ワークフローシステムは自作できる!3パターンの作り方や注意点を解説
- ワークフローシステムは自作できる?
- ワークフローシステムを自作するメリット・デメリットは?
- ワークフローシステムを自作する方法は?
承認手続きを効率化するワークフローシステムは、簡単なものであればプログラミングの知識がなくても自作可能です。しかし作成に取り掛かる前に把握しておきたいポイントが複数あります。
この記事では、ワークフローシステムを自作するメリット・デメリットや作り方、注意点などを解説します。「ワークフローシステムを自作して業務を効率化したい」と考えている経営者・担当者の方はぜひ参考にしてください。
ワークフローシステムを自作する3つのメリット
ワークフローシステムを自作するメリットは次の3つです。
- コストを抑えられる
- 自社の業務フローにマッチしたシステムができる
- 情報の管理がしやすい
まずメリットを把握することで導入後のイメージをしやすくなり、稟議もスムーズに進みます。
1. コストを抑えられる
ワークフローシステムを自作する最大のメリットは、コストを抑えられる点です。ワークフローシステムを0から開発する場合、経験豊富なエンジニアの稼働が必要になります。
開発費・導入費といった初期コストだけでなく保守費用といったランニングコストも発生するため、総額はかなり大きくなるでしょう。
自作する場合には社内の人材ですべての作業を進めるため、外部への支払いが一切発生しません。コストを抑えてワークフローシステムを導入・運用できます。
2. 自社の業務フローにマッチしたシステムができる
自社にマッチしたシステムを構築できる点も、ワークフローシステムを自作するメリットの1つです。既存の汎用性が高いワークフローシステムを導入する場合、現場では必要ない機能が多数搭載されているケースがあります。
社内プロジェクトとしてシステムを自作する場合であれば、業務フローから逆算して必要な機能だけを搭載させることが可能です。各部署との打ち合わせも行いやすいため、機能の過不足が小さく全従業員にとって使いやすいシステムを作れるでしょう。
3. 情報の管理がしやすい
既存サービスを利用する・システム構築を外注するなどの場合、社外の人間に情報が渡りやすくなります。悪意がなかったとしても、情報の漏洩に関するリスクが常に付きまとうでしょう。
社内でワークフローシステムを自作すれば、外部の人に情報を提示するというプロセスが一切ありません。情報の管理が容易となり、故意・過失を問わず漏洩のリスクを軽減しやすいのです。
ワークフローシステムを自作する2つのデメリット
ワークフローシステムを自作するデメリットは次の2つです。
- トラブルが起きてもサポートを受けられない
- システムの拡充や更新が難しい
自作・導入してから再検討しなくて済むように、あらかじめ確認しておきましょう。
1. トラブルが起きてもサポートを受けられない
既存サービスを利用する場合やシステムの構築を外注した場合、契約した業者によるテクニカルサポートを受けられます。トラブルが起こったり使い方がわからなくなったりしても大きな問題はないでしょう。
しかし自作ワークフローシステムに、第三者のテクニカルサポートはありません。トラブルの際、担当者が退職していたり在職していても原因が突き止められなかったりすれば、業務が停止する可能性があります。
2. システムの拡充や更新が難しい
高度なシステムの構築には、豊富な知識やスキルを持つエンジニア・プログラマーが求められます。自作ワークフローシステムは簡易的なものになることが多く、拡張性を持たせたり機能を追加したりといった更新作業ができないケースも少なくありません。
ワークフローシステムを自作する3つの方法
ワークフローシステムを自作する主な方法は次の3つです。
- Excelを利用する
- Googleフォームを利用する
- オープンソースを利用する
下記でそれぞれの手順やメリット・デメリットを解説します。比較したうえで自社に適した方法を選びましょう。
1. Excelを利用する
メリット | ・UI/UXに使い慣れている従業員が多く、導入がスムーズ ・紙に出力しやすい |
---|---|
デメリット | ・手動になる部分も多い |
Excelを利用すればプログラミング知識がなくても簡単にワークフローシステムを自作できます。使い慣れている従業員が多く紙の出力もしやすいことから、スムーズに導入できるでしょう。
ただしExcelで自作するワークフローシステムは、承認ルートの確認や稟議書の提出を手動で行わなくてはなりません。エクセルを利用してかつ完全にシステム化したい場合は外部サービスの導入が必要です。
Excelで自作・運用する手順
Excelでワークフローシステムを自作・運用する手順は下記のとおりです。
- 稟議書のフォーマットを作成する
- 承認ルートを「フローチャート」機能で作成する
- 稟議書のファイルを都度コピーして利用する
機能が簡易的な分、基本のExcel操作ができれば問題なくワークフローシステムを自作できます。
2. Googleフォームを利用する
引用:Google Forms
メリット | ・簡易的なフォームの作成が簡単 ・メール通知や承認機能の実装も可能 |
---|---|
デメリット | ・高度な機能の実装にはスクリプトが必要 ・ルート設定は手動で行う |
Googleフォームを利用する場合も、簡単な機能のワークフローシステムであればプログラミング知識がなくても自作できます。Googleアカウントがあれば無料で作成でき、利用方法も明快です。
メール通知や承認機能の実装も可能ですが、スクリプトを組まなくてはなりません。検索して公開されているスクリプトを探せるとはいえ、苦手意識がある方も少なくないでしょう。ルート設定は手動なため、フローチャートの用意が必要です。
Googleフォームで自作・運用する手順
Googleフォームを利用する場合は下記の手順でワークフローシステムを自作・運用できます。
- フォームを利用して稟議書フォーマットを作成する
- Excelやスプレッドシートなどで承認ルートを作成する
- 必要に応じて、メール通知や承認機能のスクリプトを組む
申請内容をスプレッドシートで管理するため、編集や閲覧といった権限設定に注意しましょう。
3. オープンソースを利用する
引用:Exment
メリット | 高機能なワークフローシステムを自作できる |
---|---|
デメリット | サーバー構築を含め、プログラミングの知識が必要 |
オープンソースとして無料で公開されているコードを利用すれば、高機能なワークフローシステムを自作できます。
ソースコードを無償で一般公開し、自由に複製・改変・再配布できるようにする仕組みのこと。
公開されている内容がソースコードであるため、利用するにはプログラミングの専門的な知識・スキルが欠かせません。社内にエンジニアがいる場合のみ有効な選択肢と言えます。
オープンソースで自作・運用する手順
オープンソースを利用してワークフローシステムを自作・運用する手順は下記のとおりです。
- 必要な機能を定める
- 機能の実装可否を加味して、利用するオープンソースを選ぶ
- オープンソースを利用してワークフローシステムを構築する
ワークフローシステムの自作には「Exment」や「Activiti」といったオープンソースがおすすめです。
ワークフローシステムを自作する場合の3つの注意点
ワークフローシステムを自作する場合は次の3つのポイントに注意が必要です。
- 長期的な視点で構築する
- 必要な機能を見極める
- 柔軟性のあるシステムを目指す
以下で詳しく解説します。必ずシステムの設計前に把握しておきましょう。
1. 長期的な視点で構築する
ワークフローシステムを自作する際、設計段階で完璧なものができることはほとんどありません。実際に運用を始めてから現場のニーズや必要とする機能に気付くこともあるでしょう。
経営陣や管理層は、長期的な視点で少しずつシステムを洗練させていく認識を持つことが大切です。プロトタイプとなるシステムを限定的に適用してブラッシュアップし、長期的に運用していくなかでさらなる機能拡大を図っていく手法が最善でしょう。
2. 必要な機能を見極める
ワークフローシステムに必要な機能は、会社の規模や事業内容によって大きく異なります。各部署の担当者にヒアリングし、機能要件について十分に話し合っておかなくてはなりません。
具体的には下記のような点を事前に協議しておきましょう。
- 決裁は最大何人までか
- リマインド機能は必要か
- タスクを表示するデザインは他のシステムと統一するか
機能の見極めが不十分なままだと、運用を始めてから大規模な改修が必要になってしまいます。
3. 柔軟なシステム利用を想定する
ワークフローシステムを自作する場合、社内の業務すべてをシステムに落とし込む必要はありません。部署によっては業務内容が複雑で、同じフォーマットへの統一が難しい場合があります。
各部署のワークフローを事前によく分析して、システムに組み込むタスク・組み込まないタスクを分けておきましょう。社内業務を円滑に進めるためには「システムの導入が難しいタスクには別の承認フローを用意する」柔軟性も必要です。
まとめ|ワークフローシステムは自作できる
この記事ではワークフローシステムを自作するメリット・デメリットやその方法を解説しました。あらためて、ワークフローシステムを自作する方法は次の3つです。
- Excel
- Googleフォーム
- オープンソース
簡易的なワークフローシステムであればプログラミング知識がなくても自作できます。承認やルート設定、リマインドといった機能を付けたい場合は、システム開発会社に外注するのがおすすめです。
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徳島県出身 名古屋大学情報文化学部卒業。同大学院人間情報学研究科修士課程修了。2006年有限会社ラテラルリンクを設立。名古屋市で、Webシステム開発を中心に、Web構築全般、Web活用支援に従事。クライアントは、中小・零細企業から東証一部上場企業、国立大学まで幅広いニーズに対応。経済産業省認定「スマートSMEサポーター」。
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ワークフローシステムに限らず、システム開発を外注する場合、要求定義をおこないます。要求定義とは、システムを利用する各部署と入念な打ち合わせをおこない求める仕様を具体化する工程です。この要求定義をもとに、開発会社は要件定義をおこないます。社内に、自作できる人材がいる場合、これらの工程を効率的に進めることができますので、自作を検討するのは有効です。
完全に自作しないまでも、社内でプロトタイプ(試作品)を開発できるという点もメリットです。必要のない余分な機能を設けてしまった、設計通りに作成したのに実際に運用してみると使いづらいものになってしまった、という問題を早い段階で明らかにすることができ、システムの完成度を高めることができます。
もう1つの観点として、組織は一定では無く規模や人材は常に変化していきます。自作は、そういった変化にも対応しやすいという点も、自作か否かの判断基準になるでしょう。