サーバ構築の費用・料金相場|保守費用・移行費用(マイグレーション)も解説!
- サーバ構築・保守・移行の費用相場
- サーバ構築の方法
- サーバ構築のポイント
サーバ構築の費用・料金はどのくらい?目的・用途はなんであれ、悩んでいる企業担当者の方は多いはず。業務のシステム化が必須の現代では、その根幹となるサーバは必要不可欠の存在であり、単純にWebサイトを開設するだけでもサーバ構築が欠かせないからです。
一方、24時間365日の安定動作が求められるサーバの構築は、ネットワークを含むインフラの知識が必要。アウトソーシングした場合の費用相場は重要な関心事だといえるでしょう。
そこで本記事では、自社内に設置した場合の費用・料金相場を中心に、さまざまな方法があるサーバ構築の基本を解説!構築したサーバの保守費用、サーバを移行(マイグレーション)した場合の費用目安も紹介していきます。
サーバ構築に必要な費用・料金とは?
サーバ(Server)とは、提供する側という言葉から転じた「サービスを提供するソフトウェア・ハードウェア」を意味するIT用語です。
つまり、ユーザーのリクエストに応じてサービスを提供する「サーバコンピューター」、およびサーバコンピューターにインストールされるWebサーバ、アプリケーションサーバといった「ミドルウェア」などをサーバと呼びます。
ただし、サーバ構築といった場合は、サーバコンピューターを稼働できる状態にすることを指すのが一般的。目的・用途に応じて実にさまざまな種類のサーバが存在します。以下はその一例です。
サーバの種類 | 概要 |
---|---|
Webサーバ | HTMLで記述されたWebページを公開するために必要なサーバ |
メールサーバ | メールの送受信に必要なサーバ |
ファイルサーバ | テキスト・画像・動画などのファイルをネットワーク共有するサーバ |
データベースサーバ | データを保管・追加・編集して活用するためのサーバ |
DNSサーバ | ドメインと端末のIPアドレスを関連付けるためのサーバ |
サーバマシン・ハードウェア・設置環境
このような各種サーバを自社内に設置(オンプレミス型)する場合、まず必要になるのがサーバマシン(コンピューター)、その周辺機器であるハードウェア、そしてサーバを設置する場所・環境です。
サーバ構築に必要なコンピューターは、目的・用途に応じて求められるスペックが変動します。24時間365日の稼働が必須のサーバでは、万一の停電でシャットダウンしないよう、UPS(無停電電源)を併用するのも一般的。
サーバ構築では設置環境も重要。サーバマシンのスペックが高くなれば発熱量が増大するため、専用のサーバルームに設置・温度管理する場合も。騒音の大きいマシン本体の冷却ファンから遮断する意味も含め、設置場所・環境の確保が必要です。
サーバ構築費用
ハードウェアを用意して設置するだけでは、サーバとしての役割は果たせません。目的・用途に応じてサーバマシンにOS・ソフトウェアをインストールし、サーバとして利用できる状態にセットアップするためのサーバ構築費用が必要です。
アウトソーシング先としてはWeb制作会社、システム開発会社などがあるほか、サーバ構築を専門に請け負うサーバ構築会社を選定する方法もあります。
クライアントマシン・ネットワーク
一般的に「クライアント・サーバシステム」として構築される各種サーバは、社内で活用するためのクライアントマシン(PC)およびネットワークが必要。すでに社内ネットワークが構築されていれば問題ありませんが、ゼロからシステムを構築するのであれば、クライアントPCの導入・社内ネットワークの構築が必要になるでしょう。
サーバ構築の費用・料金相場
それでは、サーバ構築にかかる費用・料金の相場はそれぞれどのくらいなのか?まずは、サーバマシンを含むハードウェアの費用・料金相場ですが、上述したように、サーバ構築の目的・用途に応じてコンピューターに求められるスペックが変動することに留意してください。
用途 | 料金相場 | |
---|---|---|
タワー型サーバPC | 単機能ファイルサーバなどのエントリー向け | 10万円〜 |
ラック型サーバPC | データベースサーバなど比較的クリティカルな用途向け | 30万円〜 |
ラック型サーバPC | 業務システムなどのハイエンド向け | 100万円〜 |
静音ラック | サーバPCを収納して騒音を遮断するラック | 25万円〜 |
サーバPC本体の料金だけでも10〜100万円以上と、大きな差があることがわかります。これはハイエンド向けサーバPCが「Xeon」系CPUなどのハイエンドパーツを採用しているから。サーバPCと組み合わせるUPSに関しては、5〜10万円程度の幅があり、停電時に電力を供給できる時間によっても価格が変動します。
サーバの種類に応じた構築費用
目的・用途に応じて異なる、サーバ構築費用はおおむね以下の通り。
サーバの種類 | 構築費用相場 |
---|---|
ファイルサーバ・プリンタサーバ | 3〜7万円程度 |
Webサーバ | 6〜10万円 |
セキュリティサーバ | 25〜30万円 |
基本的にはサーバOS・ミドルウェアなどをインストールし、アプリケーションが稼働できるような状態にセットアップするまでがサーバ構築費用になります。目的・用途に応じて3〜30万円の費用が必要ですが、選定するOS・ミドルウェアが有償であれば追加費用が必要な場合もあります。
クライアントマシン・ネットワーク構築費用
ゼロからクライアント・サーバシステムを構築するのであれば、クライアントPCおよびネットワークの構築費用も必要。それぞれの費用はおおむね以下の通り。
項目 | 費用・料金相場 |
---|---|
クライアントPC | 5〜15万円前後 / 1台 |
ルーター | 2〜5万円前後 |
スイッチングハブ | 5,000〜2万円前後 / 1台 |
ネットワーク設計費用 | 10万円前後 / 1フロア・PC25台程度の規模 |
ネットワーク構築工事 | 20万円前後 / 1フロア・PC25台程度の規模 |
サーバの保守費用相場は?
24時間365日の安定動作が求められるサーバでは、万一のトラブルに迅速に処理できなければ、ビジネスに大きな影響が及ぶ可能性があります。つまり、サーバ構築後の保守がサーバ運用では重要。このためにかかる費用も予算に組み込んでおく必要があります。
一般的には、サーバ構築にかかる費用の10〜15%程度が、サーバ保守費用の目安だといわれています。たとえば、10万円で構築したWebサーバであれば、保守費用はおおむね月額1万円〜1万5,000円といったところ。サポート内容は「毎日のログチェック」「サーバ障害時の一次対応」がメインであり、ハードウェアの障害対応はオプション扱いになる場合も。
サーバ構築を専業にする事業者のなかには、他社が構築したオンプレミスサーバのフルマネージドサービスを請け負ってくれるケースもあります。この場合、初期費用5万円程度、月額2万円からの費用で、セキュリティアップデートや緊急時対応も含まれるため、現状の保守対応に満足できていないのであれば、乗り換えを検討するのもおすすめです。
オンプレミスでサーバ構築するメリット
ここまでで、自社内設置型(オンプレミス)のサーバ構築費用・料金相場を解説してきました。それでは、クラウドの活用が加速する現代において、オンプレミスでサーバ構築するメリットとはなんでしょうか?大きくは、システムのセキュリティ面、そしてシステム構築の自由度が挙げられます。
自社で構築するオンプレミスサーバなら、物理的に社内ネットワークに隔離してセキュリティを強化するのも可能。独自の対策を施せることもあり、インターネットに接続する場合でもセキュリティ面はクラウドより有利です。目的・用途に応じて自由に構成を決められるオンプレミスサーバは、事実上の制限なく自由なシステムを構築できるメリットもあります。
オンプレミスでサーバ構築するデメリットは?
一方、オンプレミスでサーバ構築する際は、ハードウェア・ソフトウェア・周辺機器・光熱費、管理も含めてすべて自社で賄わなければならない、サーバ構築に少なからず時間がかかるというデメリットがあります。
構築したサーバを拡張する場合も、物理的にハードウェアを追加・交換する必要があるなど、初期費用・維持費用が高額になりがちなのもデメリットだといえるでしょう。
たとえばファイルサーバ、Webサーバなど、それほど過大なスペックの求められないサーバ構築なら、オンプレミスでも大きな負担にならないかもしれませんが、大掛かりな業務システムなどではサーバ構築・維持には大きな費用負担が必要です。
サーバ構築は幅広い方法をチョイス可能!
近年、幅広くチョイスできるサーバ構築方法を、目的・用途にあわせて使い分ける企業が多くなっているのはこのため。旧来、サーバ構築といえばオンプレミス一択でしたが、現在では機能・セキュリティともにオンプレミスに負けないサービスが数多く登場しているのです。5つの例を紹介していきましょう。
- 共有サーバ(ホスティング)
- VPS(ホスティング)
- 専用サーバ(ホスティング)
- ハウジング
- パブリッククラウド
共有サーバ(ホスティング)
共有サーバとは、ひとつの物理サーバPCを複数のユーザーでシェアするホスティングサービスのこと。サーバOS・ミドルウェアなどがあらかじめ用意されているため、専門知識がなくてもすぐに利用できます。月額数百円と費用を抑えられるのも共有サーバのメリット。小規模なホームページなどに最適なチョイスだといえます。
デメリットとしては、サーバやネットワーク回線をシェアする形のため、他ユーザーの影響を受けやすいこと、また、OSやミドルウェアのカスタマイズ、アップデートが基本的にできないことが挙げられるでしょう。
VPS(ホスティング)
VPS(Virtual Private Server)とは、物理サーバPCのサーバOS上に複数の「仮想サーバ」を作り、それぞれをユーザーに割り当てる形のホスティングサービスのこと。
各ユーザーには「root権限」が与えられるため、好みのOS・ミドルウェアを選んでサーバを構築でき、初期化も可能などサーバを自由に使えるのがメリット。中規模程度のECサイトに適しており、月額費用も1,000円程度からとリーズナブルです。
その分だけ、サーバ構築の知識・スキル、セキュリティ対策の知識・スキルが必要になるのがデメリット。構築・運用をアウトソーシングすることは可能ですが、基本的には自社が責任を負う形になります。
専用サーバ(ホスティング)
共有サーバ・VPSと同じホスティングサービスではありますが、物理サーバPCを専有して利用できるサービスが専用サーバです。費用相場は月額1万円程度からとやや高めになりますが、サーバ領域をどう使うか、利用方法を自由に決められるのが最大のメリット。規模の大きめなECサイトや、業務システムなどのプラットフォームに最適だといえるでしょう。
メリット・デメリット面はVPSと同様ですが、ハードウェアを専有するため、よりサーバに関する深い知識・スキルが求められる傾向にあります。
ハウジング
ハウジングとは、物理的なサーバを含めてレンタルするホスティングと異なり、データセンター内にあるサーバの設置場所、ネットワーク回線、電源をレンタルするサービスのこと。サーバマシン自体は自社で用意する必要があります。費用相場は4Uラックスペースレンタルが月額4万円程度、100Mbps共有回線レンタルが月額2万円程度といったところ。
1Gbpsなどの高速回線やVPNの導入も可能なため、ホスティングでは実現の難しい、高度なシステムを構築したいケースなどに最適です。物理的なサーバを設置するサービスのため、自社所有のサーバを移設する際にも便利。ただし、サーバ関連の高度な知識・スキルが求められるのも事実です。
パブリッククラウド
VPSに近い性格を持つ一方、パフォーマンスとカスタマイズの自由度を飛躍的に高め、使った分だけの従量課金制度を導入したサービスがパブリッククラウドです。AWS、GPC、Azureなどがパブリッククラウドの代表。高度かつ複雑なシステムをリーズナブルに構築できるプラットフォームとして、大企業のみならず中小企業でも活用が進んでいます。
費用相場は専用サーバやハウジングよりも割高になる傾向がありますが、トラフィックに応じてリソースを自由に増減できるなど、利用状況に応じて柔軟に構成を変更でき、利用料金を最適化できるメリットがあります。
サーバ移行(マイグレーション)の費用相場は?
すでに自社内にサーバ構築している企業であれば、上述したサービスに乗換える際「サーバ移行(マイグレーション)」が必要になります。たとえば、ラック型サーバPCを活用していたなら、ハウジングサービスを利用して物理的にサーバを移設する方法がありますが、多くの場合はサーバデータの移行が必要です。
たとえばAWSの場合、オンプレミスからのマイグレーション自体は基本無料ですが、作業には専門知識が必要不可欠。マイグレーションをシステム開発会社やサーバ構築会社にアウトソーシングした場合、費用相場は5万円からといったところになるでしょう。
もちろん、サーバの種類・構成やデータ量、再設定の分量に応じて10万円〜30万円程度になる場合も。ハウジングサービスを利用する際でも、サーバ・ネットワークの再設定は必要です。
サーバ構築で失敗しないためには?
さまざまな方法・手法のあるサーバ構築を費用・料金相場とともに解説してきましたが、ネットワークを含むサーバ構築・移行には専門知識が必要。サーバ構築で失敗しないためには、アウトソーシング先の選び方が重要になります。そのためにはどのようなことに注意しておけばいいのか?いくつかのポイントを紹介しておきましょう。
- サーバ構築の目的・用途を明確にする
- 目的・用途に応じたプラットフォームを選定する
- 候補先には保守も任せられるシステム開発会社を選定する
- 相見積もりはトータルコスト・提案力で比較する
- 箇条書き
サーバ構築の目的・用途を明確にする
まずは、どのような目的・用途でサーバを構築するのか?明確にしておく必要があります。上述したようにサーバにはさまざまな種類がありますが、すべてのサーバを物理マシンに分離させなければならないというわけではありません。
サーバ構築を目的にするのではなく、なにをしたいか?実現したいことはなにか?から、必要なサーバを想定していくことが重要です。
目的・用途に応じたプラットフォームを選定する
サーバ構築の目的・用途が明確になれば、どのような方法・プラットフォームを利用すればいいのかが見えてきます。たとえば、従業員間で共有・活用するファイルサーバを構築するのに、AWSを活用するのはあまりにもToo Muchでしょう。
社内にファイルサーバを構築するのでは外出先からアクセスできない、というのであれば「Dropbox」などのクラウドサービスを利用する手もあります。
候補先には保守も任せられるシステム開発会社を選定する
サーバ構築のプラットフォームにある程度の目安を付けた時点で、システム開発会社・サーバ構築会社を選定しましょう。この際に重要になるのが、3〜4社程度の候補をピックアップして、最終的な1社に絞り込んでいくこと。最初から1社のみに決め込んでしまうのでは、よりよい提案が得られないからです。
候補先をピックアップするポイントは、目的とするサーバ構築を得意としているか?想定するプラットフォームに対応しているか?といったほかに、保守業務も任せられるのか?を考慮に入れておくのがおすすめです。自社の求める要件をまとめた「RFP(提案依頼書)」を作成し、それぞれに相見積もりを依頼するのが鉄則です。
相見積もりはトータルコスト・提案力で比較する
相見積もりの結果は、構築費用だけで判断してはいけません。開発会社・構築会社にとっては、安定的な収入が見込める保守費は魅力であり、構築費用を抑える一方、保守費を高めに設定する場合もあるから。
依頼先の選定は運用費も含めたトータルコスト、そしてなによりも提案力を重視することが肝心です。
たとえば、目的・用途に応じて選定したサーバ構築プラットフォームは、専門家の視点で見た場合にデメリットが多いというケースもあり得ます。こうした要素も含め、顧客第一で最善の提案ができるか?開発会社の提案力を見極めていく必要があるでしょう。
まとめ
本記事では、自社内に設置した場合の費用・料金相場を中心に、さまざまな方法があるサーバ構築の基本を解説するとともに、保守・移行費用の相場、サーバ構築に失敗しないためのポイントも紹介してきました。構成としては汎用PCと変わらないサーバマシンですが、活用できる状態まで構築するには専門的な知識が必要。そのためには、信頼できるパートナーとしての構築会社選定がなによりも重要になります。
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