組み込みソフトウェアとは?搭載されている機器や開発に必要なスキルを徹底解説

AOIS Consulting株式会社
監修者
AOIS Consulting株式会社 代表取締役 青井真吾
最終更新日:2023年09月01日
組み込みソフトウェアとは?搭載されている機器や開発に必要なスキルを徹底解説
この記事で解決できるお悩み
  • 組み込みソフトウェアとは?
  • 組み込みソフトウェアが搭載されている機器とは?
  • 組み込みソフトウェアの開発に必要なスキルとは?

私たちの生活に欠かせない家電製品や電子機器類に搭載されているソフトウェアが組み込みソフトウェアです。組み込みソフトウェアは機器を制御するためのプログラムのことで、パソコンで開発したあと機器の基盤に書き込んで動作させます。

当記事では、組み込みソフトウェアの開発を必要としている担当者に向けて、組み込みソフトウェアの概要を解説します。組み込みソフトウェアが利用されている機器や開発に必要なスキルも説明しているため、参考にしてください。

記事を読み終わった頃には、組み込みソフトウェア開発の概要がわかり、外部委託先の選定ができるでしょう。

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組み込みソフトウェアとは?

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組み込みソフトウェアとは、家電や電子機器を制御するために必要なプログラムのことです。「機器を制御する」ことを目的としたソフトウェアで、埋め込みソフトウェアともいいます。

複雑さには違いがありますが、私たちが目にしている電子機器類のすべてに組み込みソフトウェアが使われています。

組み込みソフトウェアが搭載されている代表的な機器

組み込みソフトウェアは、私たちの生活に密着した家電製品や電子機器のほとんどに利用されています。組み込みソフトウェアが活用されている機器を紹介します。

冷蔵庫 冷蔵庫の温度管理や各種設定
テレビ アンテナからの映像配信やチャンネル制御
カーナビ GPSから情報を取得して目的地までのルート設定・所要時間の計算
スマートフォン バッテリー管理やアプリを動作させる制御など
エレベーター 行先階への制御や扉の開閉
自動改札機 交通系ICカードの読み取りやゲートの開閉など

組み込みソフトウェアの開発に必要なスキル

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組み込みソフトウェアの開発に必要な代表的なスキルは、以下のとおりです。

  • プログラミングスキル|C言語
  • 電子基板に関する知識

一般的なソフトウェアに必要なプログラミングスキルとは違う電子基板の知識も必要な点に注意しましょう。

プログラミングスキル|C言語

組み込みソフトウェアの多くはC言語でプログラミングされています。C言語が組み込みソフトウェアに適しているのは、以下の理由です。

  • 処理速度が速い
  • 電子機器を制御するプログラムが簡潔に記述でき比較的開発がしやすい
  • CPUやメモリ領域の管理ができるためハードウェアを制御しやすい

C言語は組み込みソフトウェアの一般的な言語になっており、C言語が組めるプログラマーも多く存在します。

電子基板に関する知識

組み込みソフトウェアは、機器を制御する必要があるため電子基板に関する知識が必要です。機器の限られたスペースを有効活用できる基盤の設計が求められています。

他社の電子機器の設計を知り、自社の基盤設計の効率化や小型化に活かすための学習が継続的に必要になるでしょう。

組み込みソフトウェアを開発する流れ

組み込みソフトウェアを開発する流れは、以下のとおりです。

  1. プロジェクト設計をする
  2. 組み込みソフトウェアの開発をする
  3. 動作テストをする

1. プロジェクト設計をする

組み込みソフトウェアの開発スケジュールを立案し、必要な人材のアサインを行います。開発環境の整備をソフト面とハード面から準備しましょう。

組み込みソフトウェアの動作確認をするテストは、実機を用いて本番と同じ環境を準備する場合もあります。たとえば、冷蔵庫の組み込みソフトウェア開発では、最終的に冷蔵庫で稼働させるテストが必要です。導入までのタスクを漏れなく洗い出す作業が重要になるでしょう。

2. 組み込みソフトウェアの開発をする

組み込みソフトウェアを電子基板で動作させるための設計書を作成します。設計書を基に組み込みソフトウェアのプログラミングをしましょう。

パソコンの中に仮想的な基盤ソフトを用意し、プログラムごとの単体テストを実施します。

3. 動作テストをする

開発した組み込みソフトウェアを電子基板に実装し、正しく動作するかテストします。想定されるさまざまなイレギュラーケースを洗い出し、全パターンにて合格になるようテストしましょう。

ソフトウェアだけのテストと違い、電子基板の温度変化や消費電力なども計算する必要があるため、同じテストを繰り返す場合もあります。

組み込みソフトウェアを業者に依頼するときの2つのポイント

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組み込みソフトウェアを業者に依頼するときのポイントは、以下の2つです。

  • 業者のレベルや実績を見極める
  • 目的を明確にして一緒に作り上げる

最初は開発のフェーズごとに納品を切り分けて、段階的に発注できると業者の特徴を理解しやすいでしょう。

業者のレベルや実績を見極める

組み込みソフトウェアの開発を依頼する業者のレベルや実績を見極めましょう。確認すべきポイントは、以下のとおりです。

  • 過去に制作された製品やソフトウェア
  • 製品を制作した工程
  • 開発の規模や期間
  • 他者との制作実績の比較

ソフトウェアだけの開発なのか、基板から開発できるのかによって業者のレベルは変わります。業者に依頼する前に、お互いのことを知り合うコミュニケーションを十分に取りましょう。

目的を明確にして一緒に作り上げる

組み込みソフトウェアを業者に依頼するときは、目的を明確にして一緒に作り上げる意識で取り組みましょう。明確な目的がないと、業者がどのようなハードウェアやソフトウェアを使えばいいのか判断しにくくなります。

組み込みソフトウェア開発は、一般的なWindowsアプリ開発やWebシステム開発と比較して難易度が高いです。業者に依頼する側も一定の知識を身につけておきましょう。

まとめ

組み込みソフトウェアとは、私たちの身の回りにある家電や電子機器を制御するプログラムのことです。プログラミングスキルに加えて電子基板に関する知識も重要になるでしょう。外部業者に発注する際には、業者の制作実績やレベルを見極めることが大切です。

「比較ビズ」では、組み込みソフトウェアの実績が豊富な開発業者を簡単に探すことができ、比較して相談できます。組み込みソフトウェアの開発を検討してる人は、ぜひ利用してください。

監修者のコメント
AOIS Consulting株式会社
代表取締役 青井真吾

大学卒業後はIT企業に入社。システムエンジニアとして大手企業向けのERPシステム開発を経験。その後は、フリーのITコンサルタントとして、人材派遣会社の基幹システムの開発、不動産会社の商業施設での販促システムの導入、自動車メーカーでコネクティッドカー開発のプロジェクト管理、SIerでのSalesforceの導入、ファッション業界の企業でSalesforceと連携する周辺システムの導入を経験。現在は法人化し主に企業のシステム開発プロジェクトを支援。

現在は世界中でデジタル化、デバイス同士の自動のデータ連携などが進んでいます。私たちは普段、組み込みソフトウェアを利用して開発された製品やサービスを利用する上で、そのような技術を意識することはありません。

しかし、実はこのような技術無しでは生活ができないほど私たちは組み込みソフトウェアに依存しています。今後も生きていく上で必要不可欠な商品が数多く開発・リリースされていくことが予想されます。意義の大きい組み込みソフトウェアを開発していくには、AI、VR、クラウド連携、など様々な技術が必要になってくる場合が多いです。

この記事の内容も参考に開発委託先の企業は慎重に選ぶことがポイントです。組み込みソフトウェア開発の成功はベンダ選定にかかっているため、製品を作る目的とそれに必要な技術を明確にすることが求められます。何か懸念がある場合はベンダ選定のコンサルティングサービスなどを利用することも検討しましょう。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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