越境ECの成功事例5選!必見ポイント7つからShopify利用まで解説
- 越境ECにはどんな成功事例がある?
- 越境ECを成功させるためのポイントは?
- 越境ECってどう始めればいい?
「越境ECに参入したいけれど何から始めたらいいかわからない」とお悩みの方も多いでしょう。越境ECに参入する際は、成功事例からやり方・意識するポイントを学ぶことが重要です。
この記事では5つの越境EC成功事例やそれらから学べるポイント、具体的な参入方法などを解説します。戦略や施策を用意して越境ECを始めれば成功に近づけるでしょう。
越境EC参入を考えている担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
もしも今現在、
- どのECプラットフォームが適切かわからない
- 継続的な運用・更新ができるか不安
- ECサイトへの流入が増えない
上記のようなお困りがありましたら、比較ビズへお気軽にご相談ください。比較ビズでは、複数のWeb制作会社に一括で見積もりができ、相場感や各社の特色を把握したうえで業者を選定できます。見積もりしたからといって、必ずしも契約する必要はありません。まずはお気軽にご利用ください。
日本企業の越境EC成功事例5選
日本の越境EC成功事例として紹介するのは、下記5つの企業・ECサイトです。
- SAMURAI STORE
- Retro Asia
- CS TOYS International
- BENTO&CO
- ヤーマン
単なる二番煎じでの成功は難しいですが、戦略や施策は知っておく価値があります。
1. SAMURAI STORE
「SAMURAI STORE」は甲冑のレプリカをメインに取り扱っている越境ECサイトです。
総合通販サイトを展開するのではなく、ニッチながら高単価でニーズも存在する商品に絞ることで成功した典型例と言えるでしょう。
2002年という早い時期に越境ECに参入している点は幸運とも言えます。しかし単価が高くリピーターも増えやすい商材選択、サポートやメルマガによる顧客ロイヤリティの向上など、確かな戦略・施策あっての越境EC成功事例です。
2. Retro Asia
引用:Retro Asia
Retro Asiaは中古のゲーム機・ゲームソフトを販売している越境ECサイトです。
海外でも高く評価される日本のゲーム文化のなかでも、入手方法が限られている中古ゲームに特化したことが大きな差別化要因となっているでしょう。
中古ゲーム機を分解・クリーニングして販売するモデルは運営者の技術ありきですが、ジャンル選定は参考になります。「RECENTLY SOLD」として売切商品を紹介しているのも、中古品販売サイトならではの工夫です。
3. CSTOYS International
CSTOYS Internationalは戦隊もの・ヒーローものを中心とした日本のおもちゃを扱う越境ECサイトです。
商品単価はおおむね2,000円〜2万円とそこまで高くありませんが、リピートやまとめ買いが発生しやすい商材選定も成功の秘訣でしょう。
CSTOYS Internationalの特徴は英語を活かしたマーケティングです。Instagramフォロワー2,000人、Twitterフォロワー3,000人、YouTube登録者1.8万人と、英語圏向けのSNSによって集客しています。
4. BENTO&CO
引用:BENTO&CO
BENTO&COは日本のお弁当箱を販売する越境ECサイトです。
立ち上げたのはフランス出身のThomas Bertrand氏と妻のErico氏で、フランス語圏に向けたブログがビジネスのきっかけでした。
現在では京都にある実店舗や、SNSを活用した英語圏向けのマーケティングとの相乗効果によって100カ国以上に弁当箱を販売しています。弁当箱だけでなく箸や風呂敷、ふりかけなど、クロスセルをしやすい商品を取り揃えている点も成功要因の1つでしょう。
5. ヤーマン
引用:ヤーマン
美容機器メーカーとして日本でも有名なヤーマンも、越境ECを成功させている代表的な企業です。
ヤーマンは販売の多角化を進める過程で、Tmallといった中国の大手ECモールに出店して越境ECにも力を入れていました。2020年の「独身の日」には1日で1億人民元(当時のレートで約15億8,000万円)を超える売上を記録する大成功を収めています。
「光棍節」として祝われる日で、ECサイトや小売店のセール合戦が繰り広げられている。アメリカの「ブラックフライデー」と並んで押さえておきたい商業イベントの1つ。
イベントに力を入れたことだけでなく、現地代理店と協業で進めたライブコマースもヤーマンの越境EC成功の一因でしょう。
参照:ECのミカタ
【事例を深掘り】越境ECを成功させる7つのポイント
事例からわかる越境ECを成功させるポイントは次の7つです。
- 現地ニーズに合った商品を販売する
- 集客・マーケティング施策を用意する
- チャットでスピーディーな顧客対応を行う
- ニーズに合った決済方法を用意する
- 現地の法律や関税に注意する
- 稼ぎ時となる現地のイベントを逃さない
- 2年〜4年かけて単月黒字を目指す
成功事例は、そのまま真似するのではなく抽象化して転用することが重要です。要素や施策をピックアップして参考にしましょう。
1. 現地ニーズに合った商品を販売する
越境ECでは現地ニーズに合った商品を販売しましょう。
「売りたいもの」ではなく「売れるもの」を扱う、と言い換えることもできます。「売れるもの」は地域によって差があるため注意が必要です。
中国や東南アジアで売れやすい商品 | 家電、アパレル、化粧品、食品など |
---|---|
アメリカやヨーロッパで売れやすい商品 | 雑貨、漫画・アニメグッズ、ゲーム、和風アイテムなど |
2. 集客・マーケティング施策を用意する
集客・マーケティング施策を用意することも重要です。
たいてい、越境EC用の販売ページを用意しただけでは顧客が集まりません。SEOやYouTube、SNSを活用して集客チャネルを構築しましょう。
TwitterやInstagramといった文字や画像メインのSNSであれば、外国語スタッフがいなくても機械翻訳を使って運用できます。
3. チャットでスピーディーな顧客対応を行う
越境ECを行う際は、チャットによるスピーディーな顧客対応の仕組みを用意しましょう。
対応の早さが顧客満足度アップにつながり、リピートや口コミによる新規獲得を期待できます。電話ではなくメールやチャットでいいので、素早く対応できる環境を整えることが重要です。
顧客が少ないうちは機械翻訳を使って自分で対応するだけで十分しょう。顧客が増えて対応しきれなくなったら、外国語を話せる専門スタッフを配置するとスムーズです。
4. ニーズに合った決済方法を用意する
引用:中国銀聯
現地のニーズに合った決済方法を用意することも、越境ECの成功に不可欠です。
中国では支付宝(Alipay)や銀聯(UnionPay)といった第三者決済が主流で、欧米や韓国ではクレジットカード決済が人気です。決済方法の不足によってカート落ちが発生する場合もあるため、できるだけ網羅的に用意することをおすすめします。
決済方法をできるだけ増やしたくない場合は、クレジットカードもしくはPayPalのみで始めて運営状況によって拡充するという選択肢もあるでしょう。
5. 現地の法律や関税に注意する
越境ECでは現地の法律や規制、関税に注意が必要です。
国や地域によって、輸出できない商品や輸出できるが制限がある・高い関税がかかる商品が存在します。
禁止されている商品を取り扱うと、罰金や運営停止といった処分が課されてしまうかもしれません。関税が高い商品であれば、顧客側で支払い拒否=受け取り拒否となってしまう可能性もあります。
法規制を守る、関税について顧客にわかりやすいようにサイトに明記する、といった対応が必要です。
6. 稼ぎ時となる現地のイベントを逃さない
稼ぎ時となる現地のイベントを逃さないようにしましょう。
イベントとは中国の「独身の日」やアメリカの「ブラックフライデー」「サイバーマンデー」などです。ヤーマンは「独身の日」の1日で1億人民元(当時のレートで約15億8,000万円)を超える売上を記録しています。
ヤーマンほどの規模は難しくても、通常より多く在庫を確保する・キャンペーンを打つといった方法でイベントを活用することが重要です。
7. 2年〜4年かけて単月黒字を目指す
越境ECでは、2年〜4年かけて単月黒字を目指す長期的な事業計画が必要です。
そもそもEC自体が、始めてすぐ簡単に黒字化できる業界ではありません。越境ECになるとさらに難易度が上がる場合もあるでしょう。半年ほどの短期間では適切な撤退判断も難しいのです。
すでに一定の現地顧客がいるといった越境ECの地盤がある状態であれば2年、なければ3,4年を目安に単月黒字を目指しましょう。
越境ECの4つのやり方・参入方法
越境ECの主なやり方は4つあり、状況や目的によって適した方法が異なります。
状況・目的 | 適したやり方 |
---|---|
すでに自社サイトがあり、本格的に越境ECを始めたい | 自社サイトを越境ECに対応させる |
自社サイトがなくて、越境EC用に準備したい | Shopifyで越境EC用のサイトを作る |
自社サイトを用意せず、コストを抑えて越境ECを始めたい | 越境ECに対応したモールに出店する |
すでに自社サイトがあるが、最低限のコストで越境ECを始めたい | 配送代行サービスを利用する |
下記で、それぞれの方法を詳しく解説します。
1. 自社サイトを越境ECに対応させる
引用:LaunchCart
すでに自社サイトがあり本格的に越境ECに参入したい場合は、自社サイトを越境ECに対応させる方法がおすすめです。
多言語化やEMS(国際スピード郵便)の追加、決済方法の追加などによって越境ECに対応させられます。「LaunchCart」のような越境EC対応化サービスを利用するのが一般的です。
日本国内向けと海外向けでデザインを変えるケースもあるでしょう。
2. Shopifyで越境EC用の販売サイトを作る
引用:Shopify
自社サイトがなければ「Shopify」を利用して越境EC用の販売サイトを作るのがおすすめです。
アプリで多言語化を実装できること、クレカ・PayPalといった豊富な決済方法に対応していること、配送を簡略化できることから、Shopifyは越境ECにも適しています。簡単なECサイトは自作もできますが、デザイン性や機能性を重視するのであればShopify構築が得意なエンジニアへの外注がおすすめです。
3. 越境ECに対応したモールに出店する
引用:Tmall Global
自社サイトを用意せずコストを抑えて越境ECに参入したい場合は、現地のECモールへ出店する方法が適しています。
代表的なECモールはアメリカの「Amazon.com」や中国の「Tmall Global」などでしょう。ただし中国のECモールは、現地法人が必要であったり自国内で業界3位までの大企業に限定されていたりと、厳しい出店条件が設定されているため注意が必要です。
4. 配送代行サービスを利用する
引用:楽一番
すでに自社サイトがありコストを抑えて越境ECに参入したい場合には、配送代行サービスがおすすめです。
「WOVN」のような翻訳サービスと「楽一番」のような海外への配送代行サービスをあわせて導入すれば、比較的低コストで越境ECに対応できます。
ただし積極的に越境ECへ参入するというよりも、自社サイトへの海外ユーザーアクセスを取りこぼさないための施策です。本格的に越境ECを始める場合は「LaunchCart」のような越境EC対応化サービスを利用するといいでしょう。
越境ECの4つのメリット
- 市場規模が大きく売上が伸びやすい
- ライバルが少なく参入機会が多い
- 海外で日本製品の人気が高く売りやすい
- 収入の柱となり経営安定化につながる
具体的な準備を進める前にあらためて確認し、参入判断の参考にしてください。
1. 市場規模が大きく売上が伸びやすい
越境ECは市場規模が大きく、国内に限定した通販サイトよりも売上を伸ばしやすいです。
国内ECの市場規模 | 約23兆円 |
---|---|
日本→中国の越境EC市場規模 | 約2.1兆円 |
中国向けの越境ECに参入すれば、国内ECの10%に相当する市場を開拓できます。コロナ禍がEC市場全体に追い風となっている背景もあり、越境ECの市場規模は今後さらに伸びていくでしょう。
2. ライバルが少なく参入機会が多い
越境ECはまだまだライバルが少なく参入機会が多い市場です。
参入者自体は増えていますが、売れ筋商品は流動するため大きなパイが残っています。越境ECが長期目線で参入すべき事業であるにもかかわらず、短期目線の判断で撤退する事業者が多い点もライバルの少なさにつながっているでしょう。
3. 海外で日本製品の人気が高く売りやすい
日本製品が海外での人気が高く売りやすいと言えます。
「クールジャパン」に代表されるように、アニメや漫画、ゲーム、侍といった日本の文化は海外で人気です。詐欺や偽装が多いアジア圏では、家電や食品といった生活必需品も売れやすい傾向にあります。
言語の壁を乗り越えられれば、海外のファンに向けて順調に商品を販売できるでしょう。
4. 収入の柱となり経営安定化につながる
越境ECへの参入は、長期的な経営安定化につながります。
越境であってもEC事業という本質は変わらないため、一度軌道に乗ってしまえば安定します。国内ECと越境ECの2本柱を立てられれば、国内外の需要減や為替変動といった事態へのリスクヘッジにもなるでしょう。
越境ECに関するよくある質問
そもそも越境ECが注目されるのはなぜ?
参照:経済産業省「令和3年度 電子商取引に関する市場調査 報告書」
越境ECが注目されるのは、市場規模が大きいからです。
世界のEC市場シェアでは中国52.1%・アメリカ19.0%と、両国を合わせると日本(3.0%)の約24倍もの市場規模があります。中国人観光客の「爆買い」からもわかるように日本製品が海外でも人気であり、越境ECでの購入が今後増えていくと予想されるのです。
中国市場での越境ECの成功事例はある?
中国市場でも越境ECの成功事例は存在していて、有名なのは美容機器メーカー「ヤーマン」です。
「Tmall」という現地ECモールに出店し、ライブコマースといった販売手法を導入することで成功しています。中国のECモールは参入障壁が高いため、中小企業が中国市場へ参入する際は自社サイトを活用することになるでしょう。
個人でも越境ECはできる?
個人でも越境ECは可能です。
ただし数年単位での赤字を覚悟しなくてはならないこと、法律や関税といった現地規制に対応する必要があることなどから、個人で越境ECに参入するハードルは低くありません。「Retro Asia」のように、趣味の延長かつ小規模な個人事業として参入できる商品・ジャンルを見つけてからがおすすめです。
【まとめ】成功事例を活かして越境ECに参入しよう
この記事では越境ECの成功事例と、そこから学べるポイントを解説しました。
越境ECを成功させるには、参入の際にいくつか押さえるべきポイントがあります。たとえば「ニーズに合った商品を販売する」「SNSを活用して集客する」「決済方法を充実させる」などです。過去の事例を参考にして、自社の越境ECを成功させる戦略を組み立てましょう。
自社サイトの越境EC対応化や、新たな越境ECサイトの制作で頼りになるエンジニアなどの人材を探したい場合は、比較ビズがおすすめです。比較ビズは一括見積もりサービスで、2分程度の入力で経験豊富なエンジニア・デザイナーに相見積もりを請求できます。
EC-Consulting Japan株式会社 代表取締役。1989年生まれ大阪府出身。月商500円だったネットショップを1年で月商1300万、2年で月商3000万に。大手モール型ECサイトで総合ランキング1位獲得商品等も手掛ける。自社でもECサイトを運営し”現場で使えるノウハウ”をモットーに現在ではYahoo!認定コマースパートナー企業として累計数百社以上のサポート実績がありクライアントに合った実行戦略を立てて共に課題を解決する伴走型支援を行っている。また、LINE公式アカウントを使ったマーケティングを得意としておりLINEマーケティングツール「LINY」の認定パートナーとしてLINEマーケティングを支援している。

もしも今現在、
- どのECプラットフォームが適切かわからない
- 継続的な運用・更新ができるか不安
- ECサイトへの流入が増えない
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越境ECにも色々な出店形態があり、身近な所でいえば「ebay 」という世界最大規模のオークションサイトがあり、個人でも気軽に海外と取引が出来る環境があります。
それ以外にも、自社で越境ECサイトを構築して運用する方法や、中国のタオバオ(淘宝網)のように現地のECサイトに出店するという方法もあります。しかし海外のECサイトに出店するメリットは大きい反面、現地の口座が必要などハードルが高いというデメリットもありますが、出店代行業者などを利用する事で解決が可能です。
国内では100円でしか売れないような物でも海外では数百円〜数千円で売れる事もある一方で、日本国内とは商習慣が違ったり、輸出に許可や必要な商品などがある為、事前のリサーチは国内でECサイト運営をするよりも遥かに重要です。
とはいえ越境ECは日本国内よりも遥かに規模の大きいマーケットがあるので、チャレンジする価値は大いにあります。 これから始める方は失敗しない為にもマーケットリサーチ、商品の選定、販売戦略をしっかりと組んだうえで自分にあった販売方法を選んでください。