人事評価が不公平になる原因は?人事が見直すべき評価基準や制度を解説

最終更新日:2023年10月02日
社会保険労務士法人 ルーティング
監修者
代表社員 阪井 亮太
人事評価が不公平になる原因は?人事が見直すべき評価基準や制度を解説
この記事で解決できるお悩み
  • なぜ社員が人事評価に不満を抱えるのか?
  • 人事評価制度の見直しポイントはどこ?
  • そもそも人事評価制度の目的とは?

企業にとって人事評価は社員の仕事ぶりを評価するのにとても重要な業務の一つです。人事評価によって社員のモチベーションも大きく変わりますが、「社員が人事評価に不満を抱えてしまう」というようなお悩みを持っている方は多いのではないでしょうか。

本記事では、人事評価で不満が出る原因やその対策方法について徹底解説!社員のモチベーションをあげるためにも、人事評価には公平性と納得性が重要です。

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人事評価に不満がでる3つの原因

従業員から人事評価に不満の声が上がる主な要因として以下の3つが考えられます。それぞれ解説していきましょう。

  • 評価基準が明確ではない
  • 評価者のスキルが低い
  • 人事評価に対する適切なフィードバックが十分でない

評価基準が明確ではない

評価基準が不明確だと、従業員はどのような行動や仕事が評価されるのか判断ができません。結果を伝えるだけでは、同じ仕事をしていた他の従業員は高く評価され、自分は期待していた評価はされなかったと不公平感が募る恐れもあります。

こうした不満を作らないためにも、会社として評価基準を明確に定め、従業員に広く人事評価の基準やマニュアルを伝えることが大切です。

評価者のスキルが低い

人事評価は評点や順位付けが目的になりやすく、評価者の主観が含まれることがよくあります。多少の主観は仕方ないと思いますが、明らかに上司の好みで評価が決まったり上司によって評価の仕方が違ったりすると、不満が発生してしまいます。

人が人を評価する仕組みのため、どうしても客観的な評価のみを下すことは難しいです。そのため、評価者のトレーニングや研修を行い、評価者が部下に少しでも公平な評価を下す心構えを日頃から意識してもらうことが重要です。

人事評価に対する適切なフィードバックが十分でない

今後の成長に繋げるようなフィードバックを受けていないと、何が評価されて何が評価されないのか理解ができず人事評価に意義を見出すことができません。

本人の成長を促すためにも、人事評価のフィードバックは、良かったところ・悪かったところをしっかり説明し、今後どう成長していけばいいのか認識させましょう。

人事評価を公平に行うための3つのポイント

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人事評価を公平に行うためのポイントは以下の3つが考えられます。それぞれ解説していきましょう。

  • 評価制度を見直す
  • 評価制度手法を取り入れる
  • 人事評価のフローを見直して評価者のスキルをあげる

評価制度を見直す

まず最初に紹介するのが、人事制度の評価の仕方を見直す方法です。人事制度の評価の仕方には大きく分けて以下の3つがあります。

  • 業績をベースにした評価
  • 情意を重視した評価
  • 能力をベースにした評価

業績をベースにした評価

自社の業績をもとにした評価制度で、代表的な評価制度にMBOのような目標管理制度などがあります。業績をベースに評価するので営業職など数字で成果が見える部署には効果を発揮しやすいです。

情意を重視した評価

情意とは「思い・気持ち」のことを表しますが、人事評価の世界では主に仕事に対する意欲や姿勢のことを指します。情意評価は社員の仕事に対する意欲や姿勢を基準としますが、客観的に図ることが難しいです。そのため、成果がはっきりと数字で見えにくい事務職などの部署に適用しやすいといえます。

能力をベースにした評価

能力評価は長期的な社員の育成や意識向上を目的として取り入れられることが多く、未来への投資とも言われています。

能力評価は主に企画職など個人のスキルを評価する際に使われることが多いです。企画力や行動力を基準に判断し、個人のスキルによって達成した仕事の成果を評価していきます。

評価制度手法を取り入れる

次に紹介するのが、人事評価制度を取り入れる方法です。以下の3つの方法があるので、それぞれ解説していきましょう。

  • 目標管理制度(MBO)
  • 360度評価(多面評価)
  • コンピテンシー評価

目標管理制度(MBO)

目標管理制度(Management By Objectives)とは、あらかじめ従業員が自主的に目標を設定し会社と認識を共有しながら管理していく方法です。従業員のモチベーション向上とスキルアップに期待ができます。

  • モチベーション向上

    目標管理制度では、部署やチームで設定する目標と紐付けて個人の目標を設定していきます。そのため、個人目標を達成することで会社に貢献できていると従業員が認識しやすくなるのでモチベーション向上につながるのです。

  • スキルアップ

    従業員の実力を考慮し、努力することで達成できるレベルの目標を設定します。従業員は目標達成のために主体的に取り組む必要があるため、スキルアップにも効果的です。

360度評価(多面評価)

360度評価(多面評価)は、上司だけの評価だけでなく、同じ部署・チームの同僚や他部門の従業員、時には顧客などの評価も人事評価に反映していく手法です。

評価者が上司一人だけでないので公平性のある評価になりやすいです。上司による印象評価を防げること、社員自身が色々な人からフィードバックをもらえるので自身の強みや弱みを把握できる特徴があります。

完全に適切な評価をするのが難しい

評価スキルを持っていない人が評価に参加することもあるため、完全に適切な評価をするのが難しいという問題もあります。そのため、働きやすい職場環境の構築のために導入されることが多いです。

コンピテンシー評価

コンピテンシー評価とは、高い業績を残している社員の行動特性からパターンを事前にモデル化し、それをベースに社員を評価する制度です。ベースとなる行動を取れていたかどうかも評価の対象となるので、結果だけでなく途中の業務プロセスも評価することが可能です。

目標とする社員の行動や姿勢が評価項目となるので評価基準が明確になり、社員一人一人が目標達成に向けた努力が継続しやすいメリットがあります。評価のポイントが項目として目に見えて分かるのでプロセス評価も可能とし透明性のある公平な評価にも期待ができます。企業にお手本となる社員がいれば評価制度の構築が比較的簡単でしょう。

人事評価のフローを見直して評価者のスキルをあげる

最後に紹介するのが、人事評価のフローを見直して評価者のスキルをあげる手法を取り入れる方法です。考えられる以下の3つの方法をそれぞれ見ていきましょう。

  • 従業員に評価基準を説明する
  • 人事評価のフィードバックの機会を設ける
  • 普段から積極的に従業員とコミュニケーションをとる

従業員に評価基準を説明する

人事評価を公平に行うための不満の対策として、社員一人一人に人事評価制度への理解を深めてもらうことが重要です。会社の方針人事評価の基準をきちんと明示し評価項目に妥当性を認識してもらい社員に説明する機会を設けましょう。

人事評価のフィードバックの機会を設ける

人事評価のフィードバックの機会を設け、従業員に適切なフィードバックをすることで社員の不満を減らすことができます。

ただ結果を渡すだけの評価面談のみだけでなく、1on1などを設定し社員と直接コミュニケーションが取れる機会を儲けることが大事です。1on1を通じて本人に「気づき」を与え、行動を変えるように促すことで社員の納得性を高めることが期待できます。

普段から積極的に従業員とコミュニケーションをとる

「上司が仕事を見てくれていない」「上司がしっかり評価してくれない」という不満が人事評価の不満としてよくあげられます。

上司が部下の状況を把握できていないために適切な評価ができていない可能性もあると思います。しかし、適切な評価であるにもかかわらず、社員が自分の期待していた評価とのギャップに不満を抱えることも少なくないです。

上司と部下が積極的にコミュニケーションを図れるような環境を構築することで、適切なフィードバックを可能とします。また、成果以外の見えない部分の評価や業務の進捗具合も把握しやすくなります。

人事評価制度の目的とは?

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最後に、改めて人事評価を行う目的を確認しておきましょう。考えられる目的は以下の通り大きく2つです。

  • 社員の仕事ぶりを評価しそれをベースに社員を育成すること
  • 社員のパフォーマンスやモチベーションをアップさせること

社員の仕事ぶりを評価しそれをベースに社員を育成すること

社員の育成を行い、健全な競争を社内で社員が行うために人事評価制度が存在しています。社員の給料を決めるためだけのものではありませんので頭に入れておきましょう。

社員のパフォーマンスやモチベーションをアップさせること

人事評価がいくら整備されていても、評価によって特定の社員のモチベーションが損なわれる制度では意味がありません。社員が評価を得るための基準を明確化して、ちゃんとモチベーションを維持できるのかを考慮した人事評価制度を導入することが望ましいです。

まとめ

人事評価で不満が出る原因やその対策方法について紹介してきました。人事制度がしっかり整備されていないと従業員はモチベーションが下がってしまいます。社員のパフォーマンスをアップさせ社員の成長を促していく目的も兼ねているので、公平性と納得性のある人事評価を行えるようにしましょう。

人事評価制度に不満の多い職場は何かしらの不備があるはずなので、従業員の離職を防ぐためにも、まずは自社の評価制度を見直していきましょう。

監修者の一言

人事評価制度を構築する目的は、大きく分けて2つあると考えています。

1つ目が人材育成です。社員の能力及び達成した成績を適切に評価するとともに、評価結果に基づき社員の特性を踏まえた人材育成を行うことにより、効果的に社員のレベルアップを図る仕組みこそが「人事評価制度」です。

2つ目が、組織全体の士気向上及び業務効率化です。社員が「自身の成績がきちんと評価を受けている」と認識できるかどうかは、自らに対する評価結果に納得できるか否かを決定付けます。特に評価結果を給与に適切に反映させることが、社員の納得と士気向上のために極めて重要です。こうした仕組みが無い場合、社員を評価面で納得させることは極めて困難になります。

人事評価制度の作成には手間と費用がかかりますが、効果的に運用すればそれ以上のメリットがあります。とはいえ一から人事評価制度を構築することは難しいので、社会保険労務士などの専門家に一度相談されることをお勧めします。

社会保険労務士法人 ルーティング
代表社員 阪井 亮太
監修者

社会保険労務士法人ルーティング代表社員阪井亮太。1988年三重県伊勢市出身。趣味は将棋。慶應義塾大学経済学部卒業。ベアリング製造工場の工場長、社労士法人、上場企業の労務担当などを経て2021年1月社会保険労務士として独立。新宿(新宿御苑駅徒歩3分)でスタートアップ企業を中心にを支援を行う。顧問契約40社、助成金申請実績90件、セミナー、研修会講師年間30回。

比較ビズ編集部
執筆者
比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。
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