株式会社と合同会社の違いと設立のメリット・デメリットを解説!

更新日:2018年07月13日 発注カテゴリ: 起業・開業コンサルタント
株式会社と合同会社の違いと設立のメリット・デメリットを解説!

会社設立を考えたとき、株式会社と合同会社の違いやメリット・デメリットについて比較した上で、どちらが良いかを決定しなければなりません。起業はどちらがおすすめ?という問題から、そもそも日本にはどのような会社形態があるのか、株式会社と合同会社にはどんな特徴があるのかしっかり理解した上で会社設立をしたいものです。この記事では、株式会社と合同会社それぞれの設立メリット・デメリットと、合同会社から株式会社へ組織変更したときの流れや費用などをご紹介します。これから起業・独立・開業する人はぜひ参考にしてください。

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会社形態の種類と違い

株式会社

株式会社は会社形態の95%を占め、出資する人が株を取得して株主となる法人のことを指します。この会社形態では、経営者と出資者が異なります。よって、出資者は経営に直接かかわらず、出資者である株主が取締役を選んで、その取締役が直接経営を行うことになるのです。

株主と取締役の役割は、前者が株主総会で重要な事項の決議を行うのに対して、後者は取締役会にて経営における意思決定などを行うというものです。

株式会社を設立するには、まず会社の名称や目的などを定める定款の作成と認証を行い、それを法務局に持って行って登記するという手順を踏むことになります。その後、所轄税務署や自治体の税事務所などに設立届を提出します。

合同会社

以前は有限会社という形態の会社がありましたが、それが平成18年の会社法施行により廃止され、その代わりに合同会社という会社形態が作られました。合同会社では社員が出資金を出すのがポイントです。

つまり、経営者と出資者が同じであるため、株式会社のような株主総会と取締役会がありません。そのため、定款の変更など重要事項の決定は社員全員が同意することが必要であり、経営における意思決定は過半数の社員の同意が必要となります。

合同会社を設立するには、株式会社と同じようにまず会社の名称や目的を定める定款を作成してから、それを法務局に持って行って登記するという手順です。

設立届の提出も株式会社と変わりはなく、同じ用紙を使用します。唯一、株式会社と違うのは、作成した定款を認証する必要がないところです。平成18年以降会社数は年々増え、株式会社に次いで多い会社形態になっています。

合資会社

会社の債権者に対して出資額を上限に責任を持つ社員(有限責任社員)と債権者に連帯して負債を負う社員(無限責任社員)で成り立つ会社のことを合資会社といいます。会社設立費用は10万円程度で安く抑えることが可能なため、設立が容易というメリットがあります。

さらに、資本金を用意する必要がないにもかかわらずしっかりと社会保険には加入できます。ただし、最低でも有限責任社員と無限責任社員の2名以上で運営する必要のある合資会社は、無限責任社員がすべての責任を負うので、どちらかが退職するリスクは常に念頭に置かなければなりません。

小規模であることが多く家族経営など密接な関わりのある間柄で設立される合資会社は、会社全体の1%弱にも満たないため、現在は新たに合資会社を設立するというケースもほとんどありません。

合名会社

合名会社は日本において歴史が古くかなり排他的な組織構成のため、今や会社数は全体の0.2%で年々減少しています。合名会社は合資会社と違い社員全員が無制限責任社員のみで構成されています。

メリットは設立費用が10万円程度で安価である、という点ですが、無限に責任とリスクを負わなければならないデメリットがあります。

株式会社と合同会社の違いを比較

会社形態は複数ありますが、現在日本企業では9割以上が株式会社か合同会社のため、設立するなら実質どちらかの2択になるでしょう。そのため、株式会社と合同会社の明確な違いが気になるところです。

会社設立を考えたとき、株式会社と合同会社ではどちらのほうが良いか、判断基準になるそれぞれのメリット・デメリットをまとめました。

株式会社のメリット・デメリット

株式会社のメリット

  • 信頼性・信用度が上がる
  • 有限責任のため、倒産など万一のことがあっても安心
  • 資金調達方法が複数ある
  • 1人から設立可能

株式会社を設立する最大のメリットは、社会的な信頼度かもしれません。それが一番なのであれば人脈の広さなどでカバーできそうと考えられますが、実質的な問題として融資を受ける際や資金調達をする際も、株式会社であるか、合同会社であるかが大きく関わってきます。

株式会社のデメリット

  • 決算公告が必要
  • 会社設立費用が高く、その後の資金繰りもハードルが高い
  • 役員の任期がある

一番ポピュラーな会社形態である株式会社ですが、デメリットとしては初動の費用や手続きにかかるコストが他の会社形態に比べて高いということが挙げられます。会社を立ち上げる際に資金調達に厳戒がある、 その後の経営が軌道に乗るまで時間がかかるといった場合には、あまりおすすめできない形態です。

合同会社のメリット・デメリット

合同会社のメリット

  • ランニングコストが低く設立費用も安価
  • 決算公告の義務がない
  • 役員任期がない
  • 株式会社と同じように一人から設立・節税も可能
  • 将来的に株式会社へ移行することが可能

合同会社のメリットは、なんと言っても設立費用が安価で手続きが簡単であるという点です。決算公告の義務がない上、出資比率に関係なく利益の配分が自由に行えるので、貢献度で利益分配でき費用を有効活用することも出来ます。

合同会社のデメリット

  • 株式会社よりも信頼度が下がる
  • 資金調達の手段が少ない
  • 代表取締役ではなく代表社員という立ち位置しかない
  • 経営の自由度が高い半面、従業員同士でモメやすい

合同会社のデメリットは、株式会社に比べ信頼度が下がるという点が一番大きいでしょう。また、合同会社は株式の増資によって資金調達することが出来ませんので、資金調達の選択肢もかなり少ないです。

株式会社と合同会社はどちらを設立するのが良いか

株式会社と合同会社のメリット・デメリットをそれぞれ見てきましたが、結局のところどちらが良いのか一長一短な気がしてしまいます。2つの会社形態はどちらも法人税の課税対象で節税対策も同じように出来ます。

また、社員一人で設立出来る点も共通しており、どちらで会社設立をするかは現状や将来の展望によって選択する必要があります。どちらが良いか分からないという方は、株式会社向き、合同会社向きの特徴をまとめましたので、以下の判断基準に則って検討してみましょう。

株式会社向き

  • 融資先や取引先などの信頼度が重要
  • 代表取締役、取締役といった肩書が必要
  • 将来的に株式公開・投資家からの増資・上場などを検討
  • 会社間でのやり取りが多い事業・サービス内容
  • 社員数を増やす予定で会社の基盤はしっかりしておきたい
  • 将来的にも大規模(年商1000万円以上)の事業展開を想定している

合同会社向き

  • 費用を出来るだけ安く抑えて会社設立をしたい
  • 規定などが少なく自由度の高い経営を望む
  • 将来的に規模を大きくしたり上場予定はない
  • 家族経営なども視野に入れている
  • 一般消費者向けサービスの展開を想定(飲食店、美容室など)
  • 小規模(年商1000万円未満)の事業

事業・サービス内容による向き・不向きで言えば、株式会社は会社間の取引など社名を晒す機会の多い会社に向いており、合同会社は会社名というよりサービス名や建物名がメインになる会社に向いています。

「カフェ○○」「○○美容室」など一般消費者向けのサービスであれば、運営元が合同会社であろうと信頼度にはそこまで影響はないからです。

また、現状の資金と規定の有無・緩さも重要なポイント。将来的には代表取締役、取締役の役員ポジションや従業員数も増やしたい、会社としてしっかりとした基盤を作りたいと考えていても、現状はスタートアップ資金に限界があり、初期費用を抑えたいという場合もあるでしょう。

そんな時はまずは合同会社でスタートし、経営が軌道に乗ったタイミングで株式会社へ組織変更するという手もあります。

合同会社から株式会社へ組織変更するには

合同会社から株式会社へ会社形態を変更することを、組織変更といいます。会社設立の際に合同会社からスタートしたあとで株式会社に変更したいという場合は、以下の流れに沿って手続きを行ってください。かかる費用や必要書類についてもご紹介します。

組織変更の流れ

  • 1.組織変更計画書の作成

    合同会社から株式会社へ変更するにあたり、改めて事業内容や会社名(商号)などを記載した組織変更計画書が必要になります。所在地、定款、代表取締役、取締役の名前、効力の発生日などを記載します。

  • 2.総社員の組織変更計画書への同意

    効力の発生日前までに、合同会社から株式会社への組織変更について総社員から「組織変更計画書」の中身を確認してもらい、同意を得ておく必要があります。

  • 3.債権者の債権者保護手続き

    債権者がいる場合、組織変更に関して異議を唱える権利があるので、官報へ組織変更公告の掲載と債権者へ個別の催告を行う必要があります。簡単に説明すると、債権者へ組織変更します、異議のある方は申し出てくださいという内容で、異議申し出があった場合は組織変更できません。

    債権者がいないという場合でもこの手続きは必ずする必要がありますので、面倒だからと飛ばすことがないように注意してください。

  • 4.株式会社としての登記申請

    法務局へ元々運営していた合同会社の解散登記と変更後の株式会社の設立登記を行う必要があります。

  • 5.登記簿謄本の取得

    登記審査には一週間程度かかり、無事に登記が完了すると登記簿謄本が取得できるようになります。

手続きには審査や官報へ組織変更公告の掲載と債権者へ個別の催告も含めて、1ヶ月から2ヶ月の期間を要します。そのため、組織変更を行う場合は手続きの期間を逆算して考えるようにしましょう。

組織変更に必要な書類

  • 印鑑証明書

    登記日から3ヶ月以内に取得したもので、取締役に就任する人は全員必要です。

  • 官報公告

    官報に異議申立てができる旨を公告します。書類は官報販売所が提示しています。

  • 個別催告

    債権者に郵送する個別の催告です。内容について詳しくは下記リンクをご覧ください。



  • 組織変更に関する総社員の同意書
  • 組織変更計画書
  • 定款
  • 就任承諾書
  • 公告及び催告済み証明書
  • 登録免許税法施行規則第12条第4項の規定に関する証明書
  • 合同会社解散登記申請書
  • 株式会社設立登記申請書

メインで必要になるのは、(1)債権者や総社員の同意がとれているか(2)合同会社の解散登記ができたか(3)株式会社の新規設立登記ができたかの3つの内容に関する書類です。

会社設立と同じように定款が必要なので、手続内容は組織変更というより会社設立を行うという気持ちで行った方が良いでしょう。

組織変更にかかる費用

費用がかかるのは手続き代行を専門家に依頼しなければ、官報への公告掲載と登録免許税、印鑑証明書のみです。官報への公告掲載費用は文字数や行数により変動しますが3万5000円程度、登録免許税は合同会社の解散登記に3万円、株式会社設立登記に3万円(資本金額の1000分の1.5のどちらか大きい金額)合計6万円です。

取締役に就任する方全員分の印鑑証明書は1通300円なので、人数分を足した額が組織変更に必要な額です。合計すると10万円前後が費用相場なので、合同会社を新規で立ち上げる額とほとんど同額です。

合同会社と株式会社の合併とは

株式会社や合同会社を設立している場合、組織、人材、資金、株主などすべてを合併するという手法もあります。合併をして企業を組織に取り込む買い手企業のメリットは、買収資金が不要で企業規模を拡大することができることと節税出来るポイントが増えるという点です。

消滅して別企業に取り込まれる会社のメリットとしては、赤字を脱却できたり企業規模が拡大するという点です。合同会社だけでは資金繰りが成り立たなくなったが技術としては素晴らしいものをもっているという場合には、株式会社と合併することでその技術力を存続しスケールを拡大することも可能です。

合併の方法は2種類あり、1つの会社にすべてを統合し、もう一方の会社は法律上消滅する吸収合併と、新会社を設立しそこにすべてを統合したうえで、残った会社をすべて消滅させる新設合併があります。

まとめ

以上、株式会社と合同会社の違いとそれぞれのメリット・デメリットについてご紹介しました。どちらの会社を設立するのが良いかという点については、費用や条件、会社規模や将来的にどうしたいかによるので、一概にどちらが良いとは言えません。

しかし、初期費用の問題を除いては、やはり世間的な信頼度の高い株式会社の設立をおすすめします。今は難しいという場合でも、組織変更をして将来的に株式会社を目指すというやり方でも良いでしょう。

会社設立お考えの方は、本記事や様々な情報源から会社設立への理解を深めて、どちらの会社設立にするか最敵な決断をしてほしいと思います。

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