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ホームページ作成の見積もりをリアルに比較!見積書の見方・金額を適正に収めるには?【見積書例あり】

最終更新日:2023年05月17日
ホームページ作成の見積もりをリアルに比較!見積書の見方・金額を適正に収めるには?【見積書例あり】

「見積もりシミュレーターも試してみたが、どうもホームページ作成の見積もりはよくわからない、見積書の項目がなにを意味しているのかわからない」という企業・店舗Web担当者の方は多いはず。そんな方が具体的なイメージ描きやすいよう、実際の制作会社に依頼した見積もりを紹介・比較する「見積書解説シリーズ」。今回はコーポレートサイト制作を想定したホームページ作成の見積もりを3社に依頼しました!なぜホームページ作成の見積もり金額が大幅に異なるのか?制作会社へのインタビューも交えて徹底比較!適正な金額なのか?を判断する見積書の見方、ホームページ作成費用を適正に収めるポイントも紹介します。

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当サイトに掲載されている情報は、ホームページ制作の予算、制作会社の提案内容などをご理解いただくことを目的として、細心の注意を払って掲載しておりますが、その正確性、完全性、有用性、安全性等について、一切保証するものではありません。発注に関する最終ご判断は、利用者ご自身の責任において行われるようお願いいたします。なお、本情報を参考・利用して行った一切の取引の結果につきましては、当社では一切責任を負いませんのでご了承ください。

見積もりを依頼したコーポレートサイトの概要

比較ビズに登録していただいているホームページ制作会社に企画の趣旨を伝え、以下の要件を満たすコーポレートサイトの見積もりを依頼しました。公平性を期すため匿名を条件に、見積書を一部公開してもOKという企業様にご協力していただいています。

目的 自社の会社紹介サイトを新規作成したい
予算 100万円以内
業種 製造業
ページ数 5〜10ページ
掲載したい内容 会社概要・製品案内・採用情報・問合せフォーム
更新頻度 年に2〜3回
デザイン案の有無 無し
素材の有無 無し
原稿の有無 これから用意する予定
スマホ対応 スマホ対応したい

ご協力いただいたA社・B社・C社の概要

A社は、新宿区に事務所を構える比較的大手のホームページ制作会社です。成果に拘るホームページ作成を行っており、打ち合わせ時に「ホームページを作って何をしたいのか」を明確にするため、クライアントと打ち合わせを重ね、どういうホームページにするのかを決めています。

B社は、港区に事務所を構える今年15年目のホームページ制作会社です。従業員が8名と少数精鋭の体制で、営業をメインで行っているのは1名。医療・製造業に特化したホームページ作成を行っており、実績も500サイトを超えています。

C社は、千代田区に事務所を構える従業員数4名の少数精鋭ホームページ制作会社です。独自のテンプレートを多数保有している同社では、デザインの工数を最小限に抑えることにより、格安な料金体系を実現しています。

見積もり依頼の結果を比較

  A社 B社 C社
見積もり金額 81万円 57万円 23万円
提案内容 WordPressでの提案 オーダーメイドでの提案 テンプレートデザインでの提案
所在地 新宿区 港区 千代田区
従業員数 53名 8名 4名

それでは各社の詳細な見積もりや提案を見ていきましょう!

A社(東京都新宿区)のホームページ作成見積もり

A社はWordPressでの提案で、ホームページ作成の見積もり金額は約81万円となりました。以下に実際に貰った見積書を文字に起こしました。

■ A社のホームページ制作費用の内訳
ディレクション費 150,000円
ヒアリング (50,000円)
企画・調査 (100,000円)
デザイン 200,000円
トップページデザイン (150,000円)
下層ページのデザイン (50,000円)
素材購入費 20,000円
WordPressの導入費 270,000円
WordPressのインストール (10,000円)
WordPressのテーマ作成(トップページ) (70,000円)
WordPressのテーマ作成(下層ページ) (150,000円)
プラグインの導入(入力支援・スパム対策・バックアップ) (20,000円)
問合せフォームの設置 (20,000円)
レスポンシブ対応 50,000円
サーバー・ドメイン設定 20,000円
運用・保守料 30,000円/月
小計 740,000円
消費税(10%) 74,000円
合計 814,000円

A社の見積もり内容

A社の提案は、WordPressを活用したホームページ作成であり、テーマ作成にはHTML / CSSの作成と原稿の流し込み作業が含まれます。トップページと比べて下層ページの方が料金体系が高いのは、単純に下層ページの方がページ数が多いためです。

運用・保守料金内でWordPress管理画面の説明や、最新バージョンへのアップデートも行ってくれますが、ページ更新に関しては基本的にクライアント側が行う前提。A社にページ更新を依頼する場合は別途費用が掛かります。

見積り金額が一番高かったA社に訪問し、業界の裏話的な内容などをお伺いしてきました。

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A社へのインタビュー

A社はページをクライアント自身が更新できる「WordPress」での制作を提案しています。WordPressの導入は少しハードルが高く、導入しない場合と比べて見積もり金額も高めになっているということでした。 

ただし、自社でページの作成・更新ができるため、イニシャルコストは高くてもトータルで見れば意外と安いかもしれません。

「年に2〜3回の更新頻度なのに、WordPressが必要?」と思う方も多いかもしれませんが、A社は今後の拡張性のことも考えて提案をしたとのことです。大手ならではの考え方ともいえるでしょう。 

月額3万円の「運用・保守料」にはアクセス解析ツール導入は含まれますが、レポート作成やSEO対策といった+αのサービスには別途費用が掛かります。

A社に依頼するメリット・デメリット

メリット デメリット
結果に拘ったホームページを制作してくれる 見積り金額が高額で納期が長い
大きい会社なので何かあったとき安心 着手金として半金を納品前に入金する必要がある
WordPressを導入するので自社で簡単に更新できる  

B社(東京都港区)のホームページ作成見積もり

B社のホームページ作成の見積もり金額は約57万円となりました。

■ B社のホームページ制作費用の内訳
ディレクション費 85,000円
デザイン 150,000円
トップページデザイン (90,000円)
下層ページのデザイン (60,000円)
素材購入費 20,000円
コーディング 200,000円
トップページのコーディング (50,000円)
下層ページのコーディング (150,000円)
お問い合せフォーム 40,000円
サーバー・ドメイン設定 20,000円
小計 515,000円
消費税(10%) 51,500円
合計 566,500円

B社の見積もり内容

B社では、WordPressを導入しない見積もりとなっており、全体的にA社より費用は安めです。

月に3回までのページの追加・更新を無料で受け付ける代わりに「保守・運用費」を毎月請求しているようで、クライアント自身でページを更新するのであれば、値引きに応じるとのことでした。

「素材購入費」とは、トップページに掲載する写真を購入する費用で、クライアント側で素材を用意すれば必要ありません。

もちろん、新たな撮影が必要であればカメラマンの人件費が必要になるため追加費用が掛かりますが、これはどの制作会社の場合も同じです。

B社へのインタビュー

WordPressを導入しない理由を伺うと「製造業のコーポレートサイトは更新頻度が高くないため基本的に必要ない」という回答。導入する場合の見積もりは、おおよそ10万円程度追加した金額になるとのことです。 

製造業でもWordPressへのニーズは低くはないものの、納品しても更新がほとんど行われないのは珍しくないということでした。そのため、規模の小さい企業にはWordPressを提案しないようにしているという、製造業のホームページ作成に豊富な実績を持つB社ならではの意見が伺えました。

もう少し突っ込んで、B社にWordPress導入の境界線を伺ったところ「毎月1回更新する企業なら提案する場合もある」という回答がありました。

その場合も、WordPressを導入する・しないパターン、2種類で見積もりするようです。 アクセス解析・レポート、SEO対策やWeb広告運用など、運用面に関する提案に積極的なのもB社の特徴です。

B社に依頼するメリット・デメリット

メリット デメリット
見積もり金額が一般的な費用相場に近い HTMLの知識がないとページ更新できない
業界に関する豊富な経験・知識がある 見積もりの半額を着手金として支払う
相談しやすい  

C社(東京都千代田区)のホームページ作成見積もり

C社のホームページ作成の見積もり金額は約23万円となり、なんとA社と比べて3.6倍もの差がありました。

■ C社のホームページ制作費用の内訳
ディレクション費 30,000円
テンプレートの当て込み作業 150,000円
素材購入費 10,000円
サーバー・ドメイン設定 10,000円
保守・運用費 5,000円/月
小計 205,000円
消費税(10%) 20,500円
合計 225,500円

C社の見積もり内容

各社の概要紹介でも触れたように、独自テンプレートを多数保有するC社では、テンプレートを活用したリーズナブルなホームページ作成を提案。すでにあるレイアウト・デザインをベースにカスタマイズしていくため、作業工数の大幅削減、イコール低価格での見積もり提示が可能になっています。

ホームページデザインにあまりこだわらない方・企業であれば、テンプレートを活用することで見積もり金額を抑えられるため、大きなメリットを感じられるかもしれません。一方、ベースとなるレイアウト・デザインが決まっているため、どうしても他社との差別化が難しい、制限が生じやすいなどのデメリットも。

C社にもオリジナルデザインのホームページ作成を依頼できますが、当然、その場合の見積もり金額は高くなります。とにかく安くホームページを作りたい、名刺代わりのホームページが欲しい方なら、テンプレートベースのホームページ作成を検討するのも方法です。

C社に依頼するメリット・デメリット

メリット デメリット
見積もり金額がリーズナブル 他社との差別化が困難、制限がある
制作期間を抑えられる 運用・保守の体制に不安が残る
納品後の支払いにも対応可能  

押さえておきたい見積もり項目の見方

ここまでで、各社のホームページ作成見積もり例を紹介してきましたが、どうしても金額に目がいきがちなのも事実です。

しかし総額だけに着目すると、あれもこれも抜けていたホームページが出来上がる、それなのに金額が高いなど、あとで後悔してしまう場合もあります。

見積もりが適正金額かどうかを見極めるためにも、見積もり項目がなにかを知っておくことが重要です。

ディレクション費

ディレクション費とは、ホームページ作成の作業工程を計画して、実際の作業プロセスを管理していくためにかかる費用のことです。

主に、プロジェクトを推進していくディレクターの人件費になりますが、オリジナルデザインのホームページを制作する場合、「要件定義費」「設計費」など、個別の項目で見積もりに記載される場合もあります。

制作会社・クライアント間のイメージのズレをなくすため、この段階でWebページを簡単な選と枠で表現したワイヤーフレームが制作されるケースがほとんど。設計費として見積もりに計上される場合もあれば、別途ワイヤーフレーム費が記載される場合もあります。

デザイン費

デザイン費とは、設計図であるワイヤーフレームをもとに、Webページのデザインを作り込んでいく費用のことです

実作業に取りかかる前の重要な工程であり、Webデザイナーの人件費でもあります。オリジナルデザインのホームページ作成の場合は、Webデザイナーがゼロから作り上げるため、金額は高くなりがちです。

一方、テンプレートを活用する場合は「テンプレートカスタマイズ費」と記載される場合も。カスタマイズのみで済むため費用も安価に抑えられます。

コーディング費

コーディング費とは、制作されたWebページのデザインをもとに、HTML / CSS / JavaScriptなどでプログラミングしていく費用のことです。

コーディングを担当するエンジニアの人件費ですが、Webデザイナーが担当することもあれば、専任のプログラマーが担当することもあります。

ECサイトやマッチングサイトなど、ホームページに特殊な機能を盛り込みたいといったケースでは、システム開発が必要になる場合も。「実装費」などの名目で見積もりに計上されます。

レスポンシブ対応費

レスポンシブ対応費とは、閲覧デバイスの画面サイズに応じてWebページレイアウトを最適化させる費用のことです。

一般的には、レスポンシブデザインを採用したホームページを作成することを意味し、拡大するスマートフォンユーザーの利便性を確保するためにも、Googleからの評価を高めるためにも必須の機能です。

サーバ・ドメイン費用

サーバ・ドメイン費用とは、作成したホームページを保管するサーバの確保・維持、ホームページの住所であるURLを取得・維持する費用のことです。

自社でサーバ・ドメインを保有している企業であれば必要ありませんが、レンタルサーバを確保して新規ドメインを取得する、一般的なホームページ作成では必須の費用です。

運用・保守費用

運用・保守費用とは、完成したホームページを維持していく費用のことです。

メンテナンス・トラブル対応などの基本的な作業のほか、WordPressのアップデート・パッチ適用、コンテンツの制作・更新、ホームページの成長に向けたアクセス解析、SEO対策など、対象となる業務が幅広いことが運用・保守の特徴です。

ホームページ制作会社になにを依頼するのかによって、費用も大きく変わります。

見積もり金額を適正に収めるには?

A社とC社では見積もり金額に3.6倍もの差がありますが、A社にその理由を伺ってみました。

一般的にという前提ではありますが、回答は「実際に会ってニーズを確認してみないと作業量が大幅に増える可能性があるため、金額に余裕を持たせて見積書を作成する場合が多い」というものでした。

なぜなら、制作会社と打ち合わせを進めていくうちに、テーマカラーを変更したい、フォームは2つ欲しい、こんなバナーをつくて欲しいなど、クライアントからの追加要望が出てくることが少なくないからです。 

ではどうすべきなのか?ホームページ作成のために事前準備をしっかり済ませておくことが肝心。具体的には「ホームページの要件を明確にする」「イメージに近い参考サイトを用意する」「自社で更新するのか?頻度を決める」「おおまかな予算感を伝えておく」など。

どのようなホームページを作成したいのか?制作会社が最初から把握できていれば、見積もり金額に余裕を持たせる必要はありません。当然のことながら、見積もり金額を適正な範囲に収められます。

まとめ

リアルな見積書を比較できる「見積書解説シリーズ」。今回はホームページ作成の見積もりイメージをつかんでいただくため、製造業のコーポレートサイトを題材に、見積書の見方、制作会社によって金額が大きく異なる理由、見積もりを適正範囲に収める方法なども含めて解説してきました。

本文内でも解説したように、ホームページ作成の見積もり金額が適正なのか?を判断し、適正に見積もりしてもらうためには、ホームページに関する知識を深めることが肝心。そして、それに対応してくれる優良なホームページ制作会社の選定が絶対条件です。

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