ニアショア開発とは?メリット・発注のポイント・オフショア開発との違いを解説!

更新日:2021年03月26日 発注カテゴリ: Webシステム開発
ニアショア開発とは?メリット・発注のポイント・オフショア開発との違いを解説!

ニアショア開発とは、都市部の企業が、システム開発案件を国内地方都市の企業などにアウトソーシングすること。深刻化するITエンジニアの人材不足など、システム開発における課題を解決する手法として、近年、ニアショア開発への注目が高まっています。それでは、ニアショア開発を採用することで得られるメリットとはなにか?対になって語られることの多いオフショア開発との違いはなにか?システム開発の依頼先を検討する企業担当者の方なら知りたいでしょう。そこで本記事では、メリット・問題点・発注の際に押さえておきたいポイントや、オフショア開発との違い・比較を含め、知っておきたいニアショア開発の基本を徹底解説していきます。

ニアショア開発とは?

ニアショア(nearshore)は、近海・近郊・近接などの意味を持つ英単語。つまり、ニアショア開発とは、近郊・近隣の企業にシステム開発案件をアウトソーシングすることです。ここでいう近郊・近隣とは、北海道・東北・上越・九州など都市部ではないエリアに拠点を構えるシステム開発会社のこと。東京・神奈川・大阪など、都市部のクライアント企業が、こうした地方都市のシステム開発会社に案件を依頼するのがニアショア開発だといえるでしょう。

ニアショア開発の目的はコスト削減

より広い意味でニアショア開発を定義づけるのであれば、北海道のクライアント企業が北海道のシステム開発会社にアウトソーシングする、といったパターンも「ニアショア開発」に含まれます。しかし、このパターンは「ニアショア開発本来の目的」とは、依頼理由がやや異なる場合がほとんど。「進捗管理を含む開発案件のコントロール」が主な目的だといえます。

これに対し、都市部のクライアント企業が、地方の開発会社にアウトソーシングするニアショア開発の目的は「コスト削減」「ITエンジニアの確保」です。こうしたニアショア開発本来の目的を達成するには、都市部のクライアントが地方の開発会社を活用するパターンが、もっとも効果的なのです。

システム開発費用の大半は人件費

なぜなら、システム開発費用の大半を占めるのが、開発に携わるエンジニアの人件費だから。要件定義に携わるPM(プロジェクトマネージャー)、設計に携わるSE(システムエンジニア)、プログラミング・テストを担当するPG(プログラマー)などの人件費は、システム開発費用の8割を占めるといわれています。

システムエンジニアの単価を抑えられれば、開発費用の総額を抑えられるのは当然。しかし、ITエンジニア不足が深刻化するなか、都市部におけるエンジニアの単価は高騰しつつあり、優秀な人材の確保も難しくなりつつあります。そこで注目されたのが、地方のエンジニアを活用するニアショア開発だというわけです。

システムエンジニアの年収は地域で異なる

システムエンジニアの人材不足は地方でも同様ですが、住宅費・物価が安い分、都市部よりも人件費を安く抑えられるのも事実です。参考までに、エリアごとのシステムエンジニアの平均年収を、東京・神奈川などの都市部と比較してみましょう。

都市部 平均年収
東京 543万円
神奈川 498万円
兵庫 496万円
大阪 474万円
北海道 454万円
山形 331万円
岡山 420万円
沖縄 379万円

あくまでも都道府県ごとの平均であり、プログラミング言語の種類やシステムエンジニアのスキルにも左右されますが、エリアに応じて人件費が大きく異なることがわかります。うまくニアショアを活用すれば、人件費を最大40%程度抑えられる可能性もあるのです。

オフショア開発とは?

それでは、人件費をさらに抑えられるのであれば、システム開発コストはもっと削減できるのではないでしょうか?それが、より安価な人件費を求めて、海外(offshore)のシステムエンジニアを活用する「オフショア開発」です。

主に、中国、ベトナム、インド、フィリピンといった、人件費が比較的安価なIT大国のシステムエンジニアを活用するのがオフショア開発の特徴。こうした国の専用拠点で、クライアントのニーズに応じて開発ラボを設けるのが一般的なオフショア開発の手法。オフショア開発サービスを一括して請け負う日本企業も少なくありません。

ニアショア開発のメリットとは?

アウトソーシング先、活用する人材という点で、ニアショア開発はオフショア開発と大きく異なることがわかります。では、ニアショア開発を採用するメリットとはなにか?一般的なシステム開発、オフショア開発との比較も交えながら、簡単に解説していきましょう。

開発コストの削減

オフショア開発ほど大きな効果は得られにくいものの、地方のシステムエンジニアを活用するニアショア開発は、人件費が高騰する都市部の開発会社へアウトソーシングするのに比べ、システム開発コストの総額を削減可能です。

常駐型を含め、案件が集中する都市部でシステムエンジニアの確保が困難になる一方、比較的、人材を確保しやすいのもニアショア開発のメリット。ただし、状況は刻一刻と変化していることも念頭に置いておく必要があります。

コミュニケーションが容易

日本国内のシステムエンジニアを活用するニアショア開発は、コミュニケーション・意思疎通が容易に行えることも大きなメリット。対面コミュニケーションのための交通費・宿泊費が必要なのでは?と懸念される方もいるかもしれませんが、オンライン会議・ミーティングが一般化した現代なら、物理的な距離はデメリットにはなり得ません。

一方、距離が離れているのは同じでも、言語・文化の違う外国人エンジニアを活用するオフショア開発ではこうはいきません。エンジニアのスキルが高くても、前提条件となる認識のズレが生じていたのでは、想定通りのシステムに仕上がらない可能性が高くなってしまいます。

リスク分散効果が得られる

2011年以降、大きな災害の相次いだ日本では、BCP(Business Continuity Plan = 事業継続計画)に取り組む企業が増えています。都市部とは離れた地方のシステムエンジニアを活用するニアショア開発は、リスク分散 = BCP対策にも効果を発揮するメリットが得られます。

ただし、地方のクライアントが地元のシステムエンジニアを活用する場合、ニアショア開発によるBCP効果は得られません。そういった意味でも、ニアショア開発は「都市部のクライアントが地方のシステムエンジニアを活用するもの」だといえるでしょう。

為替変動・海外情勢の影響を受けない

海外のシステムエンジニアを活用するオフショア開発では、人件費が為替の影響で大きく変動する可能性があるほか、プロジェクトの進行が政治不安などに左右される場合もあります。たとえば、アベノミクスの影響で大きく円安が進んだ時期は、思いがけずに人件費が膨らんでしまった、というケースが多発していました。

遠隔地とはいえ、国内のシステムエンジニアを活用するニアショア開発なら、為替・政治などの外部要因に左右されないメリットがあります。

ニアショア開発の効果が得られない場合も

さまざまなメリットのあるニアショア開発ですが、一般的なシステム開発と比べた場合の優位性は「人件費・開発コストの削減」「エンジニアの確保」だといえるでしょう。しかし、状況によっては、ニアショア開発の優位性が失われてしまうケースもあります。

たとえば、エンジニアの単価は地域・エリアによって変化する傾向がありますが、なによりも金額に直結するのは「エンジニアのスキル」です。スキルの高い優秀なエンジニアは、地方であっても単価が高いのが当たり前。求める人材によっては、思うようなコスト削減効果が得られない場合もあります。

開発案件によっては発注が難しい?

また、比較的エンジニアを確保しやすいのがニアショア開発の特徴でもありますが、人口の少ない地方はエンジニアの絶対数が少ないのも当たり前。希少なプログラミング言語を使った開発など、案件によっては対応できるシステムエンジニアがいない、といったケースも考えられます。

さらに、システムエンジニアの人材不足は年々進行しています。需要に供給が追い付かなければ単価が上がるのは当然。オフショア開発のメリットである「コスト削減効果」は、年々厳しくなりつつあるのも実情です。

オフショア開発のメリット・デメリット

それでは、ニアショア開発よりも大きなコスト削減効果が期待できる、オフショア開発を積極的に推進すればいいのか?そうとばかりはいい切れません。それはなぜか?把握するためにも、オフショア開発のメリット・デメリットを理解しておくことが大切です。

人材確保・コスト削減はオフショア開発最大のメリット

オフショア開発最大のメリットは、人件費の安価な国のシステムエンジニアを活用することで、システム開発コストを大幅に削減できること。また、オフショア開発の拠点は、アジアのIT大国を中心とするため、優秀なシステムエンジニアを確保しやすいメリットも得られます。人材不足が深刻化する日本では、オフショア開発の活用が非常に魅力的に思えるでしょう。

ただし、アジアは経済成長が著しいエリアであるのも事実。それをけん引しているのが「IT」だということを考えれば、将来的にシステムエンジニアの単価は高騰する可能性が大きいといえます。為替の影響を受けやすいのも不安定要因です。

デメリット・リスクも少なくないオフショア開発

一方、コミュニケーション・意思疎通が容易ではないのは、オフショア開発最大のデメリット。言語・文化という違いのほかに、時差の影響があるため、タイムリーかつスピーディーなコミュニケーションは困難だといえるでしょう。

現地チームをまとめてプロジェクトをスムーズに進行させるには、クライアントとの間を取り持つ「ブリッジSE」の存在が重要となりますが、こうした現地責任者の育成が難しいのもオフショア開発のデメリット。言語の違いを超え、商取引を含む文化を理解してもらわなければ、設計通りのシステムを開発するのは困難です。

小規模案件ではメリットを得にくい場合も

また、オフショア開発はブリッジSEを介して現地の開発チームとやり取りするのが基本。要件定義や設計などは国内で、プログラミング・実装・テスト・運用を海外でといったパターンも少なくありません。つまり、オフショア開発は、多数のプログラマーが参加する比較的大規模な開発案件でこそ、コストメリットを発揮できるといえます。

逆にいえば、小規模の開発案件でオフショア開発を採用しても、思ったようなコスト削減効果が得られないばかりか、コミュニケーションに時間がかかって納期が遅れてしまうことも考えられます。

ニアショア開発・オフショア開発の特徴比較

  ニアショア開発 オフショア開発 一般的なシステム開発
特徴 地方都市の開発会社を活用 海外の開発チームを活用 都市部の開発会社を活用
開発コスト削減効果 中程度 高い 低い
コミュニケーション 中程度に容易 難しい 容易
管理のしやすさ 中程度に容易 難しい 容易
人材確保 中程度に容易 容易 難しい
リスク分散効果 中程度 高い 低い
為替変動・海外情勢リスク なし 高い なし

ニアショア開発、オフショア開発、一般的なシステム開発の違いを表にまとめてみました。どのような開発会社に依頼するのか?どのような開発案件をアウトソーシングしたいのか?条件の違いにもよるため、一概にはいえませんが、おおよその特徴の違いを把握しておくことは重要です。

ニアショア開発を成功させる発注ポイント

ここまでの解説でもお分かりのように、ニアショア開発、オフショア開発は、それぞれで異なる特徴・メリット・デメリットを把握し、ケースバイケースで使い分けていくのが肝心です。それでは、どんな場合にニアショア開発を採用すべきなのか?ニアショア開発を成功させるにはどうしたらいいのか?ヒントとなるポイントを簡単に解説していきます。

ニアショア開発のスタイルを確認する

ニアショア開発といっても、開発会社の体制は大きく2つに分類できます。ひとつは、地方に拠点を構え、要件定義からプログラミングまで、システム受託開発を一括で請け負う企業。もうひとつは、東京などの都市部本社のほか、地方に拠点や開発ラボを設け、システム開発プロセスを分業する企業です。

当然、開発会社の体制が異なれば、ニアショア開発のスタイルも変わります。どちらのスタイルがいいのかは、依頼内容にもよりますが、開発プロセスにある程度関与したい企業であれば、現場に足を運ぶ必要も出てくるでしょう。どのようなスタイルでニアショア開発を提供しているのか、会社の特徴を確認しておくのがおすすめです。

システム開発の目的・優先順位を明確にする

コスト削減なのか?システムエンジニアの確保・コミュニケーションなのか?委託するシステム開発の目的・優先順位を明確にしておくこともポイントです。ここまでの解説でもおわかりのように、ニアショア開発にもコスト削減効果はありますが、大幅なコスト削減が目的なのであれば、オフショア開発の方がおすすめです。

ただし、コミュニケーションの取りやすいシステムエンジニアを確保したいなら、ニアショア開発の方が向いており、都市部への依頼に比べて一定のコスト削減効果も得られやすくなります。どちらに重点を置くのかによって、採用すべき開発手法は異なるのです。

システム開発の規模感を把握する

より大きなコスト削減効果が期待できるオフショア開発ですが、小規模のシステム開発案件ではコストメリットを活かしにくいのも事実。オフショア開発は、多くのエンジニアを必要とする大規模システム開発に向いているからです。

一方のニアショア開発は、柔軟性に富んだ対応が可能なため、小規模のシステム開発でもニアショアならではのメリットを得やすいのが特徴。コスト削減を優先事項とする場合でも、開発したいシステムの規模感を正確に把握し、適切な開発手法を選定することが重要です。

まとめ

ニアショア開発のメリット・問題点・発注の際に押さえておきたいポイントや、オフショア開発との違い・比較を含め、本記事では知っておきたいニアショア開発の基本を網羅的に解説してきました。しかし、ニアショア開発を採用したいと考えたとき、開発会社をどうやって探せばいいのか?迷ってしまう方も少なくないかもしれません。

なぜなら、ニアショア開発を全面に押し出している開発会社は、それほど多くないからです。ホームページで探すのも簡単ではないでしょう。「比較ビズ」なら、必要事項を入力する2分程度の手間で、優良なシステム開発会社をスピーディーに探せます。複数の会社に無料で相談できるのもポイント。システム開発会社の選定に迷うようなことがあれば、是非利用してみてください。

Webシステム開発を一括見積もりで発注先を楽に探す
比較ビズへ掲載しませんか?

Webシステム開発の案件一覧

Webシステム開発のお見積り案件の一覧です。このような案件に対応したい場合は「資料請求フォーム」よりお問い合わせください。

一括見積もりで発注業務がラクラク!

  • 無料一括見積もりで募集開始
  • 複数の業者・専門家から提案が入る
  • ピッタリの一社を見つけよう

不透明な見積もりを可視化できる「比較ビズ」

比較ビズは「お仕事を依頼したい人と受けたい人を繋ぐ」ビジネスマッチングサービスです。
日本最大級の掲載企業・発注会員数を誇り、今年で運営15年目となります。
比較ビズでは失敗できない発注業務を全力で支援します。

日々の営業活動で
こんなお悩みはありませんか?

営業活動でよくある悩み

そのお悩み比較ビズが解決します!

詳しくはこちら
お電話での見積もりはこちら