経営戦略とは?戦略策定の流れや役立つフレームワークを解説!

株式会社Pro-D-use
監修者
株式会社Pro-D-use 取締役副社長 岡島 光太郎
最終更新日:2023年11月20日
経営戦略とは?戦略策定の流れや役立つフレームワークを解説!
この記事で解決できるお悩み
  • 経営戦略とは何?
  • 経営戦略にはどんな種類がある?
  • 経営戦略に役立つフレームワークとは?

「経営戦略とは何か?」「どうやって戦略を立てたらいいのか」とお悩みの経営者の方、必見です。企業の経営戦略は会社の方針を決め、施策の優先順位を決めるのに大いに役立つものです。

この記事では経営戦略の段階や種類から経営戦略策定の流れまで解説します。最後まで読むと、自社の経営戦略策定に着手できるでしょう。

戦略を立てるうえで役立つフレームワークも紹介するため、経営者の方はぜひ参考にしてください。

経営戦略・事業計画書策定の依頼にお困りではありませんか?

もしも今現在、

  • 戦略を具体的に組み立てるのが難しい
  • 自社ビジョンに合ったコンサルタントが見つからない
  • 策定した計画書の評価基準が不明確

上記のようなお困りがありましたら、比較ビズへお気軽にご相談ください。比較ビズでは、複数の経営コンサルタントに一括で相談ができ、各社の特色を把握したうえで業者を選定できます。相談したからといって、必ずしも契約する必要はありません。まずはお気軽にご利用ください。

経営戦略・事業計画書策定に対応できる業者を一覧から探す

経営戦略とは経営目標を達成するための方針

pixta_71961271_M

経営戦略とは、企業が経営目標を達成するための方針を指します。企業の成長のために経営資源を適切に分配し、事業を展開していかなければなりません。

効果的な企業活動を行うためには、事業を展開するだけではなく、活動の方向性を定めることが必須です。経営戦略は企業活動の方向性を決めるとともに、事業を滞りなく展開してくための体制を作るために立てられます。

経営戦略の目的

経営戦略の大きな目的は優先順位の明確化です。企業ごとに得意分野や弱点、解決すべき課題は異なります。

経営資源であるヒト・モノ・カネは有限です。得意分野を伸ばすアイデアや弱点を克服する施策、課題を解決する方法すべてを実践することは難しいでしょう。そのため、経営戦略を指針として定め、どの分野・事業に力を入れるべきか決める必要があります。

経営戦略の必要性

経営戦略が必要な理由は、時代の変化のスピードが非常に速いためです。時代の変化のスピードが緩やかだった時代は、1つの商品やサービスで数年から十数年売り上げを伸ばし続けられた企業が多く存在していました。

現代では、絶え間なく大きな変化が起きるため、企業が安定した優位性を築くことは困難です。企業が生き抜くためには、経営戦略を常に確認し、時代の変化に応じて適宜修正することが重要となります。

経営戦略3つの段階

pixta_93198393_M

経営戦略には3つの段階があります。

  1. 企業戦略
  2. 事業戦略
  3. 機能戦略

企業戦略、事業戦略、機能戦略は戦略の規模が異なるものの、互いに密接に関連しています。企業戦略を決定してから、事業戦略・機能戦略を決めるのが一般的です。

1. 企業戦略

企業戦略とは、会社全体の方向性を定める戦略のことです。経営戦略の要であり、全従業員が同じ目的に向かい仕事をするために不可欠です。

自社の得意分野を見極め、どの事業分野で戦っていくのか、経営資源をどの事業に配分するかを決めましょう。具体的な目標値を設定することにより、企業戦略が適切かどうか、見直す時期に来ているかを判断できます。

2. 事業戦略

事業戦略とは、企業戦略を各事業内に落とし込んだ戦略のことです。提供する商品やサービス、経営資源の配分、顧客満足度の向上をどのように達成するのか、事業戦略と企業戦略の間に整合性が取れているかを確認しましょう。

事業ごとに、競合企業や顧客の属性は異なるため、事業の多角化を進める場合、事業ごとの戦略立案が必要です。

3. 機能戦略

機能戦略は、社内の機能組織が企業戦略・事業戦略を実践するための戦略です。事業戦略を基に策定されます。

機能戦略は、マーケティング戦略、営業戦略、物流戦略、財務戦略などに細分化できます。事業戦略の目標を達成するために各機能がどのように動くべきか見定め、機能戦略を決めていきましょう。

機能戦略がうまく機能しない場合、事業戦略からの練り直しが必要です。

経営戦略の種類3つ

UlYyOurgYN7UC3L1677037361_1677037374

経営戦略にはいくつかの種類がありますが、代表的なのは以下の3種類です。

  1. 多角化戦略
  2. 差別化戦略
  3. 価格戦略

上記の戦略はすべて、他社と比較して独自路線を追求するための手法です。企業によってどの戦略が適しているか異なるため、経営戦略を決定する際には慎重な検討が必要となります。

1. 多角化戦略

多角化戦略とは、自社の経営資源を活用して新たな事業や分野に進出していく戦略のことです。不安定な世界情勢や経済情勢に対応できるよう、事業を展開する領域を変更する企業が増えています。

多角化の大きなメリットは、収益の拡大とリスクの分散です。既存の事業が打撃を受けても、別の事業から利益を上げられれば企業活動を継続できるでしょう。多角化戦略が軌道に乗るまでは、コストがかかり利益率が下がるデメリットもあります。

2. 差別化戦略

差別化戦略は、競合他社とは異なるセールスポイントをアピールし、他社よりも優位な立場で事業を展開できる領域で利益を上げる戦略です。商品やサービスの特性をアピールすることで、高いシェアを獲得できます。

差別化戦略のメリットは、価格を下げなくても購入してもらえることです。他社にはない特性や利便性を提供できれば、他社と価格競争しなくても利益を上げられるでしょう。

デメリットは、顧客のニーズを的確に把握するために多大の労力が必要であること、差別化に失敗すると既存顧客を失いかねないことなどです。

3. 価格戦略

価格戦略とは、高価格もしくは低価格を武器にシェア拡大を図る経営戦略です。商品の品質を高め、品質に見合った高価格を設定する「高価格戦略」や、競合他社よりも圧倒的に低価格で商品・サービスを提供する「コストリーダーシップ戦略」などがあります。

コストリーダーシップ戦略の場合、価格を下げるだけではなく、低価格でも利益を出すために製造・流通・販売にかかるコストを徹底的に削減することが求められます。価格は消費者にとって非常に重要な要素であるため、価格戦略の展開は慎重に行う必要があるでしょう。

経営戦略策定の流れ

pixta_91356678_M

経営戦略策定には3つのステップがあります。

  1. 外部環境の分析
  2. 内部環境の分析
  3. 競争優位の源泉の決定

一般的に経営戦略の策定は外部環境分析から順番に行います。それぞれの段階でフレームワークを用い、さらに細かい分析を行うことも可能です。

1. 外部環境の分析

外部環境分析とは、市場や競合他社、社会情勢、政治など自社の周りにある外部の環境を分析することです。外部環境は、企業や従業員の力ではコントロールできません。現存する外部環境のなかで最善の経営戦略を立てることが求められるでしょう。

外部環境分析にはマクロ環境分析とミクロ環境分析の2種類があります。マクロ環境分析は社会や政治、経済の動向を分析することで中長期的な計画に活かさなければなりません。ミクロ環境分析は競合他社や市場などより把握しやすい周辺環境の分析であり、短中期的な経営戦略の立案に役立ちます。

2. 内部環境の分析

内部環境分析は、自社内にあるヒト、モノ、カネに加え、情報やノウハウなどの経営資源や強み・弱みを分析することです。内部環境は外部環境と異なり、コントロールすることが可能であるため、経営戦略を立てる際に不可欠なステップとなります。

内部環境分析により自社の課題を把握し、競争優位性や特定の事業から撤退する時期を適確に把握することができます。自社の強みと弱点を把握することで、ビジネスチャンスを逃さず、成功率の高い事業につながるでしょう。

3. 競争優位の源泉の決定

外部環境分析と内部環境分析を行うことで、競争優位の源泉を決定できます。競争優位とは、特定の事業が競合他社よりも有利な状況になる要素・性質のことです。たとえば、他社にまねできない低コストの実現や高い技術力の獲得、入手困難な材料の獲得などが挙げられるでしょう。

競争優位の源泉を決めることで、今後の経営戦略の方向性が決まります。企業戦略を事業戦略・機能戦略に落とし込めば、従業員1人ひとりが経営戦略の示す方向を見ながら業務に集中できるでしょう。

経営戦略策定に役立つフレームワーク4つ

pixta_75723682_M

経営戦略で役立つフレームワークの代表例は以下の4つです。

  • SWOT分析
  • VRIO分析
  • PEST分析
  • 3C分析

フレームワークにはさまざまな種類があります。フレームワークによって分析できる分野が異なるため、複数のフレームワークを組み合わせることで、より効果的な分析が行えます。

1. SWOT分析

経営戦略でよく用いられるフレームワークの1つがSWOT分析です。SWOT分析は以下の4つの項目を用いたフレームワークで、企業の現状を分析する際に役立ちます。

  • Strength(強み)
  • Weakness(弱み)
  • Opportunity(機会)
  • Threat(脅威)

Strength(強み)とWeakness(弱み)は内部環境分析、Opportunity(機会)とThreat(脅威)は外部環境分析に用いられます。4つの項目は互いに関連しあっているため、強みと機会を組みあわせて事業を拡大する、弱みと脅威を考慮して対策を講じるなどの経営戦略を立てることが可能です。

2. VRIO分析

経営戦略では、VRIO分析もよく用いられます。VRIO分析もSWOT分析と同様、次の4つの項目を用いて分析を行うのが特徴です。

  • Value(価値)
  • Rareness(希少性)
  • Imitability(模倣可能性)
  • Organization(組織)

VRIO分析は、自社の強みと弱みを把握するために役立ちます。自社の商品を含む経営資源が他社と比べて価値や希少性が高いのか、他社から模倣される危険はあるかチェック可能です。経営戦略を立てて遂行していくために会社が組織されているかも判断できるでしょう。

3. PEST分析

経営戦略では、PEST分析を使って外部環境分析を行うケースもあります。4つの外部の要因がどのように自社に影響を与えるか分析できるフレームワークです。

  • 政治(Politics)
  • 経済(Economy)
  • 社会(Society)
  • 技術(Technology)

マクロ環境分析を行うのに適しており、世の中の変化やトレンドを素早く察知し事業や製品の方向性を決めるために用いられます。経済と技術、社会と技術のようにクロスさせて分析するとさらに効果を発揮します。デメリットは、短期的な経営戦略には向いていないこと、内部環境分析には別のフレームワークを用いなければならないことです。

4. 3C分析

経営戦略で多くの企業が用いているフレームワークが3C分析です。以下の3項目を用いて、事業計画やマーケティング戦略を立てます。

  • 顧客(Customer)
  • 競合他社(Competitor)
  • 自社(Company)

3C分析の主な目的は、事業の成功要因を見つけることです。顧客のニーズはもちろん、競合他社の成功事例や自社の強み・弱点を把握することにより、今後効果的な経営戦略を立てられるでしょう。

まとめ

経営戦略は、企業が事業を展開し成長していく方向性を定める計画です。企業戦略、事業戦略、機能戦略と順を追って戦略を立てることで、従業員が一丸となって目標に進む環境を整えられるでしょう。経営戦略に役立つフレームワークを利用し、競合他社に負けない事業を進められます。

比較ビズは、経営戦略に強いコンサルタントを比較できる便利なWebサイトです。無料で利用できるだけではなく、短時間で全国各地のコンサルタントを比較できるため、時間と労力の節約になります。経営戦略を立てるための助けが欲しい経営者の方は、ぜひ比較ビズを利用してみてください。

監修者のコメント
株式会社Pro-D-use
取締役副社長 岡島 光太郎

2009年:(株)リクルートに新卒で入社。営業部署・企画部署にて責任者を務める。(在籍中は、MVPやマネジメント賞など、多数受賞。)
2013年:(株)データX(旧:フロムスクラッチ)の創業期に転職。営業や新卒・中途採用の責任者を務める。
2014年:アソビュー(株)に転職。その後、営業責任者、新規事業責任者、事業企画を歴任。
2015年:(株)Pro-D-useを創業。取締役副社長(現任)に就任。新規事業の立上げ〜収益化、成果を上げる営業の仕組み作り、採用〜組織の構築、Webマーケティングを主軸とした売れる仕組み作り、業務システムの導入・運用、融資を中心とした資金調達〜財務のコンサルティングを得意としている。
また、個人でも中小企業の融資を支援するサービス「中小企業の融資代行プロ.com」を運営するなど、一貫して中小企業を支援することを生業にしている。

経営戦略は、法人規模の大小に関わらず、必ず必要な経営ツールだと言えます。本記事では、経営戦略の具体的な立て方について解説しておりますが、もっとも重要なことは、「経営戦略は、定期的に見直し続ける」ことです。

経営戦略を作るのは大変なため、作って終わりになっている会社を現場ではよく見かけます。しかし、どんなに完璧な経営戦略を描いたとしても、時代の流れや市場のトレンドによって、その戦略は一気に陳腐化していきます。

経営戦略は会社の生き残り方針です。作って終わりではなく、持続的な成長をするために、毎年見直しをかけましょう。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

経営戦略・事業計画書策定の依頼にお困りではありませんか?

もしも今現在、

  • 戦略を具体的に組み立てるのが難しい
  • 自社ビジョンに合ったコンサルタントが見つからない
  • 策定した計画書の評価基準が不明確

上記のようなお困りがありましたら、比較ビズへお気軽にご相談ください。比較ビズでは、複数の経営コンサルタントに一括で相談ができ、各社の特色を把握したうえで業者を選定できます。相談したからといって、必ずしも契約する必要はありません。まずはお気軽にご利用ください。

経営戦略・事業計画書策定に対応できる業者を一覧から探す