経営の多角化とは?4つのパターンと成功事例を解説!

最終更新日:2023年12月11日
経営の多角化とは?4つのパターンと成功事例を解説!
この記事で解決できるお悩み
  • 経営の多角化とは何?
  • 経営の多角化にはどんなメリット・デメリットがある?
  • 経営の多角化を成功させるポイントは?

「経営を多角化するメリットはある?」「経営の多角化を成功事例はある?」とお悩みの経営者の方、必見です。経営の多角化を行うことで、収益を拡大できる、リスクを分散できるなどのメリットがあります。

この記事では、経営の多角化をするメリット・デメリットから成功事例まで解説します。記事を読み終わる頃には、経営の多角化の概要がわかるでしょう。

経営の多角化に成功した会社も紹介するため、事業を展開しようか悩んでいる経営者は、ぜひ参考にしてください。

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経営の多角化は新しい市場への参入

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経営の多角化とは、新しい市場へ参入することを指します。自社で培ったノウハウや経験を活かしながら多角化するケースもあれば、既存事業を撤退し新規事業に挑戦するケースもあります。

近年、経営の多角化を目指す企業は増加しています。感染症の流行や急激な為替変動により、リスクマネジメントの観点から経営の多角化が推進されているためです。既存の市場でシェアを拡大することが難しい場合も、多角化によって収益性を高められるでしょう。

経営の多角化4つの種類

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経営の多角化には主に4つの種類があります。

  • 水平型
  • 垂直型
  • 集中型
  • コングロマリット型

どの種類の多角化を採用するかは、市場や経営資源の豊富さによって変わります。それぞれメリットとデメリットがあるため、自社に適した多角化の手法を選びましょう。

1. 水平型

経営の多角化の手法の1つは「水平型」です。既存事業を展開している市場と同じ市場で新たな商品・サービスを展開します。自動車販売会社がレンタカー業界に進出する、作業着のメーカーがカジュアルウェアの生産・販売を行うなどが一例です。

水平型は既存事業のノウハウや顧客データ、経営資源をそのまま活用できるため、低コストでリスクを最小限に抑えられる点が最大のメリットです。中小企業も積極的に行える経営の多角化の手法です。

2. 垂直型

経営の多角化の手法として「垂直型」が挙げられます。垂直型は既存事業のノウハウや知見を活かし、既存事業に似た別の市場で商品・サービスを提供する手法です。スマートフォンを製造していた企業がスマホケースの販売を始める、カメラやフィルムの製造会社が化学薬品の知識を活かして化粧品を生産するなどが一例として考えられます。

垂直型は既存事業に似た市場を対象にしているため、ノウハウや顧客データをそのまま活用できる点がメリットです。既存事業の上流・下流に事業を拡大しやすいものの、高い専門性が必要になるため、リソースが多くない中小企業には不向きでしょう。

3. 集中型

「集中型」は既存事業のノウハウを活かし、新しい市場でサービスや商品を展開する手法です。たとえば、酒造メーカーが酵母の知識を活かして化粧品を販売する、テレビを製造していた企業がカーナビを展開するなどが例として挙げられます。

自社の経営資源やノウハウを活かしつつ新たな市場を開拓できるため、新たなシェアを獲得できる可能性がある点が大きなメリットです。

4. コングロマリット型

「コングロマリット型」の経営の多角化は、新しい市場で新しい知識や技術を使った商品・サービスを展開する手法です。食品メーカーが電子部品の製造に携わる、携帯電話のキャリアが金融業を始めるなどが該当します。

コングロマリット型の大きな特徴は、多角化成功のリターンが非常に大きいことです。新規事業を成功させれば、既存事業以外に大きな収入源を得られます。新事業に参入するリスクとのバランスを考慮しましょう。

経営の多角化で得られるメリット6つ

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経営の多角化では、以下の6つのメリットが得られます。

  1. 収益の拡大が期待できる
  2. シナジー効果が期待できる
  3. リスクを分散できる
  4. 経営資源を有効活用できる
  5. 継続的な企業活動が行える
  6. 社員のモチベーションを維持できる

経営の多角化をするメリットは、いずれも企業活動を長期的に行うために役立ちます。

1. 収益の拡大が期待できる

経営の多角化のメリットとして、収益の拡大が期待できる点が挙げられます。多角化では既存事業に似た、あるいはまったく新しい市場に参入しなければなりません。

既存事業の市場を開拓できるため、大きな収益が得られる可能性があります。新たな市場でシェアを獲得した結果、さらに別の市場への足がかりになることもあり、収益拡大の連鎖が期待できるでしょう。

2. シナジー効果が期待できる

シナジー効果は、経営の多角化の大きなメリットです。シナジー効果とは相乗効果のことで、企業同士や商品・サービス同士がいい相乗効果を及ぼし収益をさらに拡大することを指します。

経営の多角化により新たな商品・サービスが生まれると、既存事業の商品と相乗効果で注目を集められるでしょう。別の企業と協力することで、双方が新規顧客を開拓できる可能性もあります。ノウハウの共有により時間と労力を最小限に抑え、新規事業を展開することもできるでしょう。

3. リスクを分散できる

経営の多角化により、リスクの分散が可能になります。企業にとってリスクの分散は非常に重要な課題です。1つの事業が大きな損失を出しても、別の事業が利益を出していれば企業活動を続けられるでしょう。

現在は社会情勢や経済の動きが流動的であり、短期間に急激な変化が生じることも少なくありません。複数の事業を展開しリスクを分散することで、安定した企業経営が行えます。

4. 経営資源を有効活用できる

経営の多角化により、ヒト・カネ・モノ・情報などの経営資源を有効活用できる点もメリットといえます。

たとえば、既存事業の繁忙期が夏季である場合、冬季に新規事業を立ち上げることで夏季しか働けなかった従業員により多くの就業機会を提供できます。ゼロから人材を集める必要がないため、コスト削減につながるでしょう。不動産や資産を効果的に活用できる新規事業を検討することもいい方法といえます。

5. 継続的な企業活動が行える

経営の多角化により、継続的な企業活動が行えます。既存事業の業績が悪化した場合、別の事業で経営を支えることが可能です。

企業活動ではプロダクト・ライフサイクルにも気を配ることも重要です。商品やサービスは常に売上が向上するのではなく、導入期・成長期・成熟期・衰退期の段階を経ます。既存事業が衰退期に入ったときでも、別の事業が成長期もしくは成熟期の段階であれば、継続的な企業活動が可能です。

6. 社員のモチベーションを維持できる

経営の多角化は、社員のモチベーション維持に役立ちます。新規事業を立ち上げると、部署やチームなどのポストが新設されるでしょう。既存事業では昇進できなかった従業員に対しても、新規事業でより高いポストに就く機会が開かれます。

新規事業は既存事業と異なる市場への参入であるため、異なるアプローチや商品開発が求められるのが一般的です。自分の力を試してみたい、もっとやりがいのある仕事をしたいと従業員に感じてもらえるいいチャンスです。

経営の多角化で起こるデメリット3つ

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経営の多角化で懸念されるデメリットは、以下のとおりです。

  1. 多角化する際のコストがかかる
  2. 大きな損失を生むリスクがある
  3. ブランドイメージが低下するおそれがある

経営の多角化のメリットは多くあるものの、デメリットを考慮することでリスクを最小限に抑えられます。多角化を進める前に、どのようなデメリットがあるのかを検討し準備することが重要です。

1. 多角化する際のコストがかかる

経営の多角化には多額のコストがかかります。新しい市場に参入するにあたり、市場調査や顧客のニーズ把握は欠かせません。新しい商品・サービスの開発、流通・販売、プロモーションなど、行うべきことは山積みです。

多額のコストをかけても、すぐに売上が向上するとは限りません。経営資源の少ない中小企業の場合、新規事業が軌道に乗るまでキャッシュフローが持たないおそれもあります。

2. 大きな損失を生むリスクがある

経営の多角化は、参入時期やブランディングをはじめ経営の方向性を間違えれば損失を出すリスクがあります。新規事業でトラブルやスキャンダルが発生した場合、既存事業の業績も悪化するため注意が必要です。

3. ブランドイメージが低下するおそれがある

経営の多角化のデメリットは、ブランドイメージの低下です。確固としたブランドイメージを築いてきた企業は、経営の多角化によりブランドイメージが曖昧になるおそれがあります。

事業の多角化に違和感を覚えて製品の購入を控える人もいるでしょう。新規事業参入先の選定を慎重に行わないと、既存顧客が離れてしまう可能性があります。

経営の多角化成功のポイント3つ

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経営の多角化を成功させるポイントは以下の3つです。

  1. 既存事業の利益を最大化する
  2. 長期的な視点で計画を立てる
  3. 業務提携・M&Aなども視野に入れる

経営の多角化を成功させるためには、事前の準備が不可欠です。長期的な展望を掲げ、多角化の計画を進めるために、何をするべきか考えましょう。

1. 既存事業の利益を最大化する

経営の多角化を実施する前に、既存事業の利益を最大化させることが重要です。既存事業の利益が少ないまま多角化を進めると、新規事業が成功しなかったときに共倒れになるおそれがあります。

既存事業でさまざまな手法を試すことで、新規事業の宣伝方法やコスト削減手法の計画に役立てられます。

2. 長期的な視点で計画を立てる

経営の多角化では、長期的な視点で計画を立てることが非常に重要です。新規事業は、すぐに成功するとは限りません。入念な調査を行い、利益が出ない間も事業を継続することが重要です。

長期的な視点を持つことで、リスクを抑えながら多角化を進め、徐々に規模を大きくしていくことで多角化を成功させやすくなるでしょう。

3. 業務提携・M&Aなども視野に入れる

経営の多角化を効率よく進めるために、他社との業務提携やM&Aを活用することも検討しましょう。利益を上げるまでの時間を短縮することで、長期の事業継続が可能です。

ノウハウを素早く手に入れるため、他社との提携やM&Aは効果的な方法の1つです。自社のノウハウの流出やコストなど考慮すべき点も多くありますが、メリットの方が大きい場合には迷わず業務提携・M&Aを実施するべきです。

経営の多角化を成功させた事例3つ

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経営の多角化を成功させた事例として3つの企業の取り組みを紹介します。

  • セブンイレブン
  • 株式会社すかいらーく
  • 富士フィルム

成功事例として紹介する企業は大手企業ですが、中小企業でも小規模な形で経営の多角化を進められます。

1. セブンイレブン

大手コンビニエンスストアの「セブンイレブン」は、以前はスーパーマーケットとの価格競争で後れを取っていました。

セブンイレブンが実施したことは、プライベートブランドの確立やATMの設置、宅配業者との提携による多角化です。飲食物を購入する場所ではなく、現金の引き出しや荷物の受け渡しなど利便性の高い場所として認知されることにより売り上げを伸ばしています。

2. 株式会社すかいらーく

「株式会社すかいらーく」は、1970年に1号店をオープンしたあと、チェーンのファミリーレストランとして成長を遂げました。

ガスト、ビルディ、すかいらーく、ガーデンズ、グリル、ジョナサン、バーミヤン、藍屋、夢庵など顧客のニーズに応えさまざまなジャンルのレストランを展開しています。日本全国だけではなく、米国や台湾、マレーシアに店舗を展開し多角化を成功させました。

3. 富士フィルム

「富士フィルム」は、写真フィルム事業を展開していましたが、デジカメが登場してから業績は下がっていきました。富士フィルムが生き残りをかけて行ったのが、化粧品や液晶フィルム市場への参入です。写真フィルム事業で得た技術を応用して化粧品を開発し、液晶フィルムの保護シートを生産しています。多角化により新たな市場を切り開いたいい例です。

まとめ

経営の多角化は、既存事業のノウハウを活かしつつ新たな市場を開拓し、企業活動を継続する経営手法です。4つの種類があるため、自社に適した方法を選びましょう。メリットは多いですが、ハイリスクなケースもあるため、慎重に経営の多角化を進めることが大切です。

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監修者のコメント
プロフェッショナルマネージャーグループ
代表 岩瀬 好史

大学卒業後、信用金庫で融資と営業を経験。リーマンショックの影響で融資先企業の業績が悪化する中、目の前で苦しむ企業を十分に支援できない自らの力不足を痛感。困っている企業の力になりたいと思い投資会社に転職し、中小企業の事業再生業務に従事。多くの再生案件に携わる中で現場の経営に関わりたいという思いが強くなり、副業で経営コンサルティング事業を開始。その後、視野を広げるために信用調査会社に転職し調査業務を行った後に独立。現在は経営者のパートナーとして、戦略立案・計画策定・資金調達・組織作り・人材育成・実行支援などを中心に、経営課題の解決を支援している。

外部環境の変化などにより不確実性が高まる中、事業再構築補助金などを活用して経営の多角化に挑戦した方も多いのではないでしょうか。

経営の多角化とは既存事業に留まらず、新しい分野や市場に進出する戦略を指し、うまく行けばリスク分散や収益の拡大が期待されるというメリットがあります。

人口減少や高齢化などにより市場の縮小が予想される業界では、多角化を行わなければ現状を維持することすら困難になる状況が考えられるため、今後も多角化に取り組む企業は増えていくことでしょう。

ただ、どんなにしっかりと準備をしたとしても必ずうまく行くわけではありませんので、できるだけ余裕を持って計画を進めていく必要があります。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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