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CAMPFIREを開発するために必要な機能・構築費用

更新日:2020年03月28日 発注カテゴリ: Webシステム開発
CAMPFIREを開発するために必要な機能・構築費用

もともとはアメリカで生まれ、日本国内でも2011年からサービスが開始されたクラウドファンディング。「CAMPFIRE」は2011年に開始したサービスの一つで、国内ではもっとも有名で利用者も多いサービスです。2019年2月には累計流通額100億円を達成するなど国内のクラウドファンディングをけん引するサービスといえます。では、このCAMPFIREのようなサービスを開発しようと思ったら、どんな機能が必要で費用はどれくらいかかるのでしょうか?この記事ではその問題に答えるべく、様々な角度から解説をしております。

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CAMPFIREとクラウドファンディング

クラウドファンディングとは「モノやサービスを作り出したい」「課題を解決したい」というようなアイデアを形にするために、必要となる支援者と資金を集めるサービスです。ネット上で支援者を集めることができる気軽さや、ネットの特性である情報の拡散性の利用、テストマーケティングとして利用できるなど、新たな資金の調達方法として徐々に浸透してきています。

インターネット上で資金を集めるクラウドファンディングですが、支援者へのリターンのあり方により種類分けされています。CAMPFIREはその中でも「購入型クラウドファンディング」と呼ばれる種類です。

購入型クラウドファンディングでは、資金を調達したい人はプロジェクトを起案します。そのプロジェクトに対し、支援者はお金を支援し、そのリターンとしてモノやサービスを受けることができる、という仕組みです。

また起案者と支援者の間にはクラウドファンディングサービスが存在し、プロジェクトの掲載、状況報告の場の提供とお金の取りまとめを行います。購入型の名が付く通りリターンがあるため、モノやサービスを購入するような感覚で資金の支援をすることができるのが特徴です。

金銭的なリターンは発生しません。(金銭的なリターンが発生するクラウドファンディングは融資型、株式型、ファンド型といった別の方式に分類されます。)

目標金額を達成した場合のみプロジェクトが成立する「All or Nothing型」と、目標金額に満たなくてもプロジェクトが成立しリターンが確約される「All in型」の二種類の方式があります。プロジェクトのカテゴリは下記のように分けられており、様々な需要に対してプロジェクトを起案することが可能です。

プロジェクトのカテゴリ

テクノロジー・ガジェット、プロダクト、フード・飲食店、アニメ・漫画、ファッション、ゲーム・サービス開発、ビジネス・起業、アート・写真、まちづくり・地域活性化、音楽、チャレンジ、スポーツ、映像・映画、書籍・雑誌出版、ビューティー・ヘルスケア、舞台・パフォーマンス、ソーシャルグッド

必須機能とあると嬉しい機能

上記のクラウドファンディングを実現するために必要な機能を洗い出します。大きくは利用するユーザの種別で分けて、機能のグループ分けを行い、機能が必須かどうかを判定しています。
※CAMPFIREには関連する複数のクラウドファンディングのブランドが存在しますが、今回はメインとなる購入型クラウドファンディングを実現するための機能にフォーカスを当てて見積もりをしております。

NO 利用ユーザ 機能グループ 機能 種別 必須
1-1 プロジェクト作成者向け ユーザ管理 ログイン 画面
1-2 ユーザ情報登録 画面

メール

1-3 ユーザ情報管理 画面
1-4 プロジェクト作成 プロジェクト作成 画面
1-5 プロジェクト編集 画面
1-6 活動報告 画面
1-7 データ管理 プロジェクト状況確認 画面
1-8 支援者リスト 画面
2-1 支援者向け ユーザ管理 ログイン 画面
2-2 ユーザ情報登録 画面

メール

2-3 プロジェクト支援 プロジェクト検索 画面
2-4 支援 画面
2-5 データ管理 プロジェクト確認 画面
3-1 運営側向け ユーザ管理 プロジェクト作成者管理 画面
3-2 支援者管理 画面
3-3 プロジェクト管理 プロジェクトステータス管理 画面
3-4 支援情報管理 画面
3-5 入出金管理 支援金管理 バッチ
3-6 ユーザ告知 お知らせ登録 画面
3-7 利用ガイドライン、QA 画面
4-1 バックグラウンド サーバー
4-2 DB
4-3 WEBサーバー

プロジェクト作成者向け

資金を集めたいプロジェクトの起案者側の利用する機能です。

ユーザ管理

プロジェクトを起こすユーザの登録、管理、ログイン認証などの機能が必要となります。

  • No.1-1ログイン

ユーザを認証し、ログイン/ログオフを行う機能です。最近ではGoogleIDやFacebookIDと連携して、ログインIDに利用できるサービスも増えてきています。利用者の利便性を考慮して、どのようなレベルまで実装するか検討します。クラウドファンディングではプロジェクトの起案者による情報発信は重要な要素となるため、他SNSのIDが利用できるほうが良いです。

  • No.1-2ユーザ情報登録

プロジェクト起案者の情報を登録する機能です。名称やメールアドレス、個人か法人か等のサービス利用に必要となる情報を登録します。プロジェクトを支援してもらうためには、起案者が信用されることも大切な要素となるため、顔写真の登録なども必要に応じて行います。
また支援金は、CAMPFIREが窓口となって集め、その後プロジェクト起案者に渡る流れとなりますので、金融機関の口座番号等も登録する必要があります。

  • No.1-3ユーザ情報管理

個人のプロフィールなどの情報を更新する機能です。

プロジェクト作成

資金を集めたいプロジェクトの情報を作成し、CAMPFIREに掲載する機能です。

  • No.1-4プロジェクト作成

資金を集めて実現したいこと、予定するスケジュール、資金の用途、支援者への具体的なリターン内容などをまとめ、プロジェクトとして登録するための機能です。登録したプロジェクトはCAMPFIRE側で審査後、サイトに掲載され、支援を募ります。

  • No.1-5プロジェクト編集

登録したプロジェクト情報の更新を行う機能です。

  • No.1-6活動報告

ブログのような形でプロジェクトの進捗状況などを支援者に伝えることができる機能です。情報を共有することで支援者の理解を深め、共感に繋がります。

データ管理

プロジェクト起案者がCAMPFIRE上でのプロジェクトの状態などを管理する機能です。

  • No.1-7プロジェクト状況確認

登録したプロジェクトの情報及び支援金の状況を確認するための機能です。

  • No.1-8支援者リスト

支援者の情報や支援内容を確認するための機能です。プロジェクトへの支援者の期待をとらえ、メッセージ発信していくために有用です。

支援者向け

プロジェクトを支援する人向けの機能です。

ユーザ管理

ユーザの登録、管理、ログインでの認証などの機能です。支援者はユーザ登録は必須ではなく匿名での支援も可能です。

  • No.2-1ログイン

ユーザを認証し、ログイン/ログオフを行う機能です。

  • No.2-2ユーザ情報登録

支援者のプロフィールを登録する機能です。

プロジェクト支援

支援者が支援を行うプロジェクトを見つけ、支援の手続きをするための機能です。

  • No.2-3プロジェクト検索

支援対象となるプロジェクトを探すための機能です。プロジェクトのカテゴリ、人気、リターンの人気、公開時期、終了時期などを条件としてプロジェクトを探すことができます。

  • No.2-4支援

プロジェクトに対し、リターンを選択し、支援を行うための機能です。複数のリターン種類が設定されている場合に複数の支援を行ったり、追加の支援を行う機能もあります。支援金の支払いはクレジットカード、オンライン決済、キャリア決済、コンビニ払いなどの方法から選択できます。

データ管理

  • No.2-5プロジェクト確認

支援を行ったプロジェクトを確認する画面です。支援したプロジェクトをリストで確認でき、そのステータスが確認できる機能が必要でしょう。

運営側向け

CAMPFIREのようなクラウドファンディングを運営する側に必要となる機能です。CAMPFIREは支援金に対し手数料を徴収し、収益を得るモデルとなっているため、できるだけ多くのプロジェクトがスムーズに成立できるよう運営は業務を行っています。

ユーザ管理

CAMPFIREを利用するプロジェクト起案者、支援者を管理する機能です。

  • No.3-1プロジェクト作成者管理
  • No.3-2支援者管理

登録された各ユーザの情報を参照し、仲介役としての連絡を取るための機能です。

プロジェクト管理

  • No.3-3プロジェクトステータス管理

CAMPFIREへのプロジェクトの掲載を審査したり、掲載されているプロジェクトの状態を確認するための機能です。審査においてはワークフロー的な機能が必要となります。運営者はクラウドファンディングがスムーズに行われ、プロジェクトが完遂するまでをサポートしていく必要があります。

  • No.3-4支援情報管理

集まった支援の量や支援者、リターンなど支援者に関する情報を管理する機能です。支援したプロジェクトがきちんと支援者へのリターンに繋がるようサポートすることで、サービスへの信頼感を培います。

入出金管理

  • No.3-5支援金管理

支援金を集めて管理し、プロジェクトが成立した際にはプロジェクトの起案者に資金を確実に届けるための機能です。また「All or Nothing型」のプロジェクトで期間内に目標とする金額が集まらなかった場合、支援者への返金が発生するため、返金の機能も必要となります。

ユーザ告知

  • No.3-6お知らせ登録

システムへの機能追加、障害情報や話題性の高いプロジェクトの発生、終了間際といったアナウンスを行うための機能です。プロジェクト起案者には、定期的にプロジェクト状況を伝える仕組みも用意しておきたいです。また話題性の高いプロジェクトに関するアナウンスでは、各種のSNSに連携できるようにするとより大きな効果が期待出来ます。

  • No.3-7利用ガイドライン、QA

CAMPFIREというシステム全体は広大であり、複雑な要素もあるため、よくある質問のQAやプロジェクト作成のためのガイドラインが掲載されています。ユーザの利便性を高め、運用の無駄なコストを抑えることにも繋がります。

バックグラウンド

CAMPFIREの規模のシステムを動かすことを考えると容量、処理性能、処理の分散化などの性能を満たす実行環境が必要となります。サービスが小さい場合はレンタルサーバなどでも実現可能です。規模が大きくなるにつれ自社でサーバー構築をしたり、大規模なクラウドサービスの利用などでハイスペックな環境を作る必要があるでしょう。

また機能の実現を考えた場合、WebサーバーやDBなどのミドルウェアも必要となります。こちらも規模が小さいうちはフリーウェアなどで構築できますが、大規模化した場合レスポンス確保、サポートの有無などの観点から商用のライセンス取得が必要となるケースもあります。
※本記事の見積もりではバックグラウンドのハードウェアやミドルウェアは費用から除外しています。

CAMPFIREのようなサービスを作る場合の概算費用

前提として初期構築のみを想定しています。実際には運用しながら改善が発生するため、ランニングコスト+改修費用を掛けてのブラッシュアップが必要となります。またサービス構築後の運営や広告に関する費用、利用するサーバーやミドルウェアの購入費用などは入れていません。

最低限の場合

先にあげた機能一覧より必須の機能を最低限の実装でサービス構築した場合の費用(人月80万円で算出した)見積もりです。シンプルなプロジェクト作成、掲載、支援の流れのクラウドファンディングサービス実現を想定しています。

開発規模 12機能
想定工数 約2.9人月
想定価格 230万円

支援に関してはお金を扱うこととなるためシビアな実装と詳細なテストが必要となり、ある程度のコストが必要です。

CAMPFIREのクオリティを目指す場合

先にあげた機能一覧のすべての機能を、CAMPFIRE並みのクオリティを目指した実装でサービス構築した場合の費用(人月80万円で算出した)見積もりです。

主にクラウドファンディングサービスとしての業務をスムーズに成立させるための機能を対象としており、サービスのスタートアップ時に実装しておきたい範囲となります。特にプロジェクトの作成とサイト上での見せ方は重要で、サービスへの集客を左右します。

開発規模 20機能
想定工数 11.75人月
想定価格 940万円

ただし、これは洗い出した機能を実現するために必要な費用であり、ユーザインタフェースなどのデザイン性を高めユーザの利用しやすさを考慮する場合は、追加でコストを掛けなければなりません。また、QA、ガイドラインなどサービス運営を行いながらノウハウをためてコンテンツ化するものは、ブレ幅が大きいため算出対象外としています。

プロジェクトの作成機能関連は完成形はなく、こだわればコストに際限はありません。ユーザ集客とコストを天秤にかけて検討する必要があります。

一般的な料金相場

クラウドファンディングサービスを作ろうとした場合、対応するクラウドファンディングの種類を増やすとシステムは複雑化しコストも増えます。CAMPFIREのように対応するクラウドファンディングの種類を搾れれば一般的なWebシステムの開発として扱えます。

システムベンダーにこれらの設計〜構築を依頼した場合、必須の機能+αでスタートすることを考えると、12機能で400万円程度は必要になってくるでしょう。

CAMPFIREの収益モデル

CAMPFIREの収益は集めた支援額の12%を手数料としています(+5%の決済手数料)。プロジェクト作成時には費用が発生しないため、利用しやすい仕組みとなっています。

この収益モデルの場合、以下に利用者を増やし、支援額を増やすかがテーマとなります。システムのユーザビリティを高め、サービスの宣伝を広く行うプランが必要不可欠です。

発注費用を抑えるポイント

要件定義をしっかりする

実際にサービスを作るにあたり、実現したいことを明確にし、できることとできないこと(不要なこと)をきちんと決めておくと、発注先でも不要な機能は省くことができます。なんでもできるシステムを構築しようとすると、その費用は青天井です。見積りを依頼する前にきちんと要件を確認しておくことが重要です。

デザインを妥協する

エンドユーザが利用するユーザインタフェースはとても大事な要素の一つです。しかし、デザインは定まった正解はなく、こだわり続けるといくら時間と費用があっても足りません。まずは機能の実現に重点をおき、デザインはほどほどで納得しておくのが良いでしょう。一度サービスを公開してからでも、後からデザインだけ修正することも可能です。

最低限の機能からスタートする

サービスの構築にあたり実現したいことは何か、そのために必要な機能が何かを絞り込むことで、無駄なコストを掛けずにスタートすることができます。webサービスはいわゆるスモールスタートではじめることができるのも利点の一つです。また、最初から多くの機能があるよりも、必須の機能だけであればユーザはいずその機能に注目するという利点もあります。

注力する機能を限定する

他のサービスとの差別化を図るため各機能を充実させることは必要です。しかし、最初から全てをハイレベルにしようとすると無尽蔵のコストと時間が必要となってしまいます。
まずはサービスのウリとなるところに注力し、サービスを軌道に乗せることが第一です。サービスのポイントを企画段階で考えておきましょう。

CAMPFIREのようなサービスを作る際に気を付けたいポイント

クラウドファンディングは現在も成長を続けており、2022年には世界のクラウドファンディング市場は11兆円に達すると予想するデータもあります。時流にのって、CAMPFIREのようなクラウドファンディングサービスを作ろうと考えたときに気を付けておきたいポイントをあげます。

収益化構造の確立

現在、CAMPFIREの主な収益方法はプロジェクト成立した支援額に対し一定の手数料を取るというものです。支援の際に負荷になりすぎないようその比率は調整されており、現在は開始当初より低い12%に抑えられています(別途決済手数料5%も発生します)。ユーザが利用しやすく、サービスの運営、発展が可能な収益をあげることが必要です。

あらたな収益モデルを作ったり、複数の収益モデルを組み合わせて利用するなど、クラウドファンディングサービスでの新しいビジネスモデルを生み出すチャンスなのかもしれません。

競合のクラウドファンディングサービスとの差別化

現在、日本国内の購入型クラウドファンディングでもCAMPFIREをはじめ、Readyfor、Makuake、A-port、etcと多数のサービスが存在しています。それぞれのクラウドファンディングサービスが、特色を出そうと努力している状況です。

  • プロジェクトのカテゴリ、ジャンル
  • サービスの使いやすさ
  • プロジェクトの告知、情報発信
  • 手数料
  • サポートの拡充

その中でもCAMPFIREは流通額トップであり、総合的なサービスを備えているといえます。

今後、新たに市場に参入する場合は独自性の高いサービスからスタートして注目を集め、クライアントをつかんでいく必要があります。クラウドファンディングサービスを運営していくうえで、他のサービスとの差別化は大切な要素です。

SNSを利用したマーケティング戦略

クラウドファンディングは支援者を「集める」というサービスの性質上、集客が大変重要な要素です。SNSを活用し情報感度の高いユーザを多く集めることで、情報の拡散につなげる戦略が必要です。可能であればSNSとのシステム連携も視野にいれ積極的に利用する必要があるでしょう。サービス開始当初から、マーケティング戦略も視野に入れて機能設計するべきなのかもしれません。

総括

日本にクラウドファンディングサービスが現れてから、まだ10年もたっていません。しかし、ネットという要素を除けば、不特定多数の人から資金を募り何かを実現させるという手法自体は昔からあるものです。日本では寺社仏閣の造営・修復などのための「勧進」が古くから行われるています。資金を集める仕組みとしては昔から需要があるものといえます。

成長市場であるクラウドファンディングに取り組むには、先行したサービスとの差別化を図ってユーザをつかめれば、成功への余地があるでしょう。また、多くの人の力で何かを実現するという利益外でもやりがいのあるサービスでもあります。SNS等を上手く利用して情報発信することも視野に入れて、クラウドファンディングサービスへの参入を図ってください。

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