人事考課と人事評価は何が違う?人事考課制度の効果を高めるポイント「比較ビズ」

人事考課と人事評価は何が違う?人事考課制度の効果を高めるポイント

更新日:2018年05月15日 発注カテゴリ: 人事・評価制度構築
人事考課と人事評価は何が違う?人事考課制度の効果を高めるポイント

人事考課と人事評価の違いを説明することができる人というのはあまり多くないと思います。この二つの違いを知ること、またあまり知られていない人事考課の重要性を知ることで企業の人事制度自体の効果を上げることが期待できます。人事制度の見直しをしようと考えている方は参考にしてください。



歴史は「偶然」の積み重ねです。例えば、織田信長です。信長的人事考課制度のロジックは、単純明快です。「高い成果を出した者はだれか」「リーダーの才覚を持つ者は誰か」です。今の人事考課制度とさほど変わりませんが、決定的な違いがあります。それは「感情的か」「客観的か」です。

人が人を評価すること、考課することには限界があります。人には感情があるので、評価や考課を客観的なロジックで固めることはできません。人には好き嫌いがあるので、評価者や考課者は限界があることを十分認識し、それを最小化する努力が求められます。

歴史に「たられば」はありませんが、もし明智光秀の人事考課が客観的であれば、どうでしょうか。歴史は変わったはずです。組織に「たられば」はありませんが、もし人事考課に優劣があれば、どうでしょうか。組織は変わったはずです。人事考課制度の「たられば」をゼロにする「効果」の高め方をご紹介します。

人事考課と人事評価の違い

考課と評価の違いは何でしょうか。言葉のとしての意味を見てみると、考課とは「公務員や会社員などの勤務成績を評価し、優劣を定めること」、評価とは「特定の事物や人物に対し、その意義や価値を認めること」です。考課とは狭い意味で人の勤務成績上の優劣を決めること、評価とは広い意味で、モノや人の価値を判断することです。

つまり、人事考課とは、社員の貢献度、遂行度、業績、能力を評価し、昇給や昇進を含むインセンティブに反映する仕組みです。給与や賞与、昇進や配置転換などを行う際の判断基準です。これに対し、人事評価とは業務の遂行度、業績などについて、その良し悪しを判断し、結果を人材育成などに役立てることで、組織のパフォーマンス向上を推進する仕組みです。

でも、明確な使い分けがなされていない場合は、ほぼ同じ仕組みと考えても差し支えありません。同一視される理由は、2010年以降、多くの企業が人事考課制度の改定に取組むようになったからです。

具体的には目標管理(MBO)を継続するものの、評価と処遇の連動を廃止し、結果のフィードバックに重点を置き、適材適所の推進や人材育成の強化など人事評価制度の色合いを強めているからです。そのため、人事考課制度の設計や運用が大きく様変わりしています。

狙いは適正なインセンティブの付与

経営者にとって、人事考課制度とは賃金査定や能力査定の判断基準であり、その狙いは適正なインセンティブの付与です。インセンティブを効果的に付与することで、社員の行動を組織の方針に沿う方向に誘導できます。

個人の努力や協働の意欲を引き出すことも可能で、結果として競争優位の源泉となり、企業の収益と存続に寄与します。そのため、人事考課制度の最適な設計と運用を経営課題の一つに位置付ける企業が少なくありません。

ただ、人事考課制度のアウトカムやプロセスに問題がないものの、給与や賞与に反映されないケースも見受けられます。例えば、必要な原資が足りない場合です。業績が右肩上がりの場合はプラス・サムが可能でしたが、今はどうでしょうか。適正な利益の再配分も課題の一つかもしれません。

目的は「見える化」と「モチベーション」

人事考課制度の目的は「成果の見える化」と「モチベーションの向上」です。組織が目指す方向性と社員に求める能力を見える化することで、ゴールの設定、ルートの設定、現在地の表示が容易になります。モチベーションの向上とは達成感のことです。

例えるなら、勉強が終わった項目を一つずつホワイトボードに赤線を引いていく動作と似ています。全部消し終わると達成感が得られます。「これをやれ」ではなく、「これをやろう」です。社員の「やる気」を引き出すわけです。社員がモチベーションの向上を意識するだけで、生産性や成果が大きく変わります。

考課の尺度は「4つの基準」

人事考課制度の尺度(基準)は4つです。「成果(業績)基準」「能力基準」「情意基準」「目標管理能力基準」です。業績考課とは、一定期間の目的達成度やその過程を評価することで、給与査定や賞与査定に用いやすい基準です。ただ、業績は数値化されているので容易に判断できますが、その過程を客観的に判断するのは困難です。

目標達成に至る過程を判断する場合、評価者(主に上司)の判断が信長的になることもある得るので、一緒に業務に携わるリーダーや同僚の意見も参考にするべきでしょう。能力考課では、業務を通じて身に着けた業務遂行能力を評価します。具体的には企画力、提案力、実行力、問題発見力、問題解決力などです。

特に、難易度の高い業務の達成度や緊急時・突発時の行動と結果が評価のポイントです。能力を「発揮できたか」を測る基準です。情意考課とは、業務に取組む姿勢や人柄などを測る基準で、主に責任感、積極性、協調性、誠実さが考課の対象です。

主観が入りやすい考課ですが、勤務態度や業務態度は必ず行動結果となって現れます。主観的にならないよう、業務に係る複数の人から考課の判断材料を収集するべきでしょう。目標管理能力考課は、目標設定時から目標評価時までの管理能力を評価します。

目標管理能力とは、目標を達成するための能力です。目標が未達であれば、管理能力がないと評価されがちですが、それよりも達成可能な目標を設定できる能力を身に着けさせるべきでしょう。

課題は「バイアスの最小化」

人事考課では客観性を担保できなければ、不満が増幅し、逆効果をもたらします。評価者のバイアス(先入観)を最小化することが課題です。特に、気を付けたいのが「ハロー効果」です。

ハロー効果(後光効果)とは認知バイアスとも呼ばれるもので、被評価者を考課する際、目立つ特徴に目が奪われ、他の特徴の考課が歪められる現象のことです。つまり、1つの項目の考課が良い(悪い)と他の項目の考課も良い(悪い)傾向に陥りやすく、特定の考課が著しく高いと感じた時に別の考課を低くする傾向に陥りやすいということです。

それを避けるために、甘めの考課をしたり、無難な考課をすると、人事考課の意味を失います。例を挙げてみましょう。Aさんは、期首目標が未達です。業績考課は60点です。ですが、上司に協力的で、チームの同僚や部下からも慕われています。

その優等生的な姿勢や態度に目を奪われ、能力考課と情意考課を甘めに評価し、総合評価を80点としました。逆に、Bさんは期首目標を達成しました。業績考課は90点です。本来であれば、実績に目を奪われがちですが、上司の指示に従わないことがありました。

そのため、情意考課を辛めに評価し、総合評価を80点としました。AさんとBさんは同じ昇給となります。この場合、上司の感情がバイアスとなり、Aさんの良い点、Bさんの悪い点がハロー効果となり、評価を歪めたことになります。このようなバイアスを予防するためには、誰が見ても客観的で公正な基準を作ること、複数人で考課する仕組みを採用することが必要です。

人事考課は社員のやる気を引き出すツールですが、使い方次第でやる気をそぐツールに変わります。諸刃の剣であることを理解し、正常に機能しているかどうかを定期点検するべきでしょう。日本は伝統的に和を重んじる国です。組織もそうです。

ですが、不満が表立って見えない状態や利害関係のバランスがかろうじて保たれている状態は本来の和でしょうか。本来の和はチームビルディングから生まれます。それは仲間が志を一つにし、一つのゴールに向かって進む組織作りです。それが人事考課制度の究極の目標かもしれません。

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