ストレスチェックの義務化とは何か?対象事業者と制度の概要について知る「比較ビズ」

ストレスチェックの義務化とは何か?対象事業者と制度の概要について知る

更新日:2018年05月14日 発注カテゴリ: 産業カウンセラー
ストレスチェックの義務化とは何か?対象事業者と制度の概要について知る

様々なストレスを受けることは現代社会において避けては通れないものだと思います。中でも仕事上でのストレスは多くの人を悩ませるものです。これに対して企業側も何らかの対策を行う必要があります。ストレスチェック制度は社員の健康状態を把握するためにも大きな意味があります。今回はこのストレスチェック制度について解説していきたいと思います。



あなたの仕事についてうかがいます。最も当てはまるものに〇を付けてください。“鷯錣砲燭さんの仕事をこなさなければならない、∋間内に仕事が処理しきれない−−。厚生労働省「職業性ストレス簡易調査票」の一部です。

ストレスの語源は、「distress(苦悩、悩み)」で、どんどんさかのぼると、「一つのものがバラバラに離されること」という意味にたどり着きます。つまり、離別や仲間はずれが苦悩ということです。逆に、出会う、仲間入りは歓喜ということです。

こういう気持ちを保つことがストレスを減らすことになりそうです。企業で働く人の中にメンタルの不調を訴える人が増えています。そのため、第186回国会で「労働衛生安全法の一部を改正する法律」が成立し、2015年12月1日から、「ストレスチェック制度」が施行されました。

この制度が創設された理由は、労働者の心理的な負担がどれ程なのかを把握するため、医師や保健師等による検査(ストレスチェック)を従業員50人以上の事業者に義務付けることです。フィジカルの健康診断と合わせ、メンタルの健康診断が義務付けられたわけです。

その理由はメンタルのけがや風邪が増えているからです。2017年の自殺者数は2万1321人で8年連続減少していますが、うち、30.2%が働き盛り世代であり、12.5%が勤務問題を原因・動機としています。また、うつ病の生涯有病率は3%〜7%、推計患者数は104.1万人に上り、職業的には公務員、教師、看護師などに多いそうです。

自殺とうつ病の経済損失は年2兆7000億円ともみられ、健康面からも経済面からも見過ごせない水準に達しています。とりわけ、診断や治療に携わる医療・福祉界にメンタルへルスに問題を抱える人の割合が76.6%と最も高いことは病院にとっても、厚生労働省にとってもショックのようです。

ストレスチェックで「看護師の不養生」は治るのでしょうか。ストレスチェックの診断力とメンタルヘルス対策の実行力を診ることにしましょう。

こころの健康を病む外的要因

「こころの健康」とは、自分らしくいきいきと生きるのに大切な条件です。厚生労働省は、‐霆鐡健康(自分の感情を表現できること)、知的健康(現実的な問題解決が可能であること)、そして社会的健康(社会と良好な関係を築けること)、た祐崚健康(人生を主体的に選択すること)に分類しています。

心身症と呼ばれるように、少し前から、ある種の疾病(風邪や心臓病など)の発症に心理的な要因が関係することが知られており、この関係が最近では実証されつつあります。うつ病は、こころの病気の代表であり、多数の人がかかる可能性が高いほか、自殺の背景にある精神疾患と考えられています。

そのため、こころの健康診断「ストレスチェック」とこころの健康増進策「メンタルヘルス対策」が不可欠と力説しています。とりわけ、うつ病は医師側からすると、約70%が1年で寛解になるという感覚で治療に当たりますが、患者側からすると、約80%が治療に5年の期間を要しています。

この差は治療に当たる医師が内科医(一般医)か、精神科医(専門医)か、その違いです。うつ病の原因は、‘眦要因(ストレス耐性など内部の原因)、外的要因(仕事など外部の原因)、0篥舛任后3暗要因とは、職場の環境や家庭の環境や人間関係です。

厚生労働省「2012年労働者健康状況調査」(5年ごとに調査)によると、仕事に強い不安、悩み、ストレスを抱えている人は61.5%と高く、具体的なストレスの内容は/場の人間関係(35.1%)、∋纏の量(32.3%)、仕事の質(30.4%)が上位を占めています。

労働安全衛生法では、量に当たる時間外労働(1カ月当たり100時間超)に対するアセスメントをしていますが、見えにくい人間関係や質もフォローアップするべきでしょう。その一環として、企業に対して、総合的なメンタルヘルス対策に取組むよう促していますが、企業間で大きな温度差がみられます。

メンタル健康診断の必然性

企業に年1回の実施が義務付けられているフィジカルの健康診断に加え、2015年12月から、従業員50人以上の企業に対してメンタルの健康診断「ストレスチェック」が義務付けられました。

従業員50人以上の定義は、「常時使用する労働者」で、ヾ間が定められていない労働契約によって使用される者、⊇杵働時間数が当該事業場で同種の業務に携わる通常の労働者の1週間あたりの所定労働時間数の4分の3以上だということ、そのいずれかの要件を満たす者とされています。もちろん、ストレスチェックとは、メンタル不調の予防策です。

社員がストレスに関する質問票に記入をし、それを集計・分析を行うことで、自分のストレスがどういった状態にあるかがわかる診断テストです。メンタルヘルス対策は、「こころの健康」を維持する総合的な取組みです。

最近、職場を取り巻く環境が大きく変化し、複雑な人間関係や長時間労働がもたらすストレスで、メンタルヘルスに不調をきたす社員が増えています。そのため、企業にはストレスを最小限に抑える取組みや社員が抱える問題に焦点を当てた解決支援に取組むことが求められています。

メンタルヘルスの不調者が出ると、仕事に支障をきたすだけでは済みません。長時間労働などで、精神疾患に罹患し、企業の過失が認められると、損害賠償責任を問われます。労災の新しい認定基準でも長時間労働を「心理的負荷」と捉え、うつ病発症の原因と解釈するようになったので、注意が必要です。

例えば、うつ病の発症直前に月160時間を超える時間外労働があれば、労災が認定される可能性が高いようです。要するに、メンタルヘルスは社員と企業の「こころのリスクマネジメント」です。あらゆる想定される「こころのリスク」が起こらないよう取組む手段です。

仮に、夜中にお腹が空いたAさんがコンビニに出かけたとしましょう。行動することで起こり得るリスクと予防策は、‥召屐並元に注意する)、交通事故(歩道橋を渡る)、6盗(周辺に注意を払う)、け(傘を持参する)です。

逆に、行動しないことで起こり得るリスクは、,腹が空く(飲料水を飲む)、¬欧譴覆ぁ平臾架BGMを掛ける)です。このようなメンタル面で起こり得るすべてのリスクと予防策をマネジメントすることが企業に求められているのです。

なぜでしょうか。医療の成果は明確です。もちろん、それは健康です。不健康(患者)な状態から、健康(健常者)な状態に戻すことに誰も異論を唱えないでしょう。それでは医療における成果主義とは何でしょうか。

それは健康状態の改善にどれだけ貢献したかです。つまり、自分あるいは企業がどれくらい成果に貢献したかです。誤った成果主義は価値の連鎖(バリューチェーン)を考慮しないで、1つの企業単位、1つの部門単位で利益の最大化を図ろうとします。

そうすると、社員が疲弊して、不健康になり、医療費の増大を招きます。つまり、価値の連鎖が崩れるのです。間違った成果主義の理解と導入は日本の医療を病みます。国はこれ以上、患者を増やしてほしくないのです。ストレスチェックは企業に価値の連鎖を補正してもらう役割を担っています。

ストレスチェックで不調を予防

ストレスチェックは、社員が自分のストレス状態を知ることで、ストレスをため過ぎないようコントロールすることが目的です。ストレスをため過ぎた場合は、医師の面接を受けたり、企業に業務負担の軽減を求めたり、職場改善に結び付けることで、メンタルヘルスの不調を予防します。

ストレスチェックを実施するにあたり、企業はストレスチェック担当者とストレスチェック実施者、そして実施事務従事者を選任します。ストレスチェック実施者は、企業あるいは外部委託機関の医師や保健師、さらに一定の研修を受けている看護師や精神保健福祉士に限られます。

調査票は、「仕事のストレス要因」や「心身のストレス反応」、そして「周囲のサポート」の3領域を網羅したものであれば、企業が選択できますが、厚生労働省は「ストレス簡易調査票」を使うことを推奨しています。

なお、ストレスチェックの実施は企業の義務ですが、受診は社員の義務ではありません。既に、通院している社員に対する配慮が、その理由です。ストレスチェックの結果は、医師などの実施事務従事者から受診者本人に知らされます。

実施事務従事者は本人に同意をもらってから、企業に検査結果を提供します。企業は実施事務従事者に検査結果を一定規模の集団(部、課など)に集計・分析した上で、その結果を提供してもらいます。

集団ごとに質問票の項目ごとに平均値や中央値をなどを求め、比べるといった方法で、どの集団がどのようなストレス状態にあるかを把握します。「医師の面接指導が必要」と判定された社員から、申出があれば、医師に依頼して、面接指導を行います。

面接指導を実施した医師より、就業上の措置の必要性やその内容について意見を聴き、労働時間の短縮など必要な措置を講じます。企業は本人の同意を得た上で、ストレスチェックの結果を5年間保存する必要があります。

社員の同意が得られなければ、企業はストレスチェック結果記録の作成、適切な保存をするため保存場所や保存期間を定める他、セキュリティの確保といった必要な措置を講じる責を負います。ストレスチェックの結果は個人情報です。適切に社員の個人情報を保護し、不正な目的利用が行われないように徹底しなければなりません。

ストレスの傾向と対策が本来の目的

成果主義の重点化に伴い、精神的に疲弊した社会人が増えています。それに起因する休職や離職も増えています。そのため、企業は心理カウンセリングの導入などメンタルヘルスの取組みを強化しています。

専門医(精神科医)は、ストレスチェックの効果というより、ストレスチェックの実施によって、本人(従業員)や管理者(雇用者)に啓蒙を促す効果が大きいとみています。ストレスチェック後、職場改善に結び付いたのでしょうか。

ストレスチェックの結果を高ストレス者に対する面接指導に活用するのが、「個人アプローチ」です。ストレスチェックの結果を集団ごとに集計と分析(集団分析)を行い、職場改善に活用するのが、「組織アプローチ」です。

集団分析は制度的に努力義務とされていますが、1次予防の観点から重要視されつつあります。その理由は個人に高ストレス者が存在するように、部署にも高ストレス部署が存在するからです。検査結果から、組織特有のストレス傾向を読み取り、組織独自のストレス対策を講じることが、制度本来の目的です。

そういう意味では、/場環境の分析と評価、▲好肇譽考廾の抽出と対策の立案、B从の実行、ぢ从の評価と改善というPDCAサイクルが上手く回るまで、制度的なブラッシュアップが必要でしょう。快適な職場作りや活力ある人材育成は経営課題です。今は、組織マネジメントに「メンタルヘルス」を加える時代です。

健康経営が生む心身と経営の健康

ストレスチェックを導入した真の目的は、企業に「健康経営」を根づかせることではないでしょうか。健康経営とは、「従業員の健康に企業が配慮すれば、経営面からも大きな成果を期待できる」という考えから、経営的な視点で従業員の健康管理を見て、戦略的に実行していく経営の新しい形です。

疾病を予防できるので、生産性の向上や企業イメージのアップに結び付きます。経済産業省は2014年度から、「健康銘柄」を創設し、東京証券取引所と共同で、健康経営に取組む一業種一社を「健康経営銘柄」に選んでいます。

ちなみに、2018年の選定銘柄は、味の素、花王、塩野義製薬、テルモなど26社です。健康経営銘柄の企業に共通する特徴は、トップダウンで健康づくりに取組んでいる点です。「最高健康責任者(CHO)」というポストを置き、効果的な健康増進プロジェクトを推進しています。

経営トップがCHOに就任したローソンでは、人事部門に専門部署を創設し、産業医や健康保険組合、また労働組合と連携を図り、社員の健康管理の達成度合いに応じて、最大1万円相当のPontaポイントを付与するなどの保健事業を開始しています。

生命はプライスレス(購入不可能)ですが、従業員一人ひとりの健康はアフォーダブル(初購入可能です。経営的にも心身的にも健康な企業が増えそうです。

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