レストランの利益率はどれくらい?利益率を上げる7つの方法を解説

最終更新日:2023年05月31日
レストランの利益率はどれくらい?利益率を上げる7つの方法を解説
この記事で解決できるお悩み
  • レストランの利益率はどれくらい?
  • 飲食店における業種別の利益率は?
  • レストランの利益率を上げる方法は?

レストランの利益率は0.5%〜6%、飲食業界全体の平均的な利益率は8.6%であることから、飲食業界のなかでもレストラン経営で利益を出し続けることは難しいことがわかります。

この記事では、レストラン経営に興味がある方に向けて、レストランの利益率を解説します。

最後まで読むと、飲食店における業種別の利益率を把握でき、レストラン経営を検討する材料になるでしょう。「レストランの利益率を上げる方法が知りたい」という方はぜひ参考にしてください。

飲食店コンサルタントの依頼にお困りではありませんか?

もしも今現在、

  • 飲食店経営の立て直し方がわからない
  • コスト削減や売上向上の具体策が欲しい
  • 新規出店やフランチャイズ展開のアドバイスが必要

上記のようなお困りがありましたら、比較ビズへお気軽にご相談ください。比較ビズでは、複数の経営コンサルタントに一括で相談ができ、各社の特色を把握したうえで業者を選定できます。相談したからといって、必ずしも契約する必要はありません。まずはお気軽にご利用ください。

飲食店コンサルタントに対応できる業者を一覧から探す

レストランの利益率は0.5%〜6%

pixta_58916581_M

業界動向リサーチの調べによるとレストランの利益率は、0.5〜6%であると調査結果が出ています。飲食店業界全体の場合は、経済産業省の報告によると平均8.6%であり、飲食店の利益率目標値は10〜15%です。

レストランの利益率は、飲食店業界の中でも比較的低い傾向にあります。原材料や人件費などのコストがかかり、黒字を出し続けることに対してハードルが高いといえます。

【業種別】飲食店における利益率

飲食店業界は利益率が低い傾向にありますが、業種によって実際の値は異なります。以下が業種別の利益率です。

業態 利益率
カフェ 5〜10%
ファーストフード 1〜8%
ファミリーレストラン 0.5〜6%
居酒屋 1〜5%

参照:カフェ業界の動向や現状、ランキングなどを解説|業界動向サーチ

参照:ファーストフード業界の動向やランキングなど|業界動向サーチ

参照:ファミリーレストラン業界の動向、ランキング等を分析|業界動向サーチ

参照:居酒屋業界の現状や動向、ランキングなどを解説|業界動向サーチ

表を見ると飲食店業界全体は、利益率が低いことがわかります。飲食店業界全体の営業利益率平均値である8.6%に対して、かなり低い数値の業種もあるのが現状です。本来の目標値である10〜15%を達成するのが、いかに難しいかが見て取れるでしょう。

ファミリーレストラン業界における企業の利益率ランキング

レストランは利益率が比較的低い傾向にあると解説しましたが、レストラン業界の利益率を見比べると、大きな差があることがわかります。以下が企業別の利益率ランキング表です。

順位 企業名 利益率
1 ブロンコビリー 6.1%
2 ジョイフル 5.4%
3 フライングガーデン 5.3%
4 サガミHD 5.2%
5 SRSホールディングス 3.5%
6 すかいらーくDH 3.3%
7 あみやき亭 2.9%
8 安楽亭 2.1%
9 ペッパーフードサービス 2.0%
10 サイゼリヤ 1.3%

参照:ファミリーレストラン業界 利益率ランキング|業界動向サーチ

上位10以内のランキングを選出しました。10位の利益率は1.3%で、かなり低い状態です。数多あるファミリーレストラン業界において、利益率が1%であっても高い利益率であることがわかります。

レストランにおける利益率の計算方法

pixta_46624716_M

レストラン経営での利益を算出するためには、正しい計算方法を知っておく必要があります。計算方法が間違っていれば自社の経営状況を正しく理解できず、現状に合わない経営戦略を立て、損失が出ると考えられます。

経営戦略や経営方針を確固たるものにするためにも、正しい計算方法を身につけましょう。

  • 粗利益(売上総利益)
  • 営業利益

上記2点の算出方法について、以下で詳しく解説します。

粗利益(売上総利益)

粗利益(売上総利益)を算出する際は、以下の計算式を使います。

計算方法

売上高総利益率=売上総利益÷売上高×100

粗利益は、ビジネス経営を行ううえで、非常に重要な値です。人件費や販売管理費などのコストは、粗利益から支払われています。コストよりも粗利益が上回る場合は、手元にある程度の利益が残るため、企業経営を行ううえで重要な値といえるでしょう。

営業利益

営業利益を算出する際は、以下の計算式を使います。

計算方法

売上高営業利益率=営業利益÷売上高×100

営業利益とは、企業が本業の商品サービス販売によって得られた利益を指します。健康食品を取り扱う企業の場合は、メインの商品である健康食品の販売によって得られたものが、営業利益になるイメージです。

レストランにかかる経費の内訳

レストランにかかる経費は、大きく分けて変動費と固定費が挙げられます。以下がそれぞれの詳細項目です。

変動費

  • 仕入れ原価
  • 水道光熱費
  • 旅費交通費
  • パートやアルバイトの人件費
  • 販売促進費
  • 消耗品費

固定費

  • 家賃
  • 正社員の人件費

変動費は状況に応じて費用が変わります。毎月一定の金額ではなく、ある程度の差があるのが特徴です。対して固定費は、毎月一定の金額がかかります。飲食店業界においては、変動費が60〜70%、固定費が15〜25%であることが理想です。

レストランの利益率を上げる7つの方法

電卓!

レストラン業界は利益率が低い傾向にあると解説しました。コストがかかり競争相手も多いため、厳しい業界であることは事実ですが、利益率を上げる方法も存在します。具体的な方法は以下の7つです。

  • 食材費を下げる
  • 食品ロスを減らす
  • 飲食店の回転率を上げる
  • 人件費を下げる
  • 客単価を上げる
  • 高原価メニューを用意する
  • 高利益メニューを増やす

以下では7つの方法について、詳しく解説しています。レストランの利益を上げるためにも、以下の方法を参考にしてみましょう。

1. 食材費を下げる

現在提供しているメニューの食材費を見直しましょう。食材費が高いことが原因の場合は、仕入れ先を変更するのも1つの手段として挙げられます。普段から近隣のスーパーで食材を購入している場合は、リーズナブルな業務用スーパーに変更するのがおすすめです。

食材費はレストラン経営を続けていくうえで、コストの発生を避けられないものでしょう。必ず発生するコストだからこそ、可能な限り費用負担を抑える工夫が必要です。

2. 食品ロスを減らす

食品ロスを減らすことは、利益に大きな影響を与えます。食べ残しや廃棄物があると無駄な経費が増えてしまう結果となり、利益率が低下する原因の1つです。

食べられる食材が無駄になることを食品ロスと呼び、平成30年度は日本国内で約600万トンの食品ロスが出ています。在庫管理を徹底する、廃棄になりリスクが低い冷凍食品を扱うなどの工夫が必要です。

参照:食品ロス量(平成30年度推計値)の公表|農林水産省

3. 飲食店の回転率を上げる

よほどの高級店ではない限りは、回転率をできる限り上げる意識も必要です。回転率が上がれば、多くのお客さんが来店できるようになるため、利益率が上がりやすくなるでしょう。

回転率を上げるためには、レイアウトの変更が効果的です。1人で利用するお客さんが多いお店の場合は、テーブル席の数を減らして、カウンター席を増やします。店内を有効活用できるようになり、多くの人が利用しやすい環境になるでしょう。

4. 人件費を下げる

レストラン業界において大きなコストが、食材費と人件費です。人件費を抑えれば、利益率が向上しやすくなります。店内にお客さんが少ない時間帯は従業員を減らす、無駄に出勤をさせないなど、時間帯や状況にあわせてシフトを組みましょう。

人件費を抑える場合給料を下げるイメージがありますが、給料を下げれば従業員が離職する可能性が高いです。レストラン業界は人材不足が指摘されているため、人件費を削減することを目的に給与を下げることは得策ではありません。

5. 客単価を上げる

客単価を上げれば、利益率向上につながりやすくなります。複数のメニューをセットで注文するとお得になる、+500円でメイン料理のグレードがアップするなど、工夫をしてみるのがおすすめです。

セットやグレードアップのシステムは、お得感があるのはもちろん、いつもより特別感が得られるメリットがあります。誕生日や記念日などのシーンに需要があるため、利益を得るために効率的な方法です。

6. 高原価メニューを用意する

高原価メニューを用意すると、顧客から注目されやすくなります。目玉商品として売り出せば、話題性の向上も期待できるため、利益率アップにつながる可能性が高まるでしょう。

目玉商品はお祝いのシーンにオーダーすると、特別感が増します。期間限定メニューの場合は希少価値をアピールできるため、関心を持った顧客に注文してもらえることが多いでしょう。

7. 高利益メニューを増やす

高利益のメニューを積極的に増やしましょう。具体的にはフライドポテト・枝豆・ポテトサラダなど、世代問わず人気でありながら、原価率が低いメニューはおすすめです。酒類はサワー系の原価率が低いため、商品ラインナップに取り入れるとよいでしょう。

原価率は30%以内に収める意識をすると、利益を得やすくなります。できる限り多くの人に、高利益メニューを注文してもらえるよう、目立つ場所にメニューを掲載するのもおすすめです。

まとめ

レストランの営業利益率は比較的低く、競争相手が多いことを解説しました。飲食店業界の中でも、レストランは厳しい状況にあるといわざるを得ないため、利益率向上方法を意識することが大切です。

客単価を上げたり、仕入れ先を変更したりなど工夫を凝らすことで利益率が変動します。レストランによっては利益を出している店舗もあるため、まずは目標値に達することを目安に取り組みましょう。

比較ビズでは、レストランを営業するうえで必要な事業計画や経営アドバイスなどを依頼できるコンサルタントを、2分程度の時間で簡単に探せます。全国からぴったりの経営コンサルタントを見つけられるため、ぜひ利用してみてください。

比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

飲食店コンサルタントの依頼にお困りではありませんか?

もしも今現在、

  • 飲食店経営の立て直し方がわからない
  • コスト削減や売上向上の具体策が欲しい
  • 新規出店やフランチャイズ展開のアドバイスが必要

上記のようなお困りがありましたら、比較ビズへお気軽にご相談ください。比較ビズでは、複数の経営コンサルタントに一括で相談ができ、各社の特色を把握したうえで業者を選定できます。相談したからといって、必ずしも契約する必要はありません。まずはお気軽にご利用ください。

飲食店コンサルタントに対応できる業者を一覧から探す