「ここでいい」を「ここがいい」へ。発注先探しなら比較ビズで

EUCのメリットデメリット!トラブルを起こさない活用法とは?

最終更新日:2022年05月27日
株式会社GeNEE
監修者
代表取締役 日向野卓也
EUCのメリットデメリット!トラブルを起こさない活用法とは?

EUC(エンドユーザーコンピューティング)というのは、情報システム部門などITの専門部隊ではなく、そのほかの部署でプログラムを開発して業務に活用することです。かなり昔に登場した言葉ですが、また近年、EUCの再来とも言える波が企業の現場に起きていることには注目できます。その理由は何か、またEUCに伴うメリットデメリットはどこにあるのか、安全に活用するにはどのようにすれば良いかをツールの紹介を含めて解説します。

なぜ今EUCが再来したのか?

EUC(エンドユーザーコンピューティング)は、ITの専門家ではない一般社員などが、自分たちの現場で必要なプログラムを開発し、業務に活用することを指します。 EUCという言葉自体は、日本で聞かれるようになってからすでに15年以上が経ちます。

最近ではIT関連部署で耳にすることもほとんどなくなった感がありますが、実態として企業の現場でEUCの再来とも言える波が起こっていることは事実です。 その理由は、ITの専門家でなくても簡単にプログラムできるノーコードツールやローコードツールがどんどん登場しているからです。

同時に日本企業では現在DXが推進されており、大企業のようにIT専門部隊がなくても手軽にノンプログラマー社員がシステム開発できることは、大きな転機となりました。

以前はシステム開発を要望したり、IT製品を導入したりする際には、ITの専門部隊に社内で依頼し、対応を待たなければならないのが一般的でした。 現在はこうした手間なく部門内で解決できる手段ができたため、再びEUCが活性化していると言えるでしょう。

EUCのメリットデメリット

企業内システムの開発や導入は、企業全体で見たときに非定型的処理と判断されると、一部門のためにコストは費やせないと放置されてしまう傾向があります。 大手企業のように情報システム部門が確立されている環境でさえそうなのですから、ユーザー部門からの要望は常に山積みで後回し状態となっているのがどこも実情でしょう。

そもそも企業全体で見たときに、ニーズを出す部門とそれを処理する部門とのキャパシティには大差があります。 部門の処理能力の限界を超えれば対応は事実上不可能となり、解消するためにはニーズを出しているユーザー部門が自分たちで処理せざるを得なくなります。

ただ、もともとExcelのVBAもプログラミングですし、その気になれば実行できる環境はなかったわけではありません。 昨今の人手不足や働き方改革などに後押しされ、EUCがあらためて脚光を浴びる形になったと言えますが、手放しでは喜べない大きなデメリットもあることは忘れてはいけません。

EUCのメリット・デメリットについてまとめてみましょう。

EUCのメリット

EUCは実際にそのシステムを必要としている部門が、自分たちの業務に合致するシステムを自分たちで組めるのがメリットです。 業務を効率化するなど働き方改善にも役立ちますし、ほかの部門では使えない非定型的処理にIT専門部隊の労力を割く必要がなくなります。

ユーザー部門のリテラシー向上も望めますし、実際に使用するエンドユーザーがプログラムを理解しているに越したことはありません。

社員同士の情報共有ができた、業務が見える化して効率が上がったといった声は非常に多く聞かれます。

EUCのデメリット

現場にとって有意義に見えるEUCには、常に大きな問題がつきまといます。

それは「シャドーIT」と呼ばれ、情報システム部門の管轄にないユーザー部門独自のIT環境が構築されてしまうことを指します。

たとえば企業が正式に認めていないサービスを部門が勝手に契約し、チーム内だけで使うといった事例です。 非常にリスクが高いのは商用利用前提ではないサービスやツールを使って業務を行うことであり、万が一セキュリティ事故が起こったときに、責任が取れない状況になる場合が考えられます。

そこまでにはならなくとも、チームがそれぞれ勝手にプログラムを開発し、どれが正解かわからない公開ファイルが乱造されて、その後の運用ができなくなるケースは珍しくありません。

つまりEUCでプログラミングされたものが責任の取れない状況になり、企業全体に損害を与えてしまうリスクがあることが一番のデメリットです。 部門やチームは、身の回りの業務さえ効率化できれば良いと考えがちなため、まずはこの感覚の危険性を理解することが重要です。

トラブルを起こさないEUC活用法とは?

EUCは正しい認識と情報共有さえできれば、非常に業務活用度の高い手段です。

部門やチーム側の鉄則は、直近で目の前の業務が効率化ができるとしても、長い目で見て企業のリスクにつながるような選択はしないということです。 また、部門では、実施する内容については部門全体が理解し、状況を把握できる環境を整えることも重要となります。

たとえば、該当する部門の中でたった一人だけがわかるプログラムを組んでしまったら、究極の属人化が起こり、その後の運用が立ち行かなくなることは明白でしょう。

実際さまざまな企業において、「ワークシートによる情報管理から脱却」という目標を掲げるケースが非常に多いことはご存知でしょうか。 これは属人的な使われ方をしがちなExcelのVBAが問題を起こす事例が多く、担当者一人がどんどん独自にプログラムを開発してしまった結果、情報共有ができなくなってしまったことが大半です。

良かれと思い、単独でEUCを推し進めてしまう部門やチームは、逆に企業全体のITシステムと相容れない状況を構築してしまう場合があります。 部分最適に走らず、真に企業に貢献できるEUCのポイントをまとめておきましょう。

企業全体のシステムを理解する

IT専門部署のような専門的知識を、エンドユーザー部門が持つ必要はもちろんありません。

ただ、EUCにおいては、部門だけでなく企業全体を効率化するという大きな視点のうえで考えることが大切です。 情報システム部門などがある企業ならしっかりと対話し、エンドユーザー部門が独自に取り組みを進めてしまわないよう注意しましょう。

企業や業務に真剣に取り組むからこその発想ですから、より良い選択が見つかるはずです。

また、企業によっては、情報システム部門がEUCを推進する責任部署に任命されるケースもあります。 この場合、情報システム部門はEUCの必要性や重要性、業務改善効果などについてエンドユーザー部門にしっかり理解されるよう手を尽くすことも重要です。

部門全体で使いこなせるシステムにする

EUCで問題になりやすいのは、部門でほんの数人しか理解できない独自プログラムを組んでしまうことにより、究極の属人化が起こってしまうケースです。 EUCで構築されるシステムは企業全体で統一管理されるものではないとしても、実際に使う部門では一元化され、現場の誰もが理解したうえで使いこなせるものでなければなりません。

また、でき得る限り大きな括りで同じシステムを活用することが望ましく、いくらEUCだといっても一つの部門に20チームあるときに20個のシステムが存在するようでは立ち行きません。 部門で情報を共有する、誰もが使いやすく理解しやすいシステムにすることが業務の効率化や見える化につながる唯一の道だということを理解しましょう。

信頼できる外部サービスを導入する

企業内のIT専門部署だけを頼りにするのではなく、エンドユーザー部門がEUCに関しては独自にサポートを受けられる環境を整えることも大切です。 現在クラウド経由で提供されている業務効率化のサービスがさまざまありますが、そうした中から信頼できるものを選び、導入することでサポート体制を得ることも考えましょう。

エンドユーザー部門は往々にして「IT関連は情報システム部門の仕事であり、自分たちの業務ではない」と考えがちです。

ただ、EUCはそうした姿勢ではなく、企業全体で業務改善を行うため、各部署が連携して業務効率化を実現するという考えを持つことが重要です。 エンドユーザー部門側でできることは実施し、必要部門と情報共有できる外部サービスを活用するのは良い手段と言えるでしょう。

EUCとERPの関係

EUCの発展により、すでに企業内の各部門でさまざまなデータが加工利用されるようになりました。 その結果、情報システム部門が管理・把握できていないデータが氾濫し、当該のエンドユーザー部門内ですら属人化による弊害が生まれる事態となっていることは事実です。

企業は本来、すべての情報を一元管理し統制すべきであり、当然ながら各部門の情報は各部門単独の持ち物ではありません。 経営戦略や事業戦略を立てるうえで重要となるデータや取引先、売上、利益といった事業の根幹に関わるデータがEUCにより正しく管理されないなど、あってはならない事態です。

こうしたEUCの氾濫による重要情報の流出や業務の非効率、データ不整合などの弊害が近年問題視されるようになり、セキュリティ上の問題や内部統制が叫ばれるようになりました。

こうしたことから企業で導入が進められるようになったのが、ERPパッケージです。 ERPという言葉自体の解釈はさまざまあり定義はありませんが、日本では「統合基幹業務システム」と理解されるのが一般的です。

企業経営に欠かせない基幹業務システムをオールインワンで提供するソリューションであり、経営基盤に関わるものから現場での数字管理に広く通じるシステムとなります。

導入が進むクラウドERP

日本では2000年代から徐々に普及し始めたERPですが、現在はオンプレミスからクラウドERPへ移行しました。 企業は各ベンダーと契約し、月額の負担だけでサービスを利用することができます。

メリットはもちろん企業経営に必要なシステムをオールインワンで提供してもらえることですが、クラウドの利点はシステム運用負荷を軽減し、ITコストを削減できる点でしょう。 自社でシステム運用する負荷が軽減されることにより、エンジニアリソースの少ない中小企業でもスタートアップ企業でも利用可能な環境となっています。

システム運用に関しては一切をベンダーに一任できるため、EUCの氾濫を抑え、情報システム部門の負担軽減が実現します。 また常に最新のシステムを利用できることも魅力であり、インターネット環境さえあればどこにいても時間に関係なくシステムにアクセスできるシームレスな経営戦略を実現します。

EUCにおすすめのクラウドサービス7選

これからEUCに取り組もうと考えている企業におすすめのクラウドサービスを紹介します。 業務効率化を図るには、これまでバラバラだった業務システムの統合や情報の一括管理ができるERPパッケージがおすすめです。

iDempiere

株式会社ネオシステムが提供するオープンソースERPです。 誰もが自由に使用できるオープンソースでの提供は世界でも数が少なく、低コストで導入できることからスモールスタートしたい企業のERPとして注目されています。

顧客管理、販売管理、在庫管理、購買管理など基本的なERP機能は一通り網羅されているため、そこから人事給与システムや会計システムなどに広げていく手法を採ることも可能です。 拠点が多く複数のグループ企業を持つ場合でも、まとめて導入できるため海外拠点を持つ企業にも最適です。

NetSuite

Shearwater Japanが提供するクラウドERPです。 中小企業やスタートアップ企業に寄り添うパッケージになっており、初期費用込みで月額20万円台から開始できるリーズナブルな設定になっています。

成長企業に共通するルールにもとづき、リアルタイムな状況把握や業務プロセスの統合、経営スピードの促進などを提供します。 売上や経費、在庫情報のリアルタイム把握、業務の見える化など、企業規模にも業種業態にも関係なく対応が可能です。

クラウドERP freee

freee株式会社が提供するERPパッケージです。 会計や人事労務などバックオフィスの情報を一元管理し、業務の効率化を図ることができます。内部統制だけでなく経営状況の把握も可能であり、経営的判断がリアルタイムに素早く行えます。

社内情報や従業員情報を融合し、管理業務全体をペーパーレス化することが可能です。 レポートの自動生成やアクセス権限の詳細設定など、きめ細やかな部分まで使い勝手にこだわっている仕様が秀逸です。

クラウドERP ZAC

株式会社オロが提供するERPパッケージです。 案件単位、契約単位、プロジェクト単位で情報を一元化し、プロジェクト収支や部門収支をタイムリーにモニタリングできることから経営管理にも役立てられます。

組織全体で同一のフォーマットを利用しながら、各部署で個別対応や連携が可能となっているのが特徴です。 未対応の業務やタスク処理を各担当者のトップページに警告するなど、ヒューマンエラーやチェック漏れなどを減らす管理機能も備わっています。

OBIC7

株式会社オービックが提供する総合業務ソフトウェアです。 会計を中心とする基幹システムとほかのソリューションとを連携し、業務統合と情報戦略を支えます。

セキュリティ管理やワークフロー、共通マスター管理など基本機能を搭載し、連携性と拡張性を備えているのです。 すべてのシステムはクラウドで導入可能であり、現場の業務改善のほか、経営において予算統制や意思決定の支援、内部統制強化、IFRS対応などで経営基盤を支えます。

GRANDIT

GRANDIT株式会社が提供する日本発のクラウドERPです。 多様な業種業態に適合する次世代ERPとして開発され、ワークフローやEDI、EC、BIなどを標準搭載しています。

日本企業の成長を支えるという理念のもと、オールインワンで幅広い企業規模に適応できるシステムとして開発されました。 豊富な機能で少ないカスタマイズにより、販売などのEC機能のほか経理経費精算、債権債務、人事給与などを自由に組み合わせられる導入形態が特徴です。

Microsoft Dynamics NAV

Microsoft社のERPパッケージです。 財務管理や販売管理、仕入管理、倉庫管理のほか、生産管理やサービス管理、リソース管理などが可能です。

同社のソフトウェアであるOfficeやOutlookなどと連携できる点が大きな利点であり、企業規模を問わず導入活用できます。 使い慣れたMicrosoftツールと同じような感覚で使えるため、現場に馴染みやすいのが特徴です。

まとめ

EUCは、正しい進め方であれば業務を効率化し、企業の成長を助ける有効な手段となります。リモートワークが推進される中、多様化する業務部門ごとの非定型的業務に企業の情報システム部門が追いつかない状況が出てきているのも事実でしょう。

ただそうした中、部門担当者が独自にノーコードツールやローコードのツールなどを使うことで、業務管理が属人化したり、シャドーIT化が起こったりすることには高いリスクが伴います。 こうした状況下でこそ情報システム部門とエンドユーザー部門とが協力し、情報の一元化を行うことが重要です。

現場と経営を乖離させることなく、企業が本来一元管理、統制すべきデータを統合するためには、信頼できるクラウドERPの導入が有効な手段と言えます。 

監修者の一言

記事の中でも少し触れましたが、EUC(エンド・ユーザー・コンピューティング)の問題点の一つとして、「シャドーIT」があります。このような問題が大きくならないように、弊社のような外部の開発会社やITコンサルティング会社を巻き込みながらEUCの立ち上げを目指す会社様も多く、一つの正攻法と言えます。EUC立ち上げのステップとしては、会社様のご状況によって変動しますが、基本としては、

(1)現状調査・ヒアリング
   ※必要に応じてシステム監査等を実施
(2)課題分析・課題抽出
(3)改善策・ワークフロー等のすり合わせ
(4)EUC展開

になります。既存のドキュメント類や現場で働く方々に対する質問紙調査及びヒアリング調査等によって、現状の理解を図ります。その後、調査結果を整理し、組織内に眠る課題の抽出、EUC展開による潜在リスクや顕在リスクについて分析評価します。

続いて、DX/IT専門家の立場から課題に対する改善策、対応方針を検討し、実施計画書をまとめます。最後に、計画に従いながらEUCを展開し、予実管理を進めていき、必要に応じてフォローアップを行います。

EUC立ち上げ時、DX/IT専門家と上手く連携を図ることで、将来的なトラブルを未然に防止することに繋がります。

株式会社GeNEE
代表取締役 日向野卓也
監修者

東京工業大学環境・社会理工学院卒業。MBA取得。国内最大手SIerの株式会社NTTデータなどで大手法人領域(大手流通企業、大手小売企業)の事業開発、事業企画等の業務に従事。その後、米国・台湾の海外大学への研修留学を経て、株式会社GeNEEを創業。

システム開発会社を一括見積もりで発注先を楽に探す
システム開発会社を一括見積もりで発注先を楽に探す
比較ビズへ掲載しませんか?

一括見積もりで発注先を探す