システム開発の体制図とは?作成時の4つのポイントと役割分担表の必要性を解説

最終更新日:2024年02月09日
株式会社ウィズワンダー
監修者
代表取締役 中島 裕規
システム開発の体制図とは?作成時の4つのポイントと役割分担表の必要性を解説
この記事で解決できるお悩み
  • プロジェクト体制図はなぜ必要?
  • プロジェクト体制図はどのように作成する?
  • プロジェクトをスムーズに進行させたい

「プロジェクトをスムーズに進めたい」「プロジェクト体制図には何を書くの?」とお悩みの開発担当者、必見です。プロジェクト体制図とは、システム開発に携わるメンバーの役割や責任分担、指揮命令系統を示した図のことです。

この記事ではプロジェクト体制図や役割分担表の重要性や作成方法を解説します。記事を読み終える頃にはわかりやすい体制図の作成できるでしょう。プロジェクトの進行にお悩みの方はぜひ参考にしてください。

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プロジェクト体制図とは?

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プロジェクト体制図とは、システム開発に携わるメンバーの役割や責任分担、指揮命令系統を示したマップのことです。一般企業における「組織図」と同様に、職種と人数・氏名をボックスに記入し、指揮命令系統を示すラインでボックスをつなぎます。

フォーマットには決まりがなく、PowerPointやGoogleスプレッドシートなどの業務用ソフトや描画ツールで作成することが可能です。

システム開発でプロジェクト体制図が必要な3つの理由

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システム開発のプロジェクト上では、突発的なトラブルの発生によって進捗に遅れが生じることが多くあります。進捗の遅れが発生した際に、カバーする体制が整っていないと納期に間に合わなくなる可能性もあるでしょう。

トラブル発生時の報告や確認の連絡に時間をかけないようにするためには、プロジェクト体制図が必要不可欠です。体制図を作成することで、以下の点で役に立ちます。

  1. 指揮命令系統を明確にする
  2. プロジェクトの全体像をイメージできる
  3. チームメンバーの認識を統一できる

1. 指揮命令系統を明確にする

プロジェクト体制図は全体の役職と指揮命令系統を図解しているため、作成することで組織構造を瞬時に理解することができます。

プロジェクトの規模が大きくなるほど、チームやリーダーの人数が増えて管理体制の把握が困難になりがちです。指揮命令系統が乱れることで、進捗状況の報告や状況の把握に支障をきたし、作業の遅れを招きます。

体制図に指揮命令系統をまとめることで、トラブルの対処方法や相談先を各メンバーが把握できるため、報連相をスムーズに行うことが可能です。

2. プロジェクトの全体像をイメージできる

プロジェクト体制図があれば、事前打ち合わせでプロジェクトの全体像を容易に説明しやすくなります。計画や内容だけではなく作業担当者や指揮命令系統まで明確化させることで、各メンバーも作業の流れをイメージすることが可能です。

全体を見える化させることで、新たなアイディアやより具体的な作業方針を定めやすくなり、チームの団結力も強まります。

3. チームメンバーの認識を統一できる

「誰が何を担当するのか」「誰の指示を優先して動くのか」をメンバーに共有することで、チームメンバーの認識統一を図ることができます。役割や指揮命令系統は事前打ち合わせを行っても、プロジェクトが進行するにつれて境界が曖昧になりやすいです。

責任の所在が不明瞭な状況では、トラブルが起きた際に対応が遅れるおそれがあります。体制図を用意することで、メンバー同士の解釈が食い違うリスクを抑えることが可能です。

プロジェクト体制図の作成手順

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プロジェクト体制図はいきなり形にしようとしても、誰が見てもわかりやすい体制図を作成することはできません。作成する際、目的や人材の選定など、プロジェクトの計画を整理することからはじめます。

基本的な作成手順は以下のとおりです。

  1. プロジェクトの目的を明確にする
  2. 業務範囲やチームを決める
  3. 各チームに必要な人材を定める
  4. プロジェクト体制図に整理する

1. プロジェクトの目的を明確にする

システム開発のプロジェクト体制図は「なぜ取り組むのか」「何を達成するのか」などの目的とゴールを決めた段階で作成します。目的や目標がない状態では具体的な計画を立てられず、計画達成のために必要な人材やチームの配置を定めることができません。

目的とゴールから逆算することで、無駄な予算や作業工程を省いた計画を立てやすく、適切な人材を配置することができます。

2. 業務範囲やチームを決める

目的とゴールを整理した後は、プロジェクトの進行に必要な業務範囲やチームを決めます。

システム開発のチーム構成は大きくわけて「縦割りチーム」「横割りチーム」「混合チーム」の3種類が存在します。各構成の違いは以下のとおりです。

縦割りチーム システムの開発プロセスごとにわかれて作業を担う
横割りチーム 開発プロセス内の専門領域ごとに作業を担う
混合チーム 縦割りチームと横割りチームの構成を混合させたチーム

縦割りチームは幅広いスキルを持った「ジェネラリスト」が開発プロセス全体を担うチームです。横割りチームは専門的な知識と技術を持つ「スペシャリスト」が担当領域の作業を行います。「どのようなメンバーを中心に構成するべきか」を意識して適切な編成方法を選びましょう。

3. 各チームに必要な人材を定める

プロジェクト上で必要な業務範囲やチームが定まった後、リーダーをはじめとする各チームの人材を選定します。

1人に対して複数の役割を与えないように注意しましょう。たとえば1人のリーダーが複数のチームリーダーを兼任すると、負担が大きくなることでミスを誘発する可能性があります。

1人ひとりの能力にあった業務を割り振ることで、無理のないプロジェクト進行が可能です。

4. プロジェクト体制図に整理する

業務内容や人材などの計画案が揃ったら、プロジェクト体制図を作成します。体制図は「一目で見てわかること」を重視して、シンプルにまとめましょう。

ポジションの役割やリーダーをはじめ必要最低限の情報を明記することで、誰でも理解できる体制図に仕上げることができます。

プロジェクト体制図に書かれる代表的なポジション7選

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システム開発プロジェクトに登場する代表的な役割は以下のとおりです。

プロジェクトオーナー(PO) プロジェクトの最高責任者
プロジェクトマネージャー(PM) 計画の作成や予算・進捗の管理を行うポジション
プロジェクトマネジメントオフィス(PMO) プロジェクトマネージャーの補佐。発注者側に置かれる
プロジェクトリーダー(PL) 現場の責任者。顧客へのヒアリングや提案を行う
サブリーダー(SL) プロジェクトリーダーの補佐。指示の伝達や進捗の確認を行う
システムエンジニア(SE) 現場でシステムの設計・開発を担当する。要件を整理し、設計書を作成する
プログラマー(PG) 現場でシステムエンジニアが作成した仕様書や設計書に基づいてプログラミングを行う

プロジェクトによっては、発注者との連絡役となる「営業」や設計を手がける「デザイナー」なども体制図に入ることがあります。具体的に、各ポジションの役割の違いを確認しましょう。

1. プロジェクトオーナー(PO)

「プロジェクトオーナー」はプロジェクトの最高責任者を意味します。発注者側に置かれ、体制図でもっとも高い位置に記載されるポジションです。おもにプロジェクトの目的や経営戦略をメンバーに伝達する役目を担います。

作業の担当や他の役割を兼任している場合もあれば、社長や役員が担うためプロジェクトにはあまり関わらないケースも存在します。プロジェクトの価値を高めるために全体の方向性を決定する重要なポジションです。

2. プロジェクトマネージャー(PM)

「プロジェクトマネージャー」はプロジェクトチームの責任者であり、計画の作成や予算・進捗管理を行うポジションです。開発会社と発注者双方に置かれ、互いに協力してプロジェクトを進めます。

発注者や他のメンバーと連携を図りながら仕事を進めていくため、コミュニケーション力や交渉力、統率力が求められます。現状の問題点や改善策を見つけ、より高品質なシステムを作るために必要な存在です。

3. プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)

「プロジェクトマネジメントオフィス」はプロジェクトマネージャーの意思決定をサポートする役割を担います。大規模なプロジェクトに不慣れな場合や人員が足りない場合、発注者側がコンサルティング会社に外注するポジションです。

具体的には各チームからの作業進捗報告のまとめや、コミュニケーションや資料フォーマットに関するルールの策定を行います。

4. プロジェクトリーダー(PL)

「プロジェクトリーダー」は「チームリーダー」とも呼ばれ、開発者側の現場責任者です。

体制図ではプロジェクトマネージャーの下に記載されるポジションであり、おもに設計やプログラミングなどの進捗を管理する役目を担います。

大規模な開発の場合は、アプリケーションやインフラなどの分野、もしくは受注管理や発注管理の担当にわけて複数のプロジェクトリーダーを配置することもあります。

5. サブリーダー(SL)

「サブリーダー」は開発者側でプロジェクトリーダーをサポートする役職です。リーダーに代わりチームメンバーの進捗を管理し、遅れが出そうな工程をサポートする役割を担います。

人数はプロジェクトの規模によって異なりますが、数名程度の場合は1人、数十名規模では複数人配置されるケースが一般的です。

6. システムエンジニア(SE)

「システムエンジニア」は実際のシステム設計や開発を担当する開発者側のポジションです。プロジェクトリーダーの指示で動き、要件に従った基本設計書や詳細設計書を作成します。

現場で中心となって作業を行うポジションのため、技術力と同時にコミュニケーション能力が問われます。

7. プログラマー(PG)

システムエンジニアが作成した設計書に従って、プログラミングを行う役職です。コーティングからテストまでを念入りに行い、不具合を発見した場合は報告し、修正してプログラムを仕上げます。

最近では、案件を受注した開発会社が別会社に委託するケースも少なくありません。

プロジェクトの成功には発注者側の協力も必要不可欠

システム開発を成功に導くためには、開発者側だけではなく発注者側との連携も重要であることを認識しましょう。発注者側がシステム開発を丸投げした場合は解釈に食い違いが起こりやすく、追加作業や修正などのトラブルが起きる原因となります。

システム開発プロジェクトにおいて、発注者側が協力するべきことは以下のとおりです。

  • 社内の意見調整
  • 要件定義(システムの方向性)
  • プロジェクト進行中のレビュー(進捗、問題想起)
  • 受入テスト、UAT(品質チェック)

プロジェクトの体制が整っても、発注者側との連携が足りていなければスムーズに進行しません。あらかじめ発注者側も社内の担当者や必要なテスト項目を決めておくと、大きなトラブルを未然に防ぐことができます

プロジェクト体制図を作成する際の4つのポイント

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プロジェクト体制図は極力シンプルに作成することが大切ですが、同時に「書かれている情報が混乱を招かないか」を意識する必要があります。完成した体制図を客観的に見て、以下の項目を確認しましょう。

  • 指揮命令系統を1つにまとめる
  • 各ポジションの役割を明確にする
  • 兼任で管理している場合は代理役を記載する
  • プロジェクトの進行にあわせてアップデートする

1. 指揮命令系統を1つにまとめる

連絡や報告の混乱を防ぐために、プロジェクトの指揮系統を示す線は1つにまとめましょう。指揮系統を示す線が重複している場合、誰から指示を受けるべきかわからなくなります。

意思決定や指示の優先順位を明確に示すことで、現場の混乱も抑えられます。

2. 各ポジションの役割を明確にする

各ポジションの役割を記載する際は、曖昧な表現を避けて明確に書くことが大切です。たとえば品質管理や運用、開発などの具体的な名称を入れることで、メンバーは各ポジションの役割を簡単に把握することができます。

社外に伝わらない名称や、チーム外の人にわかりにくい役割名は避けましょう。

3. 兼任で管理している場合は代理役を記載する

システム開発では、業務負担を均一化させるために1人につき1つの役割を配置させることが推奨されています。同名が同じ体制図に記載されていると現場の混乱を招きやすくなることが理由です。

やむを得ず兼任になる場合は、各ポジションでの役割の違いを明記し、書き間違いではないことを示しましょう。担当者が不在時でも指示を出せるように「従」の役割に代理人を用意することも大切です。

4. プロジェクトの進行にあわせてアップデートする

体制図を完成させた後も、プロジェクトの進行状況にあわせて内容を更新することが大切です。とくに長期間に渡るプロジェクトの場合、チームや担当者に変動が起きる可能性があります。

体制図の書き換えを怠ると、必要なときに現状の把握を行えません。体制図の機能を失わせないためには、定期的に見直すタイミングを設ける必要があります。

役職やチームが多い場合は「役割分担表」の作成がおすすめ

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プロジェクトの規模が大きい場合や役職やチームが多い場合は、体制図のみでは役割分担がわかりづらいです。管理状態をより明確化させたい場合は「役割分担表」を作成しましょう。

役割分担表とは、プロジェクト体制図を表形式にして役割の説明を記載した表です。体制図とセットで用いることが多く、メンバーごとに決められている具体的な役割を整理することができます。

役割分担表で記載するおもな内容は以下の項目です。

作業内容 雑務を含めた各作業工程をリストアップする
完了予定日 何日で終わらせる予定かを記載する
進捗状況 完了率や工程の段階、優先度を設定する
作業担当者 おもな担当者(1人)と不在時の対応方法を記載する

体制図よりも細やかな内容を記載することで、責任や業務範囲をより明確化させることができます。ほかに、役割分担表を作成するメリットは以下のとおりです。

メリット1. 業務の見落としを防げる

体制図を作成した場合でも細かい役割を与えると、次第に担当領域が曖昧となり細かい業務を見落としやすくなります。

役割分担表で作業に対応するメンバーを明確にすることで、連携ミスを防止することが可能です。他のメンバーと業務内容の詳細を共有することができるため、作業漏れによるトラブルも減らすことができます。

メリット2. スケジュールや進捗の管理ができる

役割分担表で担当の作業内容を可視化させることで、各メンバーが納期に向けたスケジュールを計画できるため、進捗遅れを格段に減らせます。

さらにメンバー個人の進捗状況の記入を促すことで、業務に遅れが生じた場合にフォローしやすくなります。

まとめ

プロジェクトを成功させるためには、万全な進捗管理やリスクヘッジが重要です。体制図を作成することで、役割や指揮命令系統を整理でき、ミスを防止できます。

システム開発の体制を整えるためには、経験と知識が必要です。プロジェクトの立ち上げに知見のない場合は、システムコンサルタントへ相談することを視野に入れましょう。

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監修者の一言

システム開発を行う場合、一般的には受注側・発注側それぞれのステークホルダー(プロジェクト関係者)が多岐にわたることが多いです。

そのため、それぞれの役割や責任範囲が明確になっていない場合、プロジェクトにトラブルが発生した際の指揮系統が混乱し、納期の遅延が発生する可能性が高くなります。なので、システム開発を行う際には受注側・発注側がそれぞれの体制を明確にした上で、お互いが合意した形で体制図を作成することが重要となります。

また、比較的長期間のプロジェクトでは途中で人員が追加となることも多くあります。その場合でも、新規参画者がすぐにプロジェクト体制を把握できるよう、プロジェクト体制図はいつでも確認できる状態にしておくようにしましょう。

株式会社ウィズワンダー
代表取締役 中島 裕規
監修者

株式会社ウィズワンダー代表取締役。クラウドを使用したWebシステム開発を得意とする。技術力はもちろん、顧客の課題ヒアリングと提案力にも定評がある。SIer、スタートアップでのリードエンジニアやCTOを経て、楽天グループ(株)、日本マイクロソフト(株)にてシステム開発や顧客対応に携わる。その後、中小企業を積極的にサポートしたいという思いから株式会社ウィズワンダーを創業。情報処理技術者資格のほか、Azure Expert資格2種を含む、Azure関連資格を8つ保持。

比較ビズ編集部
執筆者
比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。
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