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概念実証とは?ビジネス系企業で取り入れられるPoCの目的とポイント

最終更新日:2022年05月27日
株式会社GeNEE
監修者
代表取締役 日向野卓也
概念実証とは?ビジネス系企業で取り入れられるPoCの目的とポイント

概念実証は、Proof of Conceptを日本語訳した言葉です。実証実験と同義で使われますが、概念実証=PoCは近年、技術開発分野に限らず幅広いビジネス分野で聞かれるようになりました。本来のテクノロジー分野だけでなく、あらゆるビジネス、あらゆる事業、あらゆる局面でPoCが求められるようになったことは事実です。ここではそんな時代の変化も含め、PoCの目的や実施するうえでのポイントを解説します。

概念実証(PoC)とは何か?

現在ビジネスにおいて使用される「概念実証(PoC)」という言葉は、まさしく概念をでき得る限り見える化し、実現性を実証することを意味します。 本来の意味の通り、以前は主に技術開発分野で実施されてきました。

ただ近年この行為は他のビジネスでも取り入れられるようになり、あらゆる分野で注目される形に変化してきています。 概念、つまりアイディアを実証することは、頭の中にしかないものに実現性があることを証明する行為と言えます。

ビジネスにおいてその主たる目的は、それを実際に試行すべきか否か、投資すべきか否かの判断です。 以前よりIT業界ではPoCは必須と言える行為であり、億単位のシステム開発を行うようなプロジェクトでは、当然ながら非常に重要なプロセスになります。

果たして投資の採算は合うのか、期待するだけの費用対効果を得られるのか、十分吟味するためには欠かせない行為です。 近年ではIoTやAI領域の開発が進められ、PoCはより重要性を増したと言えるでしょう。

AI技術分野で高い注目

大手コンサルティングファームの「デロイト トーマツ」が発表した「AIガバナンス サーベイ2019」によると、AI利活用企業の実に5割がPoCを実施しています。

参考元:https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/about-deloitte/articles/news-releases/nr20200124.html(デロイト トーマツ)

これは日本企業172件の有効回答で、AIを利活用しているか取り組み始めた企業のうち、47%がPoCを実施していると述べたものです。 実際に活用に至った企業はPoCを行った企業が圧倒的に多く、事実として目的を達成しやすいことも明らかになった結果と言えるでしょう。

予想と現実、コストと成果の間を適切につなぐルート上に欠かせないのがPoCだと言えます。

PoCで検証すべきものは何か?

概念実証といっても、具体的に何を実証すれば良いのか、その結果から何を検証し、知れば良いのかがわからなければ、実施する意義も薄れてしまいます。 PoCで検証すべきものはいったいなんなのか、詳しく見ていきましょう。

目的1:実現性の検証

PoCで検証すべき重要なポイントは「実現性」です。 昔から絵に描いた餅は食べられないと言いますが、一見画期的で予想もしていなかった素晴らしいアイディアが出てきたときに、それが実現できるか否かを検証することは非常に重要です。

投資すべきかどうかを議論する前に、まず本当にできるのかどうかを確かめるのは至極当然でしょう。 まさかフラッシュアイディアで即走り出してしまう企業はないでしょうが、プロトタイプにたどり着けたとしても、結局はプロジェクトが破綻してしまうケースも珍しくはありません。

またこの場合の実現性の中には、コスト面での現実性も含まれます。 たとえば「当初計画の10倍のコストをかければ実現できる」という結果が出たとしても、事業にとっては「実現不可能」と同義です。

そのため、実現性の検証には技術的知識を持つ人間と営業的知識を持つ人間とが参画する必要があります。

目的2:効果の検証

どのようなプロジェクトでも、何の目的でどういった効果を得るという計画の骨子があるのです。 効果の検証はこの骨子に基づき、かけた費用に対して狙った以上の成果が得られるかどうかを知るための重要な経営判断だと言えます。

システム開発にしても商品やサービスの開発にしても、費用対効果が得られるかは現実にできるだけ近い形でPoCを実施することが求められます。 たとえばコストの大幅カットを実現できると踏んで実施したPoCにおいて、まったくイレギュラーな課題が見つかり、逆にコスト増のリスクが発見されるケースも珍しくはありません。

目的3:具体性の検証

アイディアは良い、実現も可能、費用対効果も高いとしたときに、実際にプロジェクトが進められるだけの具体的な手段や方法があるかどうかは大きな課題です。 乱暴に言えば、実験をするだけしてOKが出ても、その後はまったく白紙のまま現場に丸投げでは何も進みません。

そこからどのようなステップを踏み、どのようなスケジュールで進めていくのか、実際に形にするプロセスが見えていることが重要です。

そのため、具体性の検証には現場担当者の参画が必須であり、想定される課題はすべて洗い出したうえで解決していく形を作らなければなりません。

PoCの基本的な進め方

それでは具体的にPoCを進めていくときの流れをまとめてみましょう。 実際には都度細かな対応が必須となりますが、ここでは大きく分けて3つのセンテンスに分けて解説します。

ステップ1:試作

まずはアイディアを初めて形にする試作のステップとなります。 それまで頭の中にあったものを設計図やコンテ、模型といった目に見える形にアウトプットし、実際にそれをもとに構築する段階です。

ここで注意すべきポイントは、あくまで試作であることを忘れないことです。 熱中するあまり細部にまでこだわり、余計な機能まで搭載することは大きなマイナスにしかなりません。

試作はとにかく早く制作すること、必要最低限の構成にすることがポイントです。 時間もコストも人件費も極力かけず、それでいて十分に検証目的を達成できる試作を制作するのには、実はしっかりとした技術とノウハウが必要だと認識しましょう。

ステップ2:実装

試作を仕様に従い実環境へ実装するステップです。 往々にして起こるのが、試作の制作現場では問題なく動いていたのに、実環境へ持ち込んだらいきなり動かなくなるといったトラブルです。

実際の現場へ持ち込めるかどうかは状況にもよりますので何とも言えませんが、極力実環境に合わせるのが検証を成功させるためのコツだと理解しましょう。 別の場所に仮想環境を作ることも多いようですが、そのためには前もって十分に実環境の情報を調べ、状況を把握しておくことが大切です。

ステップ3:検証

実装が終わり、最終的な検証を実行します。 検証においても実際の使用環境に近づけることがポイントなので、可能な限り人も含めて準備しましょう。

たとえばITシステムであれば実際にそのシステムを使用する現場担当者も交え、作業の分析を行うのが理想です。 前述したとおり現実性を検証するために、技術者や営業担当者も含めてあらゆる角度から課題を洗い出すことが必要です。

PoCを成功させるための注意点とは?

PoCは実施したほうが良いことに間違いはありませんが、PoCの実施にも一定のコストがかかることは意識しておく必要があります。 繰り返し実施しなければならないようでは非効率ですし、無駄なコストを流出することになるため成果にはこだわるべきです。

ただし、結果としてプロジェクトが頓挫もしくは中止となることは、PoCの失敗ではありません。適切な経営判断がなされることがPoCの成果ですので、正しい判断に結びつくようディレクションしてください。 PoCを成功させるためには、前述したとおりスモールスタートに徹することです。

またPoCを重視するあまり、PoC自体が目的にすり替わらないよう意識してください。

まとめ

概念実証(PoC)は、テクノロジーの分野を超え、現在はさまざまなビジネスの現場で実施されています。 目的はアイディアでしかなかったものを具現化し、事業として実行可能かどうか経営判断を下すことです。

もしPoCの結果としてプロジェクトが中止となった場合にも、適切な判断であればPoCは成功と言えます。 実現性、効果、具体性を検証し、正しい投資判断ができるよう実施することが重要です。

監修者の一言

ポックやピーオーシーと呼ばれるPoCは、直訳すると概念実証になりますが、「実証実験」という意味で使用されることも多々あります。新規性の高い事業の立ち上げ、あるいは革新的なテクノロジーを利用するといった際に、「本当にそれらが実現できるのか」、また「それを実現した後にどのような効果が得られるのか」、「ユーザは共感してくれるのか」、などを机上の議論のみでジャッジするのは非常に難しいことですよね。

そこで実際に必要最低限の機能を実装した試作品(モック)を製作し、できあがったものを用いて検証を行うことで、実行可否の意思決定に役立てることができます。新事業の成果予測にお困りの方、新しいテクノロジーを活用するプロジェクトのリーダーに選ばれたものの、なかなか周囲の理解が得難いと感じている方、まずはPoC(実証実験)から開始してみるのも一つの選択肢として良いのではないでしょうか。

株式会社GeNEE
代表取締役 日向野卓也
監修者

東京工業大学環境・社会理工学院卒業。MBA取得。国内最大手SIerの株式会社NTTデータなどで大手法人領域(大手流通企業、大手小売企業)の事業開発、事業企画等の業務に従事。その後、米国・台湾の海外大学への研修留学を経て、株式会社GeNEEを創業。

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