システム構成図の書き方のコツ3選!作成するメリットや利用できるサイトを紹介
- システム構成図とは?
- システム構成図の書き方?
- システム構成図のメリットは?
Webシステム開発では、システム構成図の書き方を理解しておくと、円滑なプロジェクトの進行に役立ちます。
この記事では「システム構成図の書き方を知りたい」と思っている方に書き方のコツを3つ紹介します。
システム構成図に必要な情報や作成するメリット、作成に利用できるサイトについても紹介するため、ぜひ参考にしてください。
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Webシステムとは:ネット上で利用できるサービスや仕組み
Webシステムとは、インターネット上で利用できるサービスやシステムのことです。普段の生活の中では、ECサイトのオンラインショッピングやネットバンキングなどさまざまな場面でWebシステムに触れているでしょう。
企業においては、イントラシステムや人事システム、経理システムなどにおいてWebシステムを使って業務をこなしているケースが多いです。
インターネットを経由するため、不特定多数の人が同時にリアルタイムの情報を閲覧できる点もWebシステムの大きな特徴です。
システム構成図:システム全体の構成を図で表したもの
システム構成図とは、システム全体の構成を図で表したものを指します。
システム構成図には下記の内容を記載します。
- クライアントPC
- サーバー
- データベース
- ハードウェア周り
- システム内の大きなデータの流れ
システム構成図は、システムの機能やネットワーク構成、セキュリティ要件などを表現可能です。システムの全体像を把握し、問題の特定が容易になります。
システム構成図は、システム上の問題やクライアントとのコミュニケーションの支援など多くの役割を持っています。
主な構成図の種類
構成図は、システムのどこにフォーカスして表現するかで呼び方が異なることがあります。ここでは、システム構成図を含めた主な構成図の種類を3つ紹介します。
- システム構成図
- ネットワーク構成図
- サーバー構成図
それぞれ構成図の特徴を解説するため、参考にしてください。
1. システム構成図
システム構成図は、ハードウェアを重点に表現された構成図です。「システムの機能」を中心に記されており、ネットワークや他の情報に関することは省略して書かれることが多いです。
システム構成図を作成することで、システム内の要素がどのように相互作用し、システム全体としてどのように機能するのかを把握できます。
2. ネットワーク構成図
ネットワーク構成図は、ネットワークに関する情報をまとめた構成図です。端末やサーバーに割り振られるIPアドレスやVLANなどの情報などがわかりやすく表現されています。
ネットワーク構成図は複雑になりやすい特徴があり、綺麗にまとめるのが難しい構成図でもあります。シンプルに記そうと意識すると、必要な情報が漏れてしまうこともあるため注意が必要です。
1番必要な情報を洗い出し、情報に優先順位をつけるとシンプルな構成図を作成できます。
3. サーバー構成図
サーバー構成図は、システムの基盤となるサーバーの情報をまとめた構成図です。
サーバーがどの環境に配置され、どのような役割を果たしているのかを表しています。ネットワーク構成図とサーバー構成図をまとめて「インフラ構成図」と呼ぶこともあります。
新規にサーバーを構築する場合は、構成図をもとに確認しながら構築する流れです。
構成図をもとにすることで、特定サーバーにアクセスが集中しパフォーマンスの低下を事前に防げます。他のトラブルが起きたときにも原因の特定が容易になります。
システム構成図の書き方のコツ3選
システム構成図をわかりやすく書くことで、情報の共有が容易になるため、プロジェクトの進行がスムーズにできます。システム構成図の書き方のコツは下記の3つです。
- システムの全体像を簡潔にまとめる
- 色やアイコンを利用して表現する
- テンプレート化する
1. システムの全体像を簡潔にまとめる
システム構成図を書くときには、システムの全体像を簡潔にまとめることが大切です。
システム操作に必要なクライアントPCやサーバー、データベースなどのハードウェア周りや通信経路がどのように連携しているかを記載します。
システムの全体像を明確にすることで、システム開発に携わっていないメンバーでもシステムの流れを掴めるでしょう。システム構成図を残しておくことで、 今後のシステムメンテナンスや修正が容易となります。
2. 色やアイコンを利用して表現する
システム構成図は開発者だけではなく、クライアントも確認するケースがあります。誰が見ても見やすい図にしなければなりません。
見やすいシステム図にするために、色付けして重要部分を強調したり、アイコンを用いたりすることで、イメージを残しやすいシステム構成図となります。
3. テンプレート化する
システム構成図を1度作成したら、テンプレート化しましょう。
新たにシステムを開発する際に、テンプレート化することで作業効率が向上します。しかし、状況によってテンプレートが使えなかったり、テンプレートを改善したりする必要があります。
テンプレート化で業務効率を上げていても、構成図を書くコツを理解し、常にわかりやすい図を書けるように意識することが大切です。
【段階別】システム構成図に必要な情報
システム構成図に必要な情報は下記の3つです。
- セグメント情報
- アクセスの状態
- サーバーの配置や役割
それぞれ詳しく解説します。
セグメント情報
システム構成図には、セグメント情報を記載しましょう。セグメントとは、ネットワークを構成する範囲の単位を表します。開発環境と本番環境でセグメントをわけて運用することが多いです。
開発環境と本番環境をわけることで、安全性を確保できます。開発環境で起こった影響を本番環境に及ぼさないために必要です。
システムが稼働する環境が異なる場合には、セグメントの分割状況をしっかりまとめておくことが重要です。
開発中に誤って本番環境に触れることで起こる、障害の発生を防ぐことにもつながります。
アクセスの状態
システムが稼働する環境の中で、外部サービスに依存している場合には、アクセスの状態を記載することが大切です。インターネットに依存する環境では、どの分野でインターネットアクセスが必要になるのか、記載が必要となります。
複数のサーバーを利用されている際は、それぞれのサーバーの配置箇所や役割もまとめておくとよりいいです。
アプリも同様に、システム構成図の中でどこにアプリが位置しているのかをはっきりさせることが大切です。メンテナンスを行う際にシステム全体を把握しやすくなります。
サーバーの配置や役割
システム構成図を書く際には、サーバーがどこに配置されていて、どのような役割を担っているのか明記する必要があります。開発されたシステムのなかには、複数のサーバーがそれぞれ異なる役割を持ち、複数のソフトウェアが導入されるケースがあります。
サーバーの主な種類は下記のとおりです。
- Webサーバー
- データベースサーバー
- 踏み台サーバー
- アプリケーションサーバー
サーバーのスペックも一緒にシステム構成図に書きましょう。内容は、メモリのサイズやCPUのスペックや装備されているCPUの数、HDDやSSDなどディスクの容量です。
システム構成図を作成する2つのメリット
システム構成図を作成するメリットは下記の2つです。
- メンバー間で開発状況の認識合わせが楽にできる
- クライアントとの情報共有にも利用できる
それぞれ解説します。
メンバー間で開発状況の認識合わせが楽にできる
システム構成図を作成することで、メンバー間で開発状況の認識合わせが楽にできます。
システム構成図があることによってシステム全体を把握できるため、どのような機能を、どこに追加する必要があるのかを共有しやすいです。システム開発は基本チームで行うため、システム構成図なしでメンバー全員の認識を合わせるのは難しいでしょう。
構成図なしで開発を進めてしまうと、メンバー間の情報伝達漏れや認識の食い違いなどが頻発するリスクが高まります。
システム開発を円滑に進めるために、システム構成図は開発に必要な設計図という意識を持って作成しましょう。
クライアントとの情報共有にも利用できる
システム構成図があることで、どういった仕組みでシステムを開発するか、どのような成果物を作らなければいけないかなどが明確になります。情報が明確になっているため、クライアントへわかりやすく、視覚的に伝えられます。
システムを図として表現することでイメージがつきやすいです。開発の知識がない方でも理解できるため、クライアントとの認識の食い違いが起こりにくいでしょう。
システム構成図の作成に利用できるサイト3選
システム構成図をわかりやすいものにするためには、図やイラストを使う必要があります。システム構成図の作成に利用できるサイトを3つ紹介します。
- Draw.io
- Cloudcraft
- Cacoo
1. Draw.io
参照:Draw.io
Draw.ioは、無料で使えるWebアプリケーションです。Webアプリケーションのため、ソフトをダウンロードする必要がありません。
Draw.ioは、サイト上で操作ができるため、すでに準備されているパーツを並べて図を作成できます。
パーツを並べたり、大きさを変えることも可能で、図を描くことが苦手な方でも作成できるサイトです。作成した図は、GoogleドライブやOneDriveなどのクラウドストレージに保存可能です。
2. Cloudcraft
参照:Cloudcraft
Cloudcraftは、システムが動作するために必要な基盤やハードウェアを組みあせた図を作成できるツールです。Cloudcraftでは3Dで立体的な図を作成できる点が特徴です。ライブラリーに作成例があるため、参考にすることでわかりやすい図を作成できます。
Cloudcraftは、無料と有料版、企業向けの料金プランがあります。有料プランは、年間490ドル(毎月99ドル)です。企業向けのプランを利用する場合は、担当者に問い合わせする必要があります。
無料版でできることは下記のとおりです。
- 高度なAWSアーキテクチャの設計
- コスト計算
- 設計の文章化
有料版を購入することでできることは下記のとおりです。
- 無制限のAWSアカウント
- APIアクセス
- 優先サポート
- チームで情報の共有
無料版では使える機能が限られているため、より綺麗な図を作成する場合は有料プランを検討しましょう。
3. Cacoo
参照:Cacoo
Cacooは日本語対応しているため、英語が苦手な方でも気軽に利用できます。チームで図を作成する場合は、ビデオ通話をしながら共同編集ができ、画面共有も可能です。
料金プランは2つあり、プロプランとチームプランです。プロプランは月660円、チームプランは月1,980円になります。
どのプランでも使える機能は下記のとおりです。
- 豊富なテンプレート
- 2段階認証
- ビデオ通話コメント
チームプランは、共有フォルダで図を管理・共有できます。フォルダに招待されたメンバーはフォルダ内のすべての図にアクセス可能です。
どちらのプランも14日間の無料期間があるため、興味のある方は1度利用してみましょう。
まとめ
システム構成図は、システム全体の構成を図で表したものです。開発の情報をわかりやすくするため、従業員やクライアントとシステムの情報共有の際にも役立ちます。
システム構成図を作成しても、システム開発や運用ができないと意味がありません。実績のあるシステム開発業者を探している方には、比較ビズがおすすめです。
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建築物とおなじで、まず骨格をしっかり固めて作り込まないと、
・開発作業中に方向性のブレが生じる
・Webシステム開発作業中が効率よく進まない
・大幅な出戻りが発生する
といったトラブルが起きてしまいます。
そのためWebシステム構成図は、開発作業以上にこだわり時間をかけて作るべきです。もはや「Webシステムの成否は構成図で決まる」といっても過言ではありません。
さらにいえば構成図は開発のみならず、運用・保守の面でも必要不可欠です。自分だけがわかるよう作るのではなく「周りのメンバー全員に伝えること」を前提に作りましょう。
誰が見てもわかりやすく作られた構成図は、Webシステムの開発・運用・保守において大きな成果をもたらしてくれるはずです。
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