【具体例】データベース構築の費用相場は?ケース別のコスト比較6つを解説
- データベース構築の費用相場はどれくらい?
- データベース構築の費用を左右する要素とは?
- 適正な価格でデータベース構築を依頼するコツは?
顧客情報や社内情報をまとめたデータベースの構築は費用がかかるものの、データの分析・活用ができて売上アップや業務効率化を実現できます。しかし具体的な費用目安がわからなければ依頼はできません。
そこで本記事ではデータベース構築のケース別費用相場や費用に影響する要素、適正価格で構築するコツなどを解説します。
「データベースの費用相場を把握して予算を組みたい」という経営者や企業担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
データベース構築の費用相場を6ケースで解説
冒頭でも触れましたが、データベース構築の費用相場目安は、シンプルなものであれば10万円以内、基幹システムに活用される複雑なものであれば500万円以上と、相場幅が非常に広いのが特徴です。これは「どのようなデータベースを構築するか」で、構築にかかる費用がまるで変わってしまうからです。
データベース構築費用相場概要表
ケース | 費用相場 |
---|---|
SOHO向けのシンプルなデータベース | 5万円〜 |
中小企業向けのシンプルなデータベース | 20万円〜 |
業務システム用データベース | 100万円〜 |
大企業向けのシンプルなデータベース | 300万円〜 |
基幹システム用データベース | 500万円〜 |
一般的には、膨大なデータを管理する大規模なデータベースであれば、それだけ構築費用が高くなるように思えますが、必ずしも「規模」の大小が費用に直結するわけではありません。
キーになるのは、データベースを構成する「テーブル」「レコード」「カラム」「フィールド」の概念です。Excelにたとえれば「テーブル=シート」「レコード=行」「カラム=列」「フィールド=セル」に相当すると考えていただければ間違いありません。
以下、データベース構築費用相場概要表から、ケース別費用相場の内容を個別に紹介していきますが、それぞれの「テーブル」「カラム」「レコード」数に注目してみてください。また、それぞれの費用相場の概算は、純粋にデータベース構築のみの費用を算出しています。
SOHO向けのシンプルなデータベース構築費用相場は5万円〜
データベース | Microsoft Access |
---|---|
共有方法 | ローカルPC |
データベースを共有する人数 | 1〜2人 |
テーブル数 | 2〜3 |
カラム数 | 10〜20 |
レコード数 | 100〜10,000 |
納期 | 1週間 |
PC1台にMicrosoft Accessをインストールして、個人、もしくは多くても2人で共有する、シンプルなデータベースを構築するケースです。
顧客・名刺管理、伝票管理などのように、情報項目(カラム)が少ない一方で、人数・枚数(レコード)が多くなりがちなデータを管理するのに有効なデータベースです。Excelでの管理に限界を感じてきたSOHO・個人事業主の方が、最初のステップとして構築するデータベースとして最適です。
中小企業向けのシンプルなデータベース構築費用相場は20万円〜
データベース | Microsoft Access |
---|---|
共有方法 | ローカルPC、NAS |
データベースを共有する人数 | 3〜9人 |
テーブル数 | 5〜15 |
カラム数 | 25〜50 |
レコード数 | 100〜100,000 |
納期 | 2週間 |
NASに保存されたMicrosoft Accessのデータベースファイルを、10人未満で共有するシンプルなデータベースシステムです。
従業員情報と連携した勤怠管理をデータベース化するなど、管理項目(テーブル)を増やして自由度を少し高め、シンプルながらも日常業務の効率化に有効なデータベースです。Excelで分割管理していた業務をデータベースで統合したい、数人以上でデータ共有したい中小企業に最適なデータベースでしょう。
業務システム用データベース構築費用相場は100万円〜
データベース | Microsoft Access、FileMaker |
---|---|
共有方法 | ローカルPC、ローカルサーバ |
データベースを共有する人数 | 5〜20人 |
テーブル数 | 10〜30 |
カラム数 | 25〜100 |
レコード数 | 100〜1,000,000 |
納期 | 1ケ月〜2ケ月 |
ある程度の性能を持つPCに、Microsoft Access、あるいはFileMaker Serverをインストールし、最大20人程度でデータ共有・活用する、業務システム用のデータベースシステムです。
在庫管理・販売管理システムを顧客管理システムと連動させ、購買履歴をビジネス改善に役立てるなど、中小企業のご有無合理化に最適なデータベースです。
このレベルになると連携させる管理項目(テーブル)が多くなるため、Accessでは力不足になる場合も。FileMakerを活用する、あるいはMySQLでデータベースを構築することもあります。
大企業向けのシンプルなデータベース構築費用相場は300万円〜
データベース | MySQL、PostgreSQL |
---|---|
共有方法 | Webサーバ・データベースサーバ |
データベースを共有する人数 | 5〜30人 |
テーブル数 | 10〜40 |
カラム数 | 50〜200 |
レコード数 | 1,000〜2,000,000 |
納期 | 2ケ月〜4ケ月 |
専用データベースサーバ・Webサーバを構築した上で、比較的シンプルな業務システムを最大30人程度で共有・活用する、大企業向けのデータベースシステムです。
サーバOS・ミドルウェアを含めたサーバ構築の手間がかかるのはもちろん、ブラウザでデータベースを操作できるインターフェースの開発も必要になるため、構築費用は一気に高くなります。データベースを共有する人数によっては、分散処理・ネットワーク最適化なども必要になるでしょう。
基幹システム用データベース構築費用相場は500万円〜
データベース | Oracle、SQLServer |
---|---|
共有方法 | Webサーバ・データベースサーバ |
データベースを共有する人数 | 5〜50人 |
テーブル数 | 20〜50 |
カラム数 | 100〜400 |
レコード数 | 1,000〜3,000,000 |
納期 | 4ケ月〜8ケ月 |
構成は大企業向けのシンプルなデータベースと大きく変わりませんが、基幹システムなどに代表されるように、一元管理されたデータベースが全業務システムの中枢を果たすパターンです。
実際に、データベース単体で構築されるというよりは、基幹システムのパッケージとして導入されるケースが多くなります。これまでは社内にサーバを構築するオンプレミス型が中心でしたが、近年ではAWSなどのパブリッククラウドを利用するケースも増えています。
費用相場を理解するためのデータベースの基本
ここまで、ケース別のデータベース構築費用相場を紹介してきました。効率化を実現する業務システムにデータベースが欠かせないこと、どのようなデータベースを構築するかで費用相場が大きく変動することが理解できたのではないでしょうか?
しかし、それだけでは自社が求めるデータベースがどの価格帯になるのか?判断するのは難しいといえるでしょう。費用相場を理解するためには、データベースの基本を知っておくことが重要です。
データベースの種類
データベースとは、データを有効活用するため、簡単に検索・編集できるよう「整理・蓄積されたデータの集合体」のことです。データベースには、整理・蓄積の方法別にいくつかの種類がありますが、現在主流となっているのは「リレーショナルデータベース」です。
Excel同様、表形式でデータを管理するリレーショナルデータベースは、複数のテーブル(シート)を関連付け(リレーション)できるのが特徴。テーブルAの特定フィールドをキーに、テーブルB、C、Dにある関連情報をすべて引き出す、などの使い方が可能です。
代表的なリレーショナルデータベースとしては「Oracle」「MySQL」「SQLServer」「PostgreSQL」などが挙げられますが、これらはDBMS(データベース管理システム)と呼ばれ、操作に必要なインターフェースを専用環境で開発しなければならないのが特徴。
一方、同じリレーショナルデータベースでも「Access」「FileMaker」などは、アプリケーションでもあるため、単体でインターフェースを構築できます。
以下の記事ではより詳しく解説しているので参考にご一読ください。
データベースの構築方法
データベースは、どのように活用したいか?だれが利用するか?によって、構築方法が異なります。大きくは、シンプルなデータベースを個人利用する「スタンドアロン」、社内の複数人で共有する「LAN共有」、外部からのアクセスも可能な「Web共有」の3つがあり、それぞれに複数の構築方法が存在します。
一般的には、データベースに同時アクセスする人数が多くなるほど、アクセスできる自由度が高くなるほど、高性能な実行環境が必要になり、トータルコストは高くなります。
データベース構築費用を左右する3つの要素
それでは、データベースの基本が理解できたところで、ケース別の費用相場表も踏まえ、データベース構築費用がどのような要素に左右されて変動するのかを紹介していきましょう。
テーブル・カラム・リレーション
テーブル・カラム・リレーションの数は、データベースの構築費用を左右する大きな要因です。管理したいデータが顧客情報のみであれば、テーブル数(シート)は1つで済むため、レコード数(行)が多い場合でもExcelで管理できるかもしれません。
しかし、データベースを構築する最大のメリットは「複数のテーブルを関連付けてデータを編集・活用できる」ことです。顧客・販売・在庫情報を関連付けて管理できる便利なデータベースを構築すれば、テーブル・カラム・リレーション数は単純に3倍に増え、構築にかかる時間・手間も3倍に増えてしまうでしょう。結果的に時間・手間が多い分の人件費が、構築費用に反映されるのです。
データベースの共有方法
データベースをどのように共有するか?構築方法によっても費用相場は大きく変わります。たとえば、スタンドアロンでデータベースを構築するなら、普段使っているPCにAccessをインストールすれば実行環境を整えられます。必要なのはAccessの購入費用、およびデータベースの構築費用だけです。
しかし、社内LANでデータベースを共有するなら、データベースサーバを構築する必要があります。FileMakerであれば、Mac Miniなどでサーバ構築するのも可能ですが、Web共有するなら専用サーバを構築しなければならないでしょう。つまり、データベース共有の自由度を高めると、実行環境構築にかかる費用が高くなります。
自由度の高いデータベースを構築するには、OracleなどのDBMSが活用されますが、これも構築費用を左右する要因です。AccessやFileMakerであれば、データベースと同時にインターフェースも構築できますが、専用の開発環境が必要なDBMSでは追加の構築費用が必要だからです。
セキュリティの強度
業務データを扱うことの多いデータベースではセキュリティ対策が欠かせませんが、これをどの程度まで実装するのか?セキュリティの強度によっても構築費用は変動します。スタンドアロンのデータベースを、インターネットに接続せずに利用するならセキュリティは必要ないかもしれません。
しかし、そのような利用方法は現実的とはいえないでしょう。データベース共有の自由度が高いほど、セキュリティの強度を高める必要があり、それだけコストもかかります。
データベースのセキュリティ対策を知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
適正な費用でデータベースを構築する3つのコツ
ここまでで解説してきたように、データベース構築の費用相場はさまざまな要因で変動します。しかし、単純に構築費用だけを重視していたのでは、使えないデータベースになってしまった、といった事態になりかねません。重要なことは、システム開発会社に適正な費用相場でデータベースを構築してもらえるよう、事前準備をしておくことです。
データベース構築の目的・ゴール
もっとも重要なのは、データベースを構築することで「なにをしたいのか?」「どんなことを実現したいのか?」目的とゴールを明確にしておくことです。データベースに限ったことではありませんが、システム・ツールはあくまでも「道具」です。道具を使ってなにをするかが重要なのであり、ツールを作ることが目的になってはいけません。
購買履歴から顧客行動を分析するため、顧客・販売・在庫情報を連携させたいなど、できる限り具体的な目的・ゴールを定めておけば、システム開発会社も適正な見積もりを提案しやすくなります。
業務の洗い出し・要件定義
データベース構築の目的・ゴールを明確にしたら、実際の業務を洗い出して必要なデータ種類、機能を整理しておきましょう。これらの「要件定義」がしっかりできていれば、工程の無駄を省いてデータベース構築にかかる人件費を圧縮できるのはもちろん、完成後の手戻り・修正も減らせます。
スモールスタートで拡張していく
データベース構築で失敗するよくあるパターンは「最初から完璧を目指して多くの機能を盛り込んでしまう」ことです。しっかりと要件が定義されていても、多数のテーブルを連携させる複雑なデータベースでは想定外のトラブルが発生しがちです。その都度、手戻り・修正していては人件費も膨らんでしまいます。
こうした失敗を回避するには、データベースの機能を最小限に絞ってスモールスタートし、必要な機能を順次拡張していく方法を採用するのがベストです。実際にデータベースを使い込むことで、本当に必要な機能はなにか?を明確にできるのも、この方法のメリットです。
システム開発会社選定で見るべき3つのポイント
適正な費用相場でデータベースを構築するには、自社ニーズに応じた適切なシステム開発会社に依頼するのも重要な要素です。それでは、システム開発会社を選定するには、どのようなことに気を付けておけばいいのでしょうか?判断の基準になる選定ポイントを簡単に解説していきましょう。
得意なデータベースを確認する
業務システム・Webサービスのコアとして、データベースはさまざまな規模・用途に活用されていますが、適切な構築方法・DBMSはどのようなデータベースを構築するかで異なります。システム開発会社がどのような分野を得意にしているのか?しっかり確認しておくことが重要です。
たとえば、中規模以上の業務システムが得意な会社なら、Web共有データベースを構築するのは簡単かもしれませんが、Accessを活用したローカルデータベースは対応できないかもしれません。どのような業界・業種の実績があるのかを確認するのもポイントです。
適切な提案ができるか
適切な提案ができるか?システム開発会社の実力を見極める必要があるでしょう。データベースの目的・ゴール・必要要件に対して、明らかに過剰な提案をしてくるような会社は要注意です。提案の理由をしっかりとわかりやすい言葉で説明してくれるか?担当者の人柄と誠意を見るのも重要です。
自社開発しているか
候補となるシステム開発会社は、自社開発中心なのか?確認しておくのが重要です。請負った開発業務を下請会社に委託するのが決して悪いわけではありませんが、案件を獲得するだけで、作業を下請に丸投げしてしまうような会社は考えものです。
人件費にマージンが上乗せされ、データベース構築費用が高くなる可能性があるだけでなく、作業中のコミュニケーションに時間がかかる、意思の疎通が難しくなる危険性があるからです。
自社開発中心のシステム開発会社であれば、こうしたリスクは回避可能です。残念ながら、多重請負の構造を持つシステム開発会社が一部存在するのも事実であるため、担当者に直接質問するなど、しっかりと確認してくべきでしょう。
まとめ
難しいもの、というイメージのあるデータベースですが、表形式での管理が基本のリレーショナルデータベースなら、基本的にはExcelとそれほど変わりません。
データベースの概要を把握し、なにができるのか?どのように活用すべきか?が理解できれば、おのずと理想とするデータベースの形も見えてくるでしょう。
しかし、理想とするデータベースを実際の形として構築するには、システム開発会社の協力が欠かせません。本記事でも適切な開発会社選択のポイントを紹介しましたが、どの開発会社を選んでいいのか?判断に迷ってしまうことも考えられます。
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