新規事業を成功に導くフレームワーク18選!立ち上げプロセスごとに解説!

株式会社ケイズ・マネジメント
監修者
株式会社ケイズ・マネジメント 代表取締役 宇羽野 和人
最終更新日:2023年12月12日
新規事業を成功に導くフレームワーク18選!立ち上げプロセスごとに解説!
この記事で解決できるお悩み
  • 新規事業でフレームワークを利用するメリットは?
  • フレームワークにはどのような種類がある?
  • フレームワークを成功させるポイントは何?

新規事業を成功に導くフレームワークは、プロセスごとに適したものがあります。自社に合ったものを選ぶことも大切です。

この記事では、新規事業を立ち上げようと考えている経営者や担当者の方へ向けて、新規事業を立ち上げる際にフレームワークを利用するメリットやフレームワークの種類を解説します。この記事を読むと、新規事業に向けたフレームワークの活用方法がわかるでしょう。

新規事業でフレームワークを利用する際「どのようなメリットがあるの?」「どうやって成功させればいい?」とお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

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新規事業立ち上げの5つのプロセス

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フレームワークを紹介する前に、新規事業のプロセスを確認しましょう。新規事業立ち上げのプロセスを理解することで、どのフレームワークを活用するといいかがわかりやすくなります。新規事業立ち上げのプロセスは以下の5つです。

  1. 目的の明確化
  2. ニーズの調査・分析
  3. プラン・アイデアの検討
  4. 事業計画の立案
  5. 効果の測定・改善策の実施

1. 目的の明確化

新規事業立ち上げでは、目的の明確化が不可欠です。なぜこの事業を行うのか、何のための事業なのかがわかっていれば、どのようなフレームワークを活用すべきかがおのずと決まります。

たとえば、常に新しいビジネスモデルを模索することで持続的に利益を上げることを目的とする企業も少なくありません。新規事業立ち上げを利用して、会社経営に参加できる人材を育てることも可能です。目的の明確化によってぶれることなく、事業計画を進められます。

2. ニーズの調査・分析

新規事業の立ち上げで必要な次のプロセスは、ニーズの調査・分析です。ニーズがなければ、新規事業を立ち上げてもまったく意味がありません。十分な収益が期待できるのか、どのようなニーズが生じているのか調査・分析することで新規事業のアイデアが具体化します。

ニーズの調査・分析で重要なのが「物理的定義」と「機能的定義」です。商品やサービスなどの「物理的」なものから事業領域を定めていくのか、顧客ニーズを満足させる・不満を解消するなどの「機能的」なものから事業領域を定めていくのか決定しなければなりません。

3. プラン・アイデアの検討

新規事業立ち上げの目的やニーズがはっきりと決定したら、次にプランやアイデアの検討が必要です。何を、誰に、どのように提供するのかを決定しなければなりません。ニーズにあった商品やサービスを提供できれば、新規事業成功の確率は高まるでしょう。

新規事業では、競合他社の動向を分析するため、マーケットの特徴を捉えたプランを作成していくべきです。新しいビジネスモデルを開発することは難しいですが、既存のビジネスモデルの置き換えや複数のビジネスモデルの組み合わせなどを検討できます。

4. 事業計画の立案

プランやアイデアを検討したあとには、実際の事業計画の立案に移ります。具体的な販売個数や売上金額を設定するとともに、コストの検討も必要です。さらに撤退基準を明確にしておくと見込みのない事業を判断する助けになります。

新規事業立ち上げでは、数値目標だけではなく状態目標を設定しておくことも重要です。新規事業がすぐに数値目標を達成できることは稀であるため、どのような状態になっていれば事業を続けるか決めておき、事業の継続か撤退かを判断するようにしましょう。

5. 効果の測定・改善策の実施

新規事業立ち上げが軌道に乗っても、効果の測定や改善策の実施を行わなければなりません。顧客や現場のスタッフからのフィードバックを参考にして、改善策を講じ改良を重ねましょう。

新規事業がうまくいっても、突然顧客が離れてしまったり、市場のニーズが大きく変化したりすることがあります。どこかのタイミングで事業内容の再構築もしくは撤退の判断が必要です。

新規事業立ち上げでフレームワークを利用する4つのメリット

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新規事業立ち上げではフレームワークを活用するのがとても効果的です。フレームワークを利用するメリットは以下の4つです。

  1. 思考やアイデアを整理できる
  2. 戦略や企画の進め方を共有できる
  3. 時間を節約できる
  4. アイデアの抜けや漏れがなくなる

1. 思考やアイデアを整理できる

多くのフレームワークでは、新規事業のアイデアを1つずつ書き出します。視覚的にわかりやすくまとめるフレームワークも多いため、思考を整理しやすくなります。

アイデアを書き出す行為も考えをまとめるのに効果的です。複数のアイデアを組み合わせたり課題を見つけたりすることも容易になります。

2. 戦略や企画の進め方を共有できる

新規事業立ち上げでフレームワークを使えば、戦略や企画の進め方をチーム内で共有しやすくなります。フレームワークの多くは、アイデアや情報を視覚的にとらえやすくまとめるため、分析結果が一目でわかるのがメリットです。

全員がアイデアを共有していれば、戦略や企画の中で自社の立ち位置を把握し、次に何をすべきかがわかるでしょう。

3. 時間を節約できる

アイデアや戦略の共有によって、時間の節約ができます。フレームワークによりチーム内各自がプロジェクトの方向性を理解しているため、頻繁に全員が集まり会議をする必要はなくなるでしょう。

次に何をすべきか、何が必要かを長々と議論したり話し合ったりする必要性がありません。テンポよく新規事業立ち上げを進めるために、フレームワークは役立つでしょう。

4. アイデアの抜けや漏れがなくなる

フレームワークを使って新規事業立ち上げを始めると、アイデアの抜けや漏れがなくなる点もメリットです。新規事業立ち上げでは、企画段階でアイデアを多く出さなければなりません。ゼロから思考すると、特定の視点が欠けていたり有用なアイデアが思いつかなったりすることがあります。

フレームワークは、アイデアを書き出す流れが決まっているため、抜けや漏れが少なくなるのが魅力です。思いつくままにアイデアを書き出すよりも、幅広い範囲を網羅した検討が可能となります。

新規事業に役立つフレームワーク18選

新規事業立ち上げの際、数多くのフレームワークの中から自社にあったものを選ぶことが重要です。それぞれのニーズに応じたフレームワーク18選を紹介します。

アイデアを出すためのフレームワーク6選

新規事業立ち上げでは、いかに多くのアイデアを出すかが重要です。アイデアを出すためにおすすめのフレームワークは6つあります。

  • マンダラート
  • SCAMPER(スキャンパー)法
  • ペルソナ分析
  • アナロジー分析
  • 4P・4C分析
  • トリーズの9画面法

1. マンダラート

マンダラートは、仏教の曼陀羅(マンダラ)に由来しているフレームワークです。

  1. 3×3=9マスの真ん中にメインテーマを記入する
  2. 周りの8マスにメインテーマから連想する要素を書く
  3. 8つのアイデアを新しく作成した9マスの真ん中に置く
  4. 周りの8マスに要素を記入

これを繰り返すことでアイデアが広がっていきます。

要素を記入していくこと以外にとくにルールはなく、人により異なるアイデアが出やすいのが特徴です。アイデアや要素の抜けや漏れが少ないのもメリットです。

2. SCAMPER(スキャンパー)法

SCAMPER法は、1つのアイデアに対して7つの視点から再考し、アイデアを広げていくフレームワークです。SCAMPERとは、以下の7つの切り口の頭文字を取ったものです。

  1. Substitute:代える、代用する
  2. Combine:組み合わせる
  3. Adapt:適応させる
  4. Modify:修正する
  5. Put to other uses:別の使い道
  6. Eliminate:省略する、削減する
  7. Reverse・Rearrange:逆転、再調整する

SCAMPER法は数多くのアイデアを出すことを目的としているため、思いもかけないアイデアが出ることがある点が魅力です。方向性が決まるまでやや時間がかかるのがデメリットです。

3. ペルソナ分析

ペルソナ分析とは、ターゲットとなる顧客像を細かく描いたプロフィールを作成して、ニーズや新規事業のコンセプトを洗い出すフレームワークです。主に以下の属性を仮定してペルソナ分析を行います。

  • 性別
  • 年齢
  • 居住地
  • 職業
  • 年収
  • 家族構成
  • 趣味
  • ライフスタイル

たとえば「斉藤明美、女性、34歳、愛知県名古屋市在住のスーパーマーケット勤務、年収250万円、会社員の夫と小学2年生の息子がおり、趣味はカフェ巡りとSNS投稿」という具合です。こうして必要なニーズを掘り起こし、新規事業立ち上げに活かします。

4. アナロジー分析

アナロジー分析は、他業種で成功した事例を取り入れることで新規事業立ち上げに活かすフレームワークです。他業種の成功事例を自社に置き換えて取り込むと、斬新なアイデアや新規事業の企画が発見できる可能性があります。

他業種の具体的な成功事例を自社にどのように取り入れるべきか検討しましょう。

5. 4P・4C分析

4P・4C分析はそれぞれ、PやCから始まる観点から新規事業を検討するフレームワークです。

4P分析とはProduct(製品)、Price(価格)、Place(販売の場所)、Promotion(販促方法)を検討します。4C分析はCustomer Value(顧客が得られる価値)、Cost(顧客が支払うコスト)、Convenience(利便性)、Communication(コミュニケーション)の検討です。

4P分析は商品やサービス、4C分析は顧客の観点から新規事業を評価することで、マーケティング戦略の立案や商品課題の明確化が可能です。4C分析と4P分析を組み合わせれば、企業側・顧客側の両方の視点から新規事業の企画案をブラッシュアップできます。

6. トリーズの9画面法

トリーズの9画面法とは、3×3=9マスの表を作成し、アイデアをより具体的に高品質なものとするフレームワークです。9マスの横の軸を時間、縦の軸をシステムとして思考を整理します。

たとえば新規事業のメインテーマをEV自動車とした場合、上のマスは上位システムとしての自動車産業、下のマスはよりミクロな範囲の自動車部品と書けるでしょう。

横軸は過去、現在、未来を表しているため、EV自動車の左側(過去)はガソリン車、右側(未来)は燃料電池車となります。

アイデアを整理するためのフレームワーク4選

新規事業立ち上げでは、アイデアを出すだけではなく整理することが必要です。アイデアを整理するためのフレームワークは主に以下の4つがあります。

  • ロジックツリー
  • 6W3H
  • MVV
  • ビジネスモデルキャンバス

7. ロジックツリー

ロジックツリーとは、問題の原因や解決策を細かく分解し分析するフレームワークです。木の枝のように分析が進んでいくことからロジックツリーと呼ばれます。ロジックツリーを使うことで、多角的な視点から原因を突き止め、潜在的なニーズを把握するのに効果的です。

たとえば「電気代が高くて困っている」という課題解決をするとします。解決策は「節電する」「電力プランを変更する」の2つが考えられます。

「電力プランを変更する」を選んだ場合、さらに「ライフスタイルに適したプランを見つける」「売電もできる設備を導入する」などのアイデアを提案します。さらにその2つから付随するアイデアを提案します。この方法を繰り返すことで、新規事業に必要なアイデアを整理できます。

8. 6W3H

6W3Hは、WとHで始まる以下の9つの項目に沿って新規事業のアイデアを整理するフレームワークです。

  • When(いつ)
  • Where(どこで)
  • Who(誰が)
  • What(なにを)
  • Whom(誰に)
  • Why(なぜ)
  • How(どうやって)
  • How much(いくらで)

誰に、どうやって商品やサービスを提供するのか、いくらで販売するのかなどの点が明確になるため、マーケティング戦略やプロモーション活動に役立てられます。

9. MVV

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MVVは、新規事業のアイデアが自社の風土や経営理念にあったものかどうかを判断する際に用いられるフレームワークです。

MVVはそれぞれMission(存在意義)、Vision(目標)、Value(行動指針)を指し、新規事業のアイデアにどのような存在意義や価値があるのか書き出します。

新規事業のアイデアが持つMVVは自社の経営理念に沿ったものか、そうでないかを把握し、アイデアを取捨選択するのに役立つでしょう。

10. ビジネスモデルキャンバス

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ビジネスモデルキャンバスは、以下の9つの要素を用いて新規事業のアイデアを整理するフレームワークです。

  • 顧客セグメント
  • 顧客との関係
  • 提供価値
  • パートナー
  • 販売チャネル
  • 収益の流れ
  • 主要活動
  • 主要資源
  • コスト構造

顧客セグメントや顧客との関係は対顧客、主要活動やパートナーは対社内と複数の観点でアイデアを精査します。幅広い視点でアイデアの長所・短所を評価できる点がメリットです。

市場調査や分析に役立つフレームワーク6選

新規事業立ち上げでは、市場調査や市場分析が不可欠です。以下の6つのフレームワークを使い、効果的に市場調査や分析が行えます。

  • 3C分析
  • SWOT分析
  • ポジショニングマップ
  • VRIO分析
  • STP分析
  • アドバンテージマトリクス

11. 3C分析

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3C分析とは、3つのC、Customer(顧客)、Company(自社)、Competitor(競争相手)を使って分析を行うフレームワークです。アイデアを自社だけで評価するのではなく、顧客や競合他社を含めて検討することで、新規事業の課題が見えてきます。

市場のニーズを把握することはよく行われますが、競合他社の売上や利益、シェア率、成功の要因を分析することで優れた点を取り入れることが可能です。自社分析と並行して行えば、今何をすべきなのかがはっきりするでしょう。

12. SWOT分析

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SWOT分析とは、自社の状態や市場の現状を明らかにして分析を行うフレームワークです。SWOT分析は、以下の4つの項目の頭文字を取っています。

  • Strength(強み)
  • Weakness(弱み)
  • Opportunity(機会)
  • Threat(脅威)

強みと弱みは内部要因、機会と脅威は外部要因であるため、市場における自社の立ち位置を明確にできるのがメリット。「強み×機会」「弱み×脅威」のように複数の要因を掛けあわせて分析するクロスSWOT分析もあります。

以下の記事ではSWOT分析をより詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

13. ポジショニングマップ

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ポジショニングマップは、自社が市場の中でどのような立ち位置にいるのかを細かく分析するためのフレームワークです。縦軸と横軸にそれぞれ顧客が重視する要素を当てはめ、自社と競合他社の立ち位置を記載します。

たとえば、縦軸にデザイン性と実用性、横軸に重さを当てはめたとしましょう。競合A社はデザイン性を重視しておりやや重い商品を販売しています。競合B社の商品は実用性を重視しているものの重いのが難点です。この場合、自社は軽い商品を販売することで差別化が図れるといえるでしょう。

14. VRIO分析

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VRIO分析は、新規事業が競合他社に対して継続して優位に立てるかどうかを分析するフレームワーク。VRIOは以下の4つの項目の頭文字を取ったものです。

  • Value(経済的価値)
  • Rareness(希少性)
  • Imitability(模倣可能性)
  • Organizarion(組織)

新規事業立ち上げにおいて、4つのうちで自社が優位に立てるものがあるか分析を行います。経済的価値があり、希少性が高く、模倣が困難で、組織体制が活かせる新規事業であれば、おそらく長期にわたって優位を保てるでしょう。

15. STP分析

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STP分析は、自社製品の市場における立ち位置を分析するのに役立つフレームワークです。STPとは、以下の3つの単語の頭文字から取られています。

  • Segmentation(セグメンテーション)
  • Targeting(ターゲティング)
  • Positioning(ポジショニング)

セグメンテーションとは市場の細分化で、地域特性や性別によってターゲットを明確化します。ターゲティングでは商品やサービスの需要があるかを確認。ポジショニングにより自社製品の立ち位置を検討し、新規事業に可能性があるかを見極められるでしょう。

16. アドバンテージマトリクス

アドバンテージマトリクスとは、競合他社と比較した自社の優位性を分析し、新規事業の可能性を模索するフレームワークです。事業を以下の4つに分類し、新規事業がどの位置付けになるか把握します。

  • 分散型事業
  • 手詰まり型事業
  • 特化型事業型
  • 規模型事業

分散型事業は規模が大きくなればなるほど利益が上げにくい事業、規模型事業は規模と利益が比例していく事業。手詰まり型事業は規模に関わらず利益が上げにくいことを示します。今後取るべき戦略を決定するのに役立つフレームワークです。

行動計画の策定に有効なフレームワーク2選

新規事業のアイデアを整理し市場分析を行った後は、今後の行動について決定しなければなりません。行動計画の策定に有効な2つのフレームワークを紹介します。

  • ビジネスロードマップ
  • リーンキャンバス

17. ビジネスロードマップ

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ビジネスロードマップは時間軸に沿って行うべき行動計画を記載するフレームワークです。一般的に横軸を時間、縦軸を利益や事業規模を当てはめて行動計画を立てます。

たとえば、横軸に1年後、5年後、10年後を取り、縦軸に年商5,000万円、1億円、5億円などの中間目標を取ったとしましょう。1年後に年商3,000万円の場合、予測を下回っているため何らかの対策を講じなければなりません。

生じ得る問題や解決策をあらかじめシミュレーションしておくことにより、新規事業が成功する可能性が高くなります。

18. リーンキャンバス

リーンキャンパスは、9つの項目を通して行動計画を立てるフレームワークです。ビジネスモデルキャンバスに似ていますが、事業計画を立てることに役立つ項目が含まれています。

  • 顧客の課題
  • 顧客セグメント
  • 独自の価値
  • ソリューション
  • 販売チャネル
  • 収益の流れ
  • コスト構造
  • 主要な指標
  • 圧倒的な優位性

収益の流れやコスト構造を把握することで、料金の設定や外注業者の選定などに活かされます。主要な指標を設定することで、その都度課題の把握や行動計画の見直しが行えるでしょう。

新規事業でフレームワークを成功させる4つのポイント

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新規事業立ち上げの際に行うフレームワークを成功させるためには、以下の4つのポイントを意識する必要があります。

  1. 自社に適したフレームワークを選ぶ
  2. 複数のフレームワークを組み合わせる
  3. 定性的な分析を行う
  4. 結果を事業計画に落とし込む

1. 自社に適したフレームワークを選ぶ

フレームワークを選ぶ場合、自社に適したタイプを選ばなければ効果が薄れてしまいます。フレームワークは、アイデアを出すためのものや市場の分析に用いるものなど種類が豊富です。自社がどのような段階にあるのか、どのようなニーズがあるのか意識してフレームワークを選びましょう。

フレームワークを行っている間も、自社の経営理念や経営方針に合致した新規事業になるかを確認する必要があります。既存事業とあまりにかけ離れていると、相乗効果が見込めず利益が上げにくくなるでしょう。

2. 複数のフレームワークを組み合わせる

フレームワークを成功させる別のポイントは、複数のフレームワークを組み合わせることです。フレームワークの多くは、特定の視点や項目を使ってアイデアを精査したり市場を分析したりします。フレームワークを1つだけ使うと、視点が固定されてしまい多角的な分析が行えません。

2つ以上のフレームワークを使用することで、より幅広い視点から新規事業のアイデアを評価できます。分析の精度を高めるためにも、フレームワークを組み合わせることを検討しましょう。

3. 定性的な分析を行う

フレームワークで重要な別のポイントは、定性的な分析を行うことです。定性的な分析とは、顧客のアンケートや現場から上がってくる非数値的なデータのことです。数値を分析する定量的なデータも重要ですが、定性的なデータも重要な意味を持ちます。

定性的な分析を行うことにより、行動計画を立てるための仮説を構築したり、問題の原因を把握したりすることが可能です。数値ほど明確な答えが出ないこともしばしばありますが、新規事業立ち上げでは常に定性的な分析を並行して行わなければなりません。

4. 結果を事業計画に落とし込む

新規事業立ち上げでフレームワークを行った後、その結果を事業計画に落とし込みましょう。フレームワークを行った時間や労力が無駄になります。

フレームワークで新規事業の可能性や課題が見えてきたら、行動計画や事業計画に反映されているか確認しましょう。

新規事業の立ち上げで注意すべきポイント2つ

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新規事業立ち上げでは、注意すべきポイントがあります。主に以下の2つのポイントに注意しましょう。

  1. 新規事業の経営資源は足りているか?
  2. フレームワークが手段であることを意識する

1. 新規事業の経営資源が十分か確認する

新規事業立ち上げでは、経営資源が十分足りているか確認しなければなりません。新規事業を立ち上げる際に重要なのは、ヒト・モノ・カネに情報を加えたリソース=経営資源です。最適なアイデアやプランを出したとしても、実行するリソースがなければ新規事業は成功しないでしょう。

自社内で十分な経営資源を確保するために、細かいデータに基づいたプレゼンテーションが必要です。複数のフレームワークで市場分析や競合他社の評価を行い、説得力のあるプランを提示しましょう。

2. フレームワークが手段であることを意識する

フレームワークを使用する際、目的ではなく手段であることを忘れてはなりません。フレームワークは、アイデアの整理、情報・状況の整理に役立ちますが、新規事業を成功させるための手段です。

フレームワークの活用が目的化すると、分析結果が過度に重視され斬新なアイデアが採用されないこともあります。斬新なアイデアを否定するのではなく、柔軟性を持ってアイデアを評価することも重要です。

まとめ

フレームワークは新規事業立ち上げに役立つアイデアの提案、思考の整理、市場の分析、行動計画の策定に役立ちます。複数のフレームワークを組み合わせることで、新規事業は成功しやすくなります。ぜひフレームワークを効果的に用いて、効果的な新規事業を提案しましょう。

比較ビズは、企業の新規事業立ち上げを支援する経営コンサルタントを比較しながら選べる便利なWebサイトです。起業や開業に強いコンサルタントを比較して選べるため、自社にぴったりの人材を見つけられるでしょう。新規事業立ち上げを検討している経営者や担当者の方は、ぜひ比較ビズの利用を検討してください。

監修者のコメント
株式会社ケイズ・マネジメント
代表取締役 宇羽野 和人

方向性の違いを感じ医学部中退後、総合不動産会社役員、不動産投資会社役員、外資系不動産投資ファンドマネジャーを経て、2010年にケイズ不動産アドバイザーズを創業。主にプロ事業者に対して、不動産デューデリジェンス、事業計画書の立案(事業分析・投資分析)、クロージング業務などをサポート。2011年、株式会社ケイズ・マネジメントを設立して代表取締役に就任。これまでの経営企画・新規事業企画に関するスキルや経験、実戦的なノウハウを活かして、2016年より事業経営コンサルティングを開始。起業家や年商50億円・従業員数50名以下の中小企業、アーリーステージのベンチャー企業などに特化して、起業・新規事業立上げのサポート、資金調達(補助金・融資等)のサポートなどを展開している。

平成29年3月に経済産業省から発表された「中小企業・小規模事業者の成長に向けた事業戦略等に関する調査(委託業者:株式会社野村総合研究所)」によると、調査アンケートに回答した3,766社の企業のうち「新規事業の取り組みを実施している」と回答した企業は全体の19.2%、そのうち「新規事業に成功した」と回答した企業は26.9%というデータが出ています。つまり「新規事業を立ち上げて成功する」という確率は約5%(20社に1社)ということになります。

このような新規事業に対する大きなハードルを克服するためには、積極的にフレームワークを有効活用して事業計画を構築するとよいでしょう。特に大企業と違い経営リソースの限られてる中小企業では、フレームワークを活用することによって人や時間の有効活用や客観的な判断基準を持つことができるようになります。

また、融資や出資を受ける場合にもわかりやすい事業計画書や的を得たプレゼンが可能となり、大きな効果を発揮することでしょう。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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