システムリプレース(リプレイス)とは?主な3つの進め方とポイント
- システムリプレース(リプレイス)とは何をすること?
- システムリプレース(リプレイス)の進め方は?
- システムリプレース(リプレイス)を進めるときのポイントは?
「システムリプレース(リプレイス)が気になる」「どんな移行方法があるのか知りたい」現行のITシステムから自社に最適化されたものに移行したいと考えている個人事業主・中小企業の方は、そのような悩みを抱えていませんか?
システムリプレース(リプレイス)とは既存のITシステムを別のものに置き換えることを意味します。業務改善のために行うものですが、いきなり移行すると業務に支障が出るため、適切な方法で進めることが大切です。
この記事では、システムリプレース(リプレイス)の概要や進め方について解説します。この記事を読み終わった頃には、自社に適したシステムリプレース(リプレイス)の進め方がわかり、移行に向けて動き出せるでしょう。
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リプレースのポイント
リプレースの意味
リプレースとは直訳すれば「置き換える、交換する」という意味です。つまり問題を抱えているシステムを新しくする、置き換える作業のことを言います。日進月歩のITの世界ではシステムやソフトウェアはあっという間に古くなっていきます。
リプレースを行う目的
故障や破損といった問題が生じていない場合でも、古くなったからという理由でリプレースが必要になってくることもあるのです。何の問題もなくシステムは機能しているけれども、最新のデータやソフトウェアに対応できなければ使い物にならなくなってしまいます。
また動作の安定性や安全性などもリプレースの原因になります。情報化が進めば進むほど扱うデータの量が膨大になるため、コンピューターの高速化が進んでいます。数年前には快適に機能していたシステムもデータの量が多くなるにつれて負荷が大きくなり、動作の重さや不安定な面が出てくるケースもあるのです。
また、コンピューターが高性能になればなるほど、ネット環境がグローバルになればなるほど、セキュリティ面も問題が生じてくる面もあります。こちらも数年前にはしっかりとしていたセキュリティも古くなったことで不安を抱えてしまうケースも少なくありません。
リプレースを行う際のポイント
リプレースとは修復の意味がこめられている一方、必ずしも故障や破損が伴うものとは限らないのです。破損や故障の場合はその部分を修復すれば済みますが、リプレースの場合は必ずしもそうとはいえない面が出てくるのです。
どの部分を置き換えるか、どの部分を残すか、あるいは全面的に入れ替えるのか、取捨選択が求められることになります。これは時間やコストの問題も出てくるだけに、経営者としては悩ましい問題です。
それではリプレースの主な方法である「全面的に移行する方法」「部分的・段階的に移行する方法」「並行して移行する方法」の3つをこれからご紹介していきます。
新システムに全面的に入れ替える方法
全面移行の方法
このリプレースの方法にはいくつかの選択肢があり、その中でもわかりやすさの面で一番なのが全面移行する方法です。つまり現在使用しているシステムを全面的に新しいものに切り替えるわけです。
全面移行のメリット
この方法のメリットはなんと言っても、全面的に入れ替えるのでこれまでのシステムが抱えていた問題を一気に解決できること。手間がかからない点も大きな魅力でしょう。
全面移行の問題点
最大の問題は、移行する際にシステムを一時的とはいえ全面的にストップしなければならない点です。部分的にシステムを移行する方法ならば、システム全体は動かしながら作業を行っていくことができるわけですが、全面的に入れ替えるとなるとそういうわけには行きません。
システムをストップさせている間にどうするか?業務に差し障りが生じるのは明らかなだけに、タイミングを見計らうなどの工夫が求められます。また、移行した後にすぐになじめるかどうかも大事なテーマとなるでしょう。
全面移行をする際のポイント
これまでのシステムが日常の業務と深く関わっていればいるほど、勝手知ったるものから未知のものへと入れ替わった影響が大きくなります。
移行そのものにはそれほど時間はかからないものの、日常の業務のレベルで移行に馴染んで元通りの環境に戻るまでは少々時間がかかってしまうのは避けられません。全面的に入れ替えるだけに、万一エラーが起こったときに対応が非常に大変な点も覚えておかなければならないでしょう。
新システムに部分的・段階的に移行する方法
部分的・段階的に移行する方法
こちらは現行のシステムは残しつつ問題が生じた部分だけを置き換えていく方式です。システムをストップさせることなく作業を行っていくことができるので安全性が高い点、リプレースした後にエラーが生じるリスクが少ない点などがメリットとして挙げられます。
部分的・段階的に移行のメリット
大量のデータを扱っているシステムの場合、一度に全面的に新システムに移行するのは困難なこともあります。そうした場合でも、部分的・段階的に入れ替えていくことでうまく処理していくことが可能です。
部分的・段階的に移行のデメリット
どうしても時間と手間がかかってしまうのは避けられません。残す部分と置き換える部分が問題なく機能するかどうかを考慮しながら作業を続けていくことになりますし、どの部分から置き換えていくか正しい手順を踏まえながらの作業も欠かせません。
置き換える部分が多くなればなるほど、コストがかかってしまうわけです。また、万一置き換えの結果エラーが生じた場合に修復するのが大変になります。一度に移行する場合には新システムそのものに問題が生じているケースが多くなりますが、部分移行の場合にはどの部分に問題が生じて、その問題がどう影響しているのかを把握した上で、改めて修復や置き換えをしなければならないからです。
部分的・段階的に移行をする際のポイント
こうしてみるとデメリットの方が多い選択肢にも見えますが、一度に全面的に移行するのが難しい業務環境でシステムを稼動しているケースは非常に多く、この選択肢がもっとも現実的な面も持ち合わせています。
新システムへ並行して移行していく方法
並行して移行させる方法
もうひとつ、現行のシステムと新たに導入する新システムを並行して稼動させながらリプレースしていく方法もあります。一括して移行する方式のアレンジバージョンといったところですが、一気に入れ替えるのではなく、しばらくの間両方のシステムを稼動させるため、リプレースの際にシステムを全面的にストップさせる空白期間が生まれないのが大きな特徴です。
並行して移行させるメリット
どうしてもシステムを止めるわけにはいかない、しかし部分的なリプレースでは限界がある、そんな時にこの並行移行が役立ちます。しばらく古いシステムを稼動させるので、万一新システムにエラーが生じた場合でもダメージを最小限に抑えることができますから、リスクが少ないメリットもあります。
並行して移行させるデメリット
ただ当然2つのシステムを並行して稼動させる以上、コストがかかります。並行させている間は新旧両方のシステムをうまく連携させる必要がある点も大変な部分です。しばらく並行させたうえで最終的に「引継ぎ」をスムーズに行うためにも、データの同期などの作業を進めていくことになります。
並行して移行させる際のポイント
リスクとデメリットの少なさという点では非常に魅力的な選択肢で、余裕があるなら導入を検討してみる価値は十分にあるでしょう。ただこの方法でリプレースを検討する場合には、最終的に新システムに全面移行するまでにどれぐらいの時間や手間がかかるのかをできるだけ正確に把握したうえで検討していくことが大事です。
パイロット方式
あとは一括移行を前提にしたうえで部分的・段階的にリプレースしていく方法も取り入れた「パイロット方式」という選択肢もあります。こちらはまず限られた範囲で新システムを試してみて、問題がないと判断した段階で全体を新システムへとリプレースする方法です。一度に移行する方法と部分的・段階的に移行する方法のどちらを選ぶか決めかねているときに検討してみるとよいでしょう。
まとめ
このようにリプレースとひと口に言っても全面的に入れ替えるパターンもあれば一部分だけを置き換えるパターンもあります。自社ではどのパターンがもっとも相応しいのか、これまで挙げてきたコストや手間、リスクだけでなく、自社のシステムの現状・問題点も踏まえた上で検討していくことが必要になってくるでしょう。
以下の記事では、改修に伴いかかる費用を抑えるコツを紹介しているので検討中の方はぜひ参考にしてみて下さい。
2004年IBMグループに入社し、IBM ITスペシャリストとしてシステム開発に従事。2009年からベンチャー企業にて受託開発、コンテナ型無人データセンターの管理システム、ドローン開発などソフトウェアからハードウェア開発まで幅広く関わる。チーフテクノロジストとして2015年にモンスターラボへ入社し、2018年4月より最高技術責任者であるCTOに就任。

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DXレポートでも「2025年の崖」問題として言及されていたように、多くの企業においてレガシーシステムの存在がDX推進の大きな障害になっています。旧来の技術で構築されたレガシーシステムは、一部の技術者しか扱えないブラックボックスと化しており、最新システムへのリプレースは非常に困難な状況です。
レガシーシステムからのリプレースを推進するには、まず「どのようなやり方なら移行できるか」を自社の状況に合わせて検討し、適切なチーム体制を構築する必要があります。同時に技術調査を行う上で、実行計画に落とし込み、チーム一丸となって解決にあたることが肝心です。