開発プロセスとは?目的・役割や代表的な3種類のメリット・デメリットを解説

株式会社CHEAT
監修者
株式会社CHEAT セールスマネージャー 北居洋平
最終更新日:2023年05月18日
開発プロセスとは?目的・役割や代表的な3種類のメリット・デメリットを解説
この記事で解決できるお悩み
  • 開発プロセスとは?
  • 開発プロセスの目的・役割って?
  • 開発プロセスの代表的な種類は?

開発プロセスとは、システムを作り上げる工程を意味します。主に3種類の開発プロセスがあり、自社の開発内容に適したものを選ぶことが大切です。

本記事では、開発プロセスの概要や目的・役割を解説します。最後まで読むと、種類ごとのメリット・デメリットがわかり、最適な開発プロセスを選べるようになるでしょう。

「開発プロセスについて詳しく知りたい」という方はぜひ参考にしてください。

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開発プロセスとは

システム開発における開発プロセスといった場合の「プロセス」は「工程」を意味しています。システム開発も「ものづくり」です。

一瞬にしてパッと出来上がるわけではなく、地道に複数の工程を経て作られることで品質的に満足のいくレベルのシステムが作り上げられているのです。この開発プロセスですが、各ITベンダーやSIerなどがそれぞれ標準を提唱しているため少しずつ名称や定義が違っています。しかし、本質的には

  • 要件を定める要件定義工程
  • システム機能の設計をする設計工程
  • プログラムを作るプログラミング工程
  • 作ったプログラムやシステムをテストするテスト工程

に分かれています。その積み上げがシステム開発を行ううえでの開発プロセスと呼ばれるものです。

さらに細かく分けて、複数の工程としている場合も

これらの工程をさらに細かく分けて、複数の工程としている場合もあります。例えば設計は基本設計(概要設計)、詳細設計(構造化設計)、プログラム設計などの工程に分けられることがあります。

開発プロセスの目的・役割は

開発プロセスを定義する目的、役割はいくつかあります。そのどれもがシステム開発を効率的に進め、品質の高いシステムを作ることをターゲットとしています。

  • 品質の確保
  • 作業に対する認識の統一
  • クライアントとベンダーでシステム開発を共有
  • リソースを抑えて効率的にシステム開発を行う
  • 経験値の利用

工程を分けて作業を行うことで、品質の確保を行う

多段階に工程を分割し、一つの機能について繰り返し別の角度から検討を加えることで、作り上げるシステムの品質を高めます。機能によりケースバイケースとは言え、システム構築でやらなくてはいけないことはある程度決まっています。

最低限決めなければいけないところから決め、その内容をブレイクダウンしてより細かく規定していくことにより品質の高いシステム作りに繋げているのです。

複数の開発者間での作業に対する認識の統一

システム開発をITベンダーに依頼した場合、一人で作るのではなくベンダー内にプロジェクトチームを作って事にあたるのが通常です。複数人でシステムの開発を行うのにあたり、「いつ」、「何を」、「どのレベルまで設計して」、システムを作っていくのか共有する必要があります。

作業は分担しても、連携する機能や共通する機能があれば足並みを合わせて取り組まなければなりません。システム開発プロジェクトに対し認識の統一を図る意味でも、開発プロセスを定義する必要があるのです。

クライアントとベンダーでシステム開発を共有する

開発者の間での共通認識を作るとともに、クライアントとベンダーの間でも認識を共有しておく必要があります。プロジェクトにおいて、いつ、何を、どのような順序で実施しているかの共通認識を作り、両者協力の元、システムを開発していくためです。

ベンダーが設計した機能に対し、レビューを行って承認をすることでクライアントはプロジェクトの進行に関わる必要があります。その際の基準としても開発プロセスを定めるのです。

リソースを抑えて効率的にシステム開発を行う

ITベンダーはシステム開発を行うたびに、どうやって開発を進めていくのかを一から考えていると大変非効率的です。

システムは変われど、実施しなくてはならない内容として共通する部分があります。これを開発プロセスとして定めることで、効率的なシステム開発につなげることができるのです。

これまでのプロジェクト運営で得られた経験知を利用できる

開発プロセスを定めてプロジェクト推進をすることで、同様の開発プロセスを利用した際の経験知を利用することが出来ます。システム開発もものづくりであるため、勘所、重要なポイントなどが存在します。

あらかじめ開発プロセスに照らしあわせてポイントを認識し、過去のプロジェクトでの経験を活かすことができるのです。

開発プロセスの代表的な3種類とそのメリットデメリット

開発プロセスを定めてシステム開発をすることでメリットがあることを、ここまで説明してきました。ここから先は代表的な開発プロセス3種類について、その特徴とメリット・デメリットをご紹介します。

ウォーターフォール型

古くからあり、よく知られている開発プロセスといえるのがウォーターフォール開発と呼ばれるモデルです。開発の行程を上の行程から下の行程に順々に実施していくことから、ウォータフォール(滝)の名前がついています。

各工程で仕様や機能の設計を確定していき、工程の全てのタスクが完了したら次のタスクを実施する手法となっています。またウォーターフォール型の中でも図のようなV字型と呼ばれる形が多く普及しています。左右の矢印で結ばれた工程が対になっており、設計した内容をテストで確認する対応となっています。

ウォーターフォール型のメリット

  • 工程が上から下に進んでいくため分かりやすく、管理しやすい
  • 多くの開発事例があり、開発者やクライアントにも理解されやすい

ウォーターフォール型のデメリット

  • 要件定義や基本設計に誤りがあった場合、リカバリーコストが多くかかり致命的になりかねない
  • プログラム設計やプログラミング、プログラムテストの工程が一番多くの人員が必要となり、人員確保が難しい場合がある

プロトタイプ型

プロトタイプ開発はベンダーによる開発/改修とクライアントの確認/フィードバックを繰り返してシステムを作り上げる手法です。プロトタイプの名前通り、原型となるプログラムを改善することで品質を高めていきます。

開発や改修のフェーズの中でどのような進め方をするか、設計書等のドキュメントをどの程度作成していくかは、プロジェクトごとに決め手ておく必要があります。

プロトタイプ型のメリット

  • クライアントとベンダーの間でシステムの要件、仕様について話し合う機会を多く持つことが出来、システムの完成系にも活かされやすい
  • プロトタイプとして実物を作るため、クライアント側がシステムに対するイメージを持ちやすい

プロトタイプ型のデメリット

  • 途中でリリースして稼働しながらサイクルを回した場合、品質が上がっておらずトラブルに繋がることもある。
  • 作業工程が繰り返されるため、最終的なコストが増大傾向にある。

スパイラル型

スパイラル開発は設計、開発、テストのサイクルを繰り返し実施し、システムを少しずつ改善する方式です。サイクルを回すことでクライアント、ベンダー間の齟齬を無くし、品質を高めていきます。

見方を変えると下図のようになり、ウォーターフォールでの開発をサイクルとして繰り返し実施する形式とも言えます。また開発対象を機能ごとに分割することで、複数の開発サイクルを同時に回しながら開発を進めることも可能です。

サイクルを回しながら開発する点ではアジャイルといった方式とも似通ったところがあります。

スパイラル型のメリット

  • 柔軟にスケジュール変更や仕様の変更に対応することが可
  • サイクルを小さくすることで手戻りも小さくできる
  • スモールスタートに親和性が高い

スパイラル型のデメリット

  • システム開発の管理が難しくなる
  • システム全体が見渡しづらく、途中の段階で全体像が見えない
  • 初期の段階では高品質のシステムとはならない

総括

開発プロセスはシステム開発を行う大きな手順です。これを策定せずにシステム開発を実施するのは、地図を持たずに目的地を目指すようなものかも知れません。一長一短のある既存の開発プロセスから、開発するシステムの特性を考慮して適正なものを選ぶと決めやすいかもしれません。ITベンダーによっては、対応可能な開発プロセスが限られていることもあります。見積もりなどの早い段階で実施可能な開発プロセスを確認しておくとよいでしょう。

監修者のコメント
株式会社CHEAT
セールスマネージャー 北居洋平

株式会社CHEATのセールスマネージャー。高校・大学在学中にIT系の資格を取り、卒業後は関東へ渡り某財閥系データセンタで勤務。大震災を経験後、地元へ避難しマルチメディア系電設会社で官公庁むけシステム開発(ハード・ソフト)の営業を経て現在に至る。IT業界の幅広い分野の知識を武器にクライアントの課題をワンストップで解決。相談可能な分野はWeb制作・アプリ開発・Webシステム開発・AR・VRなど多岐にわたる。

プログラムは文字で作ります。お客様に見ながら評価してただくには、文字だったプログラムを目に見える形にする作業(コーディング)や展開(デプロイ)が必要です。このコーディングやデプロイにもそれなりの工数がかかります。

どのプロセスセットも大なり小なり「設計・開発・テスト」を含みます。これをどの程度の大きさで行うのか、途中で戻れるようにしておくのか、最後まで作りきってから修正するのかの違い程度でしかありません。

しかし、価格面では大きく異なってきます。問題が何もなければ、間にテスト工程を挟まず全部を一気に最後まで作り切り、まとめてテストを行うウォーターフォール型が一番安価です。

プロトタイプは小規模構成で作成し、バージョンアップで機能を追加していく方式ですが、都度コーディングやデプロイの作業が間に入るため、工数が多くなります。スパイラルも同じで、完成までに何度も繰り返すので、工数はかなり多くなります。

ちょうどハンバーガーに例えるとわかりやすいですね。始まりと終わりをバンズに例え、中の具を設計・開発・テストとすると、ひとつの大きなハンバーガーがウォーターフォール、小さなハンバーガーがいくつも並べられているのがプロトタイプ、小さなハンバーガーが食べる度ボリュームアップしながらわんこそばのように何度も出てくるのがスパイラルです。

開発手法は一旦スタートしてしまうと戻ることができないものなので、制作するシステムの開発難度と予算によって、どの方式を採用するかは開発会社と相談し、しっかりと決めていきましょう。開発会社はしっかりと根拠をもってどの手法を選ぶべきか、教えてくれるはずです。
比較ビズ編集部
執筆者

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