システム開発の委託契約とは?契約の違いや契約書作成の注意点を解説!

最終更新日:2023年02月06日
株式会社GeNEE
監修者
代表取締役 日向野卓也
システム開発の委託契約とは?契約の違いや契約書作成の注意点を解説!
この記事で解決できるお悩み
  • システム開発の委託契約で気を付けることは?
  • トラブルにならないための注意点はある?
  • システム開発の委託契約書には何を入れればいい?

システム開発の委託契約でのトラブルは、発注者と委託者の双方がダメージを受けるでしょう。契約時にいくつかのことに気を付けることでトラブルを未然に防ぐことができます。

この記事では、システム開発を外部委託するときにどのような委託契約を締結すればよいか、委託契約書のどの項目を埋めればよいのかを解説します。

システム開発を外部に委託したときのトラブルが不安な方はぜひ参考にしてください。

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システム開発を委託する際は契約内容をしっかり決めておく

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システム開発での委託契約を交わす場合、双方の捉え方の違いが大きな問題に発展してしまう可能性があります。特に多いのは、納期や品質に関するトラブル。当事者間で解決できない場合は、裁判に進み、精神的・金銭的なダメージを被るときもあり得るでしょう。

システム開発契約にまつわるトラブルを回避するためには、会社内で委託契約の基準を定めたうえで、取引先に応じて柔軟に契約を変える必要があります。

システム開発委託における契約形態は2種類

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システム開発の契約形態には、請負契約と準委任契約の2種類があります。請負契約と準委任契約の違いについて解説します。

1. 請負契約

請負契約は、発注した仕事が完了した時点で、委託者側に報酬を支払う形態です。仕事が完了しなければ報酬は支払われません。

システム開発を請負契約で依頼した場合、発注者側にはシステムの仕様を決定する責任があります。委託者は、発注者が決めた仕様の範囲内で自由に開発ができる一方で、システムの完成責任と契約不適合責任を負わなければなりません。

契約不適合責任とは、システムに欠陥が見つかった場合、発注者が委託者に契約解除や損害賠償を行う権利です。

2020年の民法改正により、今までの瑕疵担保責任が契約不適合責任へと変わりました。契約不適合責任では瑕疵担保責任よりも損害賠償の範囲が広がり、委託者が責任を負う期間も長くなっています。

2. 準委任契約

準委任契約で受注した場合、労働の実績に対して報酬が支払われます。労働の実績とは、労働の期間や時間を指します。請負契約と違い、商品の完成を待たずに報酬が受け取れるのが準委任契約の特徴です。

準委任契約では、労働の実績に対して報酬が支払われるため、契約不適合責任は問われません。

請負契約と準委任契約は委託契約に含まれる

システム開発契約の際によく耳にする言葉として「請負契約」「準委任契約」「委託契約」の3つが挙げられます。それぞれの違いを改めて確認しましょう。

請負契約と準委任契約は、委託契約の一形態であり、委託契約に含まれます。

請負契約と準委任契約の違いは「報酬を支払うタイミング」

請負契約と準委任契約の決定的な違いは、報酬をいつ受け取ることができるかです。

請負契約では、商品が完成したタイミングで報酬が発生します。仕事が未完成である限り、報酬は発生しません。受注者側は、報酬を受け取るまでにどれくらいの期間がかかるのかといった計画を綿密に立てなければいけません。

準委任契約の報酬は、作業ベースです。商品が完成しなくても、稼働時間や期間に応じて報酬が支払われます。

請負契約と準委任契約の違いは、下の表を参考にしてください。

  請負契約 準委任契約
報酬発生のタイミング 商品の完成 作業時間や期間
商品の完成 必要 不要
報酬支払い形態 完成後にまとめて支払い 作業時間や内容に応じて都度

契約形態の違いについては、こちらの記事でも詳しく説明しています。

システム開発形態はアジャイル型とウォーターフォール型の2種類

システム開発にはアジャイル型とウォーターフォール型の2種類あります。それぞれ特徴があり、請負契約と準委任契約どちらに向いているかが変わります。

アジャイル型は準委任契約向け

アジャイル型とは、要件定義でおおまかな方向性を決め、機能ごとに「設計」「開発」「テスト」「リリース」を繰り返していくシステム開発モデルです。修正や変更があることを前提とし、小さな機能を少しずつ追加していくことで完成を目指していきます。

アジャイル型は機能に対して報酬が支払われるため、準委任契約に向いている形態と言えるでしょう。

ウォーターフォール型は請負契約向け

ウォーターフォール型とは「企画」「要件定義」「基本・詳細設計」「開発」「テスト」から「納品」へ向かうシステム開発モデルです。水が上流から下流に流れるように各工程を進むことから、この名がつけられました。

ウォーターフォール型の特徴は、ひとつの工程を完了させてから次の工程に進むことです。商品の完成がゴールで、商品の完成により報酬が支払われることから、請負契約向けの形態と言えます。

システム開発の契約書を作成する際に注意すべき7つのポイント

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システム開発会社と委託契約を交わす際は、契約書の作成が必須です。契約内容の詳細をきちんと契約書に記載しておくことで、トラブルを未然に防止できます。

システム開発の契約書を作成する際の注意ポイントは、以下7点です。

  1. システムの仕様
  2. 委託報酬の支払い
  3. 再委託可否
  4. 納品物の著作権・知的財産権の帰属先
  5. 納品物の検収
  6. 契約不適合責任
  7. 損害賠償の範囲

ポイントを無視して契約書を作成してしまうと、トラブルの原因となる恐れがあります。契約書を作成する際は、上記のポイントが含まれているか、十分に注意しましょう。

1. システムの仕様

準委任契約を結ぶ場合、納品物が仕様に合致しているかをめぐって争いとなることが多くあります。ウォーターフォール型でシステム開発契約を結んでいる場合は「外部設計」以降の段階に関する契約について、仕様を明確にしておきましょう。

アジャイル型でも、開発途中での仕様変更が想定されます。仕様の変更期限やどの程度の変更が可能かなど、仕様の変更について事前に定めておく必要があります。

2. 委託報酬の支払い

システム開発の委託報酬の支払いタイミングも、契約書で明確にしておくことが大切です。請負契約か準委任契約かをはっきりするだけでも、報酬の支払い時期をある程度明確にできます。

請負契約の場合、商品が完成した段階での報酬支払いです。

準委任契約は、労働期間に応じて報酬が支払われます。契約条件を明文化し、報酬の支払い時期を明確に規定しておきましょう。

3. 再委託可否

秘密保持のため、発注者側としては委託者以外の第三者の企業に開発に関わって欲しくないケースもあります。

とはいえ、委託者がすべて自社で商品を開発してくれるとは限りません。人材や時間不足など、さまざまな理由で第三者である別の企業に委託する場合もあります。

ときには、委託元である発注者に許可を得ずに再委託が行われる場合も。自社の大切なシステムを勝手に第三者に再委託されないよう、再委託の可否は契約書に規定しておくことが大切です。

4. 納品物の著作権・知的財産権の帰属先

著作権法15条2項によると、著作権は、契約で定めがない場合は創作した著作者がいる会社に帰属します。契約書で「納品物に関する著作権は、納品の完了と同時に委託者から発注者に移転する」旨を定めておくと、後からトラブルになった際に有利です。

2 法人等の発意に基づきその法人等の業務に従事する者が職務上作成するプログラムの著作物の著作者は、その作成の時における契約、勤務規則その他に別段の定めがない限り、その法人等とする。

引用:著作権法|e-gov法令検索

システムを開発する際は、ノウハウや発見、特許を使った技術といった「知的財産権」が発生する場合があります。

知的財産権が発生した際、権利の帰属先が発注者なのか委託者なのかを明確にしなければいけません。同様に、完成したソフトウェアの著作権がどちらに帰属するかも決めておく必要があります。

知的財産権を特許として登録する場合もあるでしょう。そのときは「登録手続きはどのように行うのか」「費用をどちらが負担するのか」なども、合わせて盛り込むと良いでしょう。

5. 納品物の検収

納品物の検収についても、システム開発契約において明確にしたい事項です。

システム開発では、システムが完成したときに納入し、検収が行われます。検収とは、システムが仕様どおりに動くか、発注者が確認する作業。特に請負契約では、発注者が検収を完了した時点で支払いに移行するため、大切な工程です。

契約書では、検収はいつまでに終えるのか、いつまでに検収結果を伝えるかなどをあらかじめ決めておきましょう。

6. 契約不適合責任

システム開発を請負契約で行った場合は、契約不適合責任が発生します。契約不適合責任は民法562条で定められた権利ですが、履行期間については定められていません。したがって、契約書には、契約不適合責任はいつまで発生するのかについて記載が必要です。

「発注者側から不具合に関する連絡が一定期間ない場合、○カ月以降は契約不適合責任が発生しない」「買主が契約不適合責任を請求できるのは○カ月以内」という条項を、契約書に盛り込んでおきましょう。

準委任契約では、契約不適合責任を負う義務は認められません。とはいえ、システム納入後に不具合が生じる可能性はつきもの。不具合が起きた場合の責任の所在を契約書に明記しておくことで、トラブルが起きた際に対処しやすくなります。

7. 損害賠償の範囲

システムに不具合があったまま使用したことにより、損害を被った場合に請求できる損害賠償の範囲を規定しておくことも大切です。

損害賠償を無制限にしてしまうと、契約自体を断られる可能性があります。常識の範囲から外れた損害賠償の範囲を設定した場合も、委託者から訴えられる可能性があります。

システム開発を委託するときは、発注者が有利な契約書を作ってはいけません。損害が生じた原因や、因果関係や賠償項目の種類によって、請求できる損害賠償を制限する、損害賠償額の上限を定めるなど、常識に沿った損害賠償の範囲を定めることが大切です。 

まとめ

システム開発の委託契約では、仕様や報酬の支払いについてのトラブルが生じやすい傾向にあります。トラブルを未然に防ぐには、契約書で条項を細かく設定しておくことが大切です。

契約の形態を知り、契約書に記載すべき事項の基本を知っておくことは、トラブルを防ぐためにとても大切です。

システム開発の委託契約を考える際は、トラブルを起こさない会社を選ぶことも重要。弊社が運営する「比較ビズ」には、優秀なシステム開発会社が多数登録しています。

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監修者の一言

請負契約は「請負人(受注者)」が仕事の完成を約束し「注文者(発注者)」がそれに対して報酬を支払う契約です。

一方の準委任契約に関しては、仕事の完成だけでなく、一定の事務処理行為の遂行を約束する契約になりますが、昨年の民法改正(令和2年4月1日施行)により、準委任契約に「成果完成型」の規定が設置されたことで(民法648条)、当該契約に関しては「成果完成型」及び「履行割合型」の類型があることが明文化されました。

「成果完成型」では「業務履行により得られる成果」に対して金銭的報酬が支払われますが「履行割合型」では、実作業開始後、想定していた成果が仮に上がらなかったとしても、事務処理行為自体が適切に遂行されていれば、対価請求ができるものとなっています。

報酬の定め方、任意解除等については、任意規定であるため、具体的な条件をしっかりと双方で協議し、合意することが重要になります。

株式会社GeNEE
代表取締役 日向野卓也
監修者

東京工業大学環境・社会理工学院卒業。慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了。MBA(経営学修士)取得。国内最大手SIerの株式会社NTTデータで大手法人領域(大手流通企業、大手小売企業)の事業開発、事業企画等の業務に従事。米国スタンフォード大学への研修留学を経て、システム/モバイルアプリ開発会社の株式会社GeNEEを創業。

比較ビズ編集部
執筆者
比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。
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