テレワーク監視ツールとは？監視方法・導入メリットやおすすめ5選を解説

テレワーク監視ツールとは

テレワーク監視ツールとは、在宅ワークやリモートワークにおける勤務状況を管理する社内システムです。

近年、新型コロナウイルスと働き方改革の影響による在宅ワークの増加に伴い、多くの企業で導入されています。監視ツールを導入することで、仕事に適度な緊張感を持たせ、全体の生産性をあげることを目的としています。

テレワークの状況を監視する4つの方法

テレワークの状況を監視する方法は、以下の4つです。

テレワーク状況を監視する方法の種類を把握することで、自社に合ったシステムを選びましょう。

1. 勤怠管理システムによるタイムスタンプ

社内システムとして勤怠管理システムを導入し、タイムスタンプ機能を活用することで社員のテレワーク状況を確認できます。「業務時間を超過していないか」や「細かいスケジュールの管理」を課題としている企業におすすめの監視方法です。

現在、オフィスワークの際にタイムカードを用意している企業の多くが、テレワークの導入とともに勤怠管理システムの導入を進めています。

2. ウェブカメラによる着席確認

ウェブカメラを設置し遠隔操作することで、業務時間中に在席しているかを確認し、テレワークの状況を監視できます。ウェブカメラによる着席確認は、勤怠管理システムに比べて厳しい監視方法ですが、より信憑性や確実性の高い監視方法です。

常にウェブカメラを起動するのではなく、数分おきに自動でパソコンの画面を撮影して送信するシステムも近年では登場しました。

3. アクセス制限機能

業務に関係のないインターネットサイトへのアクセスを制限することで、社員のテレワーク状況を管理します。事前に仕事で使用するパソコンの機能に制限をかけておくことで、勤務状況を事前に管理しましょう。

4. アプリの利用状況管理

業務時間内に「業務に必要なアプリが稼働していない」ことや「業務と関係のないアプリが稼働している」ことなどが確認可能です。WordやExcelなどのOfficeソフトをはじめとした、業務に使用するアプリがどのように稼働しているかを管理することで、社員のテレワーク状況を監視できます。

近年では、AI分析ツールによって、アプリの稼働率や業務内容を自動で分析するテレワーク監視ツールも登場しています。

テレワーク監視ツールを導入する3つのメリット

テレワーク監視ツールを導入するメリットは、以下の3点です。

テレワーク監視ツールを導入するメリットを理解することで、自社のニーズに合っているかを把握しましょう。

1. 社員の作業状況・スケジュールの把握

テレワーク監視ツールを導入することで、テレワーク中の社員の作業状況やスケジュールを把握できます。作業の状況を随時記録できるため、業務と関係ないことをしている社員がいる場合、リアルタイムで発見して注意が可能です。

テレワーク監視ツールを活用し、社員の作業状況やスケジュールを把握することで、テレワークの生産性を向上させましょう。

2. セキュリティリスク・コンプライアンスの強化

テレワーク監視ツールを導入することで、セキュリティリスク・コンプライアンスの強化を図れます。アクセス制限や使用アプリの制限をかけることで、セキュリティリスクを回避できます。社員の詳細な労働時間と業務内容を把握し、社員の働きすぎを抑制することも可能です。

テレワーク監視ツールを活用し、情報漏洩のリスクや社員の働きすぎなど、コンプライアンスに違反するリスクを低減させましょう。

3. 緊張感による生産性の向上

テレワーク監視ツールを導入することで、業務時間内における社員の緊張感による生産性の向上を図ることが可能です。テレワークは普段から生活する家で、1人もしくは家族のいるなかでおこないます。そのため、業務に緊張感や集中力が薄れる可能性があります。

テレワーク監視ツールを活用することによって、業務に緊張感がうまれるため、生産性の向上を図れます。

テレワーク監視ツールを導入する2つのデメリット

テレワーク監視ツールを導入するデメリットは、以下のとおりです。

テレワーク監視ツールは、使い方によっては社員のストレスとなり業務の生産性を下げる可能性があります。デメリットを把握しておくことで、事前に適切な準備ができるようにしておきましょう。

1. 過度な監視はストレスになる

テレワーク監視ツールを使用した過度な監視は、かえって社員のストレスになる可能性があります。テレワークの過度な監視は「会社から社員に対する信頼がない」と社員から思われ、会社と社員の信頼関係に傷がつくことも考えられます。

ストレスや会社への不信感は、業務の生産性を落とすことになります。監視ツールを導入する際は、社員の精神面への悪影響を事前に考慮しましょう。

2. テレワークのメリットを活かせない

過度な監視によって、テレワーク本来の目的やメリットが活かせず、かえって生産性が落ちてしまう可能性があります。テレワークは本来、業務の無駄をなくし、育児や介護など個人の事情に合わせた働き方の多様化を図る目的で、多くの企業で導入されています。

社員の業務状況を管理する必要はありますが、監視ツールの導入によって、働き方の自由を妨げないよう注意しましょう。

テレワーク監視ツールの4つの機能

テレワーク監視ツールの主な機能は、以下の4つです。

テレワーク監視ツールの主な機能を把握しておくことで、テレワーク監視ツールが自社のニーズを満たすツールか確認しましょう。

1. 操作ログによる業務内容把握

テレワーク監視ツールでは、業務に使用するパソコンの操作ログから業務内容を把握できます。操作ログから業務内容を把握することで、社員がどのようにテレワークに取り組んでいるかを管理しましょう。

WordやExcel、チャットツールなどのアプリケーションの利用状況や利用時間を確認し、社員の業務状況を把握できます。

2. 業務量・内容に関する自動分析

テレワーク監視ツールでは、各社員の業務量や内容に関する自動分析をおこなえます。分析は社員個人だけではなく、チームや部門ごとの作業時間や業務量の比較もおこなえるため、会社全体の業務効率化に活用できます。

業務内容だけではなく、ストレス値や仕事への熱量など、目に見えずわかりにくい内容もチェック可能です。

3. 勤務時間のアラート機能

テレワーク監視ツールには、勤務時間のアラート機能によって、社員の業務時間の管理をおこなえます。

テレワークは家が職場になるため、仕事をしすぎるケースがあります。勤務時間のアラート機能を活用することで、社員の仕事とプライベートを意識的に区別させましょう。

ツールによっては、勤務時間を過ぎると強制的にPCをシャットダウンさせるシステムもあります。

4. セキュリティリスク管理

セキュリティリスク管理機能によってテレワーク時に情報漏洩のリスクを低減しましょう。管理者の目が届きにくいテレワークでは、セキュリティリスクの管理が難しいため、セキュリティリスク管理機能は必須です。

セキュリティリスク管理機能を活用することで、思わぬ事故やトラブルにならないよう対策しましょう。

テレワーク監視ツールのおすすめ5選

テレワーク監視ツールのおすすめツールは、以下の5つです。

それぞれのテレワーク監視ツールの特徴や性能を把握しておくことで、自社に合ったツールを導入しましょう。

1. Qasee

テレワーク監視ツール「Qasee」は、株式会社ネオキャリアから提供されているテレワーク監視ツールです。Qaseeは、社員の業務内容や業務時間を可視化することで、テレワークの状況を管理できます。

得られたデータから、現在の業務状況の問題点や課題点を明確にするサービスが搭載されているため、正確な修正や経営判断が可能です。

2. F-Chair＋

テレワーク監視ツール「F-Chair＋」は、株式会社テレワークマネジメントから提供されているテレワーク監視ツールです。

在席・離席状況をワンクリックで記録できるため、作業時間が細切れになる場合や時間外に働いた場合でも、正確な労働時間を管理できます。自動で画面のキャプチャを撮影する機能もあり、社員の業務状況を確認するツールとしても使用可能です。

3. Optimal Biz Telework

テレワーク監視ツール「Optimal Biz Telework」は、株式会社オプティムから提供されているテレワーク監視ツールです。

「Optimal Biz Telework」は、稼働時間や業務内容をデータとして集計し、AIが分析することで現状の課題解決をサポートします。端末管理サービス「Optimal Biz」とあわせることで、セキュリティ対策も同時におこなえます。

4. AssetView Tele

テレワーク監視ツール「AssetView Tele」は、株式会社ハンモックから提供されているテレワーク監視ツールです。社員の業務状況を可視化し、操作ログと対比することで社員の業務状況や働き方を分析できます。

パソコンの状況を監視するだけではなく、PCの設定コントロールや制御、ウイルス対策もおこなえる「トータルクライアントソリューション」です。

5. Eye“247”

テレワーク監視ツール「Eye“247”」は、株式会社フーバーブレイン から提供されているテレワーク監視ツールです。「Eye“247”」は、社員の業務状況や業務時間をダッシュボードを使い、誰もが一目でわかるシステムになっています。

PCに保存されている個人情報が含まれるファイルを検出し、関係者以外の閲覧を制限できます。USBをはじめとする外部記憶装置の使用制限を設けることも可能です。

まとめ

この記事では、テレワーク監視ツールの概要やメリットとデメリットを解説するとともに、おすすめテレワーク監視ツールや搭載される機能を紹介してきました。

企業がテレワークの状況を管理するために導入されているテレワーク監視ツールですが、使い方によっては社員にストレスを与えてしまう可能性があります。自社のニーズと社員の精神的な健康を考え、必要な機能があるテレワーク監視ツールを選びましょう。

「比較ビズ」であれば、必要事項を入力する2分程度で、テレワーク監視ツールをスピーディーに探せます。複数の会社に無料で相談できるのもポイントです。テレワーク監視ツールの選定に迷うことがあれば、ぜひ利用してみてください。

監修者のコメント

AOIS Consulting株式会社

代表取締役 青井真吾

大学卒業後はIT企業に入社。システムエンジニアとして大手企業向けのERPシステム開発を経験。その後は、フリーのITコンサルタントとして、人材派遣会社の基幹システムの開発、不動産会社の商業施設での販促システムの導入、自動車メーカーでコネクティッドカー開発のプロジェクト管理、SIerでのSalesforceの導入、ファッション業界の企業でSalesforceと連携する周辺システムの導入を経験。現在は法人化し主に企業のシステム開発プロジェクトを支援。

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テレワーク監視ツールの導入は、「社員の理解をしっかり得られる形で導入を進める」ということが特に重要なポイントとなります。

本来であれば、社員の作業を管理し会社の生産効率を改善していくことが目的であるはずが、従業員に強いストレスを与えることになり逆に生産性を下げてしまう結果にも繋がりかねません。

導入がマイナスの効果を生まないよう注意が必要です。時間管理から成果物管理にシフトするという方法を取る企業も出ていますが、仕事によってはどうしても成果物管理にすることはできないものもあります。

テレワーク監視ツールがどうしても必要になってくる業務はあるため、デメリットがあることを理解しつつ、それぞれの事情を考慮してうまく業務に会社に適用させて行くことがポイントになります。適切に導入できれば有効なツールになります。

導入を進める際は、例えば最初は試験的に導入しその後PDCAを繰り返すなど、社員が納得できる形で工夫して導入していくといいでしょう。

執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。