飲食店を開業する準備とは？物件選びから届出の提出方法まで徹底解説

飲食店を開業する前に検討するべきこと

飲食店を開業する前に検討するべきことは、以下の3つです。

市場調査やリスク管理は、数値データや正確なデータを用いて現実的に考えましょう。

1. 市場調査をする

飲食店の開業をする前に、開業を検討している地域の需要や競合状況を調査します。開業したい店舗のターゲット市場や顧客のニーズを確認しましょう。

市場調査は周辺にある店舗の業態をチェックしたり、周りにある施設を確認するだけでも有益な情報が得られます。市場調査を入念に行うことで、開業前の準備段階で戦略を練り直せるでしょう。

2. 飲食店を開業するリスクを把握する

飲食店を開業する前に、リスクを正しく把握することが重要です。たとえば、不景気によって消費支出が落ち込むことで、客足が減少したり客単価が下がったりして、売上が減少するリスクが考えられます。

飲食店を開業するリスクとして、以下の4点が挙げられます。

• 他店舗との競争による市場シェアの確保
• 食材や原材料の価格が変動によるコスト上昇
• 感染症の流行による営業制限や売上減少
• シェフやスタッフの採用と人材の維持

リスク管理をすることで、トラブルや想定外の事象が起こった場合に慌てずに対応できるでしょう。

3. 目標を定める

飲食店を開業することで、達成したい目標を設定を決めましょう。飲食店の開業目的を設定することで、うまくいかなかったときや壁にぶつかったときもモチベーションを保てます。

たとえば「地域のお客様から毎日感謝の言葉をもらう」という目標も店舗が存在する意義になります。

目標に数字を用いることで、定量的に評価しやすくなります。売上高や客単価の目標金額を設定すると、実現するために取るべき行動が明確になるでしょう。たとえば、必要な席数・満席率・客席稼働回数・客単価などの目標が詳細の数字で表現できます。

飲食店を開業する準備の流れ

飲食店を開業する準備の流れは、以下のとおりです。

スムーズな資金調達ができるよう、店舗のコンセプトや事業計画は早めに立案しましょう。

1. 店舗のコンセプトやメニューを設計する

飲食店を開業する際の最初の重要なステップは、独自性のあるコンセプトの設計です。開業する店舗のコンセプトは、以下の項目で検討しましょう。

• お店の雰囲気
• 提供する料理と飲み物
• ターゲットにする顧客
• 価格帯
• 集客する方法

コンセプトが不明確なまま開業すると、準備期間やオープン後に発生した問題をスムーズに解決できないおそれがあります。たとえば、飲食店の雰囲気のコンセプトがないと、食器や装飾に統一感がなくなり中途半端になるでしょう。中途半場な雰囲気の飲食店は顧客の居心地が悪くなりやすく、売上が伸び悩む要因になります。

2. 事業計画を立てる

飲食店を開業するための資金を調達するためには、事業計画を立てなければなりません。お店の大きさや顧客単価・メニュー単価などを計算して、1カ月・3カ月・半年・1年と先を見越した計画を立てましょう。

銀行から融資を受けるためには事業計画が必須です。事業計画書は、開業後に売上目標の見直しや客単価向上の施策を改善する際にも役立ちます。

3. 物件を選ぶ

設計したコンセプトに適した飲食店を開業する場所・物件を選びましょう。アクセスのよさやターゲットとしている顧客とマッチするかなど、環境面の考慮は非常に大切です。

初めて物件選びをする際は、1人で探さずに飲食店を経営している人や施工業者と一緒に回るといいでしょう。物件賃料の予算と施工業者の見積もりを参考に計算し、立案していた収支との整合性をとります。

4. 資金を調達する

個人で開業する飲食店の場合は、1,000万円ほどの資金が必要になります。飲食店開業に向けて調達する資金は、初期費用と月額費用に分けて計算しましょう。

初期費用｜300万円〜500万円

保証金は、家賃の10カ月分が相場であるため、家賃20万円の場合200万円が必要です。内装工事費用は、依頼内容によっても大きく変わります。居抜き物件の場合は、内装工事費用が抑えられます。

初期費用の事例は、以下のとおりです。

• 物件取得費（保証金、礼金、仲介手数料、前家賃）
• 内装工事費
• 厨房機器費
• 空調設備費
• 備品（食器、調理器具、ユニフォーム）
• 広告費

月額費用｜50万円〜100万円

売上が落ち込んでも半年間は資金が回せるように費用計算をします。月額費用は、人件費が1番大きな負担になるため、運営が回せる人数やシフトは、よく検討しましょう。

月額費用の事例は、以下のとおりです。

• 家賃
• 光熱費
• 人件費
• 食材費
• 広告費

5. 開業に必要な届出を提出する

飲食店を開業する前に、必要な届出を提出しなければなりません。営業許可証を取得していない状態で飲食店は開業できず、保健所の立ち入り検査をクリアしたあとに開業できる状態になります。

審査や準備に時間がかかることもあるため、期限に余裕を持って書類を提出しましょう。

飲食店の開業に必要な届出

開業に必要な届出は、以下のとおりです。自治体によって条件が変わる場合があるため、開業する地域の自治体で条件を確認しましょう。

飲食店の開業に必要な資格

飲食店の開業に必要な資格は、食品衛生責任者と防火管理者の2つです。それぞれの概要を解説します。

食品衛生責任者

食品衛生責任者の資格は、食品を扱う店舗で働く従業員の少なくとも1人が取得しなければなりません。食品衛生責任者は、店舗内の衛生管理や従業員の衛生管理指導を担当します。

資格を取得するためには、各地域の保健所で実施される講習を受講する必要があり、1万円ほどの費用がかかります。

防火管理者

収容人数が30人以上の飲食店では、火災による被害を防止するための防火管理者が必要です。飲食店の規模によって甲種・乙種があり、甲種の場合は2日間、乙種の場合は1日間の講習で取得可能です。

詳細は、飲食店を開業する管轄の消防署に確認しましょう。

まとめ

飲食店を開業するときは、開業する地域の市場調査を行ったうえで綿密な事業計画を立てます。物件選びや資金調達・必要な資格取得など、準備しなければならない事項も多いため、早めに行動しましょう。

「比較ビズ」では、飲食店の開業をサポートするコンサルタントや施工業者を簡単に探すことができ、比較して相談できます。飲食店の開業を検討している方は、ぜひ利用してください。

執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。