コンサルタントは意味ない?仕事内容や依頼するメリット・デメリットを解説

最終更新日:2023年05月30日
株式会社Pro-D-use
監修者
取締役副社長 岡島 光太郎
コンサルタントは意味ない?仕事内容や依頼するメリット・デメリットを解説
この記事で解決できるお悩み
  • コンサルタントに依頼する意味はある?
  • コンサルタントの仕事内容ってなに?
  • コンサルタントに依頼するメリット・デメリットは?

課題解決の専門家のイメージがあるコンサルタントですが、本当に依頼する意味があるのか悩ましいところです。コストが高い印象もあり、特に費用対効果は疑問を感じやすい点でしょう。

そこで本記事ではコンサルタントの仕事内容や得意領域、依頼するメリット・デメリットなどを解説します。コンサルタントに依頼する意味があるのか知りたい経営者の方は、ぜひ参考にしてください。

コンサルタントに依頼する意味は「時間をお金で買えること」

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コンサルタントに依頼する意味は、時間をお金で買える点にあります。ビジネスシーンにおいて、手元のお金よりも近未来の時間短縮に価値がある状況は少なくありません

たとえば売上拡大のために明確な課題がある場合を考えてみます。コンサルタントにお金を払ってボトルネックをスピーディーに解決し売上拡大を早めたほうが、最終的な利益が大きくなるケースも多いでしょう。

時間をお金で買うことで利益を大きくできることが、コンサルタントに依頼することの意味です。下記では、コンサルタントをより具体的に解説します。

コンサルタントは課題解決のための情報を提供する職業

コンサルタントとは、顧客の課題を解決するための情報を提供する職業です。近年では実働を伴う場合も増えていますが、もともとは「相談する人」の意味をもつ言葉であり情報を主な商品としています

情報にお金を払うことが重要といわれている現代のビジネス業界において、コンサルタントはその象徴ともいえる職業でしょう。

課題解決に必要な情報収集の手間・時間を外注できる

コンサルタントに依頼することで、課題解決に必要な情報収集の手間や時間を外注し削減できます。

コンサルタントは特定領域の課題解決に関する専門家です。すでに蓄積しているノウハウも多く、新しい情報にリーチしやすい仕組みも整っています。コンサルタントに依頼することで、課題の原因を特定し解決策を導くための手間や時間をグッと短縮することが可能です。

コンサルタントの具体的な仕事内容・流れ

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クライアントからの問い合わせを受けたコンサルタントは、次の流れで仕事を進めます。

  1. ヒアリングや課題の把握
  2. 企業の分析や課題に関する情報のリサーチ
  3. 解決策の策定や実行

あらかじめ成果物をイメージしたうえで依頼するために、まずは仕事内容を把握しておきましょう。下記で各工程を詳しく解説します。

1. ヒアリングや課題の把握

まずはクライアントの担当者や責任者に対して、問い合わせに至った経緯や依頼した目的などをヒアリングします。クライアントの現状および解決したい課題を正確に把握することが、コンサルタントの仕事の第一ステップです

コンサルタント個人や所属会社に蓄積された事例・ノウハウに照らして「課題を解決できそう」と判断したら、クライアントへの具体的な提案を行います。

2. 企業の分析や課題に関する情報のリサーチ

クライアントが提案を受け入れたら、本格的なリサーチへ移行します。クライアント企業の状態だけではなく、市場や競合他社の状況、過去の事例なども含めて膨大な量の情報を扱うことがコンサルタントの特徴です

特定領域に特化するほど関連知識の引き出しが増えてより効果的なリサーチが可能になるため、課題に適したコンサルタントを選ぶことも重要になります。

3. 解決策の策定や実行

最後に、リサーチを元にして解決策を策定します。近年では施策の実行まで担うケースも増えているものの、コンサルタントの本質的な価値はあくまで情報です。すべてのコンサルタントが実行までを責任領域としているわけではありません

コンサルタントがどこまでの業務を担当してくれるかは、コンサルティングファームや契約内容によって異なります。実行まで任せたい場合は、ヒアリングの段階で必ず確認しましょう。

コンサルタントの7つの種類【得意領域ごと】

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コンサルタントは、それぞれの得意領域によって主に下記の7種類にわかれています。

  • 経営・戦略系コンサルタント
  • 業務系コンサルタント
  • IT系コンサルタント
  • シンクタンク系コンサルタント
  • 人事系コンサルタント
  • FAS系(財務系)コンサルタント
  • 監査法人系コンサルタント

解決したい課題によって適したコンサルタントが変わるため、得意領域に注意して選ぶことが重要です。たいていの場合、得意領域はコンサルタント個人ではなく所属するコンサルティングファームに依存することも覚えておきましょう

下記でそれぞれのコンサルタントの特徴を解説します。

1. 経営・戦略系コンサルタント

企業の経営に大きく関わる上流部分をサポートするのが経営・戦略コンサルタントです。具体的には下記の業務に関与します。

  • 中長期計画の策定
  • 新規事業のリサーチ・立案
  • M&A戦略の立案
  • 海外進出の戦略立案

経営・戦略コンサルタントの場合、クライアント側ではCxOや本部長などの役員クラスが責任者となります。

CxOとは

Cheif x Officerの略。CEOやCFO、CTOなどの最高責任者の総称。

効果範囲が広いため費用が高くなりやすい一方で、施策がハマったときの恩恵も大きいコンサルタントです

2. 業務系コンサルタント

特定業務に特化したコンサルタントを業務系コンサルタントといいます。下記の業務が、業務系コンサルタントに依頼する内容の具体例です。

  • マーケティング戦略の立案
  • ロジスティクスや物流の改善
  • CRM戦略の立案

ロジスティクスは原料調達から販売までの物流やその管理過程、CRMは顧客との良好な関係を気づくための施策を意味します。

医療や介護などの業界に特化していたり上流の経営・戦略から一気通貫に支援していたりと、業務系のなかでもファームによって特色はさまざまです。支援内容が多岐にわたるため、コンサルタントの得意/不得意を見極めなくてはなりません。

3. IT系コンサルタント

IT技術の導入やシステム開発を支援するのがIT系コンサルタントです。従来はIT技術の導入による業務効率化・コストカットを行なっていました。近年ではDXの推進やマーケティングオートメーションなどの領域にも進出し、直接的に売上拡大へ寄与する例も増えています

解決策の提案にとどまらず、実行まで担うファームが多いこともIT系コンサルタントの特徴です。自社で開発まで行うか実務部分を提携しているSIerに委託するかはケースバイケースですが、導入・運用までをサポートしてくれます。

4. シンクタンク系コンサルタント

研究機関としての役割から始まり、市場調査や経営コンサルティングを行うようになったのがシンクタンク系コンサルタントです。

「Think Tank(頭脳集団)」の名前のとおり、特定領域では類を見ないほどのリサーチ力・専門性を持ち、政治、経済、科学技術などの分野で、官公庁や自治体に提言するための研究を行う機関のことです。市場分析や経営課題の解明のように、リサーチをメインとする依頼をしたい場合に適しているコンサルタントです

以下の記事では、政府系シンクタンクと民間シンクタンクについて詳しく解説しています。

5. 人事系コンサルタント

組織改革や人事制度の設計、人材開発などを手掛けているのが人事系(組織系)コンサルタントです。

従来は合理性に基づいた組織設計や人事制度構築、給与体系の整備などが人事系コンサルタントのメインストリームとなる責任領域でした。しかし現在では、メンタルヘルスマネジメントや組織の活性化、人材育成など可視化しにくい領域にも取り組んでいます

IT系コンサルタントと被りますが、HRテックの導入も人事系コンサルタントに相談可能です。

6. FAS系(財務系)コンサルタント

財務に関連したリサーチや助言を行うのがFAS系コンサルタントです。

FASとは

Financial Advisery Serviceの略。金融・財政的な助言を行う業務という意味。

一般に「アドバイザリー」は中長期的な顧問業務を指しますが、FAS系コンサルタントは短期的なコンサルティング業務も行います。M&Aや企業のバリュエーションなど財務関連の業務を取り扱っており、大手ファームであれば会計・人事もコンサルティングの対象です

M&Aの間口の広さから、経営・戦略やIT、事業再生まで範囲を広げているファームも存在します。

7. 監査法人系コンサルタント

監査法人に所属してコンサルティング業務を行う職業を監査法人系コンサルタントといいます。もともと監査法人の責任領域は、会計監査や付随するアドバイザリー業務でした。事業拡大につれてアドバイザリー業務を強化し、コンサルティング業界に進出しています。

ファームによって特色が異なるためFAS系と似ている面もありますが、同じではありません。FASはM&Aやバリュエーションの攻めの財務コンサルタント、監査法人は適正会計やコンプライアンスの守りの財務コンサルタントです

コンサルタントに依頼するメリット3つ

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コンサルタントに依頼するメリットは次の3つです。

  • 専門家の知見を得られる
  • 第三者視点での分析を知られる
  • スピーディーな課題解決を目指せる

具体的なメリットを把握しておくことで、依頼するかどうかの意思決定が明確になります。

メリット1. 専門家の知見を得られる

コンサルタントに依頼するメリットの1つ目は専門家の知見を得られることです。自社商品の特徴にもっとも詳しいのは、経営者や社内スタッフでしょう。しかし自社商品に適した売り方にもっとも詳しいのは、マーケティングの専門家である可能性があります

コンサルタントは特定領域の専門家であり、関連する知見・ノウハウを豊富に備えています。特定の業務だけに集中できるためリサーチ量も多く、最新事例にも精通しているでしょう。

コンサルタントに依頼することで専門家の豊富な知見にアクセスでき、自社事業を効率的に押し進められます。

メリット2. 第三者視点での分析を知られる

第三者視点での分析を知られることも、コンサルタントに依頼するメリットの1つです。社内スタッフだけで模索していると、どうしてもバイアスがかかり視野が狭くなってしまいます。

一方でコンサルタントは課題解決に向けて親身になりつつもあくまで第三者であり、冷静な判断が可能です。気づいていなかった課題や見えていなかった選択肢を発見できることもあるでしょう

新たな視点を取り入れることで、ブレイクスルーを迎えられる可能性があります。

メリット3. スピーディーな課題解決を目指せる

コンサルタントに依頼することで、スピーディーな課題解決を目指せます。コンサルタントは豊富な知見・ノウハウを持っているため、社内スタッフだけで解決する場合と比較してリサーチにかかる時間の大幅な短縮が可能です。

売上を伸ばすにしても経費を減らすにしても、効果が現れるまでの時間が短ければ短いほど利益は大きくなります。スピーディーな解決ができれば利益を最大化できるため、コンサルタントへの依頼費用もペイしやすくなるでしょう。

コンサルタントに依頼するデメリットは「費用対効果がわかりにくい」

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コンサルタントに依頼するデメリットは、費用対効果がわかりにくい点です。コンサルタントが扱う情報は有形商材ではありませんし、手続きの代行やプログラミングなどの作業でもありません。

コンサルタントの成果物は把握しにくく実際に成果が出るまでに時間がかかるケースもあるため、コスト感覚をつかみづらいのが実情です。たとえば経営コンサルタントにコストカットを依頼した場合、数字として成果を確認できるのは早くても数ヶ月後でしょう。

むしろ短期間で成果を実感できる極端なコストカットを行うコンサルタントは、目先の成果にとらわれているといえます。長期的な視点で見ると企業に悪影響を及ぼすことになりかねません。

コンサルタントに課題解決を依頼する際は、成果物の把握のしにくさ・費用対効果のわかりづらさに注意しましょう。

まとめ|コンサルタントの意味を理解して効果的に活用しよう

本記事ではコンサルタントに依頼する意味や具体的な分類、仕事内容などを解説しました。

コンサルタントは費用対効果がわかりづらいデメリットがある一方、豊富な経験に裏打ちされた知見・ノウハウには大きな価値があります。自社の課題とコンサルタントの得意領域がマッチするように適切に依頼できれば、効率的な利益拡大を図れるでしょう

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監修者の一言

コンサルティングサービスとは、その昔、「限られた人にだけ情報が公開されていた時代」に始まったサービスです。そのため、ある分野で成果がある会社、また、資格を保持している人、特権階級がコンサルティングをおこなっていたことが多かったのです。

そのため、「情報提供すること、そのもの」に価値が見出されていたのです。

一方、現代においては、ある程度であれば、誰でも貴重な情報にアクセスすることが可能になり、コンサルティングサービスにも情報以外の付加価値が求められるようになってきました。

その結果として「情報提供するだけ」「アドバイスするだけ」「資格を持っているだけ」のコンサルティングが嫌われたり炎上することにより淘汰され、より専門的、もしくは、より個性的なコンサルティングサービスが生まれてきているのです。

コンサルティングサービスを導入する際には、情報の価値も含めて、どのくらい成果にコミットしてくれるのか、どのくらい稼働してくれるのか、それは費用に見合うのか、コンサルタントその人との相性はどうか、など総合的に判断していくようにしましょう。

株式会社Pro-D-use
取締役副社長 岡島 光太郎
監修者

2009年:(株)リクルートに新卒で入社。営業部署・企画部署にて責任者を務める。(在籍中は、MVPやマネジメント賞など、多数受賞。)2013年:(株)データX(旧:フロムスクラッチ)の創業期に転職。営業や新卒・中途採用の責任者を務める。2014年:アソビュー(株)に転職。その後、営業責任者、新規事業責任者、事業企画を歴任。2015年:(株)Pro-D-useを創業。取締役副社長(現任)に就任。新規事業の立上げ〜収益化、成果を上げる営業の仕組み作り、採用〜組織の構築、Webマーケティングを主軸とした売れる仕組み作り、業務システムの導入・運用、融資を中心とした資金調達〜財務のコンサルティングを得意としている。また、個人でも中小企業の融資を支援するサービス「中小企業の融資代行プロ.com」を運営するなど、一貫して中小企業を支援することを生業にしている。

比較ビズ編集部
執筆者
比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。