
  • 作業台
  • チーズラック
  • シートパン
  • クーラー
  • メトロラック
  • ホイールシェルフ

以上の設備と別にカウンター・テーブル・椅子などの内装も必要になります。予算にあわせて用意しましょう。

材料の選択や仕入れ方法の構築

材料の選択や仕入れ方法を構築しましょう。近年、小麦粉の価格が変動しやすいことから、ピザの食材費は高めになる傾向があります。対処法は業務用の冷凍ピザを使用することが効果的です。具材を工夫したりひと手間かけたりすることで、利用価値が高くなります。

仕入れ方法は、地元の農家や漁師から直接購入すると安価で新鮮な食材が手に入るでしょう。地元住民からの高評価にもつながり、宣伝効果も得られます。インターネット販売を利用したり大量購入をしたりして、高品質・低価格につながる方法を構築することが重要です。

メニュー考案や商品開発

他社との差別化を図りシェアを伸ばすためには、メニューの考案や商品開発も重要です。顧客のニーズをリサーチし、食材選びや味付けを研究し独自のアイディアが求められます。

レギュラーメニューだけでは飽きられてしまう可能性が高いです。季節限定品や高級志向のメニューなど、自社メニューに価値を与える努力が経営の安定化につながります。

ピザ屋開業における成功の秘訣

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ピザ屋開業における成功の秘訣は、以下の2点です。

  • ピザ屋の集客におけるマーケティング
  • フランチャイズを検討する

ピザの品質だけではなく、集客方法にも力を入れましょう。個人でピザ屋を開業することに不安を感じる場合は、フランチャイズの検討もおすすめします。

ピザ屋の集客におけるマーケティング

安定した経営をするためには、ターゲットや集客の選定をはじめとするマーケティングが重要です。具体的な集客方法は以下のとおりです。

  • SNS広告を利用する
  • 限定クーポンを配信する
  • 地元のイベントやフェスティバルに出店する

SNSアカウントを作成し、お店の情報を配信することで若年層の顧客獲得につながる可能性があります。限定クーポンを配信したり必要に応じてSNS広告を使用したりするのもいいでしょう。

地元のイベントやフェスティバルに出店し、直接アピールすることも効果があります。ピザそのものやサービスの品質を維持しつつ、顧客満足度の向上を心がけることで自然と集客につながるでしょう。

フランチャイズを検討する

個人のピザ屋開業に不安な場合は、フランチャイズを検討しましょう。フランチャイズ経営は知名度の高いピザ屋の看板を背負って出店するため、集客のハードルが低いです。

本部はあらゆるノウハウを持っており、開業した店舗の成功を望んでいるため、物件探しの時点から適切なサポートを受けられます。

まとめ

ピザ屋開業に必要なものは、入念な事業計画と食品衛生責任者の資格・営業許可申請・開業費用などです。開業後、すぐに利益が出るとは限らないため6カ月程度の運転資金も用意しましょう。

近年、ピザ業界は確実な広がりを見せており、今後も市場規模の拡大が見込まれます。自身だけで開業することが不安な方は、飲食店に強いコンサルタントの利用も視野に入れて事業計画を進めましょう。

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比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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