情報システムとは?代表例・開発手順とシステムの業務をわかりやすく解説

株式会社GeNEE
監修者
株式会社GeNEE 代表取締役 日向野卓也
最終更新日:2024年03月29日
情報システムとは?代表例・開発手順とシステムの業務をわかりやすく解説
この記事で解決できるお悩み
  • 情報システムとは?
  • どういう開発手法があるの?
  • システム開発の具体的な手順は?

「情報システムを導入して業務効率化を図りたい」「情報システムの開発は自社でできる?」とお悩みの経営者、必見です。

情報システムとは、デジタル化された情報を取り扱う仕組みで、業務効率化やビジネスの意思決定支援などを目的に使われる業務システムです。

この記事では、社内に情報システムの導入を検討している方へ向けて、情報システムの開発手法や開発手順・使用例を解説します。記事を読み終わった頃には、情報システム開発への理解が深まり、開発に向けた行動を起こせるでしょう。

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情報システムとは|デジタル化された情報を取り扱う仕組み

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情報システムとは、デジタル化された情報を取り扱う仕組みです。ビジネスにおける情報システムの代表的な例は、社内コミュニケーションの活性化・各種業務の効率的な処理・ビジネスの意思決定支援などに使われる業務システムです。

現代では業務効率化が重視されており、ほとんどの組織や企業で多種多様な情報システムが活用されています。

情報システムの代表例

情報システムには、目的に応じてさまざまな種類があります。代表的なシステムは、次のとおりです。

  • 営業支援ツール(SFA)
  • マーケティングオートメーションツール(MA)
  • メール・チャット・グループウェアなどのコミュニケーションツール
  • ビデオ会議システム
  • ドキュメント共有システム
  • ナレッジ共有システム
  • ビジネスインテリジェンスツール(BI)

上記の各種システムをさらに細分化して分類する例もあります。システム開発会社によっては、コミュニケーションツールのみを「情報系システム」と呼ぶケースもあります。

情報系システムと基幹系システムとの違い

情報システムと基幹系システムの主な違いは、それぞれが扱う業務領域や範囲です。情報システムは組織全体の情報処理や管理を支援するための包括的なシステムであり、顧客管理や財務管理などが挙げられます。

基幹系システムは主に組織の中心的な業務プロセスを支えるシステムであり、会計や在庫管理などのコア業務機能に特化しています。基幹系システムは組織の生産性と効率性に直接影響し、システムの安定性や信頼性が重視されます。

基幹系システムの代表例は以下のとおりです。

  • ERPシステム
  • CRMシステム
  • SCMシステム

情報システムが重要な理由

情報システムが重要な理由として、業務の効率化により大きな利益を生むことが挙げられます。業務プロセスの自動化やデータの分析を通じて、生産性を向上させ、競争力を高めることができるためです。

情報システムは業務の効率化・平準化を図り、企業の競争力を高める重要なシステムです。大きな利益を生むためには、自社のビジネスモデルにマッチした情報系システムを導入する必要があります。

品質の高い情報システムを作るためには、自社のスタイルにあわせる形で既存製品をカスタマイズか自社独自のシステム開発がおすすめです。

代表的なシステム開発手法の種類

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システム開発の代表的な手法は、次の4種類です。

  1. ウォーターフォール型
  2. アジャイル型
  3. スパイラルモデル
  4. プロトタイピング

ウォーターフォール型は段階的に進む一方向性の開発手法で、アジャイル型は柔軟性が高く、反復的な開発プロセスを採用します。

スパイラルモデルはリスク管理に焦点を当て、プロトタイピングは試作品を作成して要件を明確にするでしょう。

1. ウォーターフォール型

ウォーターフォール型は、工程の順序に従って進める開発方法です。現在のソフトウェア開発の現場では、アジャイル型と並んで一般的な手法とされています。

打ち合わせの段階で細かく要件を決定し、計画に沿って開発が進行する特徴があります。ウォーターフォール型のシステム開発では、開発に取りかかる前の準備が大切です。

計画を立て、リスクを評価し、チームの役割を明確化することで、プロジェクトがスムーズに進行し、成功への道筋がつけやすくなるためです。

準備段階で必要な打ち合わせを完了させるため、開発にとりかかるまでに時間がかかります。1度完了が確定した要件は修正ができない点が特徴です。

2. アジャイル型

アジャイル型は、計画、設計、実装、テストを繰り返し実行して完成に近づけていく手法です。ウォーターフォール型と並ぶ主流のシステム開発方法で、開発期間中に柔軟に変更ができる点がメリットです。

順を追って開発を進めるウォーターフォール型に対し、開発中に前の工程に戻って修正を重ねることを前提としています。システムの機能で優先度の高いものから開発し、試作品を試せます。

3. スパイラルモデル

スパイラルモデルは、工程ごとの試作品を開発し、チェックしながら進行する手法です。工程が完成するたびに要件チェックを実施する特徴があります。

工程ごとに試作品を試せるため、依頼側はシステムの使用感に応じて仕様変更ができます。ウォーターフォール型とアジャイル型の特性を組み合わせた方法です。

4. プロトタイピング

プロトタイピングは、1度全工程を完了してから試用と修正を繰り返す手法です。工程ごとに開発が進むのではなく、一気に試作品開発まで進めてから依頼側のフィードバックを受けます。システム開発を急いでいる場合に適しています。

企業の情報システムにおける3つの日常業務

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企業の情報システムにおける3つの日常業務は以下のとおりです。

  1. データ管理と保護
  2. ユーザーサポートとトラブルシューティング
  3. システムの監視と運用管理

データ管理と保護では、データの収集・整理・保管・セキュリティ対策を行います。データへの不正なアクセスを防ぎ、機密情報が漏洩しない状態とデータが正確であり、改ざんや破損がない状態を確保しましょう。

ユーザーサポートとトラブルシューティングでは、ユーザーの問題解決や技術サポートを提供し、システムの円滑な運用を支援します。システムの監視と運用管理では、システムの動作を監視し、問題が発生した場合に迅速に対応し、運用を最適化します。

1. データ管理と保護

情報システムの管理者は、データベースやファイルシステムを定期的にバックアップする必要があります。データが正確であり、改ざんや破損がない状態とデータが必要なときに適切にアクセス可能である状態を確保しなければいけません。

セキュリティポリシーやアクセス制御の設定を管理し、機密性の高いデータを保護する必要があります。定期的なセキュリティパッチの適用やセキュリティ対策の監視などが含まれます。

2. ユーザーサポートとトラブルシューティング

情報システムの利用者が問題を抱えた場合、管理者はユーザーサポートを提供し、トラブルシューティングを行う必要があります。問い合わせへの対応や、リモートデスクトップを使用したリモートサポートなどが含まれます。

システムの障害やエラーの解決に向けて、適切な診断手法や修復作業を実施する必要があります。

3. システムの監視と運用管理

情報システムの安定稼働を確保するために、管理者はシステムの監視と運用管理を行います。ネットワークトラフィックの監視・システムリソースのモニタリング・パフォーマンスのチューニングなどが含まれます。

予防保全のための定期的なメンテナンスやアップグレードも重要です。

企業の情報システムで生じる突発的な3つの業務

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企業の情報システムで突発的に発生する業務は以下の3つです。

  1. セキュリティインシデントへの対応
  2. 災害復旧計画の実行
  3. 新技術の導入と適用

企業の情報システムにおける突発的な業務は、セキュリティインシデントへの対応・災害復旧計画の実行・新技術の導入と適用です。セキュリティの維持・災害時のシステム復旧・最新技術の活用に焦点を当てています。

1. セキュリティインシデントへの対応

突発的なセキュリティインシデントが発生した場合、情報システムの管理者は迅速に対応する必要があります。不正アクセスの検知やマルウェアの除去・データ漏洩の防止などが含まれます。インシデントの調査や原因究明・対策の実施も重要な業務です。

2. 災害復旧計画の実行

災害が発生した場合、情報システムの管理者は災害復旧計画を実行し、システムの復旧を迅速かつ効率的に行う必要があります。バックアップデータの復元・代替システムの展開・重要なシステムやデータの復旧が含まれます。

3. 新技術の導入と適用

技術の進歩や業務の変化に対応するため、突発的な業務として新しい技術の導入や適用が必要になる場合があります。新しいソフトウェアやハードウェアの導入・クラウドサービスの利用開始・セキュリティ対策の強化などが含まれます。将来的な業務効率や競争力向上のために重要です。

情報システム開発の手順【4ステップ】

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情報システム開発の基本手順は、次の4つのステップにわかれます。

  1. 企画・要件定義
  2. 基本設計
  3. 実装
  4. 運用

情報システム開発は、企画・要件定義・基本設計・実装・運用の4つのステップで進行します。最初に要件を明確化し、設計を行い、実装を行いましょう。

最終的にはシステムを運用し、必要なメンテナンスやサポートを提供して安定した運用を確保します。

1. 企画・要件定義

企画・要件定義は、システムに必要な細かな要素を要件定義書にまとめる工程を指します。情報システム開発における最も重要なフェーズです。

企画・要件定義のために必要な作業は、主に次の5つです。

  1. 現状把握・課題抽出
  2. 業務フロー見直し
  3. 目標設定
  4. 制作会社の決定
  5. 要件定義書の作成

1. 現状把握・課題抽出

まず、現状把握と課題をまとめます。要件定義をスムーズに進めるためには、現状を正確に把握している必要があります。

情報システムを開発する理由は企業により異なるため、目的にあったシステムを開発するために課題抽出することが重要です。

2. 業務フロー見直し

要件定義の際は、業務フローの見直しが大切です。業務効率をアップするシステムを開発するためには、現状の業務フローを正確にシステムに落とし込む必要があります。

なるべく細かく業務フローを理解すると、要件定義に含むべき内容が明確になります。

3. 目標設定

情報システムを導入することで、どのような効果を期待しているか目標を設定します。目標に応じて実装する機能が異なるため、明確なゴールの設置は要件定義の必須事項です。

とくにウォーターフォール型では1度完了した工程は後戻りができないため、可能な限りの具体的な要件を提示しましょう。

4. 制作会社の決定

情報システム開発の方向性が決定したら、制作会社を決定します。制作会社を選ぶ際は、実績を確認し自社のニーズに適した会社を見つけましょう。

最初から1社に絞るのではなく複数社に見積もり依頼をすると、条件を比較して最適な制作会社を選べます。

5. 要件定義書の作成

制作会社が決定したら、要件定義書を作成します。ウォーターフォール型では要件定義書に沿ってすべての作業が進行するため、内容決定には時間をかけます。

必要な要望をただ書きだすだけではなく、制作会社に正確に意図が伝わるように言語化することが大切です。

2. 基本設計

要件定義書が完成したら、制作会社が基本設計の工程に移り「基本設計書」を作成します。基本設計書とは、具体的なシステムの使用を提案する設計書です。

機能や業務フロー図、画面設計図などシステムの使用に関する基本情報がすべて掲載されています。基本的には開発者以外でも理解できるよう一般的な語彙を用いて書かれていますが、内容がわからない場合は必ず確認しましょう。

3. 実装

内容が固まったら、実装に移ります。制作会社が設計書を基にプログラミングしたのち、試用品の動作確認を行いましょう。

ウォーターフォール型では実装段階以降は依頼側は開発に関わる機会が減り、制作会社に制作を任せます。アジャイル型では、実装の作業が始まってからも打ち合わせを重ねる点が特徴です。

4. 運用

システムが完成したら、情報系システムのサービスイン・運用フェーズに入ります。運用中にトラブルや問題が発生した場合、フィードバックして修正します。

長期的な運用を視野に入れる場合、制作会社との信頼関係を築くことも大事です。やり取りがスムーズに進む仕組みができていれば、将来的なカスタマイズ、アップデートに対応しやすくなります。

使用している最中にシステム障害が発生した場合、すぐに制作会社に連絡しましょう。連絡する際は、どういう障害が起こっているか、問題点はなにかを明確に伝えることが重要です。

情報システムを開発する2つの方法

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情報システムを開発する方法は、以下の2つです。

  1. 自社で内製する
  2. 制作会社に外注する

情報システムを開発するためには、自社で内製する方法と、制作会社に依頼する方法があります。それぞれ異なるメリットがあるため、適した方法を選びましょう。

1. 自社で内製する

情報システム構築のためには、自社で内製する方法があります。自社で内製するメリットは、必要なシステム内容を正確に把握できる点です。

情報システムは社内の実情に即している必要があるため、内製することでニーズに最適なシステムが実現します。外注の場合は、業務内容や課題を言語化し正確に伝えなければなりません。

急な仕様変更が必要な場合、内製であれば柔軟に対応できる点もメリットです。外注の場合は、仕様変更のために追加料金が発生します。

2. 制作会社に外注する

情報システムを開発するもう1つの方法として、制作会社への外注があります。情報システム開発を制作会社に外注するメリットは、社内のリソースを使わずに済む点です。システム開発のノウハウのある社員がいない企業では、採用・育成の時間が必要になります。

制作会社に依頼することで、時間を抑えて効率的に情報システムを開発できます。制作会社にはシステム開発の経験や知識があるため、業務効率に最適なシステムを提案してもらえる点もメリットです。

情報システム開発で外注先を選ぶ3つのポイント

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情報システム開発で外注先を選ぶ際には、次の3つのポイントに注意しましょう。

  1. 自社で開発したい情報システムと近い開発実績がある
  2. アフターサポートが充実しているかを確認する
  3. 複数の開発会社の見積もりを比較する

情報システム開発の外注先選定には、以下の3つのポイントが重要です。まず、自社の要求に近い実績を持つか確認し、アフターサポートの充実も重視します。

さらに、複数の会社の見積もりを比較し、価格や技術力・提供価値を総合的に検討しましょう。

1. 自社で開発したい情報システムと近い開発実績がある

適切な外注先を見つけるためには、自社が開発したいと考えているシステムに近い実績があるか確認しましょう。情報システム構築の目的は多岐にわたるため、実績を参考にすると自社が求める機能を開発できるかがわかります。

2. アフターサポートが充実しているかを確認する

運用後にどの程度アフターサポートが受けられるかは、情報システム開発の外注先を選ぶために重要なポイントです。情報システムは運用後に仕様変更が必要になる可能性があります。すぐに対応してもらえる制作会社を選ぶことがおすすめです。

3. 複数の開発会社の見積もりを比較する

自社のニーズを理解し、ベストな条件で依頼を受けてくれる制作会社を見つけるためには、複数社の見積もりをとりましょう。最初から1社にしぼって見積もり依頼をすると、相場がわからず良し悪しの判断ができません。

複数の制作会社から見積もりをとれば、内容を比較しながら最善の条件が選べます。価格だけではなく、サービスや条件も含めて総合的に判断することが大切です。

まとめ

情報システムは、業務効率化やコミュニケーション円滑化のために重要な役割を果たします。スムーズな開発のためには、基本設計の段階で正確にニーズを言語化し、必要な機能を洗い出すことが大切でしょう。

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監修者のコメント
株式会社GeNEE
代表取締役 日向野卓也

東京工業大学環境・社会理工学院卒業。慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了。MBA(経営学修士)取得。国内最大手SIerの株式会社NTTデータで大手法人領域(大手流通企業、大手小売企業)の事業開発、事業企画等の業務に従事。米国スタンフォード大学への研修留学を経て、システム/モバイルアプリ開発会社の株式会社GeNEEを創業。

昨今のDX(英: Digital transformation、デジタル・トランスフォーメーション)の動向と同じように、情報系システムの開発を成功させる鍵は「経営トップ(経営幹部層)の積極的なコミット」にあると思います。開発したシステムがどれだけ良いものでも、実際にシステムを利用する関係組織や関係者が興味・関心を持ち、前向きに使用してくれなければ組織全体への浸透・定着は難しいでしょう。

弊社は過去に多数の情報系システムを開発してきましたが、経営トップが介入する場合と一社内システム担当者がプロジェクトマネージャーとして介入する場合では、最終的に得られる組織全体の効果・影響は歴然とした差が付きます。システムを使う人たちは社内の人たちなので、やはり経営トップから明確な指示として出された方が良い意味でも悪い意味でも行動がしやすいのでしょう。

経営トップがとうしても介入できない場合には、タスクフォースを編成し、組織内の各部署から抜擢によって選出されたメンバーをキーマンとして積極的にコミットさせる体制を築くことで、プロジェクトの成功確度もぐっと高まると思います。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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