勤怠管理システムの作り方と注意点を現役エンジニアが解説

更新日:2022年01月06日 発注カテゴリ: Webシステム開発
株式会社GeNEE
監修者
代表取締役 日向野卓也
勤怠管理システムの作り方と注意点を現役エンジニアが解説

多様な働き方を進める働き方改革や新型コロナウイルスの蔓延によるテレワーク、リモートワークの推進により、需要を高めているのが勤怠管理システムです。既存パッケージ製品も存在しますが、自社の勤務規定に合わせた設定が可能なことや、給与計算システム、有給休暇の管理など自社の他のシステムとも連携したいという需要も多く、自社向けのオリジナルなシステムとして作成することを検討する企業も多いようです。そんな勤怠管理システムを自作するにあたり、考えておきたいことを、本記事では解説していきます。

勤怠管理システムに必要な機能とは

勤怠管理システムを自社向けに作成するにあたり、まず最初に考えなければいけないのは、必要となる機能の洗い出しです。勤怠管理システムで実現したいこと、業務を明確にし、システムで置き換えることが最終的に目指すゴールとなります。

以下、どこの企業でも必要となる基本的な機能をあげておきます。

打刻

勤怠管理の一番メインとなるのが出勤、退勤の打刻機能です。会社によっては、休憩時間の打刻が必要となることもあるでしょう。それに加えて、自動的な休憩時間や残業時間の算出もセットで必要となります。勤務時間や休憩時間は自社の勤務規定に合わせて設定します。

打刻について、重要な検討事項はトリガーはどのような形にするのかという問題です。トリガーとは引き金を意味する言葉で、何を機械に打刻を行うか、ということです。もともとタイムカードを使って出勤退勤時に打刻をしていたのならば、そのタイミングで何らかの処理を行って打刻をしなければなりません。

打刻の方法は、以下のようなものが考えられます。

  • ICチップの入ったカードで駅の自動改札機のように打刻する
  • ゲートを作って特定の場所への入場を取得する
  • Webシステムから勤務の開始/終了を入力する
  • PCの起動停止と打刻を紐づける

利用しやすく、多様な働き方に対応できるユーザインターフェースを考える必要があります。テレワークに対応したシステムにするには、Webからの打刻が可能にする必要があります。しかし、ユーザが任意で打刻する形とすると、サービス残業が行われた場合に検知できないという問題もあります。

それぞれの打刻方法のメリットデメリットを検討し、必要な場合には組み合わせて利用することを考えましょう。

打刻の修正や有給休暇、残業等の承認

勤怠管理システムには、従業員が打刻の修正、有給休暇の申請、残業の申請などワークフローへ申請を上げる機能が必要となります。従業員が勤怠管理のデータを直接的に触れるようにすることは問題があるため、上司の承認を得る形のフローとなっていることが多いです。申請先となる上司の側では、申請に対し承認/却下を行える機能が必要となります。

この機能については、一般的なワークフローであるため、パッケージ製品の利用なども検討してみましょう。

月末締め、勤務状況のエラーチェック

勤務状況は一カ月ごとにまとめて管理するため、月末等会社の締め日で確定する機能が必要となります。それに先立ち、出退勤が未入力などの勤務状況のエラーがないかをチェック、通知する機能も必要となってきます。

従業員別の労働時間の参照、集計

出退勤の情報をまとめて従業員から参照可能とし、集計を行う機能です。勤務時間の集計は、人事や給与管理で利用されることも多いため、データを作っておくと便利です。

出勤簿などのデータ出力

日々の出勤簿や先にまとめた労働時間の集計を画面表示および帳票として出力する機能です。会社組織としての運営への利用や、官公庁への勤務状況提出などで利用します。

給与管理、人事管理等の別システムへの連携

勤務時間、残業時間は給与計算に必ず必要となる情報です。給与計算を別のシステムで管理しているのならば、そのシステムへの連携機能が必要となります。また、Excel等で給与を管理している場合は、データのダウンロード機能を作成し、簡単にデータを取得できるようにしておきます。

また、人事や評価の部門でも勤怠の情報が必要となることがあるため、連携機能があると便利です。

管理者ユーザによる勤怠情報の修正機能

従業員の上司や人事総務部など、管理者にあたるユーザにより、勤務時間、残業時間、休暇の取得などを修正可能とする機能を付けておくと便利です。例えば、従業員が急病で長期間出勤できなくなった場合など、処理の代行を可能としておく必要があります。

勤怠管理システムの構築時のポイントとは

勤怠管理システムとして必要な最低限の機能をあげてきましたが、それらを使ってシステムとして仕組み作りを行う際に考えておきたいポイントを以下に記載していきます。

自社の勤務規定、給与規定等に合わせたデータ構造

勤怠の情報は毎日従業員ごとに発生し、蓄積されていくデータです。また、後から見返すこともあるデータです。それでいて会社ごとに勤務規定や給与規定は違うため、どのようなデータの構造とするか、項目をどのように配置するかは重要なポイントとなります。データが増えた際の処理速度の確保、過去何年分を保持するか等も検討する必要があります。

出退勤を打刻する際のインターフェースは?タイムカードに変わる打刻方法

出退勤時にタイムカードを使っていた場合などは、そこをデジタル機器に置き換えて打刻する仕組みを検討することとなるでしょう。それに加えて、働き方の多様化に対応する必要があります。

打刻する機器が会社事務所にしかなければ、テレワーク(リモートワーク)への対応ができなくなってしまいます。勤務形態を考慮して打刻する方法を検討してください。また、テレワークを可能とした場合、残業時間の扱いが難しくなることが予想されるため、その点にも考慮が必要です。

複雑な勤務体系のパターンに対応するシステム構造

企業、仕事によっては、外出、直帰、出張、社外常駐、夜勤、早朝勤務、三交代制、時短など多くの勤務体系があり得ます。月末締めやエラーチェックでは、これらの種類が増えるほど処理は複雑となります。

近接するシステムとの境界を明確に

勤怠の情報は給与計算、人事評価、有給や代休の管理と密接に関係があります。作成する勤怠システム内ではどこまで実現、提供するのかを明確にし、他システムと連携を行う場合は、連携のしやすいデータ構造をとっておくとよいでしょう。

ノウハウを持ったシステムベンダー等に相談する

勤怠管理システム構築のノウハウを持った事業者を探すのならば、比較サイトの利用をオススメします。比較ビズならば、無料で一括見積の依頼を行うことができます。複数の事業者から提案を受けることができ、御社にぴったりの事業者を探すことができます。合う事業者が見つからない場合は、契約が必須ではないので安心です。

総括

勤怠管理システムは、現在その機能拡張の需要が高まっているシステムです。会社組織を維持する上では必須の要素であり、これからもより複雑化することも考えられます。この機会に大きくシステムを刷新し、従業員の利便性を上げて社内満足度の向上、業務の効率化を図っておくのも良いでしょう。

監修者の一言

勤怠管理システムの導入により、従業員の労働時間を正確に把握し、過重労働等の問題を未然に防ぐことができます。近年、労働基準法に違反した過重労働により、訴訟問題に発展した事案が増え、コンプライアンス(法令順守)が注目されています。

企業規模が大きくなると、従業員ひとりひとりの勤怠を正確に管理することは難しいため、システムを上手く活用して、コンプライアンスをしっかりと遵守する体制を築くことが重要です。正確な勤怠管理を行うことで従業員とのトラブルや、労働基準法違反で訴えられるリスクを予防することができるでしょう。

次に、勤怠管理システムの機能について触れたいと思います。主な機能機能としまして、日次勤怠機能、申請・承認機能、勤怠データ分析・集計機能、通知機能、データ変換・出力機能(システム上に登録されたデータをCSVやPDFに変換し、出力する機能)、給与計算機能がありますが、これらの大半は市販のパッケージソフトでも実現することができます。

ただ業界・業種、企業形態によって、就業規則や人事関連のルールは大きく異なりますので、先々細かいチューニングを行いたい場合には、自社システムとしてフルスクラッチで開発することをおすすめしています。導入後の再切り替えは非常に大変なので、システム開発会社やパッケージ販売会社としっかりと意識合わせをしながらご判断いただくと良いかと思います。

株式会社GeNEE
代表取締役 日向野卓也
監修者

東京工業大学環境・社会理工学院卒業。MBA取得。国内最大手SIerの株式会社NTTデータなどで大手法人領域(大手流通企業、大手小売企業)の事業開発、事業企画等の業務に従事。その後、米国・台湾の海外大学への研修留学を経て、株式会社GeNEEを創業。

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