システム・ITコンサルタントの費用相場は?報酬を安く抑える3つのコツを解説

株式会社ファイナイトフィールド
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最終更新日:2023年10月05日
システム・ITコンサルタントの費用相場は?報酬を安く抑える3つのコツを解説
この記事で解決できるお悩み
  • システム・ITコンサルタントの費用相場はどれくらい?
  • システム・ITコンサルタントの報酬体系は?
  • システム・ITコンサルタントの費用を安く抑えるコツは?

システム・ITコンサルタントは現状に適したシステムの提案をしてくれる存在です。適正価格で依頼するためにも、一般的な報酬体系や相場を把握しましょう。

本記事ではシステム・ITコンサルタントの費用相場や報酬体系を解説します。読み終わる頃にはシステム・ITコンサルタントに依頼する予算をイメージできるでしょう。

費用を安くするコツもまとめているため「低コストで依頼したい」という経営者・企業担当者は参考にしてください。

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IT・システムコンサルタントについて

IT・システムコンサルタントですから、顧客の事業活動や業務内容をより深く理解していることが大切です。そして、顧客が抱えている経営面での課題について適切に指摘し、解決策を提示します。

そのため、IT・システムコンサルタントに求められるのは、経営課題の解決や経営の改善といっていいでしょう。そのため、システム開発の完成がゴールとは、一概にはいえません。

このことから、IT・システムコンサルタントは、アナリスト的な役割を担っているといっていいでしょう。システム開発にも携わる際は、最上流のポジションにつくことになります

そのため、実際の開発に携わることはなく、プロジェクト開発のゴールを明確にすることがIT・システムコンサルタントに求められます。

IT・システムコンサルタントの仕事内容

IT・システムコンサルタントの仕事の流れは以下のようになっています。

  • 現状把握
  • ヒアリング
  • 提案

現状把握とヒアリングについては、どのような問題があるのかを洗い出さなくてはいけません。そして、それを改善するために提案を行います。

ここで大切なのは、その顧客にとって実現可能な提案を行うことです。きれい事ばかり並べても『絵に描いた餅』で実効性がなければ意味がありません。

そのため、「実現可能なプランなのか」「本当にこれがベストなのか」これらについて論理的な裏付けが必要です。そして、顧客にとってもモチベーションを引き立てる提案でなければいけません。

IT・システムコンサルタントの仕事内容は、以上のように「現状把握」→「ヒアリング」→「提案」という大まかな流れに沿って行っていきます。

IT・システムコンサルタントが持っているスキル

IT・システムコンサルタントが持っている(持っていなければならない)スキルを4つご紹介します。特に資格が必要というわけではなく、実績重視ということになります。

必要なスキル1:問題解決力

IT・システムコンサルタントのスキルとして、最優先に求められるのが「問題解決力」であることは間違いありません。顧客側に問題点について解決する能力や時間がないからこそ、IT・システムコンサルタントに仕事を依頼するのです。

このことから、顧客がIT・システムコンサルタントに求めているのは「問題解決力」といっていいでしょう。とかく問題点は、自浄効果のないものが多く外部から第三者的な目線での解決が求められます。

必要なスキル2:ITの基礎知識

ITは常に発展しています。そのため常に新しい知識を吸収していかなくてはいけません。人生是勉強というように、IT・システムコンサルタントも常に勉強していかなくてはいけません。

このことから、顧客よりも当然知識面で大きく凌駕していなければいけないのです。

必要なスキル3:コミュニケーション能力

問題解決力が高く知識が豊富であっても、IT・システムコンサルタントとしてコミュニケーション能力が劣っていれば、「猫に小判」と言わざるをえません。

課題の洗い出しにコミュニケーション能力は欠かせません。これがないと、現状分析ができないのは明白であり顧客のニーズ(期待)に対して十分に応えることができないでしょう。

また、問題解決の提案に際しても、同じ目線でゴールに向かっていくためのコミュニケーション能力が必要です。

必要なスキル4:プレゼンテーション能力

コミュニケーション能力と分けて、プレゼンテーション能力を付け加えます。これは、コミュニケーション能力からさらに一歩踏み出した「問題解決力」とも言えるものです。

提案後に顧客をしっかりと説得し、ゴールに向かっていくための能力と言ってもいいでしょう。

多岐にわたるIT・システムコンサルタントの業務

IT・システムコンサルタントは、ITシステムの策定から設計・企画さらには開発から運用といった一切に関わることになります。

比較的規模の大きなITシステムに携わることが多いので、システム自体もアウトソーシング主体となる傾向にあります。多くの人が開発に携わってくるので、IT・システムコンサルタントとしてもしっかりとした完成イメージを持つことが望まれます。

完成イメージを顧客と共有しておかないと、何を持って完成したのかがぶれてしまうからです。IT・システムコンサルタントとしての業務は多岐にわたりますし、全般について広い視野を持っていなくてはいけません。

IT・システムコンサルタントとして優れた仕事をするためのポイントは以下の3つです。

  • 何が問題かを把握できる知識と能力
  • 解決するための高いスキル
  • どのような効果をもたらすかの経営視点

経営視点はクライアントとの意識を共有するためにも必須と言えます。

IT・システムコンサルタントに依頼するメリット・デメリット

社内のあらゆる問題を解決するためにIT・システムコンサルタントに依頼します。しかし、そこには業務改善のメリットがあると同時に、デメリットもあるようです。

依頼するメリットは?

クライアントにとってのメリットは、IT・システムコンサルタントの持つ優れた「外部の知見」がえられることです。IT・システムコンサルタントは特定の分野の専門家なので、新たなノウハウが得られるのは企業にとって代え難い財産となるでしょう。

企業が変わっていき、さらなる高見に移るためには、企業の強みや弱みを客観的に判断してもらい、それを高い見識を持って改善点を提案してもらうのです。

企業の未来予想を得るためにも、IT・システムコンサルタントに依頼する意義は大きいと言っていいでしょう。

依頼するデメリットは?

IT・システムコンサルタントの示した改善点に物足りなさを感じる場合もあるかもしれません。クライアントのニーズも必ずしも一致しない可能性もあります。

改善点を示された時点では、すでに契約が済んでいる場合もあって、後戻りできないケースもあります。

IT・システムコンサルタントに依頼する際の注意点

IT・システムコンサルタントに依頼する場合は、丸投げすることなくクライアントとしても注意しておくポイントをご紹介します。

ポイントを明確に

「売上を伸ばしたい」というだけで、IT・システムコンサルタントに改善依頼をする経営者はいないでしょう。最終的な目的はそうだとしても、「ここをこうしたい」といったポイントを明確にしなければいけません。

例えば「社員のスキルアップ」「ホームページの集客アップ」「効果的な広告運用」といったものです。

実績は十分か

IT・システムコンサルタントは誰でもなれるものです。そのため、IT・システムコンサルタントのこれまでの実績を重視して依頼をしなければいけません。

そのため、過去のコンサルティングの事例や実務経験・専門知識などを確認しましょう。

的確なアドバイスが期待できるか

実績などがいくら優れていても、思っていることが伝わらなければ意味がありません。クライアント側に理解できるようにアドバイスしてくれることが大切です。

これがコミュニケーション能力であり、プレゼンテーション能力なのです。

自社の予算に合ったコンサルタント報酬か

IT・システムコンサルタントに依頼する場合は、当然ですが費用がかかります。見積もり提出の段階で自社の予算に見合ったものであるのかどうか、しっかりと吟味する必要があります。

IT・システムコンサルタントの報酬体系は3つ

IT・システムコンサルタントの報酬は、大きく以下の3通りに分かれます。

  • 成功報酬
  • 定額報酬
  • 時間制

成功報酬

成功報酬は何を持って「成功」とするのか定義が曖昧です。短期間で成果が出るものではありません。

それでも、伸びた売上の何%の成功報酬といった形にすると、お互いが納得しやすいでしょう。定額報酬は顧問となっている場合が該当します。

成功報酬の場合は、ある程度短期的な効果を期待した場合に適しているといっていいでしょう。

定額報酬

月額が決まっているケースです。この場合は、人数や時間的な制限がないので、より多くのコンサルティングの機会を設けることができる利点があります。

長期的な成果を求める場合にも適しています。顧問報酬的な意味合いにとる場合もあります。

時間制

限定的な依頼を行いたい場合に適しているのが時間制です。定例会議に出席してもらって、ノウハウの提供や意見を述べてもらう場合などもこれにあたります。

IT・システムコンサルタントの報酬の相場

企業経営の根幹といってもいいのがITです。そのIT業務に強いのがIT・システムコンサルタント。

企業経営の強い味方と言えるのですが、IT・システムコンサルタントに依頼するにしても費用がかかります。

中小企業にとっては痛い出費となりかねないのですが、簡単にIT・システムコンサルタントの費用相場をご紹介します。

プロジェクト型の費用相場

経営課題(問題)を一つのプロジェクトと見なします。一般的に『時間単価×作業時間』で決まることが多いようです。

具体例

  • プロジェクト名:人事評価制度の見直しと再構築
  • プロジェクト期間:6ヵ月
  • 担当コンサル:1名
  • 月額費用:7万円〜15万円
  • 総額費用相場:42万円〜90万円

顧問契約の費用相場

中小企業でも税理士とは顧問契約を結ぶのが一般的です。それと同じようにIT・システムコンサルタントとも顧問契約を結ぶケースです。

「何か合ったら相談に乗る」といったもので、IT・システムコンサルタントの負担も少ないので低コストが一般的。

費用相場は月額で3万円程度となります。ただし、新規プロジェクトに対しての費用は別途となることが多いので、その点には注意が必要です。

スポットコンサルの費用相場

1度あるいは数回程度の電話や対面での相談などがスポットコンサルにあたります。時間制と考えてよく、あくまでも相談程度となるので、IT・システムコンサルタントの負担も少なく定額となる傾向にあります。

費用相場は、1万円〜2万円/時間となります。

IT・システムコンサルタントの報酬を抑えるコツ

中小企業にとって、IT・システムコンサルタントの報酬は決して安いものではありません。できれば費用を抑えたい…そう考える企業経営者は多いことでしょう。

基本的には、コンサル内容の調整を行い、報酬の減額を求めるのが王道と言えます。

ここでは、一般的なIT・システムコンサルタント報酬を安く抑える方法をご紹介します。

料金プランを成功報酬に

契約内容によっては、成功報酬で受けてくれるIT・システムコンサルタントも少なくないようです。成功報酬については、コンサル内容によるところが多いのですが、成果が見えやすい短期的な案件は比較的成功報酬に向いているといえます。

利益が出るのですから、そこからの報酬は経営者側にとってサイフに優しいと言えるでしょう。

会社から近いコンサル会社

IT・システムコンサルタントの(訪問のための)移動時間もコンサル費用として請求します。そのため、会社から近いコンサル会社に依頼することで、報酬の軽減を図ることができます。

第3セクターを利用

官民共同出資による、第三セクター方式のIT・システムコンサルタントも存在します。公的機関ですから、報酬なども安く、費用面で利用しやすいといっていいでしょう。

注意点として、報酬が安いからといってどのようなIT・システムコンサルタントでいいというわけではありません。しっかりとこれまでの実績などを考慮して、依頼するようにしましょう。

IT・システムコンサルタントの活用事例

医療機器事業を中心にグローバル展開を行っているオリンバスのIT・システムコンサル活用事例です。

オリンパスの課題

事業拡大によるITコスト増大の危機感

IT・システムコンサルタントへの依頼

ITコストの最適化を依頼。期間:6ヵ月。

「現状把握」→「ヒアリング」→「提案」

以下の現状から、無駄な投資の削減と投資の見える化をヒアリング時に提案。コストを削減するだけではなく、競争力向上が見込める分野へ集中投資。

経営サイド

国内・海外における事業拡大においてITコストの無秩序な増大に危機感を抱いている。

従業員サイド

IT高コスト化に対する危機感の欠如。

提案と成果

  • ITコスト分析のコスト削減施策
  • IT投資ポートフォリオ評価フレームワークの構築
  • グローバルIT費用管理プロセス確立の支援
  • 案件評価の実現

案件評価によって、さまざまな案件の比較対象が可能となる。そこから取捨選択を行い、必要なところへ集中投資。

結果として、グローバルで戦略的な投資判断が可能となる。

IT投資額を抑えることができたといった費用的な面よりも、IT投資案件の評価を実現することで、比較対象が進みました。それによって、必要なところへ十分なIT投資が可能となったことが大きく、IT投資についての課題が解決したことによる満足度がとても高い結果となったことが大きかったようです。

まとめ

中小企業にとって、IT・システムコンサルタントに依頼することは、ある意味大きな賭けといっていいかもしれません。一方で費用対効果がわかりにくいという声もありますが、中小企業の場合は、何かを変えることで劇的に社内の雰囲気が変わります。

それが、売上といった業績に結びつきやすいのです。IT・システムコンサルタントに中に入ってもらうことで、これまでになかった知見に触れることによって、社内の活性化につながるのが、中小企業にとっては大きなメリットと言えるでしょう。

もちろん、変化を受け入れる柔軟な社風も中小企業には求められるところです。そのためにも、IT・システムコンサルタント選びはとても大切です。

できるだけ実績重視・経験豊富なIT・システムコンサルタントに依頼するようにしたいものです。

監修者のコメント
株式会社ファイナイトフィールド
代表 一好 俊也

2006年よりシステム開発を行う。ユーザビリティ重視のアジャイル開発を得意とする。大手監査法人に採用された翻訳支援アプリや教育用アプリ、EC サイト、顧客管理システム等の設計、開発を手掛ける。機械学習/AI を用いた開発も行っている。

複雑なITシステムを完成させるにはさまざまな観点が必要で、以下のような立場があります。コンサルタントを選ぶにあたり、基礎的な知識をどれほど持っているかを測るため、関連する国家資格を持っているか尋ねるのも良いでしょう。

・IT ストラテジスト
 経営とITを結び付ける戦略家。ITストラテジスト試験という国家資格があります。

・Iシステムアーキテクト
 業務とITのデザイナー。システムアーキテクト試験という国家資格があります。

・Iセキュリティコンサルタント
 情報セキュリティ確保支援を行う。情報処理安全確保支援士試験という国家資格があります。

・システム監査人
 独立した立場でITを監査する。システム監査技術者試験という国家資格があります。

比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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