求人サイト構築の全て|費用相場・成功事例・収益化方法

この記事は、自社で「仕事を探している求職者」と「採用を募集している企業」をマッチングする求人サイトを制作/構築する予定の方を対象にしています。求人サイトの構築にあたり、どんな機能が必要で、どれくらい費用がかかるのか、どうやった収益化していけばいいのかを解説しています
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求人サイトとは
求人サイトとは、リクナビやマイナビのような、「仕事を探している求職者」と「採用を募集している企業」をマッチングさせるサイトのことを指します。
全ての業界を網羅する求人サイト以外にも、介護・看護特化、WEB・エンジニア特化、飲食特化、建築特化など、特定の業界に特化した求人サイトや、正社員・アルバイト・派遣など、雇用形態に特化した求人サイトなどがあります。
自社のホームページ上で採用の案内を行うサイトを「求人サイト」とは呼ばず、「採用サイト」と呼ぶのが一般的です。この記事では「求人サイト」の構築を新規で考えている企業や個人の方に対して書いております。
求人サイトを作成/構築する2つの方法

求人サイトは開発する機能が多岐に渡るので、システム開発会社に依頼するのが一般的です。
システム開発会社に依頼した場合、システム開発会社側はフルスクラッチと呼ばれる、ゼロの状態から開発をスタートするやり方か、既に完成したシステムを流用またはそのまま使って(ASP・パッケージを活用して)開発をするやり方があります。
お客様自身がどちらかの開発手法を選択する、というよりは、システム開発会社側がお客様の要件をヒアリングした上で、どちらかの開発手法で求人サイトを構築していきます。(見積書では両方のパターンで出す場合もあります)
基本的な2つの構築手法を下記にまとめましたが、これらの方法以外にもWordpressを代表とするCMSを活用して構築するやり方もあります。ただ求人サイトを構築するのに向いていなかったり、メンテナンス性が悪かったりするため、ある程度予算がある場合は、後述するフルスクラッチで開発することが一般的です。
フルスクラッチで開発してもらう場合の特徴(一般的)
フルスクラッチといっても、多くのシステム開発会社は完全にゼロの状態からスタートするというわけではなく、既に開発したソースや、似た開発実績があるソースを活用して、求人サイトを作成する流れが一般的です。
求人サイトでは双方のログイン/会員登録機能、求人募集ページの作成機能などが必要になりますが、これは求人サイトだけでなく、ポータルサイトやマッチングサイトで必要となるような機能が多いため、それらのソースを流用して、お客様が希望する理想の求人サイトを開発していく会社が多い傾向です。
フルスクラッチ開発のメリット
フルスクラッチで開発してもらう最大のメリットは、理想の求人サイトを作成できることです。
後述するASP・パッケージは既に完成したシステムをカスタムする形になりますが、カスタムできない部分があり、「こんな機能が欲しい」と思っても、開発できない場合が多々あります。
フルスクラッチ開発のデメリット
ASP・パッケージを活用する場合に比べて、コストがかかる点が挙げられます。また開発会社のレベルにより、機能やデザインで大きくクオリティが変わる可能性があります。「50万円で求人サイトを開発してもらったが、管理画面のUIが非常に悪く、使い物にならない」といった相談をご依頼頂いたこともあります。
また、フルスクラッチで開発してもらう場合、運用・保守管理費がどのくらいかかるのか、をしっかり把握しておきましょう。
ASPやパッケージ開発の場合は、どこの会社に運用保守を依頼しても、(基本部分が同じなので)そこまで費用は変わりませんが、フルスクラッチの場合は、その会社が独自のルールで開発することになるので、納品後に別のシステム開発会社に依頼する場合、仕様等の把握により、費用が高額になる可能性があります。
ASP・パッケージを活用して開発もらう場合の特徴(予算が少ない場合)
自社(お客様自身)でASP・パッケージを活用して求人サイトを開発するパターンがありますが、デザインや機能をカスタマイズする難易度が高いため、システム開発会社に依頼し、ASP・パッケージを活用して開発してもらう流れが一般的です。
どちらも既に完成している求人サイトをカスタムして使いますが、ASPの場合はクラウド上(ネット上)で利用し、パッケージは必要なソースを一式サーバーにインストールして利用します。ASPのイメージは、個人が簡単にネットショップを持てる、BASEやSTORES.jpをイメージすると理解しやすいかと思います。
ASP・パッケージのメリット
既に完成している求人サイトを利用する形になるため、とにかく早く・初期費用を抑えて構築できます。求人サイトで必要になりそうな機能が予め用意されている場合が多いため、1クリックで新しい機能を導入したり、削除することができたりする場合があります。
ASP・パッケージのデメリット
ASP・パッケージのデメリットとしては基本的に拡張性がないため、柔軟にデザインを変更したり、何か機能を追加したいと思っても、できない場合があります。また、ASPを利用する場合は月額費用がかかる場合が多いため、ランニングコストに注意する必要があります。
求人サイトの制作費/構築費用の料金相場

求人サイトの制作は150万〜300万の価格帯が制作費の相場となります。
どのくらいの機能を求めるかにより費用感が大きく変わりますので、ここでは各価格帯ごとでどんな求人サイトを開発してもらえるか、を解説していきます。
当然ですが依頼するシステム開発会社の規模感によって費用は大きく変わります。大手企業に依頼すれば、サポートがしっかりしている側面がありますが、エンジニア等の人月単価が高いので、高額になりがちです。反対にフリーランスのような方に依頼すれば、費用がかなり安くなる可能性があるものの、運用や保守といったサポートに不安があります。
そのため、費用相場に関しては、社員10人程度のシステム開発会社を想定して、このくらいの予算ならこれくらいのクオリティになるだろう、と推測して下記にまとめました。
50万〜80万円の求人サイト(格安)
- 求職者の会員登録を行わない
- 求人の検索はできない/または簡易的
- デザインには全くこだわらない
当面は手作業が増えて良いので、とにかく安く求人サイトを持ちたい/とりあえずベータ版としてローンチし、マーケットの反応を確認したい、といったニーズの場合は、この価格帯の求人サイトで良いと思います。
この価格帯では、求職者の会員登録を行わない前提なので、企業の求人に応募する際は毎回個人情報を入力してもらったり、やり取りは直接Emailでやってもらったり、会員登録を行いたい場合はメールの控えを元に会員を登録する、といったように色々な面で不便を強いられることかと思います。
デザインに関してもテンプレートデザイン(既に完成しているデザインの使い回し)となる場合が多く、システム開発会社側としては、ほとんど開発もデザインも行わず、とにかく最低限、といった動きになります。
80万〜150万の求人サイト(安め)
- 求職者の会員登録を行う
- 都道府県検索といった簡易的な項目で検索可能
- デザインに多少こだわる
最低限の機能を網羅した求人サイトです。求人を検索する機能は、都道府県や業種といった簡単な項目で、デザインは多少こだわる、といったクオリティになります。
最低限の機能でローンチし、色々運営していくなかで欲しい機能を追加していく方針は、リスクがなく、初期費用を抑えることができるので、この価格帯(というより最低限の機能)で開発するのはお勧めです。
150万〜300万の求人サイト(相場)
- 求職者の会員登録を行い、求人サイトに良くある機能を実装する
- 市区町村/路線・駅、詳細な求人内容で検索可能
- デザインにある程度こだわる
お客様が望む要件にもよりますが、一般的に求人サイトを作成するとなると、この辺りの価格帯が相場となります。全国対応する求人サイトを制作する場合は、全国の市区町村や路線/駅などで検索できないと、求職者側の利便性が悪くなってしまいます。
300万〜の求人サイト(高め)
スカウト機能、メッセージ機能など、大手求人サイトと同等の機能を用意したい場合は、300万円以上が相場となります。特に求人を探す機能(=検索機能)をどれだけこだわるかにより、費用感が大きく変わります。
マイナビを例に、求職者側が検索できる項目を羅列すると、職種、勤務地、業種、雇用形態、年収、キーワード、従業員数、設立年度、特徴があり、ITエンジニアの場合は言語やスキル、担当業種や開発領域があります。
こういった様々な軸で項目で検索できるようにするために、求人を作成する企業側が、それらのフォーマットに沿って入力してもらう必要があり、データベース側で管理する項目が増えることにより、高額になりがちです。
また、求人サイトはページが大量に生成されがちなので、SEO対策にこだわる場合、それなりに費用がかかります。求人サイトだけでなくHOME'SやSUUMOでも同様ですが、似たような一覧ページがされがち(例えば池袋の物件一覧と豊島区の物件一覧など)で、Googleに悪影響を与えるリスクがあります。
10ページ程度の規模感であれば、そこまで懸念する必要がありませんが、全国対応し、ある程度の求人数が集まると、ページ数が一気に増えていくので、SEO的な部分で注意する必要がありますが、SEO対策のコンサルと契約しておけば安心できます。
求人サイトの構築で必要不可欠な機能/良くある機能とは

求人サイトで必要になる機能を、求人を探す求職者側、求人を出す企業側、求人サイトを運営する運営側の3つに分けて、最低限の機能と、大手求人サイトで良くある機能を紹介していきます。
求職者側の管理機能
最低限の機能
- 会員登録機能
- ログイン機能
- 会員情報変更/退会機能
求職者が求人サイトに登録して、ログインすると会員情報を変更/退会できる機能です。最低限これだけは必須になり、以下の「良くある機能」をどれだけ開発したいかにより、費用が大きく変わります。
良くある機能の例
- 応募した求人の管理機能
- 気になる求人の管理機能
- 企業とのメッセージ機能
- メッセージのテンプレート機能
- メルマガ購読機能
- お祝い金申請機能
- スカウト受付機能
- 履歴書/職務経歴書の登録機能
- 求人検索条件の保存機能
大手求人サイトではこれらの機能が用意されております。求職者側に何度も求人サイトを利用して欲しい場合には必須な機能かと思います。
各機能でどんな要件・仕様にするかによっても費用が変わります。例えば企業とのメッセージにおいて、禁則文字をどのレベルで設定するか、お祝い金の申請期限を応募から〇ヵ月までと設定をするか、メルマガ購読機能で配信可否を選べるメールをどれくらいにするか、などがあります。
企業側の管理機能
最低限の機能
- ログイン機能
- 企業情報変更機能
- 求人広告作成機能
最低限、これらの機能があれば求人サイトは作成できます。予算が100万以下の場合は、求人広告を作成する機能のみ開発、となる可能性があります。
多くの求人サイトでは掲載プランごとに、募集内容の文字数に制限があったり、アップロードできる画像枚数に制限があるため、起業のステータスに応じて、どのような制限を行うか、仕様を決める必要があります。
また求人広告を作成してもらって、審査せずに即公開すると問題があります。求人広告というのは様々な法律により表現が規制されているので注意が必要です。
- 男女での差別表現(男女雇用機会均等法)
- 年齢的な差別表現(雇用対策法)
- 特定の人を差別/優遇する表現(労働基準法)
- 実際と異なる条件(労働基準法・最低賃金法)
運営側では上記のような法律を意識した上で、公開して良いか審査する必要があります。具体的にNGな表現や言葉は「求人広告のNGワード・禁止表現まとめ | HRog」で詳しく紹介されています。
良くある機能の例
- 応募者管理機能
- 効果測定機能
- 求職者とのメッセージ機能
- メッセージのテンプレート機能
- スカウト機能
- ヘルプ機能
応募があった求職者にメモを残したり、進捗状態(未返信・面接済・選考中・採用・不採用など)を管理したりする応募者管理機能、作成した求人のアクセス数や応募数が見れる機能、欲しい人材の条件で求職者を検索してスカウトする機能などがあります。
利便性という意味では、応募者の進捗管理機能は必須かと思います。私自身、採用担当としてマイナビやリクナビ、Find jobなどを利用した経験がありますが、応募者数が5人以上になってくると、次の面接は何時の予定で、この人には返信していたか、この人はどんな人だったのかがわからくなってきます。
ちなみに色々な求人サイトを企業側として使った所感、マイナビは使いづらく、Find jobがシンプルで使いやすかったです。マイナビの応募者管理機能は多機能過ぎて、何が何かわからなくなり、結局応募者をExcelで管理していました…。
運営者側の管理機能
最低限の機能
- 求職者の管理機能
- 企業の管理機能
- 求人広告の管理機能
求職者の会員情報を管理する機能、求人を出す企業の会社情報を管理する機能、企業が作成した求人情報を管理する機能が必須となります。
求人広告は上述したように審査をするのが必須かと思うので、求人広告の管理機能で、法律的に問題ないかを確認し、問題がなければ公開手配を取る流れになります。
企業の管理機能では、単純に会社情報だけを管理するのではなく、無料・有料A・有料Bというように、複数プランがある場合は、そういったステータスを管理しておく必要があります。
良くある機能の例
- 応募者の管理機能
- 求職者と企業のメッセージ管理機能
- スカウト管理機能
- お祝い金管理機能
- メルマガ機能
- 請求管理機能
- ページ管理機能
企業が作成した求人に応募した求職者(応募者)を管理する機能で、応募者の志望動機や、応募者の状態(面接済・入社済・不採用)などを管理します。
ページ管理機能では、Webサイト上で求職者に対してブログやニュース、新着情報などのページを管理したり、求人を出す企業向けのヘルプのページを管理したりする機能で、HTMLの知識がなくても、簡単にページの更新を行えるような機能です。SEO対策を図っていくのであれば、こういった機能は必須かと思います。
システム開発会社に開発を依頼する際は、事前にどんなUIになりそうか、共有してもらうことをお勧めします。運営側の管理画面とは毎日使うような代物なので、利便性が悪いと生産性が下がります。使いやすいUIになるよう、多少デザインにこだわってもらった方が良いでしょう。
求人サイトの構築を開発会社に依頼する際の注意点

複数社から見積もりを貰う
費用相場の部分で記載した通り、会社の規模感によって費用が大きく異なります。社員が50人以上いるようなシステム開発会社であれば、営業部や専用のサポート部がいる場合が多く、その分の人件費が上乗せされるため、サポートや品質は高いメリットがあるものの、費用も高くなりがちです。
逆にフリーランスのような個人事業主に、求人サイトの構築を依頼する場合、人を雇っておらず、事務所を構えていない場合が多いため、人月単価が安く、安価に依頼できるメリットがあるものの、サポートや品質が心配な側面があります。
また、求人サイトを構築した経験(マッチングサイトの構築経験)があるような会社であれば、既に開発したソースを流用して開発できる場合が多いため、経験がない会社より安く、安心して依頼することができます。
比較ビズでは、求人サイトの構築が得意な開発会社/制作会社から複数の見積書を一括で貰えるので、ぜひお気軽にご利用ください。
予算上限を伝えて、2パターンの見積書を貰う
求人サイト以外でもそうですが、システム開発を依頼する際、最低限のパターンと理想形のパターンで見積書を貰うことをお勧めします。最初から理想形で開発するとなると、費用が高額になるだけでなく、多機能で使いづらいUIになったり、使われない機能で溢れてしまったりするリスクがあります。
逆に最低限のパターンで開発してもらう場合、納品後に色々機能をつけたい、となっても対応が難しかったり、無駄に費用がかかる可能性があります。そのため、見積書を貰う際(または契約締結する前に)は、「最終形態はこんな機能を用意する予定だが、最低限〇〇と〇〇の機能があれば良いので、2パターンの見積書が欲しい」と伝えておくと良いでしょう。
必要な機能の認識を共有する
求人サイトの構築において、どんな機能をどれだけ用意するかが決まっていないと、費用が大きく変わります。
「スカウト機能を開発したい」といっても、特定の求職者を検索してスカウトするのか、条件に当てはまる求職者に一括でスカウトするのか、スカウトした際に求職者にメールを送るのか、控えとしてスカウトした側にメールを送るのか、求職者をどういう条件で検索できるようにするかなど、スカウトを送る側の機能一つとっても、決定すべき事項が山のようにあります。
契約前にシステム開発会社にヒアリングをしてもらって、一つ一つ要件定義していく流れになりますが、ここの大枠が決まっている場合と決まっていない場合とでは、システム開発会社側の工数が増える(=要件定義の手間が増える)ので、費用がその分上乗せされたり、あやふやな状態で開発がスタートしてしまった場合は、納品後に認識の齟齬が発生し、トラブルになりがちです。
可能なら契約前にある程度、必要な機能のリストアップと、それぞれどんな役割を期待しているかを記載し、契約して開発に着手する前には、全ての機能とそれぞれの仕様をしっかりとお客様自身が把握しておくようにしましょう。
途中で「〇〇の機能が欲しい」といっても、後出しだと無駄に工数が掛かってしまうリスクや、そもそも設計上対応できない可能性があるので注意が必要です。
求人サイトのビジネスモデル/収益方法とは

掲載課金型
掲載課金型は求人サイトでは一般的な課金体系で、主に掲載期間とプランに応じて費用が決まります。
プランの上下によって、求人一覧での順位変動、スカウト機能、メルマガ告知、バナー告知、求人ページの文章量や写真の件数、インタビューの有無などが決定します。
マイナビやリクナビなどが掲載課金型と求人サイトですが、メリットとしては何といっても確実に収益を確保できる点です。デメリットとしては、ある程度のサポートが必須になる点と、求人を出す企業側の集客が大変な点です。
大手求人サイトのようにCMをバンバン打てる規模感であれば、企業側の集客は簡単ですが、求職者が少ない初期の状態では企業側の集客が難しいため、最初は成果報酬型で開始し、ある程度の求職者が集まった時点で掲載課金型に変更する、といった形で何かしらの工夫が必要かと思われます。
リード課金型
反響課金型と呼ばれたりもしますが、応募があった時点/または面接した時点といった、採用前の成果地点で課金される料金体系です。リード課金型はランニングコストがかからないという点から、企業を集客しやすいメリットと、成果地点の把握がしやすいため、請求の管理がしやすいメリットがあります。
デメリットとしては、採用できなかったのに費用がかかるリスクがある点と、運営側としては、複数の企業に一括で応募してくれた方が収益化しやすくなり、企業側としては複数企業に応募されると、採用率が低下する可能性がある点です。(応募した時点で課金する場合、wantedlyのようにフランクに応募してもらえればしてもらうほど、課金額が増えるが、その分、応募後からの採用率が下がり、企業側が解約する可能性が高くなります)
求人サイトの正社員でリード課金型はあまり見かけることがなく、バイトやパートの求人サイトでこのような料金体系の仕組みを設けているところがあったりします。
成果報酬型
求職者が企業に採用された時点で初めて費用がかかる料金体系です。
成果報酬型は企業側のリスクが一切ないという最大のメリットがあるものの、求職者と企業が手を組んで運営側に採用したことを報告しないリスクがあり、それらを回避するために採用が決まった求職者にお祝い金をプレゼントするような、採用したかを把握できる何らかのシステムを実装している所が多くあります。
成果報酬型にすると、求人を出す企業側の集客が簡単になるものの、求職者を増やすための広告費の捻出が難しくなる、という側面があります。月額掲載費や初期費用で儲ける場合は、その金額の一定の割合を広告費に充てることができ、それにより求職者を集客できますが、成果報酬はそういった広告費の使い方が難しい側面があります。
企業側が頑張って求人ページを作成しても、応募者が全然来ないのであれば、求人情報を更新しないようになり、新着性がない求人サイトになり、結果応募者がさらに減ってしまう可能性があったりと、メリットが大きいように感じるものの、デメリットもいくつか存在します。
正社員なら、IT/Web経験者に特化した「Green」や、ビズリーチが運営する「キャリトレ」、バイト・パートなら業界初のお祝い金で有名な「マッハバイト(旧ジョブセンス)」や「マイベストジョブ」が有名です。正社員の場合は初年度年収の20%〜30%、バイトやパートの場合は1件あたり1万〜5万円が成果報酬額として設定されがちです。
なお、完全に成果報酬というわけではなく、求人一覧で上位表示するためのオプションやスカウト機能などを積極的に販売しているサイトが多く、そういった部分でマネタイズしている印象も受けます。
構築時のヒントになる求人サイトの成功事例

お祝い金のインセンティブを導入したジョブセンス
採用が決まると金銭的なインセンティブが入る、という当時は画期的なビジネスモデルで一気に上場まで上り詰めた株式会社リブセンスが運営するジョブセンス(今はマッハバイト)。
お祝い金の仕組みが画期的だったのは、単に求職者に金銭的なインセンティブがある、ということではなく、採用したかどうかが判断できるという点です。
ジョブセンスは成果報酬型のサービスですが、成果報酬型というのは上述したように、契約(採用)したかどうかを追うのが難しいという問題があり、それまでのWEBサービスではあまり存在せず、あったとしても契約したかどうかを電話やメールで確認するサービスが多かった印象です。
しかしお祝い金制度により、求職者は採用されたら、お金が欲しいがために運営側に報告し、その報告を元に企業に成果報酬フィーを請求する、といった運営側の手間がほとんどなく、契約を追うことができる、という仕組みを確立しました。
このモデルでは求人以外にも、賃貸物件を取り扱う不動産サイトなど、他業界でも多く見かけるようになりました。
転職をカジュアルにしたwantedly
通常、転職活動は求人情報に書かれた年収や仕事内容を見て、エントリーする流れになり、企業側は書類選考を行い、面接をする人を決定する流れになります。
wantedlyは当たり前と思われていた上記の流れを全て無視したサービスで、求人情報はビジョンが中心で給与などの待遇が一切記載されていません。さらに画期的だったのが、求職者側のエントリーボタンを「話を聞きに行きたい」としたところです。
これにより、求職者側はフランクに企業側の社風・実態を把握でき、ビジョンにマッチした会社探しができ、企業側は(角度は低いものの)一定数の応募者の確保と、社風・実態を知ってもらった上での採用となるので入社後のミスマッチが防ぎやすい、というメリットがあります。
また、求職者側・企業側ともにFacebookでのログインが必須となっており、求職者側で友達が応募/応援している企業を可視化できたり、企業側は求人情報の作成が完了すると、Facebookでシェアするように勧められます。
実際に私は企業側としてwantedlyの無料プランで求人情報を作成したことがあるのですが、とにかくシェアの設計が上手い印象を受けました。各社員をFacebookで招待して登録する機能があるのですが、求人情報を作成すると、社員のFacebookに求人が投稿されたり、その社員がさらにFacebookでシェアするような導線が作られていたりと、とにかくコストをかけずに、求職者側の集客を行う設計が目立ちました。
ただ、求職者側は学生向け、企業側はスタートアップやベンチャーをターゲットとするような作りになっているため、一般的な中小企業が求人を出しづらい雰囲気が漂っています…笑
総括
求人サイト界隈は、2019年にGoogleが「Google for jobs」をリリースし求人事業に参入したり、リクルートがアメリカでは最大の求人情報サイト「Indeed」を1,000億円で買収したりと、色々賑わっておりますが、特化型の求人サイトは後発でも成長を続けていたりと、市場規模の大きさを思い知らされます。
当然ですが、求人サイトの構築が終わってから、どのような戦略で求職者・企業・求人件数を増やしていくのかは非常に大きな問題です。それにはリスティング広告やSEO対策といったWEBマーケティングのスキルが欠かせません。
比較ビズでは、そういった戦略部分も含めて実績のある企業が多数登録しております。無料で一括見積もりができますので、まずはお気軽に一度ご相談ください。

2015年に中野区でシステム開発会社として会社を設立。「ユーザは何を求めているか?」「本当は何をしたいのか?」などユーザビリティ・マーケティング両面から御社のサービス開発をサポートいたします。「開発&大きな付加価値」を追加できるような企画・提案をいたします。
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求人サイトはリクナビやマイナビなど大手サイトがたくさんあります。その中で求人サイトを作る場合は「どんなターゲットにどんな切り口で求人情報を見せるか?」でいかに差別化を図るかが重要なポイントとなってきます。
そのため求人サイトを開発する際に大事なのは「ターゲットユーザがどんな検索をしたいと考えているか?」を押さえてターゲットユーザが欲しい情報を見れるようにすることです。そのためいには必要な情報の登録と検索機能を使いやすく作りこみを考えておかなければなりません。