残業増加のデメリットを解説!減らない原因や削減方法も10個紹介

最終更新日:2023年10月02日
有限会社兼子経営
監修者
代表取締役 兼子俊
残業増加のデメリットを解説!減らない原因や削減方法も10個紹介
この記事で解決できるお悩み
  • 残業時間増加のデメリットは?
  • 残業時間が減らない原因とは?
  • 残業時間を削減する方法とは?

残業時間が増加すると人件費増加・人材流出・業務効率低下など、会社側にも従業員側にも様々なデメリットが生じます。

逆に残業を削減することで、コスト削減、生産性の向上などメリットがたくさんあります。

この記事では経営者・労務担当者に向けて、残業時間増加のデメリットや削減する方法をまとめました。残業時間が減らない根本的な原因から、残業時間を減らす方法まで解説しています。ぜひ、参考にしてみてください。

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残業とは

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残業とは始業時刻が始まる前や終業時刻を過ぎてからなど、所定労働時間外でも業務に励むことです。企業によって始業終業時刻や所定労働時間は異なりますが、法定労働時間内に収めるのが一般的です。

    残業が発生するとどうなる?

    法定労働時間を超える場合

    労働基準法によって1日8時間・週40時間を超える労働が発生した場合、企業は従業員に対して割増賃金を支払わなくてはなりません。仮に1日の所定労時間が8時間を超える場合、業務量にかかわらず週5日または6日、時間外労働手当を払うかたちとなります。

    時間外労働や休日労働を命じる場合

    時間外労働や休日労働を命じるには、36協定の締結・届出が必要です。36協定を労働基準監督署に提出した後は、月45時間・年360時間まで時間外労働を命じられます。

    残業時間削減が求められている4つの理由

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    残業時間削減や長時間労働の是正が強く求められている理由は以下の4つです。

    • 罰則付きで残業時間の上限が明確化された
    • 60時間を超える時間外労働に対する割増率が引き上げられる
    • 過重労働を未然に防ぎ、従業員の健康を保護する
    • 従業員の流出を防ぐため

    罰則付きで残業時間の上限が明確化された

    2019年に施行された「働き方改革関連法」や「労働基準法」改正の影響により、罰則付きで時間外労働の上限が明確化されました。一部の業種を除き、36協定の上限である月45時間・年360時間の遵守が原則的なルールとなります。

    仮に36協定の上限時間を超える労働を命じた場合、労働基準法違反に該当し、30万円以下の罰金または6か月以下の懲役が科せられます

    36協定の上限を超える労働を命じるためには、特別条項の締結が必要です。特別条項を締結すれば年720時間まで時間外労働を命じられますが、複数の規定を全て満たさないといけません。1つでも満たせない場合は36協定の時と同様、罰則が科せられます。

    特別条項の規定は以下の通りです。

    • 適用回数は年6回
    • 業務量の大幅な増加が見込まれるケースのみ適用
    • 時間外労働の上限は年720時間
    • 1ヶ月での時間外労働+休日労働の合計時間は100時間未満
    • 2〜6か月平均で時間外労働+休日労働の合計時間は月80時間以内

    60時間を超える時間外労働に対する割増率が引き上げられる

    2023年4月から中小企業でも、1ヶ月60時間を超える時間外労働を命じた場合の割増率引き上げが適用されます。割増賃金は「基礎賃金×割増率×時間数」で算出しますが、従来は時間外労働が60時間を超えても25%の割増率を適用できました。

    ですが、2023年4月からは時間外労働が60時間を超えた場合、超過時間数分の割増賃金は基礎賃金×50%で算出しなければなりません。長時間労働が是正されない事態を重く捉えた政府側が、引き上げを決断したためです。

    今までと同じように残業を命じていると、倍の残業代を支払う結果となります。企業経営への圧迫を避けるためにも、業務プロセスの改善やマネジメントの強化など、残業時間削減に向けての取り組みが必要です。

    過重労働を未然に防ぎ、従業員の健康を保護する

    慢性的な長時間労働が原因で、労働者が過労死するケースが散見されています。多大なストレスにともなう精神障害や病気の発症など、過労死の原因は様々です。

    労働時間が週55時間以上または月の時間外労働が60時間を超えると、脳や心臓疾患のリスクが通常時の2〜3倍高まるとの研究結果もあります

    参照元:日本の人事部

    近年はシフト制や交代勤務など、不規則な勤務形態が原因で過労死が発生したケースもあり、従業員の健康状態を常にチェックしないといけません。頭痛や吐き気などに悩んでいる従業員を見つけたら、すぐに休暇の取得をすすめましょう。

    従業員の流出を防ぐため

    少子高齢化や労働者の安定志向などが原因で、市場で優秀な人材を獲得するのは困難な状況です。

    新卒採用と中途採用のどちらかを実施しても、1人の労働者を獲得するためには多大な費用と労力が掛かります。自社の従業員が1人退職した場合、穴埋めは簡単にできません。

    長時間労働が慢性化すると、従業員のモチベーションや帰属意識が下がり、離職者が増加する可能性が高まります。今後の企業経営に多大な悪影響を及ぼすため、働きやすい職場環境の整備や業務効率化ツールの導入が必要です。

    残業時間増加に伴う4つのデメリット:企業側

    残業時間増加によって企業側が被るデメリットは、以下の4点です。

    残業時間増加に伴う4つのデメリット:企業側

    デメリット1. 人件費が増える

    「2-2.60時間を超える時間外労働に対する割増率が引き上げられる」でも解説したように、2023年4月からは、時間外労働が60時間を超えた場合に割増率が引き上げられます。今までと同じように残業を命じていると人件費が高騰し、企業経営に多大な悪影響を及ぼすでしょう。

    従業員に長時間の残業を課したとしても業績に直結する保証はありません。

    人件費が増えたにもかかわらず業績が伸び悩み、減益に至る可能性も十分考えられるでしょう。

    デメリット2. 従業員のモチベーションが低下する

    プライベートの時間を十分に確保できなかったり、蓄積疲労による集中力低下で、業務の正確性や効率性が低下します。

    連日の残業にともなう睡眠不足が原因で、体調や生活リズムが崩れる可能性も高まるでしょう。最悪の場合は休職や離職に発展し、人手不足に拍車がかかります。

    従業員の健康を守るためにも正確な勤怠管理を行い、過重労働を未然に防ぐことが重要です

    デメリット3. 人材が流出する

    長時間労働を強いられる職場環境は、従業員にとっては家庭や育児との両立が望めず、働きにくいため離職者が増える可能性が高くなります。

    給与や福利厚生など、他に魅力的な要素が無い限り、従業員の帰属意識や忠誠心は薄れていくでしょう。

    労働者にとって、自らの価値を正当に評価してくれる企業=良い労働条件を提示する企業です。労働者は労働の対価として企業から報酬を得ており、多くの給与や充実した福利厚生を望むのは当然といえるでしょう。

    労働条件の見直しや正確な勤怠管理など、従業員の意識を繋ぎとめる取り組みが求められます。

    デメリット4. ブラック企業のイメージが定着する

    36協定の上限や特別条項の規定を超える残業が発生すると、「従業員を大切にしないブラック企業」のイメージが定着します。コンプライアンス違反に対する世間からの視線は、年々厳しくなっているのが現状です。

    仮に労働基準法違反の実態がマスメディアに報道されると、社会的信用やブランドイメージの低下を招きます。今後の企業経営が大変厳しい状況に追い込まれるため、コンプライアンス遵守の姿勢を徹底しましょう。

    労働時間や残業時間数を正確に把握するため、勤怠管理システムを導入するのも有効な選択肢です。

    残業時間増加に伴う3つのデメリット:従業員側

    残業時間増加によって従業員側が被るデメリットは、以下の3点です。

    残業時間増加に伴う3つのデメリット:従業員側

    デメリット1. プライベートな時間を確保できない

    家族と過ごす時間や趣味に没頭する時間など、プライベートな時間を確保できないと、心身をリフレッシュできず、ストレスが溜まります。

    ストレスや疲労が抜けないと仕事へのモチベーションも低下し、業務の正確性やスピードが高まりません。残業が連日続くと判断力や記憶力が低下し、業務でのトラブルが増加します。

    体調不良に苦しむ従業員を見つけた場合はすぐに管理職へ報告するよう、周囲がすぐ異変に気付くことも重要です。

    デメリット2. 生活リズムや体調が崩れる

    生活リズムが崩れたり睡眠不足が続いたりすると、疲労回復に充てる時間を十分に確保できません。

    その結果、業務中の判断力や記憶力が低下しミスが増えます。業務がスムーズに進まない状況が続くと、職場全体の雰囲気が悪化し、チームワークの悪化や人間関係での衝突が増える恐れがあります。

    企業側には、勤務インターバル制度導入やストレスチェックなど、過重労働を未然に防ぐ取り組みが求められます

    以下の症状に悩む従業員を発見した場合は、すぐに休暇を取得するよう促してください。

    • 倦怠感
    • 食欲不振
    • 不眠症
    • めまい
    • 動悸
    • 頭痛
    • 吐き気

    デメリット3. やりがいや充実感が得られない

    長時間労働が慢性化するとプライベートの充実が難しく、心身が疲弊した状態に陥ります。自由に過ごせる時間が足りないため、仕事で溜まったストレスを発散できず、日々の生活に充実感や満足感を得られません。

    仕事を淡々とこなすだけの単調な毎日が続き、仕事へのモチベーションも低下します。最悪の場合は企業への不信感が増し、離職者が後を絶たないでしょう。組織全体で、生産性向上=プライベートの充実が重要との認識を共有することが重要です。

    残業時間削減に伴う4つのメリット:企業側

    残業時間削減によって企業側が得られるメリットは、以下の4点です。

    残業時間削減に伴う4つのメリット:企業側

    メリット1. コストが削減できる

    たとえば、全社平均の残業時間が30時間の企業と設定し、残業代を算出してみましょう。深夜労働や休日労働は発生せず、全て時間外労働だったとします。

    基礎賃金を2,000円とした場合、1人あたりに支払う残業代は、2000×1.25×30=75,000円です。

    業務プロセスの改善や人員配置を行い、10時間分の残業時間削減に成功したと仮定しましょう。

    20時間分の残業手当は2000×1.25×20=50,000円で、1人あたり25,000円分の残業代削減に成功しています。従業員数が多い企業ほど、残業時間削減に伴うコストメリットを実感できるでしょう

    浮いた資金を設備投資や採用の資金に回せば、残業時間をさらに削減できます。

    メリット2. 組織全体の生産性が高まる

    タスク管理や業務の優先順位付けによって1日にこなすべき業務内容を明確化すると、組織全体の生産性が高まります。やるべき業務を終えれば、無理に残業する必要はありません。従業員の就業時間中の集中力が増し、業務効率化とコスト削減を図れます。

    就業時間中に業務を終わらせる文化が組織全体で根付くよう、従業員一人ひとりが業務の進捗状況を正確に把握することが重要です。タスク管理ツールを導入すると、スムーズに業務全体を可視化できます。

    メリット3. 優秀な人材の流出を防げる

    優秀な人材の流出を防ぐには、仕事とプライベートの両立が望める職場環境の整備が必要です。デジタルツールの活用や業務体制の見直しなどによって、業務効率化や残業時間削減を実現できます

    ワークライフバランスが改善されると、企業への帰属意識や愛着が高まるでしょう。在宅勤務やフレックスタイム制を併せて導入すると、育児や介護とも両立しやすくなり、採用力を強化できます。

    メリット4. イメージアップにつながる

    残業時間削減や生産性向上に取り組む姿勢は、自社のイメージアップにつながります。「働き方改革へ積極的に取り組んでいる企業」とみなされ、ホワイト企業のイメージが世間に定着するからです

    イメージアップに成功すると、入社希望者の増加や取引先との信頼関係強化など、多くのメリットが望めます。不特定多数の方へ効率的に情報を届けるため、オウンドメディアやSNSを活用し、残業時間削減に向けての取り組みを積極的に発信しましょう。

    残業時間削減に伴う3つのメリット:従業員側

    残業時間削減によって従業員側が得られるメリットは、以下の3つです。

    残業時間削減に伴う3つのメリット:従業員側

    メリット1. プライベートな時間が増える

    家族と過ごす時間や趣味に打ち込む時間など、プライベートな時間を多く持てる点が、残業時間削減によるメリットです。リフレッシュできる時間の確保によって、仕事で溜まった疲労やストレスを癒せます。

    心身を休める時間が持てると精神的にも余裕が生まれ、業務上のトラブルや人間関係での衝突も減らせるでしょう。メリハリのある働き方ができるようになり、就業時間中のパフォーマンスも高められます。

    メリット2. 体調不良のリスクが減る

    残業時間を削減できると、従業員の健康保護にもつながります。長時間労働は、脳疾患や精神疾患の発症リスクを高める要因の1つです。長時間労働の是正によって心身への負担を緩和し、体調不良を招くリスクを抑えらえます。

    また、睡眠時間を多く確保できる点も大きなメリットです。疲労回復や免疫力向上など、心身の健康維持につながる効果を多数もたらします。万全の体調で仕事に臨める機会が増え、磨いてきた能力や経験を安定して発揮できるでしょう

    メリット3. 前向きな姿勢で仕事に取り組める

    ワークライフバランスを改善できるとオンとオフを切り替えやすくなり、就業時間中のパフォーマンスが高まります。集中力の維持によって、業務の正確性とスピードを高いレベルで両立でき、限られた時間で多くの業務をこなせます。

    仕事で能力を発揮できる機会が増えると、自信にもつながるでしょう。自信がつくと仕事へ積極的に取り組めるようになり、スキルアップへの意欲向上やコミュニケーションの活性化も期待できます

    残業時間が減らない5つの原因

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    残業時間を削減できず、慢性的な長時間労働が発生するのは以下5つが原因です。

    1. 業務量の多さと人手不足の悪循環
    2. 無駄な会議や打ち合わせが発生
    3. 長時間労働を前向きに捉える企業文化の形成
    4. 管理職のマネジメント不足
    5. 求人を掲載しても応募が来ない

    原因1. 業務量の多さと人手不足の悪循環

    業務量の多さと人手不足の悪循環が続いていると、残業時間を削減できません。手不足によって1人1人がこなすべき業務量が増えると、就業時間中に担当業務を処理できなくなります。残業を前提とした働き方が定着し、長時間労働を是正できません。

    人件費の高騰や健康リスク増大など、企業と従業員双方にとってデメリットが多く発生します。吐き気や倦怠感など、従業員に過労の症状が現れる前に対処することが重要です。

    原因2. 無駄な会議や打ち合わせが発生

    形骸化した会議や何も決まらない打ち合わせなどの発生も、残業時間が減らない要因の1つです。

    本来着手すべき業務への対応が遅れ、長時間労働が慢性化します。また、会議の数が増えるほど、会議資料を作成するための時間も確保しないといけません。売上に直結するコア業務へ割く時間が減り、受注率や受注件数が伸び悩みます。

    残業時間削減や業績拡大のためにも、形骸化している会議や打ち合わせは廃止しましょう。チャットツールやグループウェアを導入し、報告業務を簡潔化するのも有効な選択肢です

    原因3. 長時間労働を前向きに捉える企業文化の形成

    長時間労働をこなす従業員を高く評価する企業文化が形成されていると、残業時間の削減が難しくなります。就業時間内に仕事が終わっていても定時退社を続けていれば、企業への貢献度が低いと判断される可能性が高いからです

    人事評価でマイナス評価が下されると、給与の据え置きや賞与の減額など、報酬面で多大な悪影響が生じます。報酬は生活の安定に直結する部分であり、減収を避けるために残業を選ぶ従業員は少なくないでしょう。

    ですが、長時間労働は人件費高騰や健康リスク増大など、企業と従業員双方にとってデメリットが多い働き方です。管理職や経営層が長時間労働に対する意識を変えることが重要になります。

    原因4. 管理職のマネジメント不足

    管理職のマネジメント不足も、長時間労働が是正されない要因の1つです。管理職は、以下の内容を管理することが求められています。

    • 仕事の進捗状況
    • 勤怠状況
    • 仕事量

    コミュニケーション能力やマネジメントスキルが不足していると、具体的な指示を部下に送れません。優秀な従業員に仕事が集中し、特定の従業員だけ残業時間や休日出勤の頻度が増加します。

    勤怠管理システムを導入すると、部下の正確な勤怠状況をすぐに把握でき、過重労働を未然に防げます。

    マネジメントスキルを高めるため、管理職にコンプライアンス研修を受講させるのも1つの選択肢として考えるとよいでしょう。

    原因5. 求人を掲載しても応募が来ない

    新卒採用・中途採用どちらを選んだ場合でも、求人に応募が来ない限り人手不足は解消されず、残業時間も減りません。求人に応募が来ない理由は、求人媒体のミスマッチや労働条件の見劣りなど、様々な原因が考えられます

    求人に応募が来ない理由を分析する必要がありますが、人事担当者が多忙の場合は調査に割くための時間を確保できません。人的リソースに乏しい企業の場合、入社手続きや勤怠管理など、労務管理も兼任しているケースが珍しくないからです。

    新しい人材の獲得が難しい場合、他の方法を活用して人手不足解消を目指しましょう。たとえば、給与計算システムを導入すると、毎月の給与計算や帳票作成を自動化でき、担当者の業務負担を軽減できます。

    残業時間を削減する10の方法

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    下記に残業時間削減につながる方法を10個まとめました。1つではなく複数の方法を併用すると、業務効率改善効果をより実感できます。

    1. ノー残業デーを設定する
    2. 管理職が率先して定時に帰る
    3. 業務プロセスのデジタル化を推進する
    4. RPAを導入する
    5. フレックスタイム制の導入
    6. 裁量労働制を導入
    7. 在宅勤務の導入
    8. アウトソーシングを利用する
    9. BPOサービスを利用する
    10. 人材コンサルティング会社を利用する

    1. ノー残業デーを設定する

    ノー残業デーは、定時で仕事を終えて退社する日を企業側が設定する制度です。週に1日はノー残業デーを設定し、残業時間削減を目指しましょう。ノー残業デーを導入するメリットは、従業員が定時退社をしやすい点です。

    通常の勤務日と異なりオフィスにいる全員が定時で退社するため、従業員は周囲の目を気にする必要はありません。プライベートな時間を確保でき、日々の疲れやストレスを癒す時間に充てられます。

    ただし、顧客対応やクレーム対応など、緊急度の高い業務が発生した場合は、定時退社が難しいでしょう。別の日への振り替えや勤務状況に応じてノー残業デーを設定できるようにするなど、柔軟な仕組み作りが重要です。

      従業員 企業
    メリット ・プライベートな時間を確保できる
    ・周囲の目を気にする必要がない
    ・タスク管理やタイムマネジメントスキルを磨ける
    ・スキルアップに向けての時間を確保できる
    ・導入に費用がかからない
    ・コストを削減できる
    ・組織全体の生産性が高まる
    ・従業員のモチベーションが高まる
    デメリット ・別日に業務量が増えないよう、工夫が求められる ・顧客対応やシステム復旧作業など、急な依頼に対応できない
    ・部署間との協力体制を事前に築いておく必要がある
    ・柔軟な仕組み作りが求められる

    2. 管理職が率先して定時に帰る

    管理職が無駄に残業をせず、定時に退社するのも有効な方法です。上司よりも早く退社することに抵抗を覚える従業員は多いでしょう。管理職が定時に退社する姿勢を示すことで、他の従業員も「就業時間中に仕事を終わらせよう」とする意識が高まります

    顧客対応の質を落とさず定時退社を継続するためにも、相談や報告を就業時間中に済ませる姿勢を徹底してください。

      従業員 企業
    メリット ・上司の目を気にせず定時退社ができる
    ・長時間労働が評価される体制が無くなる
    ・タスク管理やタイムマネジメントスキルを磨ける
    ・上司とコミュニケーションを取りやすくなる
    ・組織全体で残業時間削減の意識が高まる
    ・コスト削減と業績拡大の両立が見込める
    ・組織全体の生産性が高まる
    デメリット ・上司が退社した後、スムーズに相談ができない
    ・相談や報告を優先したタイムスケジュールになる
    ・マネジメントスキルに長けた管理職がいないと難しい
    ・普段からコミュニケーションを取れる関係構築が求められる
    ・プレイングマネージャーには負担が大きい

    3. 業務プロセスのデジタル化を推進する

    業務プロセスをアナログからデジタルへ変換するのも、残業時間削減につながる方法の1つです。たとえば、web会議ツールを導入し、顧客との商談を対面商談からオンライン商談へ切り替えたとしましょう。

    営業担当者は顧客のもとへ移動する必要がなくなり、対面商談よりも1日に多くの顧客と商談できます。画面共有によって資料も共有できるため、商談前に事前準備を行う必要はありません。

    残った時間は提案資料作成やメール処理に充てることができ、業務効率化と顧客ロイヤリティ向上につなげられます。ただし、いきなりすべての業務プロセスをデジタルにする必要はありません。従業員に多大な負担がかかります。

    オンラインストレージやタスク管理ツールなど、導入しやすい部分からデジタル化を進めていきましょう。

      従業員 企業
    メリット ・働き方の多様化につながる
    ・情報共有がスムーズに行える
    ・業務を効率的に進められる
    ・書類の保管コストを削減できる
    ・働き方の柔軟性を高められる
    ・ペーパーレス化を促進できる
    ・業務効率改善が見込める
    ・BCP強化につながる
    デメリット ・ITリテラシーが求められる
    ・新たなツールを導入するたびに対応が求められる
    ・導入すべきツールが多岐にわたる
    ・検討や調査に時間が掛かる
    ・導入費用がかかる
    ・セキュリティ対策の強化が必要になる
    主なツール ・Web会議ツール
    ・ビジネスチャット
    ・オンラインストレージ
    ・タスク管理ツール
    ・SFA
    ・MA

    4. RPAを導入する

    RPA(Robotic Process Automation)は、人間の代わりにロボットへデスクワークを任せられるツールです。下記のルーティンワークを自動化できます。

    • データ入力
    • 注文書集計
    • 請求書作成

    自動化したい作業を事前に記録しておけば、手順通りにRPAが一連の作業を処理するため、従業員が作業を行う必要はありません。スケジューリング機能を活用すれば、忘れがちな作業も決まった時間に自動で処理を進められます。

    RPAは人間よりも正確性とスピードを高いレベルで両立できる点も魅力です。ミスの発生を心配する必要はなく、担当者は別の業務へリソースを集中できます。

      従業員 企業
    メリット ・他の業務にリソースを割ける
    ・ルーティンワークを自動化できる
    ・ミスの発生を心配する必要がない
    ・労働力不足を解消できる
    ・コア業務に人員を避ける
    ・業務の正確性とスピードを両立できる
    デメリット ・設定内容が間違っていると、全部の工程でミスが発生する
    ・業務プロセスを変更する場合、再設定が必要になる
    ・導入費用がかかる
    ・突然不具合が起きる可能性もある

    5. フレックスタイム制を導入する

    フレックスタイム制は、従業員が労働時間を自由に決められる制度です。1日の労働時間をコアタイムとフレキシブルタイムに分け、フレキシブルタイムで仕事を続けるかどうかは、従業員自身が判断します。

    労働時間は、1〜3か月単位の清算期間における法定労働時間の枠組みで調整するため、1日8時間の法定労働時間を守る必要はありません。1日10時間働く日があっても、トータルの労働時間が法定労働時間の枠組みを超えなければ、残業時間とはみなされないためです

    仕事の進捗状況に合わせて労働時間を調整できるため、育児や介護との両立も見込めます。ただし、従業員が高いマネジメントスキルを習得しているのが運用の条件です。

      従業員 企業
    メリット ・自由度の高い働き方を実現できる
    ・プライベートの充実を図りやすい
    ・育児や介護との両立が望める
    ・ワークライフバランスを改善できる
    ・優秀な人材の流出を防げる
    ・自社のイメージアップにつながる
    デメリット ・高いマネジメントスキルが求められる
    ・他の従業員とのコミュニケーションを交わす機会が減る
    ・成果重視の人事評価となる
    ・勤怠管理が複雑になる
    ・コミュニケーション不足に陥りやすい

    6. 裁量労働制を導入する

    裁量労働制は実労働時間にかかわらず、事前に設定したみなし時間分を働いたと換算する勤務形態です。1日のみなし時間を8時間と定めた場合、実労働時間が5時間や10時間だったとしても、労働時間は8時間と換算されます。

    1日8時間を超えるみなし労働時間を設定しない限り、残業手当は発生しません。ただし、深夜労働や休日労働が発生した場合は、割増賃金の支払い義務が発生するため、混同しないよう注意しましょう

    管理コストを削減できる点が、企業にとってのメリットです。一方、従業員は始業終業時刻や労働時間を自由に設定できます。

    ですが、業務量と報酬が見合っていない場合、従業員側が損をする可能性が高くなるでしょう。

      従業員 企業
    メリット ・労働時間を自由に設定できる
    ・無駄な拘束時間が発生しない
    ・勤怠管理や人件費の管理が楽になる
    ・残業代の支給を抑えられる
    デメリット ・基本的に残業代は支給されない
    ・業務量と報酬が見合っていない場合は不利益を被る
    ・導入に手間が掛かる
    ・適用できる職種は一部に限定される

    7. 在宅勤務を導入する

    在宅勤務は自宅で業務を行う勤務形態です。通勤時間をプライベートな時間に充てられます。満員電車での通勤にともなう心身の消耗やストレスの蓄積から解放される点も、大きなメリットでしょう。

    在宅勤務はオフィスワークと異なり、部署のメンバーから話しかけられることもありません。作業を中断されず自分のペースで仕事を進められるため、就業時間中の集中力やパフォーマンスが高まります。

    一方、在宅勤務を導入するためには、web会議ツールやオンラインストレージなど、様々なツールの導入が必要です。勤怠管理や人事評価の方法も、オフィスワークとは異なる形での運用が求められます

      従業員 企業
    メリット ・通勤時間を有効に活用できる
    ・通勤でのストレスから解放される
    ・自らの業務に集中しやすい
    ・育児や介護との両立も見込める
    ・ワークライフバランスを改善できる
    ・職場内クラスターの発生を抑えられる
    ・コストを削減できる
    ・優秀な人材の流出を防げる
    デメリット ・オンとオフの境界線が曖昧になる
    ・人によっては集中できない可能性もある
    ・気軽にコミュニケーションを取りづらくなる
    ・オンラインで業務を遂行できる体制の確立が前提になる
    ・コミュニケーション不足への対策が求められる
    ・アナログ式の勤怠管理は使えない
    ・従業員の仕事ぶりや勤務態度を直接確認できない

    8. アウトソーシングを利用する

    アウトソーシングは、外部企業に業務プロセスの一部を委託することです。労働力不足解消と業務効率化を同時に図れる手段として、アウトソーシングを導入する企業が増えています。人事や経理など、バックオフィス業務を中心に委託が可能です。

    アウトソーシングをサービスとして提供する企業には、豊富な実務経験を持つスタッフが多数在籍しています。従業員をコア業務に集中させられるだけでなく、業務の品質向上を望める点がメリットです

    一方、勤怠管理や給与計算など、従業員の個人情報を多く含む業務を依頼する場合は、注意が必要になります。情報漏洩を招かないよう、強力なセキュリティ対策を講じている企業を選びましょう。

      従業員 企業
    メリット ・業務負担が減る
    ・安心して業務を任せられる
    ・コア業務にリソースを割ける
    ・人手不足を解消できる
    ・業務品質の向上も望める
    デメリット ・ノウハウが蓄積されない ・依頼する業務が多過ぎると、費用が高騰する
    ・情報漏洩を招く可能性がある

    9. BPOサービスを利用する

    BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスは、業務プロセスの企画から設計まで外部企業に委託できるサービスです。採用戦略の立案や人事評価制度の設計など、アウトソーシングでは依頼できない高度な業務内容も依頼できます

    業務領域はバックオフィス業務が中心ですが、近年はマーケティングや営業代行も企業によっては依頼可能です。専門的なスキルやノウハウを持つ企業に、業務プロセスの設計から計画までを依頼したい場合は、BPOサービスを利用しましょう。

    ただし、委託する業務量が多いと、アウトソーシング同様に費用が高騰します。事前に委託する業務の範囲を絞り込んでおくことが重要です。

      従業員 企業
    メリット ・業務負担が減る
    ・別の作業に時間と労力を割ける
    ・専門性の高い業務も依頼できる
    ・業務を効率化できる
    ・リソースをコア業務に割ける
    ・業務の品質向上が望める
    デメリット ・実務経験やノウハウが蓄積されない
    ・コミュニケーションコストが増える
    ・依頼する業務量が多いと、費用対効果が悪化する
    ・個人情報を多く含んだ業務を依頼する場合、情報漏洩のリスクが高まる

    10. 人事コンサルティング会社を利用する

    人事コンサルティング会社は、以下のいずれかの領域に特化した企業です。

    • 採用
    • 人事制度
    • 人材育成

    人事担当者の業務負担軽減や人事領域での課題解決を図る場合に、人事コンサルティング会社を利用します。

    自社の課題を正確に反映した提案やアドバイスを受けられる点が、人事コンサルティング会社を利用するメリットです。人事評価制度の整備や研修内容の企画等、工数の掛かる業務も任せられます。

    無駄な費用の発生を避けるためにも、事前に人事業務のどの部分で課題を抱えているか、把握しておくことが重要です。

      従業員 企業
    メリット ・業務負担を減らせる
    ・次に取るべき行動が明確になる
    ・工数の掛かる業務を任せられる
    ・人事担当者の業務負担を減らせる
    ・自社の課題を正確に反映したアドバイスを受けられる
    ・一部の作業を任せられる
    デメリット ・ノウハウが蓄積されない
    ・相性が合わないと、コミュニケーションコストが多大に発生する
    ・費用がかかる
    ・現状把握が必要になる

    まとめ

    今回の記事では以下の4点について解説してきました。

    • 残業時間増加のデメリット
    • 残業時間削減によるメリット
    • 残業時間が減らない原因
    • 残業時間を削減する方法

    残業時間が減らない理由は、無駄な会議の発生や管理職のマネジメント不足などが原因です。残業時間が増加すると、人材流出やブランドイメージ低下など、様々な悪影響を及ぼします。

    ですが、どのように対処すべきかわからない方も多いでしょう。

    比較ビズ」を利用すれば、必要事項を入力する2分程度の手間で、豊富な研修実績を持つBPOサービス専門会社や人事コンサルティング会社を探し出せます。複数の会社に無料で相談できる点も、嬉しいポイントです。

    残業時間削減の方法がわからずお困りの方は、比較ビズの利用をご検討ください。

    監修者の一言

    残業の削減は経営の視点から見ると大きく二つの側面があります。一つは、環境・社会・統制(ESG)が投資の要件になり、人道主義はサプラーチェーンにまで範囲が広がってきていることの影響です。

    残業削減は一つの影響の表れとして投資、融資の具体的要件になり、その成果も見られることになっていくでしょう。今後必ず取り組まなければならない経営上の課題の一つになるということです。

    残業の削減のメリットを生かし、デメリットを小さく抑える状況を作り出す、それを醸成・定着させることができる社内風土にするには時間がかかります。早くに取り組むことが上策といえます。

    二つ目は、社員の視点から見た残業削減の影響です。言わずもがなですが、単に実行すれば社員の減収につながります。残業時間をあてにしてきた生活ができなく苦しくなる社員もいるでしょう。

    この残業時間を削減することと、社員の生活を現状より劣化させないことは、企業の生き残り継続、さらに発展していくためには欠かせず、何とか両立させなければなりません。

    規則を作って従わせるでは解決はできません。社員が自らの意思で積極的に知恵を出し、実行し、改善成果を出すことしか、この相反する命題を解決する方法はありません。経営者はそのおぜん立てをし、見守るのが役割かもしれません。

    有限会社兼子経営
    代表取締役 兼子俊
    監修者

    埼玉大学電気工学科卒業、同専攻科修了後、製造業に勤務し、広島で中小企業診断士の資格取得を機にコンサルティング会社を起業する。現在起業より24年目になるが、当初は経営の営業、製造等の個別の機能、ISO取得等をコンサルティング支援しており、約十年経過後ISO関連事業を協力者に譲り、当初独立の目標であった経営・事業支援を中心に事業活動をはじめ現在に至る。この間広島中小企業診断協会の理事、専務理事、現中小企業基盤整備機構のチーフアドバイザー、中国経済産業局の事業評価委員などを務めた。特に経済産業局の事業評価委員の6年の経験はのちのコンサルティングに大きな影響をのこす。経済産業省中国経済産業局、財務省中国財務局の認定になる「経営革新等支援機関」として昨年再認定をいただき、活動している。個人としては中小企業診断士、ITコーディネータの資格を持ちコンサルティングに勤めている。

    比較ビズ編集部
    執筆者
    比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。
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