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スタディサプリのようなサービス開発に必要となる機能/概算費用を解説

更新日:2020年08月06日 発注カテゴリ: Webシステム開発
スタディサプリのようなサービス開発に必要となる機能/概算費用を解説

インターネット環境を利用して学習をサポートするeラーニング。現在ではネットの利点を活かし、多ユーザ向けの教育環境としてサービスが展開されています。その中でも人気なのがスタディサプリです。大学受験、小中高校生の授業サポート、大人向け英会話など幅広いユーザ層。有名講師の授業動画を配信する充実した学習コンテンツ。手ごろな価格のサービス提供などが特徴です。スマートフォンが普及し、利用のハードルが下がったこと人気に拍車をかけています。では、このスタディサプリのようなサービスの開発には、どんな機能が必要で費用はどれくらいかかるのでしょうか?本記事ではその問題に答えるべく、様々な角度から解説をしています。

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eラーニングサービス

何かを学ぶ場合にはテキストを読んだり、講座を受講するなどの方法があります。そのテキストや講義の動画をインターネットを介して利用者が参照できるようにするのが、eラーニングです。また、その学習の理解度を図るためにテストを行う機能を有することもあります。必要な学習内容を参照可能にし、さらにはその進捗情報、テスト、テストの結果などをデジタルな環境を利用して管理することで、効率的な学習をサポートすることが可能となります。

eラーニングにも、限られたネットワーク内(LANなど)で参照可能な組織内に向けてのサービスと、広くインターネットから接続可能な全てのユーザを対象とするサービスがあります。本記事では後者のインターネットを介して不特定多数のユーザに向けて、月々の利用料を定めてサービスを展開するクラウドサービス型のeラーニングサービスを開発する場合を想定した記事となります。

必須機能とあると嬉しい機能

クラウドサービス型のeラーニングサービスを実現するために必要な機能を洗い出します。大きくはユーザ側と運営側に分けて、機能のグループ分けを行い、機能が必須かどうかを判定しています。

※Webブラウザおよびアプリを介したeラーニングサービスの提供が想定されます。本記事ではWebブラウザを通して利用可能なeラーニングサービスを対象とします。スマートフォンやPCなどを対象としてアプリを配布する形でのプラットフォーム提供は、Webブラウザでのサービス提供と併用されることが多いです。併用する場合は利用ユーザ向けの機能が、二重に開発が必要となるイメージです。

NO 利用ユーザ 機能グループ 機能 種別 必須
1-1 利用者向け
小学生
中学生
高校生
大学受験生
社会人
ユーザ管理 ログイン 画面
1-2 ユーザ登録/更新 画面
1-3 ユーザ支払管理 画面
1-4 ユーザコンテンツ利用データ管理 画面
1-5 コンテンツ利用 メニュー生成 画面
1-6 コンテンツ利用(動画) 画面
1-7 コンテンツ利用(テキスト) 画面
1-8 個別指導機能(オプション) 画面
2-1 運営側向け コンテンツ管理 コンテンツ登録(動画) 画面
2-2 コンテンツ登録(テキスト) 画面
2-3 コンテンツ管理 画面
2-4 ユーザ管理 ユーザ一覧検索 画面
2-5 ユーザ情報更新 画面
2-6 支払管理 利用プラン、入金確認 画面
2-7 実績サマリ 画面
2-8 利用履歴管理 利用履歴検索 画面
2-9 利用履歴分析 画面
2-10 ユーザ告知 お知らせ登録 画面
2-11 利用ガイドライン、QA 画面
3-1 バックグラウンド サーバー
3-2 DB
3-3 WEBサーバー

ユーザ向け

eラーニングサービスの利用者向けの機能です。主な利用者として想定されるのは、小学生、中学生、高校生、大学受験生、社会人と学生の場合はその保護者となります。学年や受験先の学校などにより、コンテンツも変わってくるため、ユーザが変わっても柔軟に対応できるシステム作りが大切です。

ユーザ管理

eラーニングサービスを利用するユーザの登録、管理、ログイン認証などの機能が必要です。

  • No.1-1ログイン

ユーザを認証し、ログイン/ログオフを行う機能です。最近ではGoogleIDやFacebookIDと連携して、ログインIDに利用できるサービスも増えてきています。利用者の利便性を考慮して、どのようなレベルまで実装するか検討します。

  • No.1-2ユーザ登録/更新

eラーニングを利用するユーザの情報を登録する機能です。名称、地域、学年、メールアドレス等のサービス利用に必要となる情報を登録します。

  • No.1-3ユーザ支払管理

スタディサプリは課金型のサービスで、プランの設定および支払情報の登録も行います。プランにより利用できるサービスなどが変わります。

  • No.1-4ユーザコンテンツ利用データ管理

 ユーザが利用履歴や成績などを確認する機能です。テストの機能があるeラーニングでは、実績を累積して表示したり不得意分野を抽出できるような機能が必要となります。

  • h4:コンテンツ利用

eラーニングのコンテンツを利用するための機能です。

  • No.1-5メニュー生成

ログインしているユーザの情報から、表示すべきメニューを構成して表示する機能です。学年、利用コース、成績、対象の受験先などで表示するメニューが変わります。また、個別指導機能を利用している場合は、そちらから利用コンテンツを指示される事もあります。

  • No.1-6コンテンツ利用(動画)

動画コンテンツを利用するための機能です。ブラウザ上で動かすことを前提に、動画コンテンツを制御します。

  • 1-7コンテンツ利用(テキスト)

 テキストのコンテンツを利用するための機能です。過去問などのコンテンツはスクロールを使い、見やすく表示しする必要があります。また、ミニテストのような機能も必要に応じて構築します。

  • 1-8個別指導機能(オプション)

 eラーニングで勉強を行う場合、自分のレベルに合った講座やテキストを判断して、適切なものを選択する必要があります。このサポートのために、学年、地域、成績、受験先などの情報からオススメの講座、テキストを選択してくれる個別指導機能が有用な選択肢となります。別途料金のかかる有料サービスとしているeラーニングサービスも多いです。

運営者向け

 eラーニングの運営者が利用する機能です。

コンテンツ管理

 ユーザが利用する講義、テキストなどのコンテンツを登録、管理する機能です。

  • 2-1コンテンツ登録(動画)

 講座の動画をサイトに登録するための機能です。講座名、対象の学年、コース、講師の情報、講座の概要やテキストのファイルなどコンテンツを構成する各要素も一緒に登録できる必要があります。また、外部の教育機関(予備校、塾など)からコンテンツを購入して登録する形も想定されるため、そのフォーマットとも合わせておくと便利です。

  • 2-2コンテンツ登録(テキスト)

 テキスト型のコンテンツをサイトに登録するための機能です。教科、対象の学年、コース、対象範囲などの情報も一緒に登録できる必要があります。ミニテストのようなコンテンツを利用可能とする場合には、問題と選択肢、回答なども登録できる機能とする必要があります。

  • 2-3コンテンツ管理

 動画やテキスト型のコンテンツを検索し、更新/削除を行う機能です。情報のアップデートや有効期間などの修正に用います。

ユーザ管理

 利用するユーザの情報を管理するための機能です。

  • 2-4ユーザ一覧検索

 登録されているユーザの情報を検索する機能です。コースや学年、地域などの条件でユーザを検索します。

  • 2-5ユーザ情報更新

 ユーザの情報を更新するための機能です。コースの変更やユーザの停止などに利用します。

支払管理

 ユーザの利用料金支払を確認するための機能です。

  • 2-6利用プラン、入金確認

 ユーザの利用プランおよび入金情報を確認するための機能です。支払方法が複数ある場合は、その状況をより詳細に確認できるようにします。

  • 2-7実績サマリ

 ユーザの支払状況の実績を集計する機能です。売上の算出や予測に利用します。

利用履歴管理

 コンテンツの利用履歴を管理する機能です。よく使われるコンテンツなどを分析することで、業務の改善に役立てるために利用します。

  • 2-8利用履歴検索

 コンテンツに対し、利用回数、利用ユーザ数、利用プラットフォーム、利用時間帯などの情報を取得するための機能です。利用履歴の分析に繋げるための機能となります。

  • 2-9利用履歴分析

 コンテンツの利用履歴情報より、人気のあるコンテンツの傾向、需要などを推測するための機能です。サービスの人気を向上させるために必要となる機能です。

ユーザ告知

  • 2-10お知らせ登録

 システムへのコンテンツ登録、機能追加、障害情報、お知らせといったアナウンスを行うための機能です。登録したお知らせ情報は画面上への表示やメールでの配信でユーザに知らせます。

  • 2-11利用ガイドライン、QA

eラーニングの使い方やよくある質問とその回答をコンテンツとしてまとめておきます。利用のためのマニュアルを充実させることで利用者の満足度をあげ、運営側の問い合わせに回答するためのコストを低減します。

バックグラウンド

スタディサプリの規模のシステムを動かすことを考えると容量、処理性能、処理の分散化などの性能を満たす実行環境が必要となります。サービスが小さい場合はレンタルサーバなどでも実現可能です。規模が大きくなるにつれ自社でサーバー構築をしたり、大規模なクラウドサービスの利用などでハイスペックな環境を作る必要があるでしょう。

また機能の実現を考えた場合、WebサーバーやDBなどのミドルウェアも必要となります。こちらも規模が小さいうちはフリーウェアなどで構築できますが、大規模化した場合レスポンス確保、サポートの有無などの観点から商用のライセンス取得が必要となるケースもあります。

eラーニングで動画のコンテンツを提供する場合は利用するデータ量が多くなることが想定されます。サーバーなどの格納領域やネットワークへの負荷も考慮してシステム基盤を構築することが必要となります。

※本記事の見積もりではバックグラウンドのハードウェアやミドルウェアは費用から除外しています。

スタディサプリのようなサービスを作る場合の概算費用

前提として初期構築のみを想定しています。実際には運用しながら改善が発生するため、ランニングコスト+改修費用を掛けてのブラッシュアップが必要となります。さらに重要なのはコンテンツの収集登録ですが、本見積には含まれておりません。またサービス構築後の運営や広告に関する費用、利用するサーバーやミドルウェアの購入費用などは入れていません。

最低限の場合

先にあげた機能一覧より必須の機能を最低限の実装でサービス構築した場合の費用見積です。

開発規模 12機能

動画コンテンツの登録及び参照が可能なeラーニングシステム

想定工数 約3.75人月
想定価格 300万円(人月80万円で算出)

単純に動画を登録し、ユーザがそれを参照可能というレベルの機能構成となります。

スタディサプリのクオリティを目指す場合

先にあげた機能一覧のすべての機能を、スタディサプリ並みのクオリティを目指した実装でサービス構築した場合の費用見積もりです。利用しやすいインタフェースで動画やテキスト、ミニテストなどのコンテンツを利用可能なサービスを想定しています。

※コンテンツの充実については、別途検討が必要となります。

 
開発規模19機能
想定工数 11.25人月
想定価格 900万円(人月80万円で算出)

これは洗い出した機能を実現するために必要な費用であり、ユーザインタフェースなどのデザイン性、ユーザの利用しやすさを高める場合は、追加でコストを掛けなければなりません。

一般的な料金相場

eラーニングサービスを作ろうとした場合、メインの機能は一般的なwebアプリケーションとして実装することが可能です。デザインなどにこだわらなければ、メインのコンテンツはそこまで難易度が高くないため、12機能で300万円強がスタートラインとなるのではないでしょうか。ただし、eラーニングの場合コンテンツの質で勝負する必要があるため、そちら側には費用が発生するでしょう。

スタディサプリの収益モデル

スタディサプリの収益は、サブスクリプション型で主に利用者からの月々の使用料によって成り立っています。各種プランや、1年分まとめ払いで値引きなどで金額には幅がありますが、毎月1000〜3000円の使用料となっています。運営側としてはこのユーザ数の獲得が売上の上昇に直結するため大きなポイントです。

また、コンテンツごとに売り切りの形式をとる方式もあります。売り切り型とするためには、個別での決済機能が必要となります。

発注費用を抑えるポイント

要件定義をしっかりする

eラーニングサービスを構築する際には、提供するコンテンツの種類を、コンテンツの入手方法まで含めて検討することが必要です。スタディサプリの場合もオリジナルのコンテンツと有名予備校の講師の講座コンテンツを用意しているようです。動画もテキスト型もミニテストも、と最初から機能を盛り込もうとすると、その費用は高くなっていきます。見積りを依頼する前にきちんと要件を確認しておくことが重要です。

デザインを妥協する

エンドユーザが利用するユーザインタフェースはとても大事な要素の一つです。しかし、デザインは定まった正解はなく、こだわり続けるといくら時間と費用があっても足りません。まずは機能の実現と使いやすさに重点をおき、デザインはほどほどで納得しておくのが良いでしょう。一度サービスを公開してからでも、後からデザインだけ修正することも可能です。

注力する機能を限定する

他のサービスとの差別化を図るため各機能を充実させることは必要です。しかし、最初から全てをハイレベルにしようとすると無尽蔵のコストと時間が必要となってしまいます。

同じeラーニングのシステムを作ると、必要となる機能はある程度決まっているため構成は似てきてしまいがちです。最初はコンテンツ込みで売りとなる機能を選定し、その機能を充実させるところから始めましょう。

スタディサプリのようなサービスを作る際に気を付けたいポイント

他の類似サービスとの競合、クラウドサービスであることなどサービス構築にあたり注意しておきたい点があります。

快適な動作速度の確保

eラーニングで講座などの動画のコンテンツを配信する場合、動画の品質やユーザ数にもよりますが、大量のデータの通信が発生します。特に学生向けの場合は、ユーザの利用時間帯が集中することも考えられるため、通信容量は余裕をもって設計する必要があります。現在のユーザは動画の遅延や停止に敏感です。リアルタイムなコンテンツの提供に難がある場合は、バックグラウンドでコンテンツダウンロードを可能にするような工夫が必要となります。

利用ユーザ層の想定と価格競争

スタディサプリはじめ多くのサービスが立ち上がっているeラーニング業界。その中での生き残りを考えるには利用ユーザを絞るなど一定層に向けた作りとしたり、他サービスよりも極端に安くして価格で勝負をするなど戦略を練る必要があります。対象とする学年を絞る、志望校を絞る、教科を絞るなど自社の有利なコンテンツの策定とアピールポイント化を図る必要があります。

優良なコンテンツの確保

eラーニングの商品である講座の動画やテキストですが、その質も重要な要素となります。有名な予備校等とコンテンツの提供の契約を結んだり、有望な講師を抱えてコンテンツを作成するなど、他のeラーニングと差別化を図れるコンテンツ作りが必要となります。

総括

一般ユーザ向けのクラウド型eラーニングサービスは、多くの利用者を取得し、大きなビジネスをするチャンスのあるサービスです。現在、多くの企業、サービスが参入してきている状況です。サービスの一般化が進む今がビジネスチャンスとも言えます。他のサービスとの差別化をどのように打ち出すか、優良なコンテンツをどのように確保するかといった課題を解決できれば、ビジネスの成功も見えてくるでしょう。

これからクラウドeラーニングサービスを構築しようとする場合は、既存の各サービスを分析し、特色を出し、差別化をはかり、多くのユーザの獲得を目指しましょう。

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