導入事例から学ぶ人事評価制度の成功と失敗「比較ビズ」

導入事例から学ぶ人事評価制度の成功と失敗

更新日:2018年05月30日 発注カテゴリ: 人事・評価制度構築
導入事例から学ぶ人事評価制度の成功と失敗

人事評価制度はいざ導入しても、上手くいく場合と上手くいかない場合があると思います。そのため事前に様々な手法を知っておくと良いでしょう。そこで今回は、様々な人事評価の手法を解説しました。人事評価制度の導入をお考えの方は、ぜひご参考にしてください。



「カルピスの原液を作らないとダメ」−−。AKB48をイノベートした秋元康さんの言葉です。カルピスの原液さえ作れば、カルピスウォーターにしたい、カルピスソーダにしたい、カルピスアイスクリームにしたいと色々なアイデアが生まれます。

カルピスの原液を誰でも使えるオープン・イノベーション・プラットホームで提供すれば、秋元さんも思いつかない協業可能なアイデアを誰かが提案してくれます。プロトタイプの人事評価制度もカルピスの原液です。そのままでは美味しくありませんし、自社に適合しません。

ケーススタディ(事例研究)の目的は、カルピスウォーターを作ることであり、自社に適合する人事評価制度を作ることです。事例研究を通じて、自分で問題を発見し、問題を解決しなければなりません。「教えてもらう」のではなく、「自ら習う」のです。

事例研究が有益な点は、同じ状況でも対応する人や組織によって、問題解決の方法が変わるような場合です。このような場合、色々なシチュエーションを疑似体験することで、独自の解決方法を導き出すことができます。もちろん、同じ失敗を繰り返すリスクを回避できますし、同じ問題が発生したときに備えることもできます。

その一つは「成功事例」を学ぶこと、もう一つは「失敗事例」に学ぶことです。成功事例には共通項が少ないのですが、失敗事例には共通項が多いからです。勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなしです。成功事例と合わせ、失敗事例をご紹介します。

事例 嵬槁鹸浜(MBO)」

目標管理制度は、経営学の父と称されるピーター・ドラッガーが自著の中で提唱した「目標」でマネジメントする人事評価制度です。

従来の組織の目標、チームの目標から個人の目標に重心を移し、そのゴールまでのプロセスを個人の裁量に委ね、個人の自主性を引き出すことで、組織のイノベーションを推進する組織運営の仕組みづくりに利用されています。目標設定のポイントは、ゞ饌療で適正な目標の設定、∋間軸の設定、L槁犬鮹成する方法の明記、ち反ヌ槁犬噺朕楊槁犬隆慙∪などです。

当初は目標設定による主体性向上、モチベーションアップ、問題解決力向上が目的でしたが、現在は組織目標達成、能力向上、人事評価に応用されています。ただ、評価者の負担が大きく、制度を適切に運用するミドルマネジメントの育成が課題とされています。

仮に、お手本通りのMBOを導入したとしましょう。緻密に設計された制度でも、「目標設定していないことはやらない」という大きな問題に直面します。そのため、再設計を余儀なくされます。例えば、本当に価値あるフォーカス目標に絞り込み、その目標を上司と部下の対話の中でフレキシブルに見直すことです。

もう一つの問題は評価と報酬がリンクしていることです。仮に、MBOを廃止すると、「報酬をどう決めるか」という新たな問題が生じます。MBOを導入することで、組織目標が達成されること、人材を育成することが両立できるとは限らないようです。

事例◆屮灰鵐團謄鵐掘次

コンピテンシーとは、業務で成果を上げる人たちに共通する「望ましい行動特性」と解釈されています。評価基準にコンピテンシーを採用する目的は、評価の納得性を高めることです。コンピテンシーは高い成果を上げた人たちの行動パターンや思考パターンから抽出されているので、コンピテンシーの実践が高い確率で高い業績に結び付くことが実証されています。

そのため、コンピテンシーを評価基準に採用することで、より高い評価の納得性が得られるわけです。また、組織の盛衰に係るコア人材の選抜や抜擢でも納得性が得られやすいので、適材適所の実現をアシストすることも利点の一つに挙げられています。

従来の人材育成は人事労務管理の一部と捉えられてきましたが、現在は競争力の源泉と位置付けられ、経営戦略の一部と捉えられています。コンピテンシーの有効活用で、経営戦略と連動する人事戦略に取組む企業も少なくありません。B社(玩具メーカー)もその一つです。

B社では既存の人事評価の弊害で、社員のモチベーション向上と業績向上に問題を抱えていました。そのため、新たに2つの人事評価制度「コンピテンシー(行動)」と「アウトカム(成果)」を導入したそうです。

同時に、高い行動力を持つ人材は昇給・昇格で、高い成果を上げた人材は賞与で評価する納得と理解を得られやすいシンプルな評価基準に改めます。コンピテンシーは作成者を3層に分け、経営者が作成する「共通のコンピテンシー」、現場の社員が職種別に作成する「専門のコンピテンシー」、役職者が作成する「リーダーシップのコンピテンシー」を採用します。

その結果、「自分たちが作成したコンピテンシーだから自分たちが責任を負わなければない」と行動変容(無関心期→関心期→準備期→実行期)をもたらし、業績向上に結び付いたそうです。この事例の成功要因は、行動と成果の2軸評価でコンピテンシーだけに頼らないバランスの取れた評価制度にカスタマイズしたことです。

事例「多面評価(360度評価)」

多面評価とは、同部門の上司や同僚、部下、そして他部門の担当者、取引先や顧客などすべての角度(360度)から人材を評価する制度です。直属の上司からの評価に、複数の内外関係者からの評価を加えることで、客観性と公平性を高め、納得感を得られやすくします。

評価のズレや偏りを補正できるので、人事評価の結果を人材育成(本人の強み・弱みに気付きをもたらし、自己成長に結び付ける)に活用できます。C社(製薬メーカー)は、2005年に多面評価を本格導入しました。多面評価の目的をー分が周囲にもたらす影響力の理解、⊆分の認識と他社の認識の差に対する理解、より深い自己認識を踏また行動計画の策定に絞っています。

結果の活用は人材育成に限定しており、昇給や昇格に反映していません。被評価者に気付き(理解)のアドバイスや期待のメッセージを伝えることに主眼が置かれているので、人事部が結果を直属の上司に報告していませんが、多くの被評価者は自主的に報告しているそうです。それが360度フィードバックの期待効果です。

事例ぁ崋最垰例の共通項」

中小企業で多く見られる失敗事例の一つが「評価者(リーダー)の不満」による人事評価制度の頓挫です。リーダーが個人の売上目標を持っている場合、売上を優先するか、評価を優先するか、というジレンマに陥り、不満が増大しがちです。

この場合、評価制度=人材育成という意識を徹底するため、リーダーは評価を通じて売上に貢献していること、評価はリーダーの必須業務であることを伝えるべきでしょう。もちろん、リーダーから評価される部下の不満も少なくありません。その結果が給与や賞与に反映されるのであれば尚更です。

特に、客観的で公正な結果が得られたとしても、給与や賞与との結びつきが曖昧であれば不満が増大します。もちろん、社員のモチベーションが低下しますし、目標達成が遠のきます。必要な原資に制約がある場合、見えないインセンティブの付与を選択肢に加えるべきでしょう。

インセンティブは昇給や昇進だけではありません。「やりがい」もインセンティブの一つです。やりがいとは、能力に応じた業務や役割を任せること、つまり、適正な評価を行うことです。それが、人事評価制度のあるべき姿です。

導入事例から学ぶ人事評価制度の成功と失敗

気に入ったら「いいね!」をクリック
比較ビズがビジネスに役立つ情報をあなたにお届けします

比較ビズへ掲載しませんか?

不透明な見積もりを可視化できる「比較ビズ」

比較ビズは「お仕事を依頼したい人と受けたい人を繋ぐ」ビジネスマッチングサービスです。
日本最大級の掲載企業・発注会員数を誇り、今年で運営13年目となります。
比較ビズでは失敗できない発注業務を全力で支援します。

日々の営業活動で
こんなお悩みはありませんか?

営業活動でよくある悩み

そのお悩み比較ビズが解決します!

詳しくはこちら
お電話での見積もりはこちら