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顧問社労士とは

顧問社労士とは企業側と顧問契約を締結し、労務管理の代行やコンサルティングサービスを提供する社労士のことです。毎月一定の顧問料を支払う代わりに、社会保険の加入手続きや就業規則の見直しなど、さまざまな業務を依頼できます。

社労士は労働や社会保険の法律に精通した専門家です。豊富な知識やノウハウを持つ方に労務管理の業務を任せられるため、業務の効率性と正確性を高められます。

顧問社労士に依頼できる業務

顧問契約を締結した場合、主に以下の業務を社労士に依頼できます。

社会保険の加入および退職時の手続き
労働保険の加入および更新手続き
雇用契約書や労働条件通知書などの書類作成
従業員との労務トラブルに関する相談対応
就業規則の見直しに関する相談対応
労働基準監督署の調査に対する相談対応
36協定の策定
法改正や助成金に関する情報提供

社労士事務所によっては、ハラスメント研修の代行や育児介護休業に関する保険給付の相談などの依頼も可能です。顧問契約を締結した際の業務内容は、社労士によって異なります。

依頼前に基本料金でどの業務まで対応してもらえるか、必ず確認しましょう。

顧問社労士の費用相場

毎月の顧問料は、自社の従業員数や依頼する業務内容によって変動します。従業員数ごとの基本料金は以下のとおりです。

従業員数	基本料金
10人以下	20,000円〜30,000円
10人〜19人	30,000円～40,000円
20人〜29人	55,000円〜60,000円
30〜49人	50,000円～70,000円
50～99人	80,000円〜105,000円
100人以上	120,000円〜

社労士と顧問契約を締結した場合の基本料金は、月額2万円～17万円が相場です。従業員数が150人以上の場合、基本料金が17万円以上に達する可能性が高まります。

社会保険の加入手続きや雇用契約書の作成などは、上記の基本料金に含まれているケースが多いです。ただし、労務や給与計算など、コンサルティングも依頼する場合、3万円～10万円の追加費用が発生するため、注意しましょう。

顧問社労士に助成金申請を依頼する場合、着手金＋成功報酬の支払いが発生します。着手金は3万円〜15万円が相場です。成功報酬は助成金額の10%〜20%が相場で、助成金額が大きいほど成功報酬の額も増えます。

顧問社労士に依頼するメリット

トラブルが起きたらすぐに相談できる

従業員との労務トラブルが発生した場合、顧問社労士にすぐ相談できるため、裁判沙汰に発展するリスクを抑えられます。

労務トラブルの発生原因は、賃金の未払いや長時間労働など、さまざまです。裁判で自社の正当性が認められるには、勤怠管理や給与計算を適正に実施していたか、明確な証拠を示さなければなりません。

労務トラブルの解決が得意な顧問社労士へ相談すると、裁判以外の方法でトラブルの早急な解決が望めます。職場環境の現状に関しても指摘してもらえるため、労務トラブルを未然に防げる点もメリットです。

労務管理の業務全般を任せられる

社会保険の加入手続きや雇用契約書の作成、労使協定の整備など、労務管理の業務全般を任せられるため、労務担当者の業務負担を軽減できます。

社労士は社会保険や労働関連の法律に関して豊富な知識を持つ専門家です。各種手続きの流れや書類の作成方法も熟知しており、正確かつ素早い仕事ぶりが望めます。

職場環境に関するアドバイスを得られる

職場環境が悪い企業は、従業員にストレスや疲労が蓄積しやすい状況です。業務へのモチベーションが保ちにくく、業務効率の低下や人間関係の悪化、離職者の増加など、さまざまなデメリットが発生します。

ただし、職場環境をどのように改善すべきか、わからない場合もあるでしょう。顧問社労士に相談すると、客観的な立場から職場環境を分析してもらえるため、課題や実践すべき施策を正確に把握できます。

顧問社労士の選び方

得意分野と支援実績を見極める

自社が依頼したい業務を得意としているか、確認が必要です。社労士によって、労務トラブルの解決や助成金申請、労務コンサルティングなど、得意分野は異なります。

ホームページ上で社労士の得意分野を把握したあとは、支援実績の多さも確認しましょう。支援実績が豊富な企業は、対応の品質やコストパフォーマンスなどに関して、多くの企業から高評価を受けていると認識できます。

得意な業界を確認する

社労士を選定する際は、自社が属する業界への支援を得意としているか、あわせて確認しましょう。自社の課題内容によっては、業界特有の商習慣や働き方、労務問題が原因の可能性もあります。

たとえば、運送業では法改正にともない、2024年4月からトラック運転手を拘束する時間は1日13時間以内に収める必要があります。週2回まで1日の拘束時間を15時間まで延長できますが、休息時間を継続して9時間与える必要があります。

自社の業界に精通した社労士を選べると、実情を正確に反映したアドバイスや改善策が得られます。

最低契約期間を確認する

社労士事務所の多くは、最低契約期間を1年に設定しています。1年契約して問題なければ、自動更新していく仕組みです。

契約期間の途中に解約しても、社労士によっては違約金が発生しません。ただし、100%違約金が発生しない保証はないため、社労士とのミスマッチが心配な場合は、短い単位での顧問契約が可能な社労士事務所を探しましょう。

セキュリティ対策の充実度を確認する

顧問社労士を選ぶうえで、セキュリティ対策も重要なポイントの1つです。勤怠管理や給与計算など、依頼する業務内容によっては従業員の個人情報を多数扱うことになります。

情報流出を避けるため、データの暗号化やアクセス制限など、セキュリティ対策が充実した社労士事務所を選びましょう。

プライバシーマークやSRPⅡを取得している社労士事務所を選ぶのも有効です。取得済みの社労士事務所は個人情報の扱いに関して、第三者機関から一定水準以上の評価を得ていると認識できます。

社労士との相性を見極める

自社と相性のいい社労士を見極めるには、複数の社労士事務所と商談の場を持つことが重要です。検討材料が少ないと、コミュニケーションの質や提案内容を比較できず、正確な判断が下せません。

社労士を選ぶ際は専門用語や報酬に関して、わかりやすく解説してくれる方を選ぶのがおすすめです。顧問契約の範囲内で対応してくれる内容が明確になり、不安を軽減できます。

顧問契約の締結後にトラブルに発展する可能性が高まるため、報酬の説明があいまいな方、専門用語を多用する方に依頼するの避けましょう。

顧問社労士に関するよくある質問

顧問社労士との契約を途中で解約できますか？

契約期間内でも解約はできます。ただし、社労士との契約内容によっては違約金が発生する可能性があるため、契約前に違約金の有無を確認しましょう。

社労士事務所によっては、3カ月単位での契約プランを用意している場合があります。社労士との相性を確認しつつ違約金の支払いを回避する手段として、利用するのも1つの手段です。

どのタイミングで顧問社労士を利用すべきですか？

安定した収益確保が望める目途が立った場合、顧問契約を締結するのがおすすめです。顧問社労士を利用する場合、毎月一定の顧問料を支払わなければなりません。顧問料の支払いが企業経営や資金繰りに悪影響が出ないタイミングで、社労士を活用しましょう。

小規模企業でも顧問社労士は必要ですか？

無理に社労士と顧問契約を締結する必要はありません。社労士に依頼する業務量が少ない場合、必要以上に費用を支払うことになります。

依頼したい業務内容がある程度決まっている場合、スポット契約を利用するのがおすすめです。

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2023年10月02日

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