システム開発会社と請負・準委任契約を結ぶ際の注意点【カンタン解説】

更新日:2020年06月09日 発注カテゴリ: Webシステム開発
システム開発会社と請負・準委任契約を結ぶ際の注意点【カンタン解説】

システム開発は発注者及び開発者との間でトラブルになるケースが多いです。あらかじめ綿密に打ち合わせを行った場合でも、システム開発における問題が複雑化し、紛争化することもあります。たとえトラブルが発生した場合でも、できるだけ問題を大きくせずに解決を図りたいものです。そのためには何ができるのでしょうか。

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開発契約を交わす場合、発注する側も受注する側も、慎重に取り扱わなければ、ちょっとした行き違いが大きな問題に発展してしまうこともあり、解決に非常に時間がかかってしまうこともあります。

もちろんどのような分野においてもトラブルはつきものですが、システム開発の場合は構造が目に見えないということも災いして、希望通りの使用に仕上がっていないといったクレームが発生することもあります。

よく起きるのが、納期に関するトラブルです。契約を交わした段階で納期を定めたにもかかわらず、納期が来ても完成しないというケースが発生します。契約を交わした以上、納期を守るのは必須なのですが、大幅に納期が遅れ大問題に発展することがあります。

時には法廷闘争にまで達してしまい、双方にとって精神的、金銭的なダメージを被るケースも珍しくありません。法廷闘争になってしまうと関係そのものが破綻してしまうことになりかねず、損害は莫大なものになります。

こうしたトラブルを回避するためには、契約をより柔軟な仕方で交わす必要があります。双方にとってウィンウィンの結果になるように契約を交わす必要があるのです。

システム開発における請負契約とは?その特徴を解説

システム開発の契約方法は大きく分けると請負契約と委託契約の2つがあります。

民法における請負契約というのは、発注した仕事が完了した時点で、受注者側に報酬を支払うという形態を指します。言い換えれば仕事が完了しなければ報酬は支払われません。

請負契約でシステム開発を受注した場合、受注者側(システムを開発する側)はシステムを完成させる責任と、瑕疵担保責任が生じます。

瑕疵担保責任とは

システムに欠陥(瑕疵)が見つかった場合、発注者が契約解除や損害賠償請求を行う権利のことです。

これに対して、受注者側は発注者側に対して言いなりになってしまうことを避けるため、発注者には民法上の指揮命令権がありません。つまりシステム開発を請負契約で依頼した場合、契約後にあれこれ逐一指示を出すことは認められていません。

双方の見解の相違によるトラブルを回避するため、請負契約では発注者側が契約に際して依頼するシステムの仕様を決定する責任があります。これがあるおかげで、受注者は発注者の言いなりにならず、仕様の範囲で自由にシステム開発ができます。

システム開発における準委任契約とは?その特徴を解説

IT業界で仕事をしているなら、おそらくほとんどの人が「準委任契約」という言葉を聞いたことがあると思います。業務委託契約と準委任契約とは何が違うのかわかりにくいかもしれません。

基本的にシステム開発は準委任契約が交わされます。準委任契約と委託契約との違いは、法的な業務を行うかどうかという点です。法律に関する業務は委任契約と呼ばれ、それ以外のケースはすべて準委任契約と呼ばれます。

準委任契約とは基本的に次の3つが含まれます。

  • 契約期間(労働期間や時間(役務))に対する報酬の支払い
  • 瑕疵担保責任は問われない
  • 指揮命令権の設定がない

準委任契約で受注した場合、勤務時間に対して報酬が支払われます。請負とは異なるため、行った仕事の時間や期間に対して報酬が適用されます。完成を待たずに報酬が受け取れるのが準委任契約です。

請負契約とは異なり、労働時間や期間(役務)に対して報酬が支払われるため、瑕疵担保責任は問われません。また完成責任を負うこともありません。つまり、システム開発の責任は発注者側がとることになるのです。

準委任契約は派遣などのように指揮命令権が設定されていません。指示を受けて仕事をする必要はないのがこの契約の優れている点です。指示を出す場合には管理責任者を介して指示を出す必要があります。

成果ベースか作業ベースか 請負と準委任の決定的な違い

請負契約と準委任契約についてそれぞれの特徴をまとめてみたわけですが、双方の決定的な違いとは何でしょうか。それは報酬をいつ受け取ることができるかということです。

請負契約において報酬が発生する条件は、受注した仕事を完成させることです。つまり成果ベースで報酬が決まるということになります。言い換えれば、仕事が未完成である限り報酬は発生しません。

報酬が発生しないわけですから、未完成の期間中は保証された収入がなくなってしまいます。受注者側は報酬を受け取るまでのロードマップを明確にして、完成させるまでにどれくらいの期間がかかるのかといった計画を綿密に立てなければいけません。

これに対して、準委任契約は請負契約とは異なり、報酬が発生する条件は作業ベースになります。請負契約が完成を条件としているのに対して、準委任契約は完成しなくても報酬が支払われます。

作業ベースという言葉をもう少しかみ砕いてみると、一定の進捗状況に合わせて、報酬を請求することができるということです。報酬の支払い形態や日当、時間給といった形で保障されます。

どちらを選ぶかは受注者側の判断になるわけですが、報酬を受け取るという最終目的は請負契約、準委任契約ともに同じです。請負契約の場合、完成時にまとまった額の報酬が受け取れるため、やりがいがあると感じるエンジニアもいます。その逆もしかりです。

システム開発会社と契約する際に注意したい4つのポイント

システム開発会社と契約を交わす際には契約書に双方の署名捺印をする前に確認しておきたい4つのことがあります。それは次の通りです。

  • 報酬のタイミング
  • 契約内容
  • 検収の有無
  • 知的財産権の確保

これらのポイントを無視し、契約書を渡されたから機械的に署名捺印した場合、トラブルを容易に招いてしまう恐れがあります。

システム開発は物品の製造とは異なり、目で確認できるものとは言えません。商品を手に取って状態を確認できるわけではなく、システムを運用して初めてバグや不具合に気づく場合が少なくありません。

開発の工程で遅れが生じることもあります。そのような場合、契約書上ではどのような契約が交わされていたかによって、工程の遅れの責任の所在が変わります。

慎重に開発を進め、受注者、発注者双方のコミュニケーションを密にとったとしても、コミュニケーション上の相違が生じることもあります。このような場合に頼れるのは書面で交わした契約書上の文言しかありません。

契約書にあることがすべてになってしまう、ということを考えると、トラブルが起きるリスクを踏まえた対応策が必要不可欠です。そのためにはこれから取り上げる4つのポイントをしっかりと抑えておくのが大切なのです。

報酬の支払いタイミングはいつか

システム開発の報酬の支払いタイミングについて、契約書で明確にしておくことが大切です。これがあいまいだと、報酬の支払いに関するトラブルが発生する原因になります。

これだけ仕事をしているのに、報酬が一切支払われないなんておかしい、他のエンジニアはまとまって報酬を受け取っているのに、自分はどうして時間給なのだろう、といった疑問を抱かずに済むのです。

前述のとおり、請負でするのか、それとも準委任契約なのかをはっきりとさせておくことで、報酬の支払い時期がある程度明確にできます。

請負契約の場合、報酬の支払いは仕事が完成し、納品した段階で発生します。仕事の完成が条件になっているので、未完成の段階では1円も請求することができません。

極端な場合、未完成のまま仕事が完成せずに双方の関係が破綻してしまった場合、報酬は支払われることがありません。これはかなり大きなリスクだといえるでしょう。

準委任契約は仕事の完成、未完成にかかわらず時間給、もしくは日当という形で報酬が支払われます。請負契約とは異なり、仕事をこなせばその分に応じて報酬が支払われます。

契約がどのようになっているのかを契約書上で明確にするなら、報酬がどのように支払われるのかが一目瞭然です。契約書上でこれらの契約条件を明文化しているかどうかを確認しておくのは不可欠なのです。

契約内容は明確になっているか

システム開発におけるトラブルが法廷闘争にまで発展するケースがあります。話し合いだけでは解決できず、裁判にまで発展する理由には何があるのでしょうか。それは契約書上の不備です。

システム開発は物品のように目で確認して瑕疵の有無を確認できる代物ではありません。運用して初めて足りないものに気づいたり、不具合を見つけたりすることがあります。

そのような場合、事前にどのようなシステムを開発すべきだったのかが、明文化されていないと、双方の意見に食い違いが生じ、法廷闘争にまで発展してしまうのです。これを避けるためには契約書上に詳細を記載しておく必要があります。

まずは問題点を洗い出します。どのような問題を解決するためにシステムを開発するのかを明確にします。問題点が複数ある場合も、もれなく契約書上に記載しておくことが大切です。

細かい点を契約書に記入するのは気が引けると思うかもしれません。しかし紛争に発展してしまうリスクを考える場合、細かな点を記載しておくことのほうがはるかに安全です。

契約書上に明確にしておくべき項目には次の点が含まれます。

  • 発生する問題の可能性を挙げる
  • 問題点についての合意が契約書上もしくは添付の資料上にあったかどうか

検収は行われるか(瑕疵担保責任)

システム開発で契約時に明確にしておきたい3つ目の要素とは、検収の有無です。システム開発に関する契約を結んだ場合、システム完成時にシステムそのものを納入します。

システム納入時に、どのように納品するのか(電磁媒体あるいは他の方法)、検収のための手続きはどのように行うのか、所有権が受注者側に移ることに伴う、所有権の変更の日程をあらかじめ決めておくようにします。

システム開発は請負契約と準委任契約の2種類があり、前者の請負契約の場合は瑕疵担保委責任が発生します。そのため瑕疵担保責任を明文化しておくことが必要です。

仮に一定期間が経過したのち、発注者側から不具合に関する連絡がない場合、定められた期間以降は瑕疵担保責任が発生しない旨の条項を契約書に盛り込んでおきます。

準委任契約では瑕疵担保責任が認められないものの、システム納入後に発生しうる不具合の責任の所在について、明確化しておくなら、起こりえるトラブルに事前に対処することができます。

知的財産権は確保できるのか

システム開発契約において、特に注意したいのが知的財産権に関する問題です。システム開発そのものは著作権法上で定められた著作権が発生します。そのため著作権の帰属問題を明確にしておく必要があるのです。

発注者側が受注者側にシステム開発を依頼した場合、報酬の支払いと引き換えに完成したシステムを受け取ることになります。ただしこの段階で知的財産権が発注者側に移行するのかというと、そうではありません。

著作権法上、著作権というのはその作品を作成した側に設定されます。つまりシステム開発では、発注者ではなく、受注者に対して著作権が帰属することになります。これは知的財産権についても同様です。

これが時折トラブルのもとになります。システム自体は発注者側に納入されたものの、契約上帰属問題を明確にしていなかったために、著作権が受注者側に帰属し、再販が許可されないといったケースもあります。

このような問題を回避するためには、システム開発の契約時に、発注者と受注者側で著作権および知的財産権の帰属を話し合い、どちらになるかを契約書上に明文化しておくことが必要です。

契約上明文化する際には、特許権が発生した場合、登録手続きの際の費用をどちらが負担するのか、双方の協力をどのように行うのかといったことも盛り込むと良いでしょう。

もう一つ問題になるのが、システム開発で利用した技術に関する点です。システム開発では、受注者側の技術が多分に盛り込まれます。中には特許を用いた技術が活用されることもあります。この場合、知的財産権の帰属問題が複雑になります。

例えばいったん納入されたシステムを使用していて、その後開発に携わった技術陣が独立し、自身の特許権を主張して仕様の差し止めもしくは対価を要求する場合があります。

このようなケースを回避するためには、あらかじめ完成したシステムに関する著作権、特許権に関して、自由に使用できる旨の契約を交わしておきます。この条項を含めることで、システム利用に関するトラブルを回避できるのです。

システム開発の請負・委託契約についてのまとめ

システム開発の請負・委託契約ではトラブルが生じやすいので、契約書で条項を細かく設定し、トラブルに備えるのが得策です。

契約書以外にも役立つのが、システム開発を進める過程で、工程に関する記録を残しておくことです。双方が記録に目を通しておくなら、トラブルを回避することが容易になります。

請負と委託契約の違いもよく理解しておくことが大切です。責任の範囲、報酬の支払われ方(支払い方)なども知っておかなければトラブルが発生したときに、取り返しがつかない事態に発展してしまう可能性があります。

今回紹介した事例は法律に関連した部分ですから、IT技術者にとってはなかなか理解するのが難しいとかんじるかもしれません。それでもリスクをあらかじめ把握しておいて、トラブルに備えることで、あと後になってからの安心感が違います。

契約金額が大きくなればなるほど、トラブルが発生した時の紛争解決は難しさを増してしまいます。それだけに契約書の書き方、内容をどこまで記載するかといった点を把握しておくのは得策だといえるでしょう。

なお、実際に業者にシステム開発を依頼する際は複数の会社に見積もりを出してもらうのが大切です。1社では開発費用が適切かどうかわからず金銭トラブルが起きやすくなります。

弊社が運営するビジネスマッチングサービス『比較ビズ』なら一括で複数の会社会社に見積り依頼や相談を行うことが可能です。

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『比較ビズ』は無料で利用できるため、トラブルのないシステム開発の第一歩として使ってみてはいかがでしょうか。

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