オフショア開発とは?メリット・デメリットや活用方法を簡単に解説

最終更新日:2023年05月16日
株式会社アイディーエス(スマラボ)
監修者
執行役員 兼 IDS Vietnam CEO 柴田達真
オフショア開発とは?メリット・デメリットや活用方法を簡単に解説
この記事で解決できるお悩み
  • オフショア開発とは?
  • オフショア開発のメリット・デメリットとは?
  • オフショア開発を成功させるポイントは?

海外の人材を活用することで、人件費削減や技術力向上を図る「オフショア開発」が拡大しています。コミュニケーションの壁や為替リスクを乗り越えれば、いい成果が出るでしょう。

この記事では、オフショア開発を検討する経営者向けに、オフショア開発を導入するメリット・デメリットを解説しています。記事を読み終わった頃には、成功させるポイントがわかるでしょう。

「オフショア開発とは何か知りたい」「オフショア開発に強い企業を参考にしたい」とお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

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オフショア開発とは「海外リソースを活用する開発手法」

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コスト削減や開発効率化を目的に多くの企業がオフショア開発を採用しています。

オフショア開発は、自社の開発チームとの協業や大規模プロジェクトにおけるリソース確保に活用できます。

コスト削減を目的として、オフショア開発を導入することは控えましょう。コミュニケーションを密にとり一体化を図ることで、自社にはない技術の確保や人材の確保ができるため通常できないプロジェクトも実現可能です。

「国内で十分な人材を確保できない、採用が困難」という問題も、オフショア開発を実践することで解消できます。マイクロソフト社がWindows OSの一部をインドの企業に委託したことが有名な事例です。

参照:EnAble India とマイクロソフトが協業し、障碍のある人に10万件の雇用機会を提供

オフショア開発の活用が進んでいる2つの理由

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オフショア開発の活用が進んでいる主な理由は、下記の2つです。

  • オフショア開発国の技術力が向上しているため
  • オフショア開発のノウハウが蓄積されてきたため

人材の育成や教育環境の整備が進み、成功事例や失敗事例を経験することで、オフショア開発国の技術力向上と品質改善につながります。

1. オフショア開発国の技術力が向上しているため

オフショア開発国の技術力向上は、コスト削減だけではなく高品質なサービスの提供が可能です。オフショア開発国は近年、技術を持つ人材の育成に力を入れ、高度なスキルのエンジニアを多数輩出しています。

IT人材不足の日本企業でも、オフショア開発国は高品質なサービスを提供でき、多くの企業から支持を受けています。

インドはIT分野において高い技術力があり、世界中がエンジニアを活用中です。中国は製造業において高度な技術を持ち、製品の生産から品質管理までを一貫して実行できます。

2. オフショア開発のノウハウが蓄積されてきたため

オフショア開発のノウハウが蓄積されてきたことで、多くの企業が導入できるようになり利用拡大につながっています。

コミュニケーションの壁や文化の違い、時差によるスケジュール調整の難しさがあります。長年に渡る実績により、問題に対する解決策が蓄積されてきました。ベストな方法が確立され、効率的で高品質な開発が可能になり、企業の業務効率化に貢献できます。

オフショア開発の委託先となる主な国

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下記の表は、代表的なオフショア開発の委託先になる国です。

中国 オフショア開発の長い歴史がある
インド IT大国として優秀な技術者が多い
ベトナム インド、中国に比べて人件費が安い。親日でまじめな国民性によりコミュニケーションがとりやすい
インドネシア 英語での対応が可能なため、近年注目度が上がっている

上記4カ国は、開発の品質とコスト面で優位に立っています。優秀なエンジニアを持ち、IT教育が進んでいること、技術の発展に積極的に取り組んでいることが特徴です。開発費用は、欧米諸国と比較して安価であることも重要なポイントです。

インドはIT開発の世界的なハブとして知られており、多くの大手企業がオフショア開発を委託しています。中国は、技術力の向上と開発費用の低さがオフショア開発市場で注目される理由です。

現在では、下記の7カ国にも注目が集まっています。

  • フィリピン
  • タイ
  • ミャンマー
  • エチオピア
  • カンボジア
  • マレーシア
  • 台湾

オフショア開発のメリット4つ

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オフショア開発のメリットには、下記の4つがあります。

  • 開発コストを削減できる
  • 優秀なITエンジニアの確保ができる
  • 短期納期が実現できる
  • ラボ型開発で中長期的な開発チームが実現できる

1. 開発コストを削減できる

オフショア開発は、海外の技術者を活用することで開発コストを削減できます。海外の技術者の人件費が日本よりも低いため、同じ品質の開発をより低いコストで実現します。

海外の技術者は日本とは異なる文化や環境で育ち、柔軟な発想やアイデアを持っているため、より効率的で創造的な開発が可能です。

インドをはじめアジアの国々は、日本よりも技術者の人件費が低く技術力は高いため、主要なアウトソーシング先として選ばれやすくなります。なかにはフリーランスの技術者を採用しているケースもあります。

2. 優秀なITエンジニアの確保ができる

開発現場において人材不足は深刻な問題です。オフショア開発は海外のエンジニアを採用し、優秀な人材の獲得ができます。

開発先の多くは、IT分野で優秀な人材を輩出している国や地域です。高度な技術力と知識を持ち、グローバルなプロジェクトにも携わっています。日本の文化にも精通していることが多く、国内のエンジニアより高い技術力があります。

プロジェクトの品質向上やスピードアップには、優秀なエンジニアの獲得が必要です。海外のエンジニアと協業することで、グローバルな視野を持つ開発が可能になります。

3. 短期納期が実現できる

日本の拠点が夜間に作業を終えた後、海外の拠点に作業を引き継ぐことで、短期納期が実現します。

日本と時差がある国で海外の開発拠点を活用し、夜間に日本の企業からの指示に応えられます。世界中のエンジニアとコラボレーションするための促進ツールも充実し、共同開発することで迅速な開発が可能となり、短期納期が実現します。

日本企業がアプリケーションを開発する場合、日本と時差がある国に拠点を持つオフショア開発企業に委託することで、24時間体制で開発が可能です。

4. ラボ型開発で中長期的な開発チームが実現できる

高度な技術力がある外国人エンジニアを長期的に採用し、日本のエンジニアとの協業を進めることで、優秀な開発チームが構築できます。

ラボ型開発は安定した人材確保が可能となり、中長期的な開発計画が立てられます。オフショア開発には、中長期的な開発チームの構築が必要です。外部の技術者や企業との協業により、プロジェクトの進行を促進し開発チームのスキルアップが可能です。

ラボ型開発とは

オフショア開発の一種で、一定期間同じエンジニアメンバーを確保することで自社専属オフショアラボチームを構成し、システム開発を進めることです。

日本企業がオフショア開発を導入し、ラボ型開発を採用した場合、外部の技術者との共同作業によりスキルの高いエンジニアを採用できます。

オフショア開発のデメリット4つ

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オフショア開発の代表的なデメリットは下記の4つです。

  • コミュニケーションがとりにくい
  • 進捗管理をしづらい
  • 規模が小さいプロジェクトはコスト削減が難しい
  • 海外へ委託することで為替リスクが発生する

1. コミュニケーションがとりにくい

オフショア開発では、対面でのやりとりができないため、コミュニケーションの問題が生じます。時差の問題や言語の違いから、意図しない誤解やミスが発生する場合です。

開発チームとの間で仕様やデザインの不一致が生じることも、コミュニケーション不足が原因です。進捗が遅れたりクオリティの低い成果物が納品されてしまうケースがあります。

コミュニケーションのルールやツールを共有し、積極的なコミュニケーションを心掛けることで、問題を未然に防ぎましょう。

2. 進捗管理をしづらい

オフショア開発における進捗管理は、地理的な距離や言語の壁があり難しい点です。日本とインドの場合、時差が4時間以上あり進捗の確認や問題解決に時間がかかります。言語や文化の違いにより、報告内容や進捗状況が理解しづらくなることもあります。

定期的な報告や進捗の確認、コミュニケーションの改善など進捗管理方法を検討し、課題の解決に取り組みましょう。プロジェクト管理ツールの利用のほか、日本人のプロジェクトマネージャーを現地に派遣する方法もあります。

3. 規模が小さいプロジェクトはコスト削減が難しい

ベンチャー企業をはじめとする規模の小さい企業の開発は、開発そのもののコストが小さいため削減効果が限定的です。オフショア開発によるリスクも大きくなり、スモールスタートのプロジェクトには向いていません。

オフショア開発は、プロジェクトの大規模化によりコスト削減効果が高まる傾向にあります。プロジェクトが小さい場合には、オフショア開発のメリットを最大限に活かせず、コミュニケーションコストや進捗管理コストが負担となります。

プロジェクトの規模や特性にあわせた適切な開発方法を選択しましょう。

4. 海外へ委託することで為替リスクが発生する

海外の企業に委託することで、為替相場の変動により利益の減少するリスクが生じます。オフショア開発は外貨建ての契約が一般的です。為替相場の変動により請求額が変動し利益は減少します。

プロジェクトが長期間に渡るときや、高額な費用の発生は、為替リスクが顕著になります。企業が為替リスクを管理する方法として、ヘッジ取引が一般的です。

ヘッジ取引とは

外国為替の変動リスクを抱えている場合、自社が受ける損失を最小限に抑えるために、為替変動に対する保護策として、為替レートを固定し取引すること

為替リスクを踏まえ、リスクを取ることで利益を得られます。企業がオフショア開発には、為替リスクを含めたリスクマネジメントが重要です。

オフショア開発を成功に導くポイント4つ

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オフショア開発を成功に導くポイントには、下記の4つがあります。

  • 目的・規模・概要・ゴールを明確にする
  • コミュニケーションを綿密に行う
  • 進捗管理をはじめ納期管理に注意する
  • 文化や習慣が近い委託先を選択する

1. 目的・規模・概要・ゴールを明確にする

外注先に依頼した場合「目的が何か」「どの機能が必要か」「どの利用者をターゲットとしているか」の3つの明確性が重要です。開発チーム全体が方向性を共有することで、開発結果が顧客ニーズに沿うものになります。

オフショア開発では、文化や言語、技術的な差異があるため、目的やゴールを明確に定めなければ、開発の方向性がぶれやすくなります。明確でない場合、開発途中で必要な修正や変更が発生し、コミュニケーションコストや時間の浪費になるでしょう。

2. コミュニケーションを綿密に行う

オフショア開発では文化や言語の違い、時差や物理的な距離など、多くの壁があります。コミュニケーション不足はプロジェクトに深刻な影響を与えるため、常に課題となります。

定期的な報告や進捗の確認を徹底し、コミュニケーションを改善することで、プロジェクトのスムーズな進行を実現できます。

3. 進捗管理をはじめ納期管理に注意する

進捗状況を逐一報告し、スケジュールの見直しや調整をすることが大切です。開発チームとのコミュニケーションを密に行いましょう。

納期管理にはスケジュール調整だけではなく、納期の確認や再調整などが含まれます。オフショア開発における進捗管理には、開発の進行状況を定期的に確認し、問題が発生した場合はすばやく対応することが求められます。

4. 文化や習慣が近い委託先を選択する

文化や習慣が近い委託先を選ぶことで、コミュニケーションやプロジェクトの進行がスムーズに進みます。開発プロセスの効率化や品質の向上につながるでしょう。

英語を公用語としている国を選択し、日本の場合はアジア地域から選択することで文化や習慣の違いの差を最小限に抑えます。

オフショア開発に強い企業8選

オフショア開発に強い代表的な企業にを下記の表にまとめました。

企業名 委託先 実績 概要 特徴
株式会社ラプラス・システム(旧株式会社デジタリーフ) タイ企業Leonics Co., Ltd ・軽量システム
・Webアプリケーション
・大規模データ収集
・解析システム
・技術計算・
シミュレーション
・ベトナム、バングラデシュを中心
※2022年1月1日をもち「株式会社デジタリーフ」は、親会社である株式会社ラプラス・システムに吸収合併。
・株式会社ラプラス・システムのDX事業として継承
・さまざまな開発プロジェクトの成功事例、失敗事例を通じて学んだオフショア開発会社の管理ノウハウに強み
・「江戸川区産業省・優良企業表彰」受賞(株式会社デジタリーフ)
株式会社ブライセン ミプソロジー社(フランス) ・業務内容画像調整整ソフトウェア(3A)の開発
・ドローン、監視カメラ向け画像調整業務
ベトナム、ミャンマー、マレーシア、中国、韓国などに展開・日本と現地にエンジニアを配置 センサー搭載機器をはじめとする組み込み系システム開発も得意
株式会社イノベイト ・Paraline
・SplusSoftware
・wakka(DATA SERVICE)
・ECサイト + 顧客管理システム
・ドクター向け将棋教育受講管理システム
・フォーム管理システム
ベトナムのシステムベンダーと開発協力体制 ・Webアプリケーションの開発実績が多数
・香川県、マイクロソフト「ITベンチャー支援プログラム」の選定企業
・プライバシーマーク使用許諾事業者 第10822771(01)号
株式会社ベスト・コム ・24EXPOジャパン開発
・アジア人材開発株式会社
DTP業務(データ入力・画像処理・組版業務・流し込み業務) 東京本社と中国支社で連携して開発 多様な開発言語やデータベースを使用した会計システムや金融システム、各種業務管理システムなどの設計や開発が得意
・多言語ホームページ制作、マニュアル
・パンフレット制作業務
株式会社コウェル ・AWS
・ISTQB
・Adobe Solution Partner
・コア業務システムのオフショア開発チームの編成
・社会インフラ管理システム
・倉庫管理システム
宮崎県やベトナムにも拠点 国際的な資格認定機関「ISTQB」の最上位資格「Global Partner」を取得
パーソルプロセス&テクノロジー株式会社 ・UNCOVER TRUTH
・株式会社インターネットイニシアティブ
・NTTアドバンステクノロジ株式会社 ほか
・仕事可視化ツール/勤怠管理システム
・採用管理システム ほか
中国やベトナムを拠点 ・開発にかかるトータルコストを削減
・「Microsoft MVP アワード」にて受賞した経歴
株式会社キャピタルナレッジ 非公開 ・Webアプリ
・業務システム
・AI開発 ほか
子会社のミャンマー現地法人 Webアプリ、スマホアプリ、業務システム、ECサイト、AI開発、Webサイトコーディング、ビッグデータなどの開発実績
株式会社デザインワン・ジャパン ・Nitro Tech Asia Inc
・株式会社イー・ネットワークス
・Web制作
・受託開発
・ホスティングサービス
東京都 発注後の戻しがほぼなくスムーズで安定的な開発業務を遂行

まとめ

オフショア開発は、企業が海外にある開発会社にソフトウェア開発を委託することです。メリットはコスト削減や人材不足の解消など、デメリットは意思疎通の壁です。

オフショア開発を成功させるためには目的や規模、進捗管理を明確に確認しあうことです。企業がオフショア開発を導入する際は、文化や習慣が近い委託先を選定しましょう。

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監修者の一言

オフショア開発は既に30年程度の歴史があり、これまでに多くのSIerが一度はチャンレジしてきていると思います。しかしながら、「失敗した」「品質が確保できなかった」などの声を聞くことも少なくありません。

今や多くのエンドユーザ企業がSIerを通さずに直接オフショア開発を利用するようになりましたが、日本企業に請負で発注する感覚で、自社に品質管理や技術的なノウハウのない中で、短期的なコストメリットのためだけにオフショア開発することはかなりのリスクになります。

日本国内のエンジニア不足の状況から、あらゆる企業がオフショア開発自体は取り組まざるをえない状況にあるとは思いますが、自社の体制、ナレッジ、コミュニケーションスタイルに合った会社を探すことが極めて大事です。

オフショア開発は自社のエンジニアリソースを長期的に確保するための取り組みと捉え、一緒に伴走しながら徐々にコスト最適化を図っていくような、「オフショアジャーニー」とも言えるアプローチが最適です。

株式会社アイディーエス(スマラボ)
執行役員 兼 IDS Vietnam CEO 柴田達真
監修者

1976年生まれ、東北大学大学院工学研究科修了、グロービス経営大学院経営研究科修了。株式会社富士通に入社後、富士通研究所にて次世代ハードディスクの基礎研究に携わる。株式会社アイディーエスでは、営業部門、開発部門、管理部門等の部門長を経験し、現在は執行役員として各事業の戦略策定・実行支援を担当。2021年よりIDSVietnamのCEOに着任し、会社運営全般並びにオフショアラボビジネスの拡大を担当。

比較ビズ編集部
執筆者
比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。
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