リモートワークに必要な環境構築とは?おすすめツール8つと課題を解説

最終更新日:2023年09月25日
Tech School for Change Makers
監修者
仲条高幸
リモートワークに必要な環境構築とは?おすすめツール8つと課題を解説
この記事で解決できるお悩み
  • リモートワークに必要な環境構築の方法は?
  • リモートワークの環境構築におすすめのツールは?

「リモートワークを導入する際に必要なツールは?」とお悩みの経営者や企業担当者の方、必見です。リモートワークを導入する際、環境構築や業務で使うツールの準備が必要です。

本記事では、リモートワーク環境構築の方法や代表的な課題、おすすめのツールを紹介します。最後まで読めば、リモートワーク導入前に実施すべきこともわかるでしょう。

社内にリモートワークを取り入れたいという担当者はぜひ参考にしてください。

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リモートワークとは?

遠方を意味する「remote」と「work」を組み合わせた言葉で、多くのメディアで使われるテレワークと同じ意味です。どちらもオフィスから離れた自宅やコワーキングスペースで仕事に励む働き方を指します。

従来はデザイナー・プログラマー・ゲームクリエイターなど、フリーランスとして働く方を対象にした言葉でしたが、近年は新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、多くの企業で導入が進められています。インターネット環境・モバイル機器・クラウドサービスなどの普及で、オフィスに集まらなくても仕事ができる環境が整いつつあるからです。

リモートワークの導入で従業員側は通勤に伴う体力の消耗を回避でき、企業側は交通費を削減できるなど、双方にメリットが望めます。

リモートワークの種類

リモートワークは主に4種類に分けられます。社員向けにはフルリモートワークと必要に応じて出社を命じるハイブリッド型の2種類が主な形で、介護や育児を抱えている社員にテンポラリー型が適用されます。一方、アウトソース型はフリーランスと外部委託契約を結ぶ形です。下記にリモートワークの種類と特徴を表にまとめたので、ご覧ください。

種類 特徴
フルタイムリモートワーク ・正社員が対象
・自宅やコワーキングスペースで全ての勤務時間業務を遂行
・エンジニアや営業職を対象に導入
ハイブリッドリモートワーク ・正社員が対象
・出社する日数を制限
・柔軟な働き方を実現可能
・多くの日本企業で導入されている形
リモート・アウトソース ・フリーランスと業務委託契約を締結
・勤務時間は企業側が管理
・社内リソースの最大活用を実現
・ライターやデザイナーなどが対象
テンポラリー・リモートワーク ・短時間勤務を想定
・育児中や介護中の社員に適用可能
・アクシデントにも柔軟に対応
・勤務時間ではなく仕事の質で評価

リモートワーク導入のメリット

下記にリモートワーク導入のメリットについて表にまとめたので、ご覧ください。

企業側 ・交通費やオフィス賃料削減
・多様な働き方を実現
・社員の生産性向上
・優秀な人材の流出防止
・能力重視の採用可能
・パブリックイメージ改善
従業員側 ・通勤による体力の消耗を回避
・プライベートな時間の確保
・出産後も仕事を継続可能
・集中力向上
・職場の人間関係に伴うストレス軽減
・生活拠点の選択肢が拡大

リモートワークの環境構築方法とは?

以下の4点がネットワーク環境を構築する方法です。それぞれメリット・デメリットと共に詳しくみていきます。

  • リモートデスクトップ方式
  • シンクライアント
  • クラウド型アプリケーション方式
  • 会社PC持ち帰り方式

リモートデスクトップ方式

遠隔操作ツールを利用して、自宅のPCからオフィスにあるPCを利用する形です。遠隔操作ツールがキーとなるため、操作端末のスペックに左右されないのが特徴です。

オフィスで仕事をしている時と同じ感覚で操作できるため、戸惑うことなくリモートワークを進められます。業務データも全てオフィスのPCやサーバーに保存されるため、情報漏洩のリスクを最小限に抑えられます。また、大規模なシステム開発は必要ありません。Windows搭載機能の利用や専用ソフトのダウンロードで操作を行えるため、初期費用を削減できます。

以下にメリット・デメリットを表にまとめたので、ご覧ください。

メリット ・導入に掛かる費用と手間を最小化
・操作端末のスペックは遠隔操作に無関係
・情報漏洩のリスク低減
デメリット ・通信速度が不安定
・PCの稼働時間増加で電気代が高騰

シンクライアント

オフィス内サーバーにシンクライアント環境(仮想デスクトップ環境)を用意し、サーバー内でデータ管理やアプリのインストールを実行する形です。

遠隔操作を行うシンクライアント端末では画面出力・キーボード入力・マウス操作など、最小限の操作しか行えません。端末内にデータを保存せずサーバーで管理を行うため、情報漏洩のリスクを最小限に抑えられます大容量の記憶媒体(HDDやSSD)を持っていないため、移動中にスマートフォンやPCを紛失しても被害を最小限に抑えられます。

ただし、専用サーバー・シンクライアント対応デバイス・VPN接続など、シンクライアント環境を構築するためには環境整備が必要です。特にサーバーは全てのデータを管理するため、高負荷にも耐えられるサーバーを選定しなくてはいけません。

以下にメリット・デメリットを表にまとめたので、ご覧ください。

メリット ・セキュリティレベル向上
・紛失や盗難時の被害最小化
・管理者の負担軽減
デメリット ・初期費用が発生
・サーバーに障害が起きると業務がストップ
・ネットワーク接続が不可欠

クラウド型アプリケーション方式

業務に必要な各ツールをクラウド上に存在するアプリを介して利用する方式です。多くのメリットが望めるため、リモートワークと非常に相性が良い方式です。インターネット環境さえ整っていれば、場所・時間・端末を問わずアクセスできるため、業務効率を大幅に改善できます。

また、アプリを提供しているベンダーに一定の使用料金を払えばすぐに使えるため、サーバー購入費やシステム開発費は発生しません。通信障害が起きた場合もベンダー側が対応するため、管理者の運用・管理の手間を削減できます。

以下にメリット・デメリットを表にまとめたので、ご覧ください。

メリット ・初期費用やランニングコストを大幅に削減
・様々な働き方に対応可能
・管理者の業務負担を軽減
・優れた拡張性
・スムーズなデータ共有
デメリット ・カスタマイズ範囲の狭小化
・安定した通信が望めるネットワーク環境が不可欠

会社PC持ち帰り方式

社員が企業から付与されたPCを持ち帰り、自宅やサテライトオフィスで利用する形です。オフィスでの作業時と同じ環境で業務を進められるため、操作上のストレスを抱えずに業務を進められます。半面、セキュリティリスクが大きいため、情報漏洩防止に向けた対策を講じないといけません。

例えば、VPN接続を利用してインターネット環境を構築する場合、IP-VPNの選択を推奨します。通信プロトコルを限定するため、不正アクセスやマルウエア感染へのリスクを低減できるからです。インターネットVPNよりコストは掛かりますが、情報資産を保護する体制を強化できます。

以下にメリット・デメリットを表にまとめたので、ご覧ください。

メリット ・最も手軽に実施可能
・オフィス作業時と同じ環境を構築
デメリット ・高いレベルでのセキュリティ対策が必要
・セキュリティツールやVPN装置の購入が必要

リモートワーク導入に向けての課題

以下の5点がリモートワーク実現に向けての大きな課題になります。

  • ツールの購入や環境構築が必要
  • 情報漏洩のリスク増大
  • 社員の勤怠管理
  • コミュニケーション頻度の低下
  • 資金不足

特に気を付けなければならないのは、情報漏洩に関するリスク管理です。取引先の情報が流出した場合、莫大な経済利益の損失が見込まれます。それぞれ解説していきましょう。

ツールの購入や環境構築が必要

ネットワーク環境構築からオンラインツールの購入など、リモートワークを問題なく実現するための環境整備が必要です。自社に不足しているツールのリストアップに加え、安全性と利便性を両立したネットワーク環境を整備しなければなりません。

また、契約書・請求書・見積書など、これまで紙で保存していた書類のペーパーレス化が求められます。オンライン上で作成〜承認まで完結できる環境が整わないと、押印をもらうためだけに出社しなければならず、経理や総務部の社員はリモートワークに取り組めません。

リモートワークを導入する場合は、ツール選定・ネットワーク環境構築・ペーパーレス化を並行して進める必要があります。

情報漏洩のリスク増大

カフェ・電車・自宅など、様々な場所からアクセスする機会が増えるため、オフィス勤務時よりもセキュリティ対策監視を強化しなければなりません。ランサムウェア・パスワードリスト型攻撃・DDos攻撃など、犯罪者が仕掛けるサイバー攻撃は多様化しているからです。

近年は情報盗取の対象となるターゲット企業を直接狙わず、セキュリティレベルの緩い企業から攻めるサプライチェーン攻撃も増えています。取引先の情報が流出した場合は社会的信用が失われ、今後の経営が厳しい状態になるでしょう。不正アクセスを完全に防ぐことは難しくなっているため、システム内に侵入を許しても素早く除去する対策が必要です。

情報漏洩のリスクを抑えるために、以下の3つの対策方法があります。それぞれ解説しましょう。

  • EDRの導入(マルウェアや不正アクセス対策)
  • CASB(内部漏洩防止対策)
  • 社員への啓蒙活動

    EDRの導入(マルウェアや不正アクセス対策)

    EDRの導入でPCやスマートフォン内に侵入したマルウェアを駆除できます。デバイス機器内の異常検知を常時行っているため、攻撃を素早く阻止できるからです。

    他のセキュリティツールとは異なり、未知のマルウェアが検知できる点も大きなメリットです。さらに、マルウェアの種類・侵入経路・攻撃目的を可視化できるため、再発防止に向けた対策も立てられます。

    CASBの導入(内部漏洩防止対策)

    社員一人一人のクラウドサービス内の利用状況を可視化でき、社員が不審な行動を起こした場合は素早く対応可能です。情報漏洩対策は外部だけでなく、内部流出防止に向けた対策も立てなければなりません。リモートワークの導入によって、オフィス勤務時には機能していた上司や先輩からの監視の目は無くなりつつあるからです。

    給料・社内の人間関係・業務内容など、会社に不満を持っていた場合、内部漏洩を決断したとしても不思議ではありません。さらに、CASBにはデータ保護機能が搭載しており、機密情報の持ち出し・コピーを禁止できます。

    社員への啓蒙活動

    全社員に機密情報を慎重に扱うよう周知してください。特に外出機会が多い営業マンは端末の紛失・盗難のリスクも抱えている他、情報を盗み見される可能性も秘めています。スマートフォンを席に置いたままにしない、パスワードを掛けるなど、第三者に端末画面を見られないようにする工夫が必要です。

    社員の勤怠管理

    業務開始〜終了まで社員の業務に励む姿勢を直接確認できないため、従来と同じ方法での勤怠管理ができなくなりました。正確な労働時間を把握できないからです。

    自己申告制にした場合は、仕事放棄と過剰労働を招くリスクが高まります。さらに、web会議ツールを常時稼働して社員を監視する方法は社員に不信感やストレスを与え、モチベーション低下につながるリスクが高いため、おすすめできません。

    同様にタスク完了報告を細かく義務付けた場合も社員への負担が増加し、業務効率悪化や売上の伸び悩みにつながります。正確な労務管理を行うためにもクラウド型の勤怠管理システムを導入してください。

    PC・スマートフォン・タブレットから簡単に勤務時刻を打刻でき、打刻漏れのリスクを最小限に抑えられます。自動計算・集計機能を搭載している勤怠管理システムも多く、正確な労働時間を効率的に管理できます。

    コミュニケーション頻度の低下

    チャットツールやWeb会議での会話がメインとなるため、オフィス勤務時と比べコミュニケーションの量・質が大幅に低下します。特に商品企画やマーケティングなど、チームで仕事を進める部署に所属している場合、一つの仕事をやり遂げた際に得られる達成感や満足感を覚えにくくなるでしょう。

    また、同僚や先輩とも気軽にコミュニケーションを取れる状況では無くなるため、人間関係が良好な職場に勤めていた方は、孤独感や寂しさを感じる機会が増えます。定期的に面談やミーティングの機会を設け、社員のメンタルコントロールを行う必要があります。

    資金不足

    売上が横ばいまたは減少の状態が続くと、リモートワークに必要なツールを購入するための資金を捻出できません。会社の経営維持や社員への給与支払いで、精一杯の状況だからです。

    リモートワークの導入で得られるメリットは売上に直結しない面も多々あるため、後回しにされがちです。ですが、交通費・残業代・オフィス賃料削減など、コスト削減の効果は比較的早い段階から実感できます。

    売上確保だけでなく、コスト削減の視点から捉えるとリモートワークへの意識も変わってくるでしょう。さらに、助成金を組み合わせれば自社の負担額を大幅に軽減できます。

    リモートワーク実現に必要なツールとは?

    以下の8点がリモートワークをスムーズに進めていくには必要なツールです。ただし、いきなり全てのツールを揃える必要はありません。優先順位を絞り、段階的に導入していくことが重要です。

    • グループウェア
    • web会議ツール
    • チャットツール
    • 勤怠管理システム
    • クラウド型会計ソフト
    • ファイル共有ツール
    • SFA
    • ナレッジ共有ツール

    グループウェア

    社員同士のコミュニケーション活性化やタスク管理に欠かせないツールです。チャットツール・掲示板・社内SNSなどが搭載されており、社員同士が業務内容や雑談までスムーズにコミュニケーションを図れます。

    コミュニケーションの活性化で孤独感や不安を和らげ、仕事へのモチベーションアップを実現可能です。また、オンラインストレージ・文書管理・プロジェクト管理などを活用すると、業務状況を正確に把握できます。複数人の承認が必要な業務に関してもワークフローが搭載されており、スムーズに業務を進められます。

    以下にグループウェアの主な機能について表にまとめたので、ご覧ください。

    コミュニケーション ・チャット
    ・掲示板
    ・社内SNS
    ・在籍/離籍状況
    情報共有 ・ファイル共有
    ・タスク/プロジェクト管理
    ・高いレベルでのセキュリティ対策が必要
    ・アンケート
    業務効率化 ・ワークフロー
    ・スケジュール管理
    ・会議室予約
    ・ToDOリスト

    web会議ツール

    社内外のコミュニケーションに欠かせないツールです。社内向けには部署内ミーティング・個人面談・支社間会議などに活用し、コミュニケーション不足を回避します。

    一方、社外向けには主に営業マンが顧客との商談に利用します。移動する必要が無いため、交通費や移動時間を削減できる点がメリットです。効率的な営業活動ができ、顧客との関係強化や受注率向上も期待できます。また、採用面接や企業説明会をオンライン上で開催でき、地域に囚われない人材採用を実現できます。

    以下に主な機能と使用用途について表にまとめたので、ご覧ください。

    機能 ・オンラインミーティング
    ・画面共有
    ・ホワイトボード
    ・自動録画
    ・メディア再生
    ・アンケート
    使用用途 ・社内ミーティング
    ・社員との個人面談
    ・支社/店舗会議
    ・顧客商談
    ・採用面接
    ・説明会

    チャットツール

    社員同士や部署内でのスムーズなコミュニケーションを実現するツールです。リアルタイムでコミュニケーションを取れるため、メールよりもスピーディーなやりとりが実現できます。

    ビデオ通話機能も搭載しており、チャットの延長線上でオンライン会議も開催可能です。また、Word・Excel・動画など、ファイル共有もスムーズに行えます。

    勤怠管理システム

    正確な労働時間を把握するために必要なツールです。勤怠管理システムの導入で、社員専用のスマートフォン・PC・ICカードからしか打刻できない状況を作り、なりすましを防ぎます。

    打刻された勤怠管理データは自動処理されるため、エクセル管理で起きていた転記ミスのリスクも最小限に抑えられます。併せて残業時間・有給休暇・代休など、各種申請・承認作業もシステム上で行えるため、申請作業に掛かる手間を軽減できます。

    また、労働基準法や育児介護休業法など、法改正に伴う機能変更もベンダーが対応するため、管理者が法改正のたびにアップデートする必要はありません。

    クラウド型会計ソフト

    経理業務のリモートワーク実現に加え、業務負担を軽減できます。損益計算書・請求書・貸借対照表など、煩雑な帳票作成を自動で完結できるからです。

    他社会計ソフトから乗り換える場合でも自動インポート対応で、スムーズなテータの移行が可能です。ただし、会計ソフト導入前に請求書や契約書など、帳票の電子データ化を進めないといけません。ペーパーレス化が進んでいないと、会計ソフトにデータを移せないからです。

    ファイル共有ツール

    クラウド型のファイル共有ツールを導入すると、チームで進める業務の作業効率が高まります。複数人が同時にファイルをアップロードできる他、場所や端末を問わずにデータを閲覧できるからです。

    保存容量に制限が無いツールもあり、ファイル削除やファイル数の調整を行う必要はありません。また、保存されたデータは全て暗号化されているため、情報盗取のリスクを最小限に抑えられます。

    SFA(Sales Force Automation:営業管理システム)

    営業活動の効率化と受注率向上が期待できます。営業活動での無駄な行動を削減し、積極的に接触すべき顧客を可視化するからです。顧客別に商談の進捗状況・過去のやりとり・受注確率などをSFA上で一元管理できるため、次に取るべき行動への迷いを無くせます。

    行き詰まった場合もSFAを見ながら先輩や上司と情報共有を図れるため、課題解決に向けてスピードアップを図れます。SFAの主な機能を以下の通り6つ挙げたので、ご覧ください。

    • 顧客情報管理
    • 商談管理
    • 予算実績管理
    • スケジュール管理
    • 名刺データ管理
    • ワークフロー

    ナレッジ共有ツール

    社内の情報共有活性化や業務の属人化を回避できます。社員の成功事例やこれまで培ってきたノウハウを共有できるからです。

    例えば、営業マンが受注率向上に向けて身に付けたテクニックや知識をナレッジ共有ツール上に掲載すると、社内で共有でき組織全体の活性化につながります。

    また、ナレッジを社員間で共有しておけば担当者が休職・退職になった場合でもスムーズに業務を引き継ぐことができ、トラブルのリスクを最小限に抑えられます。

    リモートワーク導入前に実施すべき内容

    リモートワーク導入前に実施すべき内容を、以下の5点を社内で確認してください。それぞれ解説していきましょう。

    • ネットワーク環境構築方法
    • リモートワークをどのような形で実施するか
    • 助成金の把握
    • 導入時期の明確化
    • 就業規則や社内規定の変更

    ネットワーク環境構築方法

    リモートデスクトップ・シンクライアント・クラウド型アプリケーション方式など、いずれかの方法を選んでネットワーク環境を構築しないといけません。メリット・デメリットを踏まえて、自社に合った方法を選択してください。

    また、会社PC持ち帰り方式は手軽にできる点が魅力ですが、セキュリティリスクに多大な負担を抱えています。実施する場合は新たなセキュリティツールの導入やIP-VPN構築など、情報資産を守る体制強化を同時に行ってください。

    リモートワークをどのような形で実施するか

    リモートワークには、在宅勤務・モバイルワーク・サテライトオフィス勤務の3種類が存在します。どの場所が仕事を行う環境に適しているか判断してください。

    また、3種類とも共通して挙げられる課題がセキュリティ対策です。サイバー攻撃やマルウェアへの対応に加え、移動中に紛失した場合のリスクも考えないといけません。EDRやCASBなどを導入し、情報資産を保護する体制を強化してください。

    3種類のリモートワークの形態について、以下の通り表でまとめました。ご覧ください。

    在宅勤務 モバイルワーク サテライトオフィス勤務
    勤務地 自宅 ・カフェ
    ・ホテル
    ・電車
    サテライトオフィス
    メリット ・通勤時間削減
    ・プライベートの時間増大
    ・育児や介護との両立が可能
    ・人間関係でのストレスを最小化
    ・生産性向上
    ・移動時間の有効活用
    ・営業マンの直行直帰を実現
    ・営業活動の効率化
    ・ワークライフバランス改善
    ・通勤時間短縮
    ・営業活動の効率化
    ・離職率改善
    ・能力重視の採用実現
    ・BCP対策強化
    デメリット ・情報流出のリスク増大
    ・プライベートと仕事の境界線が曖昧
    ・同僚や上司とのコミュニケーション不足
    ・マネジメント能力が必要
    ・勤怠管理が困
    ・移動中やカフェでの情報漏洩リスク
    ・勤怠管理が困難
    ・同僚や上司とのコミュニケーション不足
    ・高いセキュリティレベルの実施が必要
    ・本社勤務社員とのコミュニケーション頻度低下
    ・研修への出席が困難
    ・勤怠管理が困難

    助成金の把握

    資金面に不安がある企業は助成金を利用すると、負担額を大幅に削減できます。リモートワーク導入に活用できる助成金を以下の3種類からご紹介します。

    • IT導入補助金(通常枠・デジタル基盤導入類型型)
    • ものづくり補助金(デジタル枠)
    • 人材確保等支援助成金(テレワークコース)

    IT導入補助金(通常枠)

    種類 A類型 B類型
    補助額 30万〜150万円未満 150万〜450万円以下
    補助率 1/2以内 1/2以内
    プロセス数(業務工程や業種別) 1以上 4以上
    ITツール要件 プロセス要件を満たし、労働生産性の向上に資するITツール プロセス要件を満たし、労働生産性の向上に資するITツール
    賃上げ目標 加点 必須
    補助対象 ソフトウェア費・クラウド利用料(最大1年分補助)・導入関連費等 ソフトウェア費・クラウド利用料(最大1年分補助)・導入関連費等

    参照元:IT導入補助金

    IT導入補助金(デジタル基盤導入類型)

    種類 パターンA パターンB
    補助額 5万円〜50万円 5万円〜350万円
    機能要件 会計・受発注・決済・ECのうち1機能以上 会計・受発注・決済・ECのうち2機能以上
    補助率 3/4以内 2/3以内
    対象ソフト 会計ソフト・受発注ソフト・決済ソフト・ECソフト 会計ソフト・受発注ソフト・決済ソフト・ECソフト
    賃上げ目標 なし なし
    補助対象 ソフトウェア購入費・クラウド利用費(最大2年分補助)・導入関連費 ソフトウェア購入費・クラウド利用費(最大2年分補助)・導入関連費
    ハードウェア購入費 ・PC、タブレット、プリンター、スキャナー及びそれらの複合機器:補助率1/2以内、補助上限額10万円
    ・レジや券売機:補助率1/2以内、補助上限額20万円
    ・PC、タブレット、プリンター、スキャナー及びそれらの複合機器:補助率1/2以内、補助上限額10万円
    ・レジや券売機:補助率1/2以内、補助上限額20万円

    参照元:IT導入補助金

    ものづくり補助金(デジタル枠)

    従業員規模 補助金上限額 補助率 条件 補助対象
    5人以下 750万円 2/3以内 ・DXに関する革新的な商品・サービス開発
    ・デジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法改善
    ・機械・専用システム・ソフトバンクの購入
    ・機械やシステムのメンテナンス費
    ・クラウドサービス利用費
    6人〜20人 1,000万円 2/3以内 ・DXに関する革新的な商品・サービス開発
    ・デジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法改善
    ・機械・専用システム・ソフトバンクの購入
    ・機械やシステムのメンテナンス費
    ・クラウドサービス利用費
    21人以上 1,250万円 2/3以内 ・DXに関する革新的な商品・サービス開発
    ・デジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法改善
    ・機械・専用システム・ソフトバンクの購入
    ・機械やシステムのメンテナンス費
    ・クラウドサービス利用費

    参照元:ものづくり・産業・サービス補助金

    人材確保等支援助成金(テレワークコース)

    機器等導入助成 目標達成助成
    支給額 100万円又は20万円×対象労働者数のいずれか低い方 100万円又は20万円×対象労働者数のいずれか低い方
    補助率 支給対象経費の30% 支給対象経費の20%(生産要件を満たした場合は35%)
    要件 ・リモートワークに関する就業規則や社内規定の整備
    ・実施計画認定後、機器等導入助成の支給申請日までに、助成対象となる取組を1つ以上実施
    ・評価期間に、対象労働者が週1回以上または対象労働者全員がリモートワークを実施
    ・評価期間後12か月間の離職率が、計画提出前12か月間の離職率以下
    ・評価期間後12か月間の離職率が30%以下
    ・評価期間に1回以上リモートワークを実施した労働者数が、評価期間初日から12か月を経過した日における事業所の労働者数に、計画認定時点における事業所の労働者全体に占める対象労働者の割合を掛け合わせた人数以上
    取り組み内容 ・就業規則の変更や改定
    ・外部専門家によるコンサルティング
    ・ネットワーク環境構築(リモートデスクトップやシンクライアントなど)
    ・web会議やチャットツールの導入
    ・社員に対する研修
    ・就業規則の変更や改定 ・外部専門家によるコンサルティング
    ・ネットワーク環境構築(リモートデスクトップやシンクライアントなど)
    ・web会議やチャットツールの導入
    ・社員に対する研修

    参照元:人材確保等支援助成金(テレワークコース)

    導入時期の明確化

    現在の自社の状況を客観的に分析した上で半年後や1年後など、具体的な導入時期を明確化してください。すぐにリモートワークに対応した業務体制を確立することは困難だからです。

    ネットワーク環境構築・各種ツール購入・ペーパーレス化など、取り組まなければならない課題は多くあります。

    また、一度にリモートワークの環境構築を実現しようとすると社員へ多大な負担を掛けるだけでなく、取引先にも迷惑が掛かります。今後の取引に支障をきたさないためにも、段階的にリモートワークへ移行する体制を敷いてください。

    就業規則や社内規定の変更

    オフィス出勤時と労働条件や労働時間が同じ条件でない限り、トラブルを防ぐため、リモートワーク導入時には就業規則を見直さないといけません。リモートワークの対象者・労働時間把握・費用負担など、多岐に渡る内容を明確に定義する必要があります。

    主な改定事項をまとめましたので、参考にご活用ください。

    リモートワークの導入意義 在宅勤務・モバイルワーク・サテライトオフィスワークのうちどの勤務形態に該当するか
    対象者 ・全労働者
    ・業務や職種の限定
    ・介護や育児など特別な事情を抱えた社員
    服装規律(職務規定や情報セキュリティ含む) ・職務目的以外での会社施設や備品使用の禁止
    ・正当な理由以外の離籍禁止
    ・就業中の飲酒禁止
    ・在職中及び退職後の機密情報漏洩禁止
    ・会社の許可を得ない副業の禁止
    労働時間 ・フレックスタイムや裁量労働制など労働時間制の明記
    ・始業や終業時間の報告方法
    ・中抜け時間の取扱い方法
    ・週単位での残業回数制限
    賃金と手当 ・基本給の減額禁止
    ・定期代の取扱いに関して明記
    ・固定残業代を支給していた場合は変更点を明記
    費用負担 ・通信費や光熱費の負担
    ・社員が負担する場合は労使交渉が必要
    ・折半や企業負担の場合は手当を新たに支給

    参照元:OBC360°

    まとめ

    今回の記事では以下の4点を解説してきました。

    • 導入に向けての課題
    • リモートワークの環境構築方法
    • リモートワーク実現に必要なツール
    • リモートワーク導入前に実施すべき内容

    リモートワークを実現するためには、ネットワーク環境構築・セキュリティ対策強化・就業規則変更など、様々な対応をしなくてはなりません。

    さらに、グループウェア・web会議・チャットツールなど、業務に必要なツールを揃える必要があります。ただし、どんなツールを選ぶべきか迷っている方も多いでしょう。

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    監修者の一言

    もちろん職種にもよりますが、多様な働き方ができる時代になってきました。私自身も、リモートワークをきっかけにドイツに海外移住しました。実際にドイツに来て日本の仕事をリモートワークでしてみて、環境構築の大切さをしみじみ感じております。

    パソコンやタブレットなどのハードの機材のスペックが高いのはもちろん、WiFi環境や(海外で働く場合は)時差も考えなくてはいけません。せっかく場所にとらわれなくても良い働き方ができるようになっているので、自宅の環境をよくするだけでなく、外出時にも不便なく仕事ができる環境を構築することも、大切ですね。

    人生100年時代とも言われ、定年後も働き続ける人が今後もっと増えてくると思います。従来の働き方に縛られずに、長期目線で自分に合ったワークライフバランスを考えながら、仕事の環境を整えていくことが大切です。

    環境を整えるために、資金は必要ですが、いきなり全てを揃えようとするのではなく、少しずつ、自分の働く環境を良くしていけると良いですね。

    Tech School for Change Makers
    仲条高幸
    監修者

    ドイツのベルリン在住。『なかじょのプログラミング|メタバース入門』という登録者数2250人以上のYouTubeチャンネルを運営。Udemy講師としてプログラミングやメタバースに関する講座を出しており、受講生4000人以上。LINE API Expert としても月に一度活動中。TSfCM (Tech School for Change Makers)という社会変革をテクノロジーで起こすスクールも運営。

    比較ビズ編集部
    執筆者
    比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。
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  • セキュリティ対策は万全か不安
  • スケーラビリティ担保できるか不安

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