RFP(提案依頼書)とは?RFIとの意味の違いや作成目的・サンプルを解説

最終更新日:2023年03月06日
RFP(提案依頼書)とは?RFIとの意味の違いや作成目的・サンプルを解説
この記事で解決できるお悩み
  • RFPの意味やRFIとの違いは?
  • RFPに記載すべき内容は?
  • 作成における注意点はある?

「RFPがどういうものかよくわからない…」という方必見!

こちらの記事では、これからシステム開発を発注する方に向けて、RFPの概要や記載内容を解説します。最後まで読めば、RFPについての理解が深まり、スムーズにRFPの作成ができるようになります。

RFP作成のサンプルや注意点についても解説するため、RFPの作成に不安がある方はぜひ参考にしてください。

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RFPとはシステム構築を発注する際の提案依頼書

RFP-提案依頼書

RFPとは「Request for Proposal」の略で、システム構築を発注する際に、発注側がシステムベンダー(システム開発会社)に提出する「提案依頼書」のことです。

RFPには発注側がシステムベンダーに伝えたい内容を記載します。具体的には、自社の現状や課題、課題解決のためにシステムに搭載したい機能などです。

RFPを提出することで、システムベンダーからの提案がより自社の要望にマッチしたものになります。システムのすり合わせをする上で有用です。

RFIとの違い

RFIとは「Request for Information」の略で、発注側がシステム構築を発注する際に、システムベンダーに提出する「情報提供依頼書」のことです。

RFIはRFPとは異なり、開発側の企業概要や開発実績、具体的な技術や製品情報などの提示を求めるための依頼書となります。

RFIは依頼先がまったく決まっていない段階で提出し、企業選定の材料とする書類です。RFIを提出し企業選定をおこなったのちにRFPを提出する流れになります。

RFPを作成する3つの目的

RFP-目的

RFPを作成する目的は、以下の3つです。

  • システムベンダーに正確な依頼をおこなう
  • 自社の現状や課題の確認をする
  • 複数のシステムベンダーを効率的に比較する

近年、多くのシステムが高機能・多機能になり構造が複雑化したため、RFPを活用した書面による正確な情報伝達は必須です。

1. システムベンダーに正確な依頼をおこなう

RFPを作成する目的の1つは、システムベンダーに正確な依頼をおこなうことです。RFPを作成すると自社のニーズを文書として明文化できるため、正確性を確保できます。

RFPがない場合は口頭で自社の課題やニーズを伝える必要があるため、細かいニュアンスの違いによる伝達ミスが起きてしまう可能性があります。

RFPを作成することで、自社のニーズを間違いなくシステムベンダーに伝えましょう。

2. 自社の現状や課題の確認をする

RFPの作成をすることは自社の現状や課題の確認にも役立ちます。現状の課題をどのように解決したいのかをRFP作成段階で検討しましょう。

RFPに正確な情報を記載し、システムベンダーから適切な提案を受けるには、何よりも自社の分析が必須です。

さまざまな情報を整理し自社の現状や課題、解決方法を検討することで、品質の高いRFPを作成しましょう。

3. 複数のシステムベンダーを効率的に比較する

完成したRFPを複数のシステムベンダーへ提出することで、システムベンダーからの提案を効率的に比較できます。

RFPを作成せずにシステムベンダーの選定をおこなうと、提案内容の評価基準がブレやすく比較しづらくなります。

RFPを作成することで、複数の提案のなかから自社に最適な企業を比較選定しましょう。

RFP作成前に必要な3つの準備

RFP作成前に必要な準備は、以下の3つの流れです。

  1. プロジェクトチームの設立
  2. サンプル・テンプレートの用意
  3. ベンダー選定基準の明確化

RFPは自社のニーズを開発側に共有するための書類です。有用なRFPを作成するために適切な準備を進めましょう。

1. プロジェクトチームの設立

RFPを作成する際は、事前にプロジェクトチームを設立しましょう。プロジェクトチームをつくり協力体制を構築することで、システム開発を円滑に進められます。

システム開発では各部門へのさまざまな調整業務が発生します。具体的には部署ごとのヒアリング調査、経営層からの了承獲得などです。

スムーズにRFP作成・システム開発を進めるために、各業務部門からメンバーを選抜したプロジェクトチームを立ち上げ、準備を進めましょう。

2. サンプル・テンプレートの用意

RFPを作成する際は、事前にサンプルやテンプレートを用意しておきましょう。RFPはフォーマットの指定がないため、テンプレートの活用が可能です。

RFPで最も重要なことは、自社ニーズと仕様要件が正確に記載されている点であるため、必ずしもフォーマットを重視する必要はありません。

RFPの作成前に、サンプルやテンプレートをダウンロードし、記載内容を具体的にイメージしましょう。

3. ベンダー選定の基準を明確にする

RFP作成前にシステムベンダーを選定する評価基準を明確化し、チーム内で共有しておきましょう。

ベンダーを選定する評価基準の明確化は、自社が開発で求める項目の優先順位を可視化することにもつながります。

ベンダー選定の基準を明確にすることで、RFP作成と企業選定をスムーズにおこなう準備を進めましょう。

RFPに記載する5つの内容

RFP-記載内容

RFPに記載する項目は、主に以下の4つの項目です。

  • 提案依頼概要
  • 提案依頼手続き
  • システム要求事項
  • 委託業務要求事項
  • ベンダー側の体制要件

ベンダーからほしい情報があらかじめ決まっている場合、補足事項として追記しましょう。

1. 提案依頼概要

提案依頼概要に記載すべき内容は、以下のとおりです。

  • プロジェクト名
  • プロジェクトの背景や目的
  • 現状の課題
  • 理想のイメージ
  • 開発期間
  • 予算

提案依頼概要では、プロジェクト全体の詳細なイメージや納期・予算を記載しましょう。現状の課題や課題に対する解決策の分析結果を伝えることが重要です。

2. 提案依頼手続き

提案要件に記載すべき内容は、以下のとおりです。

  • 各工程のスケジュール
  • 開発環境と要件定義
  • 目標達成の評価指標
  • 提案方法
  • 運用後のサポート有無

提案内容では、スケジュールや目標達成の評価指標、運用後のサポートが必要かを記載しましょう。提案手続きにあたる項目を明確にすることで、スムーズに提案・開発を進められます。

3. システム要求事項

システム要求事項に記載すべき内容は、以下のとおりです。

  • 掲載ページ数
  • 情報更新をおこなうページ
  • 運用に必要な機能
  • デザインの方向性
  • テキストと画像

システム要求事項では、デザインや運用方法、ページ数などを記載しましょう。どのような提案を受けたいのかを明記することで提案のクオリティが格段に上がるため、できる限り詳細に記載することが重要です。

4. 委託業務要求事項

委託業務要求事項に記載すべき内容は、以下のとおりです。

  • 業務内容(要件定義〜運用保守業務、プロジェクト管理業務など)
  • 製品ライセンスやクラウドサービスなどの物品の提供

委託業務要求事項では、システム開発にあたっての業務の委託範囲を示しましょう。システム開発や運用、保守をどこまでシステム開発会社に任せるかを事前に決めておきましょう。

5. ベンダー側の体制要件

ベンダー側の体制要件に記載すべき内容は、以下のとおりです。

  • 組織全体像
  • 作業にあたる人員に求める実績・スキル
  • 想定体制図

ベンダー側の体制要件では、システム開発にあたるチーム構成や人員に求める実績やスキルを記載しましょう。システム開発にあたって実績やスキルの有無は重要な要素です。自社が求める人材を明確にしベンダーに伝えましょう。

RFPの構成サンプル

RFPの基本構成はどの場合でも変わりませんが、目的に応じて詳細部分を変える必要があります。

特に0からシステムを開発する場合と既存のシステムを改善しリニューアルする場合は、必要になる情報が大きく異なるため注意が必要です。それぞれの構成サンプルを紹介します。

システム開発時のRFP構成サンプル

システム開発時のRFP構成サンプルは、以下のとおりです。

  • 企業概要
  • 提案依頼概要
  • 提案要件
  • 提案依頼手続き
  • コンペを開催する場合の提案内容

0からシステム開発をおこなう場合は、既存のシステム概要を記載する必要がないため、概要・提案内容・手続きなどの基本的な内容だけ記載しましょう。

サイトリニューアル時のRFP構成サンプル

サイトリニューアル時のRFP構成サンプルは、以下のとおりです。

  • プロジェクト概要
  • 会社概要
  • システムの機能要件
  • 提案内容
  • 補足事項
  • 提案方法

サイトリニューアルの場合、既存のシステムを改善する必要があるため、自社システムの分析結果や詳細なニーズを記載しましょう。

RFP作成における3つの注意点

RFP作成における注意点は、以下の3点です。

  • 補足事項を追記する
  • 作成したRFPをチェック・ブラッシュアップする
  • 自社にあったシステムベンダーを選ぶ

RFPの作成は、必要項目や準備が複雑です。注意点を把握しておくことで事前準備を進めましょう。

1. 補足事項を追記する

RFP作成の注意点のひとつは、補足事項を追記することです。補足事項を追記することで、ベンダー側からより適切なアドバイスや提案を受けられます。

たとえば、自社で疑問や悩みがある場合に補足事項として記載しておくと、ベンダー側が疑問や悩みを汲み取った提案をしてくれます。

提案内容によってどの程度汲み取っているか、開発に前向きかを判断する材料にもなるでしょう。ぜひ補足事項を積極的に活用してください。

2. 作成したRFPをチェック・ブラッシュアップする

RFPを作成する際は、作成したRFPをチェックしてブラッシュアップしましょう。作成作業の熟練度にかかわらず、最初から自社の開発要件をすべて網羅したRFPを作成することは困難です。

自分の部門以外の業務内容を知る必要があるケースも少なくありません。関係部門の従業員にヒアリングをおこない、ニーズを網羅することが大切です。

最初から完璧なRFPの作成を目指すのではなく、周囲の意見を取り入れながらブラッシュアップの完成を目指しましょう。

3. 自社にあったシステムベンダーを選ぶ

RFPを作成する際は、自社にあったシステムベンダーを選びましょう。RFPを活用することで1度に複数企業を比較できるとしても、数が多すぎるとうまく処理できない可能性があります。

事前にRFPを提出する自社のニーズを満たす企業をあらかじめ選んでおくと便利です。弊社が運営しているマッチングサイト『比較ビズ』では、システム開発・改善の実績が豊富なシステムベンダーが多数登録しています。

どのようなサービスを受けたいのか、Web上の相談フォームに入力することで一括で複数の企業に相談が可能です。

まとめ

RFPの作成目的や必要な準備、注意点を解説するとともに、RFIとの違いや構成サンプルを紹介してきました。

RFPは、自社の現状を見直しながら作成することで、開発側からニーズに応じた提案を受けられます。あらかじめ自社の課題に適したシステムベンダーを選んでおくことが重要です。

「比較ビズ」の場合、必要事項を入力する2分程度で、貴社にあったシステムベンダーをスピーディーに探せます。複数の会社に無料で相談できる点もポイントです。システムベンダーの選定に迷うことがあれば、ぜひ利用してみてください。

比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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