リモートデスクトップとVPNの接続方法は?できない・切れるときの解決策5つ
- リモートデスクトップとVPNはどういう関係性がある?
- リモートデスクトップをVPNに接続する方法は?
- 接続できない原因や接続が切れるときの解決策はなに?
「リモートデスクトップとVPNを接続したいけど方法がよくわからない…」という方必見!
この記事では、リモートデスクトップの安全性を高めたい方に向けて、リモートデスクトップをVPNに接続する方法について解説。最後まで読めば、リモートデスクトップとVPNの違いや関係性がわかり、両者を組み合わせて安全なリモート環境を構築できます。
接続できない原因や解決策についても解説するので、リモートデスクトップとVPNの接続に不安がある方はぜひ参考にしてください。
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リモートデスクトップとVPNの関係性
近年、コロナウイルスや働き方改革の影響により、在宅ワークを取り入れる企業が増えてきました。そこで活用されているシステムが「リモートデスクトップ」です。
リモートデスクトップを活用するためのネットワークとして「VPN」が利用されています。リモートデスクトップの活用は、便利な反面セキュリティリスクが高くなってしまいますが、VPNによりリスクを大幅に解消できます。
リモートデスクトップを導入する際は、VPNへ接続できる環境も必ず準備しておきましょう。
リモートデスクトップは離れた場所から端末を遠隔操作する仕組み
リモートデスクトップとは、離れた場所からインターネットを介して端末のデスクトップ画面を転送し遠隔操作する仕組みです。
リモートデスクトップと似た言葉に「リモートアクセス」がありますが、リモートアクセスは離れた場所のネットワークに接続するシステムであり、デスクトップ画面を転送するシステムではありません。
リモートデスクトップは、データがすべて社内PC内に保存され自宅のPCにはデータが残らないため、セキュリティ面での利点があります。
VPNは仮想上のプライベートネットワーク
VPNとは「Virtual Private Network」の略称で、通信回線上仮想上のプライベートネットワークを作成する技術です。
パブリックなインターネット回線ではなくプライベートネットワークなため、社外へ情報が洩れづらくセキュリティリスクをおさえられます。
インターネット回線を使いながら、認証済みユーザーのみが利用できるプライベートネットワークを構築するため、専用回線のように安全な通信ができる点が特徴です。
VPNを活用することで安全にリモートデスクトップを利用できる
リモートデスクトップの利用は常にセキュリティリスクがつきまといますが、VPNを活用することでリスクの軽減ができます。
VPNは「トンネリング」という仕組みで回線内にプライベートネットワークを設けられるため、外部からデータを守れる特徴があります。
もし、プライベートネットワークに外部から侵入できた場合でも、VPNを活用するとデータがすべて暗号化されるため、簡単にデータが漏洩する心配はありません。
VPNの種類
VPNには以下の2つの種類があります。
- インターネットVPN
- IP-VPN
それぞれ特徴・メリット・デメリットがあるため、しっかり理解して自社にあったVPNを採用しましょう。
インターネットVPN
インターネットVPNは、既存のインターネット回線内にトンネリングや暗号化を施すことで外部からデータを保護するVPN接続方法です。
既存のインターネット回線を利用するため、VPN接続専用のルーターを設置する必要がありますが、比較的低コストの導入でVPNを利用できるメリットがあります。
P-VPNに比べると、通信品質やセキュリティ面で劣ることがデメリットです。コストをおさえてVPN接続を利用したい方におすすめのVPNでしょう。
IP-VPN
IP-VPNは、事業者独自の仮想ネットワークを構築することで回線内のデータを保護するVPN接続です。
独自の仮想ネットワークを構築するため、インターネットVPNに比べてセキュリティ面で高い安全性が確保できます。
専用ルーターを設置する必要がなく、サービス契約者のみがVPN回線を利用できるため、通信品質が高い点もメリットです。コストをかけてでも、通信品質・セキュリティ面の安定性の高さを求める場合はIP-VPNを導入しましょう。
【4ステップ】リモートデスクトップとVPNの接続方法
リモートデスクトップとVPNの接続方法は、以下の4つのステップです。
- VPNサーバー機能付きのルーターを設置する
- VPNの設定をおこなう
- 社内PCにVPNを接続・リモート操作の許可をおこなう
- 自分のPCからリモート操作できるように設定する
リモートデスクトップとVPNの接続には、VPNルーター・社内PC・自分のPCそれぞれを設定する必要があるため、手順を把握して正しく設定しましょう。
ステップ1. VPNサーバー機能付きのルーターを設置
インターネットVPNを使用する場合は専用ルーターが必要になるため、まず社内にVPNサーバー機能付きのルーターを設置しましょう。
どのルーターでもいいというわけではないため、ネットで購入する際は「VPN対応 ルーター」と検索して専用ルーターを探すことがおすすめです。
基本的に専用ルーターさえあれば他の機器は必要ありませんが、自社で用意するルーターの仕様をしっかり理解しておきましょう。
ステップ2. 設定とユーザー認証をおこなう
社内にVPNサーバー機能付きのルーターを設置した後に、設定とユーザー認証をおこないましょう。
ルーターの設定とユーザー認証方法はルーターによって異なるため、導入したルーターの取り扱い説明書を参照し、ルーターの設定と認証をすませれば完了です。
設定に必要なVPNの種類・サーバー名・ユーザー名・パスワードなどの情報を確認しておく必要もあります。
ステップ3. 社内PCにVPNを接続・リモート操作の許可をおこなう
VPN・ルーターの設定が完了したら、社内PCにVPNを接続・リモート操作の許可をおこないましょう。
VPN接続を追加する手順は、以下のとおりです。
- 設定をクリック
- 「ネットワークとインターネット」をクリック
- 「VPN」をクリック
- 「VPN接続を追加する」から自社のVPNを選択
- タスクバーの右にあるネットワークアイコンをクリック
- 接続したいVPNを選択し「接続」をクリック
リモート操作の許可方法は、以下のとおりです。
- 「エクスプローラー」をクリック
- 「PC」を右クリック
- 「プロパティ」→「システムの詳細設定」
- 「リモート」タブをクリック
- 「このコンピュータへのリモート接続を許可する」をクリック
- 「適用」→「OK」をクリック
社内PCの設定が正しくできていないと、リモートデスクトップのアクセスができないため間違いなく設定しましょう。
ステップ4. 自分のPCからリモート操作できるように設定する
社内PCの設定を完了したあとは、自分のPCから社内PCをリモート操作できるように設定しましょう。リモートデスクトップを利用する際の自分のPCで必要な設定手順は、以下のとおりです。
- 「Windowsボタン」をクリック
- 「Windowsアクセサリ」→「リモートデスクトップ接続」
- 「コンピュータ(C)」に社内のパソコンのコンピュータ名を入力
- 「接続」をクリック
リモートデスクトップの接続に成功した場合、自分のPCに社内PCと同じ画面が表示され遠隔操作できるようになります。
リモートデスクトップでVPN接続できない場合の4つの原因
リモートデスクトップでVPN接続できない場合の原因は、以下の4つです。
- 社内PCの電源が切れている
- 社内PCがWindowsアップデート中になっている
- 他のユーザーがログインしている
- VMwareコンソールに不具合が発生している
リモートデスクトップの接続が切れる場合は、社内PCの設定や、自分のPCに問題などさまざまな原因が考えられます。
VPN接続できない場合の原因を先に把握しておくことで、トラブルが起きた際に迅速に対応できるように準備しましょう。
1. 社内PCの電源が切れている
リモート操作しているPCの電源が切れている場合、自分のPCのリモートデスクトップ機能も切れてしまいます。
突然接続が切れた場合は、リモートデスクトップでつなげている最中に電源を切られてしまった可能性があります。
会社に連絡をとり社内PCの電源が入っているかの確認、切れている場合は電源を付けてもらいましょう。
2. 社内PCがWindowsアップデート中になっている
リモート先の社内PCがOSの更新をするために、Windowsアップデートの状態にあると切れるケースがあります。
Windowsアップデートは、基本的に定期的・自動的に実施されます。リモートデスクトップ中にWindowsアップデートの時間に被ると接続が切れてしまいます。
Windowsアップデートによって接続が切れてしまった場合は、アップデートの終了を待ち再接続しましょう。
3. 他のユーザーがログインしている
リモートデスクトップで接続できる人数が決まっているため、ログインの人数が上限以上になると切断されたり、ログインができない場合があります。
リモートデスクトップの設定によっては、後からログインした人が優先となり接続の所有権を奪われることがあります。
複数人が接続する場合、ログイン制限にかからないように「誰がいつリモートデスクトップを接続するのか」をあらかじめ決定しておきましょう。
4. VMwareコンソールに不具合が発生している
VMwareにはさまざまな機能がありますが、複数の機能を同時に起動してリモートデスクトップのログイン人数が上限に達している可能性があります。
VMwareとは、1つのPC上に、仮想環境を作り複数のPCで操作しているような動きをさせられる仮想環境作成ソフトのことです。
VMwareを利用する際は、現在の業務に余計な機能を停止することでストレスを感じずにリモートデスクトップに接続できます。
リモートデスクトップのVPN接続が切れる場合の4つの解決策
リモートデスクトップのVPN接続が切れる場合の解決策は、以下の4つです。
- RDP(Remote Desktop Protocol)クライアントを変更する
- リモートデスクトップの設定・登録状況を確認する
- ネットワークレベル認証を無効化する
- VPNの暗号化方式を変更する
リモートデスクトップのVPN接続が切れた場合の対策法を事前に知っておくことで、急なトラブルにも落ち着いて対応できるようにしておきましょう。
1. RDP(Remote Desktop Protocol)クライアントを変更する
RDP(Remote Desktop Protocol)クライアントを変更することで、ネットワークレベル認証が無効化され解決するケースがあります。
RDPとは、リモートデスクトップを利用するための通信規約を意味する言葉です。
RDP(Remote Desktop Protocol)クライアントの変更方法は、以下の手順です。
- Windowsボタンをクリック
- 「gpedit.msc」と入力
- 「ローカルグループポリシーエディタ」が起動する
- 「ローカルコンピューターポリシー」から「コンピューターの構成」を選択
- 「管理用テンプレート」-「Windowsコンポーネント」を選択
- 「リモートデスクトップサービス」を選択
- 「リモートデスクトップ接続のクライアント」を選択
- 「クライアントのUDPを無効にする」を選択
- 選択内容が「無効」や「未構成」となっていたら「有効」に
- 「適用」をクリックで完了
リモートデスクトップの接続が切れる原因は、RDPの設定に不具合が起こっているケースが大半です。RDPクライアントの変更をし最適化しましょう。
2. リモートデスクトップの設定・登録状況を確認する
リモートデスクトップが無効になっている場合は接続できないため、設定・登録状況を確認しミスがあれば修正しましょう。
リモートデスクトップを有効にする方法は、以下の手順です。
- Windowsの「設定」を開く
- 「システム」を選択
- 左のメニューから「リモートデスクトップ」を選択
- 「リモートデスクトップを有効にする」を「オン」にする
- 「リモートデスクトップを有効にしますか?」と確認画面が表示される
- 「確認」をクリック
リモートデスクトップを実施する際に、当然有効にできていると思い込んでいる可能性があります。リモートデスクトップを実施する際は、徹底した設定の確認をおこないましょう。
3. ネットワークレベル認証を無効化する
ネットワークレベル認証を無効にすることで、リモートデスクトップのVPN接続問題が解決するケースがあります。
ネットワークレベル認証を無効化する手順は、以下のとおりです。
- Windowsの「設定」を開く
- 「システム」を選択
- 左のメニューから「リモートデスクトップ」を選択
- 「詳細設定」をクリックする
- 「コンピューターの接続にネットワークレベル認証の使用を求める(推奨)」のチェックボックスを外す
- 「ネットワークレベル認証を使用しない接続を許可しますか?」の画面で「このまま続行」をクリック
リモートデスクトップを有効にすると、デフォルトで「ネットワークレベル認証」が有効化された状態になります。
基本的には有効状態であっても問題なく接続できますが、ネットワークレベル認証に対応していないことが原因でWindows以外の端末から接続できないケースがあります。
4. VPNの暗号化方式を変更する
VPNの暗号化方式を変更することで、リモートデスクトップのVPN接続問題が解決するケースがあります。暗号化方式の変更方法は、以下の手順です。
- Windowsボタンをクリック
- 「gpedit.msc」と入力
- 「ローカルグループポリシーエディタ」が起動する
- 「ローカルコンピューターポリシー」から「コンピューターの構成」を選択
- 「管理用テンプレート」を選択
- 「Windowsコンポーネント」を選択
- 「リモートデスクトップサービス」を選択
- 「リモートデスクトップセッションホスト」を選択
- 「セキュリティ」を選択
- 「リモート(RDP)接続の特定のセキュリティレイヤーの使用を必要とする」を選択
- 詳細設定画面で「有効」を選択
- セキュリティーレイヤーを「ネゴシエート」にする
- 「OK」をクリック
Windows以外の端末からリモートデスクトップを接続する場合に、暗号化方式の1つである「SSL」に対応していないケースがあります。セキュリティ設定を変更し接続問題を解決しましょう。
まとめ
リモートデスクトップとVPNの接続方法を、接続できない・切れるときの原因と解決策とともに解説してきました。
VPNを利用したリモートデスクトップの接続は、セキュリティ面や通信品質においてメリットがありますが、複数の手順を踏む必要があります。注意点やよくあるトラブルを把握しておくことで、適切な準備を進めましょう。
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東京工業大学環境・社会理工学院卒業。慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了。MBA(経営学修士)取得。国内最大手SIerの株式会社NTTデータで大手法人領域(大手流通企業、大手小売企業)の事業開発、事業企画等の業務に従事。米国スタンフォード大学への研修留学を経て、システム/モバイルアプリ開発会社の株式会社GeNEEを創業。

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リモートワークの機会は新型コロナウイルス流行の前後で確実に増加しています。リモートデスクトップはWindows XPから用意されたWindowsの遠隔操作用アプリケーションですが、今やWindowsとLinux間でも接続可能となっています。リモートワークの選択肢の一つとして候補に挙がるのは間違いありません。
パソコンをリモートで操作するということはネットワーク通信をしながら操作するということですから、接続の安定性や操作感は通信品質に左右されます。通信品質は一定ではありませんので、少しでもストレスを低減するためには、本記事を参考に切断しにくい設定へ変更することが望ましいです。
またリモートワークに付きまとう問題は情報漏洩です。多くの大企業では情報漏洩リスク低減を目的として、従業員の業務データ持ち出しを原則禁止しています。リモートワークの手段として、企業内に接続先の端末を用意し、外部からその端末に接続する形をとるかと思います。
ただし、リモートデスクトップはデフォルトでクリップボードが共有されているため、接続先の端末からデータの持ち出しができてしまいます。通信設定同様、セキュリティ強化の設定もあわせて実施することが望ましいでしょう。