アジャイル開発とは?メリット・デメリット・特徴・開発手法の種類を解説!

最終更新日:2023年03月24日
株式会社ファイナイトフィールド
監修者
代表 一好 俊也
アジャイル開発とは?メリット・デメリット・特徴・開発手法の種類を解説!
この記事で解決できるお悩み
  • アジャイル開発とは
  • ウォーターフォール開発と何が違うのか
  • 採用するメリット・デメリットについて知りたい

アジャイル開発とはなにか?システム開発にアジャイルモデルを採用するメリットは?システム開発を任された企業担当者の方なら知りたいかもしれません。なぜなら、従来の開発手法よりもリリースまでの期間を短縮できるアジャイル開発は、近年大きな注目を集めているから。

しかしシステム開発プロジェクトなら、なんでもアジャイル開発がフィットする、というわけではありません。比較的新しい開発モデルのため、まだまだ日本に浸透しているとはいえないのも事実。

そこで本記事では、複数の種類があるアジャイル開発の特徴・概要から、採用するメリット・デメリット、アジャイル開発にフィットするプロジェクトまでを徹底解説!アジャイル開発を成功に導くポイントも紹介していきます。

アジャイル開発というシステム開発モデル

システム開発はクライアントの個別ニーズを満たすためにオーダーメイドで開発されるのが基本で、リリースされるまでには数多くの工程と長い開発期間が必要です。移り変わりの激しい近年のビジネス環境に適合するために注目が高まっているのが、高速開発(アジャイル=俊敏)が可能なアジャイル開発なのです。

システムを構築するための手法 =「開発モデル」には、いくつかの種類がありますが、アジャイル開発もその開発モデルのひとつです。従来の開発モデルと異なるアジャイル開発の特徴は、開発工程で変更・修正が発生することを前提にしていること。

変更・修正に柔軟に対応できるよう、アジャイル開発ではシステムを機能ごとに細かく分割し、計画からリリースまでの工数を削減しつつ、小規模なPDCAサイクルを回していくのです。

アジャイル開発での工程・流れ

アジャイル開発という開発モデルの概念が公にされたのは2001年のこと。アメリカ、ユタ州に17名のエンジニアが集まり「アジャイルソフトウェア開発宣言」としてまとめられ「ソフトウェア開発とそれに基づく12の原則」が定義されました。

それでは、アジャイル開発では、どのような工程・流れを経てシステムを開発するのか?実は、アジャイル開発モデルにも考え方の異なるいくつかの手法があり、一概に工程・流れを定義付けるのは困難です。しかし、それぞれの手法には共通点があるのも事実。以下からは、一般的とされるアジャイル開発の具体的な工程・手法を以下の3つから簡単に紹介しておきましょう。

  1. リリース計画の策定
  2. リリース計画の分割
  3. イテレーションの実行・反復

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アジャイル開発の特徴は、開発工程で発生するであろう変更・修正を前提にしていること。このため、アジャイル開発での最初のステップは、開発するシステム・ソフトウェアの概要となる、おおまかな仕様・要求を決めることから始まります。

このステップを「リリース計画の策定」といいますが、従来開発モデルの「要件定義」に代わるものだともいえます。違いについては以下の通り。

  • 「要件定義」

    ユーザーのニーズを仕様として細かく定義書に落とし込む

  • 「リリース計画の策定」

    ユーザーの意図・ニーズを理解したうえで、簡潔に仕様・要求を決める。仕様を細かく決め込んでいなければ変更・修正に柔軟に対応できるため。

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リリース計画で策定されたシステムの仕様・要求は、機能ごとに分割され、重要度・優先順位の高さに応じて開発に着手する順番を決めていきます。アジャイル開発におけるこのステップを「リリース計画の分割」といいます。

大規模なプロジェクトでは、ユーザーニーズの大きさに従って、どのように計画を分割するかを検討する必要がありますが、ひとつの工程が完了したら次の工程へ、という概念はアジャイル開発にはありません。実際には、リリース計画の策定と同時に、仕様・要求に応じて計画を分割・割り振りしていく場合もあります。

イテレーションの実行・反復

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リリース計画を分割する基準は、リリースまでにどのくらいの開発期間を要するのか?である場合がほとんど。通常は、計画・設計・開発・テスト・リリースまで、1週間〜4週間程度で実行できる機能・要素に分割されるケースが多いといえるでしょう。

アジャイル開発では、こうした小規模な開発をひとつの単位として、システム全体が完成するまでPDCAサイクルを回していくことを「イテレーション」と言います。

小さな機能を次々にリリースしながら完成を目指すアジャイル開発では、ユーザー(クライアント)の意見を反映した変更・修正を、次のイテレーションに簡単に反映させられることがポイント。企業担当者とシステム開発会社が連携し、方向性を修正しながら理想型に近づけていくことが可能です。

ウォーターフォール開発との違いは?

日本でもっとも採用されている開発モデルには、ウォーターフォール型開発モデルが挙げられます。ウォーターフォール開発でも要件定義、設計、開発、テスト、リリースといった手順・工程を踏むのは同じですが、アジャイル開発ともっとも異なるのは以下の2つです。

  • 「要件定義の段階でプロジェクト全体の計画を決め込む」
  • 「大前提としてひとつの工程が完了・検証できてから次の工程に進むこと」

ウォーターフォール開発とアジャイル開発について上記以外の違いも比較したので、以下の表からご覧ください。

ウォーターフォール開発 ・プロジェクトを全体で一つのものとして捉える
・要件定義や計画を厳密に決めてから開発を始める
・プロジェクト全体を一つの単位として計画を進める
・すべての開発工程が終了してからリリースする
・基本的に要件の変更ができない
アジャイル開発 ・プロジェクトを機能単位で区切る
・大枠を決めた段階で開発を始める
・イテレーションによるサイクルを繰り返す
・機能が完成するごとにリリースする
・必要に応じて計画の変更をおこなう

ウォーターフォール開発のメリット・デメリット

ウォーターフォール開発のメリット・デメリットについては以下の通りです。後ほどアジャイル開発の方の説明があるので、比較できるようにきちんと理解しておきましょう。

メリット

システム完成までの道筋を決めてから開発に取りかかるため、予算・スケジュールの管理をしやすいというメリットが。大規模なプロジェクトや要件が明確にされているプロジェクトに向いているといえるでしょう。

デメリット

順番に工程を進めていくため、リリースまでに長い期間を要するデメリットが。前の工程に戻ることは想定されていないため、途中で変更・修正があると手戻りが発生する分コストが膨らみ、納期も遅れる可能性があります。

アジャイル開発モデルのメリット

それでは、ウォーターフォールと異なる特徴・手法を持つアジャイル開発を採用することで、どのようなメリットが得られるのか?アジャイル開発の特徴、ウォーターフォール開発との違いを踏まえ、以下の3つから簡単に解説していきましょう。

  • リリースまでの開発期間を短縮できる
  • 仕様変更に柔軟に対応できる
  • 理想のシステムを開発・構築しやすい

リリースまでの開発期間を短縮できる

おおまかな計画を策定して、すぐにイテレーション実行に取りかかるアジャイル開発ならば、リリースまでの開発期間を大幅に短縮できるメリットが得られます。アジャイル開発でもドキュメントは作成しますが、ウォーターフォール開発のように大量の文書を作る必要もありません。開発工数を減らすことで納期を短縮できるのも、アジャイル開発のメリットです。

ウォーターフォール開発の場合

要件定義でシステム全体の計画を立てるウォーターフォール開発は、設計・開発に取りかかるまでにも長い期間を要します。システム全体が完成し、テストしてからリリースするため、開発期間は非常に長くなる傾向があります。

仕様変更に柔軟に対応できる

変更・修正を前提とした開発モデルであるアジャイル開発は、開発途中での仕様変更に柔軟に対応できることが最大のメリット。小規模な開発サイクルを繰り返していく手法であるため、変更・修正の工数を少なくできるのもポイント。イテレーションを繰り返すなかで柔軟に対応できるメリットがあります。

ウォーターフォール開発の場合

最初にシステム全体の仕様を決定するウォーターフォール開発では、開発段階で仕様変更が発生すれば、設計からやり直す必要が。変更がシステム全体に関連する要因であれば、すべてを見直す必要があるかもしれません。

理想のシステムを開発・構築しやすい

機能ごとに細かく開発・リリースを繰り返すアジャイル開発は、イテレーションサイクルのなかでユーザー(クライアント)の意見を反映しやすいのが特徴。都度、プロジェクトの方向性を修正しながら開発を進めていけるため、ユーザー(クライアント)が理想とするシステムを構築しやすいメリットが得られます。

ウォーターフォール開発の場合

リリースが最終工程に位置付けられているウォーターフォール開発は、どんなに要件定義を詰めていても、システムが完成するまでプロジェクトの全貌がつかめません。理想とかけ離れたシステムが完成してしまった、といったケースも稀ではないのです。

アジャイル開発モデルのデメリット

もちろん、柔軟性を確保しながら高速開発できるアジャイル開発といえども、メリットばかりだというわけにはいきません。アジャイル開発に限ったことではありませんが、メリットはデメリットと表裏一体の関係性を持つ場合が多いといえるでしょう。以下の2つから解説していきます。

  • スケジュール・工程管理が困難になりがち
  • 開発の方向性がブレやすい

スケジュール・工程管理が困難になりがち

柔軟性を確保しながら高速開発できるメリットの反面として、スケジュール・工程管理が困難になりがちなデメリットがあります。つまり、その場その場で対応する場当たり的なプロジェクトになる可能性があるのです。

こうした課題を解決するためには、プロジェクトをまとめていくPM(プロジェクトマネージャー)の存在が不可欠です。チームで情報共有するためのマネジメントツール活用も必須。アジャイル開発の経験が豊富で、ノウハウ・リソースを備えたシステム開発会社をパートナーとして選定することが重要です。

開発の方向性がブレやすい

意見・ニーズを開発に取り入れやすいメリットがありますが、変更・修正を加えすぎるあまり、当初の計画とはプロジェクトの方向性が大きくぶれてしまう危険性があります。方向性が見えなくなってしまえば、終着点が見えないまま延々と開発を継続してしまう可能性も。納期・開発コストが大きく膨らんでしまうことも考えられます。

アジャイル開発のメリットを活かせるプロジェクトは?

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ここまでで、アジャイル開発の特徴やメリット・デメリット、ウォーターフォール開発との違いなどを解説してきました。それでは、アジャイル開発のメリットを活かせるのは、どのようなシステム開発プロジェクトなのか?ウォーターフォール開発との違いも踏まえながら2つ解説していきます。

  • 新規事業の立ち上げ
  • Webアプリケーション・サービス・アプリ

新規事業の立ち上げ

素早くスモールスタートさせ、顧客(ユーザー)の反応を見ながら成長させていく新規事業の立ち上げなどは、アジャイル開発にピッタリのシステム開発プロジェクトです。立ち上げまでに時間がかかっていては、せっかくのアイデアも陳腐化してしまいかねません。アジャイル開発なら、柔軟性の高さを確保しながら素早く新規事業を立ち上げて改善していけます。

ウォーターフォール開発の場合

要件・仕様が確定しているプロジェクト、業務システムのリプレイスなどには、ウォーターフォール開発の方が向いています。スケジュール・工程管理が難しくなりがちなアジャイル開発は、大規模なプロジェクトにも向いているとはいえないでしょう。

Webアプリケーション・サービス・アプリ

継続的な改善が求められるWebアプリケーション、サービス、アプリ開発ではアジャイル開発のメリットを存分に活かせるといえるでしょう。BtoC向けのWebサービスでは、クライアントの思惑とユーザーニーズが食い違うことは当たり前。こうした変更・修正に柔軟に対応するには、アジャイル開発が最適です。

アジャイル開発3つの手法

アジャイル開発にはいくつかの手法がありますが、これは工程・手法が異なるというよりも、どのように「アジャイル開発を実現させるか?」という考え方の違いだといった方が的確です。以下からは、代表的な手法を3つに絞って解説していきます。

  • スクラム
  • エクストリームプログラミング(XP)
  • ユーザー機能駆動開発(FDD)

スクラム

スクラムとは、プロジェクトを遂行するうえで「開発チームの連携」に重点を置いたアジャイル開発モデルです。チームで動くところがラグビーの「スクラム」を連想させることから名付けられ、アジャイル開発ではもっともポピュラーな開発モデルだといわれています。スクラムの特徴は大きく以下の2つです。

  • リリースごとにフィードバックを得るスタイル

    「スクラムオーナー」「スクラムマスター」を中心とした開発チームを結成。クライアントが提示する順番にイテレーションを繰り返し、リリースごとにフィードバックを得るスタイル。

  • 開発チームはスプリント中に外部の指示を受付けない

    イテレーションのことをスクラムでは「スプリント」と呼びますが、開発チームはスプリント中に外部の指示を受付けないのが特徴。アジャイル開発に適した自律型開発チームを早期に形成できます。

エクストリームプログラミング(XP)

アジャイル開発のなかでも、仕様変更・要件追加への柔軟な対応に重点を置いた開発モデルが、エクストリームプログラミング(XP)です。特徴は以下の2つです。

  • クライアントである企業担当者もチームの一員として参加する

    計画段階で開発機能を決定する工程に参加するのはもちろん、リリース後のレビュー・改善案、イテレーション中のにも企業担当者が協働して間髪に参加します。

  • スクラムのように固定した役割を設けない

    全員参加・共有が開発チームの基本です。

ユーザー機能駆動開発(FDD)

スクラムやXPと比較して、もっともアジャイル(俊敏)の順位が低い開発モデルが、ユーザー機能駆動開発(FDD)です。どちらかといえば、アジャイル開発とウォーターフォール開発の中間的なモデルに属するのが、FDDの特徴だといえるでしょう。

FDDでは、イテレーションを開始する前にシステム全体のモデルを作成し、機能一覧にしたうえで分割計画を立案、イテレーションに移っていきます。スケジュール・工程のコントロールが難しいアジャイル開発の弱点を打ち消していくことを重視した、アジャイル開発モデルだといえるかもしれません。

アジャイル開発を成功に導くポイント

アジャイル開発に最適なシステム開発プロジェクトであっても、漫然と構えているだけでは成功が望めないでしょう。それでは、アジャイル開発を成功に導くためには、どのようなことに気を付けておけばいいのか?ヒントとなるポイントを以下の2つから簡単に紹介していきます。

  • システム開発プロジェクトの目的明確化
  • 担当者も開発チームの一員

システム開発プロジェクトの目的明確化

アジャイル開発では、柔軟性・高速開発を両立させるため、仕様・要求をおおまかにしか決定しません。しかし、勘違いしてはならないのは、あくまでもおおまかにしておくのは仕様・要求であり、システム開発プロジェクトの目的を曖昧にしてはならないということです。

たとえば、ユーザーの動向・嗜好にあわせた変化の求められるWebサービスであっても、ターゲットや提供する機能を変更することはあっても、最終的な目的は変わらないはず。仕様・要求だけでなく、目的を曖昧なままにしていては、アジャイル開発のデメリット面が強調されることになってしまいます。

担当者も開発チームの一員

スクラム・XP・FDDなど、採用する開発モデルによって多少は異なりますが、アジャイル開発では企業担当者が開発チームの一員であることを忘れてはなりません。たとえば、スプリント中の開発チームには関与しないのがスクラム開発の特徴ではありますが、スプリントごとのレビュー・計画は企業担当者の仕事です。

小規模なPDCAサイクルを回して、理想のシステムに近づけられるというアジャイル開発のメリットは、企業担当者が積極的に開発チームに関与し、システムを常にブラッシュアップしていく意識を持つことが重要なのです。

アジャイル開発の見積もりでおさえておくべきポイント【3選】

アジャイル開発の見積もりをする際は、抑えておくべきポイントがいくつかあります。これらをおさえておけば、開発に必要な工数がなぜ必要なのか明確な理由を把握できるため、正確な見積もりを作成することが可能です。ここでは以下の3つのポイントを解説していきましょう。

  • 理想と現実を分けて見積もる
  • 過去の実績を参考にする
  • アジャイルとウォーターフォールの違いを意識する

理想と現実は分けて見積もる

これは、アジャイル開発の見積もりだけでなく、ウォーターフォール開発でも言えることですが、プロジェクトを遂行するにあたって、当初の計画や予定を変更せざるを得ないこと自体が起きることはよくあります。例えば以下の2つのような場合です。

  • コロナで多くの企業がテレワークを導入することになり、プロジェクトがテレワークに変わったことで開発工数を見直す必要な場合
  • ユーザーから要件の変更などが発生した際、追加予算を確保するのか、要件を見直すのかなどの対応が必要な場合

これらの事態に備えて、タスクの属人化を防いだり、スケジュールにバッファを持たせるなどの工夫が必要になってくるでしょう。

過去実績を参考にする

アジャイル開発の見積もりをする上で、過去の実績は一番信頼できる物です。過去に似たような開発をしたのであれば、実際にかかった工数、当初予定していた工数と実際の工数との乖離などを調査することで、今回の開発に活かせるでしょう。

正確な見積もりを作成するポイントとなるのは、過去に起こった問題などにおいて、なぜその問題が発生し、どのような対策をすればいいのかを考えることです。そのため、過去の資料を参考にPDCAサイクルを回すことが重要となります。

アジャイルと他のシステム開発手法の違いを意識する

システム開発の手法が違えば、当然見積もりに対する考え方も違ってきます。そのため、ウォーターフォールなどの他のシステム開発手法と同じような考え方で見積もるのは避けるべきです。見積もりに対する違いについてそれぞれ解説していきましょう。

アジャイル開発

アジャイルでの見積もりは「一つの開発期間でどれだけの開発が行えるのか」という視点で決めることが大半です。

納期までに、ユーザーニーズを最大限引き出し、どう品質高くリリースするかに重きを置きます。そのため、アジャイルの見積もりはリリースした後のユーザーの反応で変わることもあります。ユーザーの求めているものと違うとなると再度開発〜リリースを繰り返していきます。

ウォーターフォール

ウォーターフォールはアジャイルとは違い、見積もりを外すことは許されていません。手戻りが発生しない前提で、全ての機能をいつまでに実装できるか、細かく工数を見積もるのです。そして、それぞれのタスクを細分化し、ひとつひとつのタスクに納期を定めてスケジュールを管理し計画していた工数を超えないようにします。

よって、フレキシブルに対応できるかどうかが、ウォーターフォールとアジャイルの見積もりに対する大きな考え方の違いと言えるでしょう。

アジャイル開発の見積もり手法の「プランニングポーカー」とは

アジャイル開発の見積もりでは、「プランニングポーカー」と呼ばれる手法が有名です。プランニングポーカーは、フィボナッチ数列が明記されたカードを利用し、ユーザーの要求に答えられる規模感をチームメンバーそれぞれがカードを出した結果から「相対見積もり」を出していく方法です。

詳細な見積もり手順については、以下の通り3つの工程があります。

  1. 要件の確認
  2. 見積もりを数値で表す
  3. 議論をし、見積もりを決める

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まず初めに、ユーザーからどんな依頼が来ているのかをチームメンバー同士で共有します。そして、メンバー全員が要件の理解ができたら次の工程に進んでいきます。

見積もりを数値で表す

要件を理解したら、どのくらいの見積もりが適切か、メンバー各自で自分なりの考えを踏まえて見積もりを実施します。

プランニングポーカーでは、フィボナッチ数列が明記されたカード(1・2・3・5・8・13・21・34・55……)が書かれたカードを割り当てていきます。

この割り当てたカードの点数が、ユーザーの要求に答える規模感を表しているイメージです。そして、メンバーが割り出した数値に対して、各自がなぜその数値を選んだのか意見を発表していきます。

5掴世鬚掘見積もりを決める

上記の工程を踏まえて、チーム内で協議がおこなわれ、カードの数値や各自の意見から見積もりに発生するギャップを埋めて見積もりを算出していきます。

見積もりの担当者が出す数値と実装担当者(SE)が出す数値では、ギャップが生まれやすいです。そのため、期間が前後すると「見積もりにブレ」が発生しやすくなるので注意しましょう。

このように、プランニングポーカーでは、チーム全体で認識とすり合わせられるため、個人で見積もりを出すよりも正確な数値での見積もりが可能となります。

まとめ

現代のビジネスシーンにフィットするアジャイル開発を採用したい、そう考える企業担当者の方は多いかもしれません。しかしそのためには、担当者がアジャイル開発の特徴を理解するのはもちろん、アジャイル開発の経験・ノウハウを豊富に持つシステム開発会社との協働が欠かせません。

ただし、浸透が進んでいるとはいえ、アジャイル型に対応できるシステム開発会社は、まだまだ多くないのが現実。アジャイル型に興味はあるものの、対応できるシステム開発会社をどのように探せばいいのか?悩んでいる企業担当者も少なくないかもしれません。

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監修者の一言

ウォーターフォール開発とアジャイル開発では契約形態が異なることに留意してください。ウォーターフォール開発では一括請負契約、アジャイル開発では準委任契約が多く採用されています。

準委任契約はシステムの完成が契約上約束されていないため、発注者は二の足を踏むかもしれません。しかしながら、アジャイル開発には大きなメリットがあります。信頼の置ける開発会社を探すことが重要です。

アジャイル開発の9割以上がスクラムを採用していると言われています。1980年代に野中郁次郎と竹内弘高がスクラムという手法を最初に論文として発表しました。その後、1990年代にKen SchwaberとJeff Sutherlandがスクラムを定式化します。

この二人は2001年のアジャイルソフトウェア開発宣言の共同執筆者です。[スクラムガイド](https://scrumguides.org/docs/scrumguide/v2020/2020-Scrum-Guide-Japanese.pdf)をご覧ください。
[アジャイルソフトウェア開発宣言](http://agilemanifesto.org/iso/ja/manifesto.html)は日本語にも翻訳されています。
[アジャイル宣言の背後にある原則](http://agilemanifesto.org/iso/ja/principles.html)も必読です。

アジャイルソフトウェア開発宣言から20年以上経ち、アジャイル開発は大きな成功を収めてきました。VUCA world と言われる現代にアジャイル開発は不可欠な手法となっています。アジャイル開発を採用するプロジェクトがさらに増えることを願っています。

株式会社ファイナイトフィールド
代表 一好 俊也
監修者

2006年よりシステム開発を行う。ユーザビリティ重視のアジャイル開発を得意とする。大手監査法人に採用された翻訳支援アプリや教育用アプリ、EC サイト、顧客管理システム等の設計、開発を手掛ける。機械学習/AI を用いた開発も行っている。