【必見】組織戦略に役立つフレームワーク8選を紹介!策定のポイントも解説
- 組織戦略ではなぜフレームワークを用いたほうがいいの?
- 組織戦略に役立つおすすめのフレームワークはある?
- フレームワークを組織戦略に活用するポイントは?
「組織戦略にフレームワークを活用したいけど難しい...」という方必見!
この記事では経営者や人事担当者の方に向けて、フレームワークを活用した組織戦略の立て方について解説。
最後まで読めば、フレームワークの詳しい内容・活用方法が分かります。
目的別に活用できるフレームワークを紹介するので、これから組織戦略を立てようと検討している方はぜひ参考にしてください。
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組織戦略とフレームワークの関係性
ビジネスにおける「フレームワーク」とは、膨大な情報を整理するために活用する「思考の枠組み(framework)」のことです。
システム開発のベースとなるプログラム(フレームワーク)と区別する意味合いで、「ビジネスフレームワーク」と呼ばれる場合もあります。
組織戦略とは「理想の企業に向かうためのシナリオ」
組織戦略とは、組織・企業が理想の姿に向かうためのシナリオ・道しるべです。
「戦略」と「戦術」は混合されやすいですが、戦略は「シナリオ」に対して、戦術は「手段」ですので、全く異なるものと認識する必要があります。
理想とする組織の在り方を明確にしたうえで、どのような過程を経て、どのようなアプローチをしていくのかを戦略として練っていきましょう。
組織戦略の目的は「組織目標のスムーズな達成」
組織戦略を組む目的は、掲げる目標をスムーズかつ効率的に達成することです。
目標を掲げても達成への明確な道筋がなければ、社員が共通の認識が持ちづらく組織全体が上手く機能しない可能性があります。
組織として目標を掲げる際は、必ずその道筋となる組織戦略を組み、全員が同じ方向に向かえるように社員へ共有しましょう。
組織戦略にフレームワークを用いる理由は「客観的に捉えるため」
近年、組織戦略にフレームワークを用いるケースが多くの企業で増加してきています。その理由は物事を「客観的に捉えるため」です。
自社の現状と将来を見つめる中で、主観的な見方で自社を見てしまい、自社の課題・ビジョン・戦略に客観性が損なわれる場合があります。
実績があるフレームワークを用いることで、客観的な視点で課題や現状を把握し、偏りや見落としも生じにくい組織戦略を組みましょう。
組織戦略に応用できる8つのフレームワーク
組織戦略に応用できるフレームワークは、以下の8つが挙げられます。
- マッキンゼーの7S
- MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)
- PEST分析
- SWOT分析
- TOWS分析(クロスSWOT分析)
- PPM分析(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)
- ロジックツリー
- ビジネスロードマップ
マーケティング戦略で活用できるフレームワークの多くが組織戦略に応用できますので、フレームワークを理解して組織戦略に組み込んでみましょう。
1. マッキンゼーの7S
マッキンゼーの7Sとは、組織に必要不可欠な「7つの経営資源と要素間の連携を把握する目的」を達成するために示したフレームワークです。世界的に有名なコンサルティングファームであるマッキンゼー・アンド・カンパニー社が提唱したモデルとなっています。
組織の要素を7つのSで表し、それぞれの要素間の関係性について明らかにできます。7つのSは以下の通りです。
- 戦略(Strategy)
- 組織(Structure)
- システム(System)
- 価値観(Shared Value)
- スキル(Skill)
- 人材(Staff)
- スタイル(Style)
7Sは、組織の戦略や構造に関する「ハードな3S」と、人やスキルに関する「ソフトの4S」に分類されます。
ハードの3S
7Sのうちのハードの3Sに分類されるのは、以下の3つです。
- 戦略(Strategy)
- 組織(Structure)
- システム(System)
組織の戦略や構造に関する要素が分類され、掲げた目標に向けてどのような組織構造・戦略・システムで取り組んでいけばいいのかを把握できます。
経営に関わる上層部の意思決定や意見次第で改善が比較的安易にできる点が特徴です。
ソフトの4S
7Sのうちのソフトの4Sに分類されるのは、以下の4つです。
- 価値観(Shared Value)
- スキル(Skill)
- 人材(Staff)
- スタイル(Style)
人やスキル関する要素が分類され、社員のスキルレベルや育成状況・社内で価値観が共有具合を把握できます。
社員個人の能力や社員同士のコミュニケーションに関わる問題ですので、ハードの3Sに比べて改善に時間がかかるのが特徴です。
2. MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)
「MVV」とは、営利企業として自社が社会に存在する意義や果たすべき役割を明確にし、組織内の全従業員で認識を共有するためのフレームワークです。
Mission(ミッション) | なぜ存在するのか・果たすべき会社の役割 |
---|---|
Vision(ビジョン) | なにを実行するのか・会社として目指す理想の姿 |
Value(バリュー) | ミッション・ビジョンを実現するために求められる姿勢・価値観・行動指針 |
MVVは「Mission(ミッション)」「Vision(ビジョン)」「Value(バリュー)」の略称です。
ミッションを達成するためにはビジョンを実現する必要があり、ビジョンを実現するためには共通の価値観・行動指針であるバリューが必要、というのがMVVの概念です。
3. PEST分析
「PEST分析」とは、自社ビジネスを取り巻く外部環境が、現在・将来にどのような影響を与えるのかを把握・予測するためのフレームワークです。
PESTはそれぞれ「Political(政治)」「Economy(経済)」「Society(社会)」「Technology(技術)」の略称です。
主に事業戦略策定の際に活用されるフレームワークで、5年〜10年と長期的なスパンで外部環境を予測する「マクロ環境分析」であることが特徴です。
4. SWOT分析
「SWOT分析」とは、意思決定や戦略策定に役立てていくフレームワークです。自社を取り巻く外部要因、自社の内部要因をそれぞれ「ポジティブ」「ネガティブ」に分類して分析します。
SWOTはそれぞれ「自社の強み(Strength)」「自社の弱み(Weakness)」「顧客・市場の機会(Opotunity)」「競合の脅威(Threat)」の略称です。
チャンスを意味する「Opotunity」とリスクを意味する「Threat」は、PEST分析・3C分析の結果が当てはめられます。そのため、SWOT分析は「PEST分析」「3C分析」と組み合わせて利用される場合がほとんどです。
5. TOWS分析(クロスSWOT分析)
「TOWS分析」とは、SWOT分析の結果から戦略・対策を導き出すために、それぞれの項目を掛け合わせて分析するフレームワークです。
下図のような「TOWSマトリクス」を作成し、当てはまる項目ごとに異なる方向性の戦略を検討します。
S × O(maxi × maxi) | 自社の強みを活かして外部機会を拡大する戦略 |
---|---|
S × T(maxi × mini) | 自社の強みを活かして外部脅威に対処する戦略 |
W × O(mini × maxi) | 自社の弱みを補完して外部機会をつかむ戦略 |
W × T(mini × mini) | 自社の弱みと外部脅威を最小化する戦略 |
TOWS分析は、経営戦略・マーケティング戦略の策定だけでなく、組織内における個人の能力開発を促進にも活用できます。
6. PPM分析(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)
「PPM分析」とは、経営資源の投資配分を分析するためのフレームワークです。
PPMとは「Product Portforio Management(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)」の略称となっています。
市場成長率・市場占有率(マーケットシェア)の2軸で構成された4つの枠に、自社事業・製品・サービスなどを配置して分析を行います。
意味 | 投資配分の考え方 | |
---|---|---|
Star(花形) | シェアが高いため利益を出しやすいが成長率も高いため競争が激しい | 継続した積極投資が必要な分野 |
Cash Cow(ドル箱) | シェアが高く競争も穏やかなため安定した利益を得やすい | 積極投資はあまり必要ではないため、他の分野への利益分配を検討 |
Problem Child(問題児) | 競争が激しくシェアが低いため利益を出しにくい | Starへ変化する可能性があるため余剰リソースを集めてシェア拡大を狙う |
Dog(負け犬) | 競争もないがシェアも低いため利益が出ない | 整理やリソースの再配分などを検討すべき分野 |
2軸上にプロットされた4つの枠の意味、投資配分における基本的な考え方を理解して、組織戦略に活用しましょう。
7. ロジックツリー
「ロジックツリー」とは、課題をツリー状に分解して要素を掘り下ることで、解決方法をロジカルに考えるためのフレームワークです。
同じレベルの構成要素を体系的に比較できるロジックツリーは、解決方法を導くための「検討・思考」段階として活用されます。
ロジックツリーと似た構成を持つフレームワークに「ピラミッドストラクチャー」があります。課題を細かな要素に分解するロジックツリーに対し、根拠を積み上げて意見の正当性を主張するのがピラミッドストラクチャーというのが両者の違いです。
「検討・思考」のために活用するロジックツリー、「説明・説得」のために活用するピラミッドテクスチャーと、理解することで的確に活用しましょう。
8. ビジネスロードマップ
「ビジネスロードマップ」とは、中間目標としてのKPI・最終目標としてのKGIを設定することで、期限までに必要な行動をロードマップとして表したフレームワークです。
最終的なゴールとなる「達成目標」と、過程の中で達成すべき中間目標(マイルストーン)を定め、それぞれの期限と行動計画を策定しましょう。
組織戦略の立て方と活用できるフレームワークを解説!
組織戦略において、場面ごとに活用できるフレームワークは以下の通りです。
現状の課題・ビジョンの確認 | 7S・MVV |
---|---|
求める人材像の設定 | PEST分析・SWOT分析・TOWS分析 |
課題における解決策の策定 | PPM分析・ロジックツリー |
戦略プロセスの策定と実行 | ビジネスロードマップ |
紹介したフレームワークを適切な場面で活用することで、組織戦略を上手く立てていきましょう。
1. 現状の課題・ビジョンの確認:7S・MVV
組織戦略を立てるうえで、先ずすべきことは「現状の課題・ビジョンの確認」です。組織戦略の実行プロセスに一貫性を持たせるためにも、ミッション・ビジョンに整合性が合う目的を定めることが重要です。
第1ステップでは「7S・MVV」を活用しましょう。「7S・MVV」を活用することで、主に以下の3つの効果が得られます。
- 従業員のエンゲージメント向上
- ミッション・ビジョンを広く公開することによる採用のマッチング実現
- 共通の指針を全従業員で共有
現状把握・分析することで課題を明確化できる7Sと、社会での役割を組織内の全従業員で認識・共有するMVVを効果的に活用しましょう。
2. 求める人材像の設定:PEST分析・SWOT分析・TOWS分析
次にミッション・ビジョンを振り返ることで確認できた経営目標をもとに、自社が求める人材像を設定しましょう。
第2ステップで活用できるフレームワークは「PEST分析」「SWOT分析」「TOWS分析」です。以下のような流れでフレームワークを活用していきましょう。
- PEST分析で主に労働環境を取り巻く外部要因を把握
- SWOT分析で人的リソースに関する自社の強みと弱みを理解
- TOWS分析で現状に応じた解決策を導き出す
経営目標を達成するために、「どのようなスキルを持った人材」に「どのように働いて欲しいのか」の具体化をしていきましょう。
3. 課題における解決策の策定:PPM分析・ロジックツリー
続いて求める人材像の設定と並行して、現状の課題を抽出し解決策を検討していきましょう。
第3のステップで活用したいフレームワークは「PPM分析」「ロジックツリー」です。
市場における自社事業の立ち位置を明らかにし、既存リソースの再配分の検討を「PMM分析」を活用して行いましょう。
複雑な要素が絡む課題は「ロジックツリー」を活用することで、課題の要素を細分化し解決の糸口をつかめます。
4. 戦略プロセスの策定と実行:ビジネスロードマップ
組織戦略の目的・求める人物像・現状の課題と解決法を検討したのち、具体的な戦略プロセスを策定して実行しましょう。ここでは、実行した戦略プロセスを振り返り、施策を継続的に改善していくことが重要視されます。
第3のステップで活用したいフレームワークは「ビジネスロードマップ」です。精度の高い組織戦略へと改善・ブラッシュアップするには、「仮説をもとに立てた目標がどのくらい達成できたのか?」チェックする必要があります。
ビジネスロードマップを活用することで、中間目標ごとの目標達成率・担当者がなにをすべきかが明確になります。
組織戦略の質を高める3つのポイント
組織戦略の質を高めるには、3つのポイントが挙げられます。
組織戦略で大きな課題となるのは「人材の数・活かし方」です。「人材」は、企業に利益を生み出せる重要な経営資源です。課題を解決しながらでも人事戦略・組織戦略を実行に移していくことが必要になります。
1. 人事戦略には人事担当者も含める
スキルのある人事担当者がいない・人材のリソースが足りないという課題がある場合は、人事戦略・組織戦略の検討に現在の人事担当者も含めましょう。
人事戦略は継続的な改善が必要なため、人事担当者と共に課題を共有することで解決を図れます。
ビジネスでは人事を含めた経営資源をフル活用し、生産性を上げていかなければ競争を勝ち抜けません。少なくとも、組織戦略を踏まえたうえで人事戦略を策定・実行できる、マネジメント人材が必要です。
2. 長期的な視点で戦略を立てる
組織戦略を成功されるためには、長期的な目標を掲げることがポイントです。
組織戦略に限らず、様々な戦略は目に見えて成果が出るまでに、ある程度の期間が必要になります。
戦略を短期間で改変すると、社員に組織戦略の重要性が伝わりにくくなる可能性も考えられます。短期的に見て戦略が失敗したからといって、すぐに現状の戦略を改変することは避けましょう。
3. アウトソーシングや外部の知見を求める
組織戦略を策定・実行できる人材がいない企業であれば、必要な部分をアウトソーシングし、外部の知見を取り入れることが効果的です。
専門家に任せきりでは社内にノウハウが蓄積されず、企業に必要な人材の育成につながりません。
専門家のアドバイスを得ながら、あくまでも自社が中心となって組織戦略の改革を進めていくという意識で活用しましょう。
まとめ
組織戦略におけるフレームワークは、現状を整理・分析して課題解決のヒントを与えてくれる思考の枠組みであり、様々な場面で活用できます。
フレームワークに頼りすぎるのではなく、本質を見失わない意思決定が重要です。
組織戦略の策定・実行できる人材が不足している場合は、アウトソーシング・外部の知見を第三者の専門家に求めることも考えてみてはいかがでしょうか。
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2009年:(株)リクルートに新卒で入社。営業部署・企画部署にて責任者を務める。(在籍中は、MVPやマネジメント賞など、多数受賞。)
2013年:(株)データX(旧:フロムスクラッチ)の創業期に転職。営業や新卒・中途採用の責任者を務める。
2014年:アソビュー(株)に転職。その後、営業責任者、新規事業責任者、事業企画を歴任。
2015年:(株)Pro-D-useを創業。取締役副社長(現任)に就任。新規事業の立上げ〜収益化、成果を上げる営業の仕組み作り、採用〜組織の構築、Webマーケティングを主軸とした売れる仕組み作り、業務システムの導入・運用、融資を中心とした資金調達〜財務のコンサルティングを得意としている。
また、個人でも中小企業の融資を支援するサービス「中小企業の融資代行プロ.com」を運営するなど、一貫して中小企業を支援することを生業にしている。
一方で、「戦略的に人事・人材を扱うとはなにか?」という疑問は、常に担当者につきまといますよね。また、「どこから考えればいいのか」「何を参考にすべきか」など戦略を考えるには、大きな壁も…。
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