【種類別】アプリ開発費用の相場は?決まり方・内訳や実例3つを紹介

最終更新日:2023年03月15日
AOIS Consulting株式会社
監修者
代表取締役 青井真吾
【種類別】アプリ開発費用の相場は?決まり方・内訳や実例3つを紹介
この記事で解決できるお悩み
  • アプリ開発費用はどれくらいかかる?
  • アプリ開発費用の内訳は?
  • 費用を抑えてアプリを開発するには?

アプリ開発費用は種類や機能によってさまざまで、詳細な金額は見積もりを取るまでわかりません。しかし大まかな相場や具体例から、自社の場合のコストを予測することは可能です。

そこで本記事では、アプリ開発費用の相場や内訳、見積もり例、シミュレーション方法などを解説します。事業用にアプリを開発したいけれど、予算の目安がわからない担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

アプリ開発費用の目安は250万円

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一般的なシステム会社に発注した場合、アプリ開発費用の目安は250万円程度とされています。ただし正確な統計が存在するわけではなく、詳細な費用は発注先やアプリの種類によってさまざまです

以下では種類別の相場や内訳などに触れながら、アプリの開発費用について詳しく解説します。

アプリ開発費用の相場【種類別】

アメリカのソフトウェア企業「MLSDev」の調査によると、アプリの種類別の開発費用相場は下記のとおりです

アプリの種類 開発費用の相場
機能特化アプリ(例:カメラ) 150万円
データ連携アプリ(例:カレンダー) 150万円〜
会員アプリ 300万円〜
SNSアプリ 220万円〜1,200万円
eコマースアプリ 350万円〜1,700万円
オンデマンドアプリ(例:Uber) 500万円〜700万円
マーケットプレイスアプリ 1,200万円〜

参照:MLSDev

アメリカはエンジニア人件費や物価が高いため、日本の相場は上記よりもやや低い程度と推定できます。実際のアプリ開発を社内で簡単に見積もる際は、機能や規模によって相場の価格に足し引きするとよいでしょう。

アプリ開発費用の決まり方・内訳

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アプリの開発費用を決める計算式は「人件費(人月単価) × 開発工数」です

人月単価とは

1人のエンジニア/プログラマーが1ヶ月間稼働した場合の人件費のことで単位は円/月です。

人月単価はスキルレベルや所属組織によって異なり、40万円〜160万円が目安です。

人材 人月単価の目安
個人・下請けPG 40万円〜60万円
大手PG 50万円〜100万円
初級SE 60万円〜100万円
中級SE 80万円〜120万円
上級SE 100万円〜160万円

※PG=プログラマー、SE=システムエンジニア

要件定義や設計、仕様書の作成を担当するのがSE、仕様書にもとづいてコーディングを行うのがPGです。さらにプロジェクトマネージャー(PM)やデザイナーなどの人材がアサインされてプロジェクトが進みます。

スキルレベルの高い人材が多くの工数を割かなくてはならないアプリほど開発費用が高くなる、と覚えておきましょう。

アプリ開発工数に影響を与える4つの要因

アプリ開発工数に影響するのは次の4つの要因です。

  • アプリの開発方法
  • アプリの対応OS
  • アプリに実装する機能の種類・数
  • デザイン制作の有無

開発費用を抑えるためにも、工数が変化するポイントを把握しておくことは重要です。下記でひとつずつ解説します。

1. アプリの開発方法

アプリの開発工数に影響するポイントの1つ目は、開発方法です。アプリ開発には次の2つの手法があります。

開発方法 概要
フルスクラッチ開発 0からコーディングを行ってアプリを開発する方法。
パッケージ開発 既存のシステムを組みあわせてアプリを開発する方法。クラウド開発とも呼ばれる。

フルスクラッチでのアプリ開発費用は先述した相場のとおりで、250万円が目安です。一方で既存のシステムを活用するため工数が少なく済むパッケージ開発であれば、おおよそ半分程度の費用で同じ規模・機能のアプリを構築できます

ただしパッケージ開発には機能の自由度が低い・保守契約の切り替えが難しいなどのデメリットもあるため注意しましょう。

2. アプリの対応OS

アプリに対応させるOSの数も開発工数に影響する要素のひとつです。iOSとAndroidでは、開発環境や使用するプログラミング言語が異なります。

まったく同じ機能であってもそれぞれにコーディングが必要となるため、両方に対応させる場合は費用が倍近くなってしまいます

OSは定期的にアップデートされるため、アプリのリリース後も調整が必要です。対応OSが増えるほど、保守・運用費用も高くなります。

アプリの開発費用を抑えたい場合は、まずはiOS/Androidのどちらかだけを作って市場の反応を確かめてみるとよいでしょう。

3. アプリに実装する機能の種類・数

実装する機能の種類や数もアプリの開発工数に直結します。機能数が多いほど開発工数が大きくなることは当然ですが、機能によって実装コストに差がある点も覚えておかなくてはなりません

機能ごとの実装費用目安は下記のとおりです。

機能 実装費用の目安
ログイン(メールアドレス/SNS連携) 10万円〜20万円
ユーザーデータ管理 既存インフラの流用:10万円〜30万円
新規構築:50万円〜100万円
アプリ内決済 既存システムの流用:20万円〜30万円
新規構築:30万円〜50万円
位置情報 15万円〜25万円
通知 10万円〜100万円
カメラや音声など 50万円〜150万円
メッセージ 簡易的なもの:20万円〜40万円
SNSのようなもの:200万円〜1,200万円

アプリの種類・目的によって、なくてはならない機能も存在します。開発コストを抑えたいからとECアプリに決済機能を導入しなければ、アプリとして成り立たないでしょう。

最低限、必要な機能を押さえつつスモールスタートできる要件を見極めることが重要です。

4. デザイン制作の有無

アプリの開発工数に影響するポイントの4つ目は、デザイン制作の有無です。完全に新規でのアプリ開発であり0からデザインを制作する場合、デザイナーの工数が大きくなり開発コストは膨らみます

一方で制作済みの自社サイトデザインを転用する想定であれば、修正のみで実装できるため開発費用を抑えられるでしょう。

ただし「費用を抑えるために自社でデザインを制作する」意思決定には、慎重な判断が必要です。アプリデザインはただ見た目を整えればいいわけではなく、わかりやすい導線や使いやすいUI/UX、クリックされやすいボタンの位置などを設計しなくてはなりません。

UI/UXとは

UI=ユーザーインターフェース、アプリ内でユーザーの目に触れるものを指すことで、UX=ユーザーエクスペリエンス、ユーザーのアプリ利用体験を指します。

企画から行う場合のデザイン制作費を必要コストと捉えておくと、予算を見積もりやすくなります。

アプリ開発費の見積もり3パターン

安価でアプリ開発を依頼できるシステム会社を中心に、会社ごとの開発費の目安を紹介します。システム会社が提示している費用感を掴んでおくことで、自社が用意すべき予算も考えやすくなるため、必ず押さえておきましょう。

1. 株式会社アプキーのアプリ開発費用例

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引用:株式会社アプキー

アプリの種類 開発費用の目安
店舗アプリ 20万円〜
テーブルオーダーアプリ 20万円〜
ECアプリ 60万円〜
タクシー配車アプリ 90万円〜
出前・宅配アプリ 70万円〜

参照:株式会社アプキー

パッケージを用いたアプリ開発を強みとしている株式会社アプキーでは、20万円〜の費用でアプリ開発が可能です。格安と銘打っているだけあり、ログインや決済などの機能を搭載し強固なセキュリティが必要とされるアプリも数十万円から発注できます。

2. 株式会社CyberCatsのアプリ開発費用例

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引用:株式会社CyberCats

アプリの種類 開発費用の目安
店舗の受付管理アプリ 15万円〜
医療系の予約お知らせシステム 20万円〜
カタログアプリ 55万円〜

参照:株式会社CyberCats

株式会社CyberCatsは「低価格で高品質アプリ制作」をコンセプトとしたアプリ開発サービスCHACO-WEBを運営するシステム開発会社です。開発だけではなく、企画や運用、アプリストアでの申請代行3万円〜など幅広い要素をカバーしています。

3. 株式会社ユニアースのアプリ開発費用例

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引用:株式会社ユニアース

アプリの種類 開発費用の目安
カメラアプリ 5万円〜
位置情報アプリ 10万円〜
オフライン誘導アプリ 20万円〜
スマートデバイス連動アプリ 30万円〜
SNS系アプリ 50万円〜

参照:株式会社ユニアース

株式会社ユニアースは、独自ライブラリの研究によってアプリ開発の低コスト化を実現している開発会社です。

ライブラリとは

複数のプログラムを、いつでも再利用しやすい形にまとめたものです。

iOS/Androidのクロスプラットフォーム開発を強みとしていて、複数OSに対応させる費用の安さが特徴といえます。

アプリ開発費用のシミュレーション方法

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引用:CREATIVE VILLAGE

アプリ開発費用をシミュレーションする際はCREATIVE VILLAGEの「アプリ開発費見積もりシミュレーター」が便利です。次の要素を選択するだけで、アプリ開発費用の概算を提示してくれます。

  • 対応OS
  • 個人情報の取り扱い有無
  • ログインの有無
  • 決済システムの有無
  • デザイン制作の有無
  • 他社ツールとの連携
  • 上記以外で実装したい機能(メッセージや通知など)

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引用:CREATIVE VILLAGE

大まかな仕様や機能が決まっていれば、入力は1分ほどで完了します。アプリ開発予算の見積もりに悩んでいる方は試してみてください。

CREATIVE VILLAGE「アプリ開発費見積もりシミュレーター」

アプリ開発費用を抑える3つの方法

アプリ開発費用を抑える方法は次の3つです。

  • レベニューシェアで開発する
  • 厳密に要件定義を行う
  • 個人・フリーランスに依頼する

費用を概算してみたら想定より高くて驚いている方は、ぜひ参考にしてください。下記でひとつずつ解説します。

1. レベニューシェアで開発する

アプリ開発費用を抑える方法の1つ目は、レベニューシェアを導入することです。

レベニューシェアとは

将来的な利益の分配を約束する代わりに、無償もしくは安価でアプリ開発を発注する契約のことです。

レベニューシェアで開発・運用を行えば、アプリが成功した場合の利益は小さくなる反面、通常の契約よりも費用の持ち出しが少なく済みます

しかし開発会社にとってはリスクが大きくなるため、対応している業者は多くありません。承諾してくれた場合でも信頼性の見極めが必要であり、障害も多い手法です。開発コスト削減だけを最優先したい場合には、レベニューシェアがおすすめといえるでしょう。

2. 厳密に要件定義を行う

アプリ開発費用を抑えるには、厳密に要件定義を行うことも効果的です。要件定義が甘いと、コーディング段階での修正が多くなり想定外の工数増加=コストアップを招きます。逆に過不足のない要件定義ができていれば、修正工数を抑えた低コストな開発が可能です。

アプリ開発の発注が初めてであればイメージしにくい部分も大きいですが、開発会社の担当者との打ち合わせを繰り返して厳密に要件定義を行いましょう。

機能や仕様などの要素から定義することが難しい場合は、ベンチマークとする他社アプリを示すだけでもスムーズに進みます。

3. 個人・フリーランスに依頼する

アプリ開発費用を抑える方法の3つ目は個人・フリーランスに依頼することです。プログラマーの人月単価は、スキルレベルに加えて所属する組織にも大きく影響されます。個人であれば、スキルはあるけれど単価が安いプログラマーに依頼しやすいです

形態 人月単価の目安
個人・下請けPG 40万円〜60万円
大手PG 50万円〜100万円

ただしひと口にフリーランスのプログラマーといっても技量はピンキリで、全員が想定どおりのアプリを納品してくれるとは限りません。コーディングができても企画や設計など上流の経験が浅ければ、アプリとして成り立たない可能性もあります。

特にフリーランスに依頼する場合は、ポートフォリオやアプリ開発実績を慎重に吟味したうえで発注先を選びましょう。

【注意】アプリは開発後に保守・運用費用がかかる

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アプリは「作ったら終わり」ではなく、リリース後には保守・運用費用がかかります。下記がアプリ保守・運用費用の代表例です。

項目 費用の目安
アプリストア更新費用 App Store:99米ドル(約13,000円)/年
Google Play:無料/年
サーバー費用 2万円〜30万円/年
SSL化費用 3,000円〜8万円/年
ドメイン費用 1,000円〜5万円/年
アップデート・修正費用 アプリ開発費の15%/年

アプリ開発費が250万円であれば、年間で40万円〜80万円ほどの保守・運用費用がかかります。小さくない金額ですが、アプリの使い勝手が悪いとユーザーが離れていき売上が落ち込むため、保守・運用はおろそかにできません。

アプリ開発に取りかかるときは、リリース後の保守・運用費用を見据えた予算を組むことが重要です。

まとめ|アプリ開発費用は見積もりで正確な金額を把握しよう

本記事ではアプリの開発費用や決まり方、費用を抑える方法を解説しました。アプリ開発費用の目安は250万円といわれていますが、詳細な金額は開発方法や実装する機能などによってさまざまです。

アプリ開発費用を正確に予測するためには、自社内で完結させずに開発会社へ見積もりを請求してみることをおすすめします

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よくある質問とその回答

  • 個人でアプリを開発する場合にかかる費用相場は?

    ゼロからはじめる方のケースで想定すると、開発環境の整備でPC / Macの購入費として50,000〜200,000円、スキル取得でプログラミングスクールに通う場合は150,000〜300,000円、サーバー環境を整えるためにVPS(仮想専用サーバ)を利用すると月額700円〜、リリースする際のApp Store登録費が$99(年間参加料)かかるといわれています。

  • 個人でアプリを開発する際の手順は?

    まずアイデア・企画・設計をします。目的・必要な機能を洗い出したうえで、アプリの最終的な出来上がりを想定しながら、手書きスケッチでイメージしていくといいでしょう。 次にアプリを自作するための開発環境整備です。たとえばAndroidアプリの開発は、最新のWindowsが問題なく動作するPCがあれば別途用意する必要はありませんが、iOSアプリも開発したいならMacが必要になります。 環境整備が整ったら開発・プログラミングをします。Java、Swiftのプログラミングスキルがあれば、環境が整い次第、開発に取りかかれます。 最後に開発・制作したアプリのリリースを行います。開発・テストが完了した自作アプリは、リリースするために「App Store」「Google Play」に登録しなければなりません。

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個人でアプリ開発を行う上で一番重要なことは「目的」になります。アプリを作りたいと思った理由やきっかけは人それぞれです。

‐来フリーランスや起業を計画しており、その足がかりや実績作りのため ▲廛蹈哀薀潺鵐阿筌轡好謄牾発全般を実務形式で勉強するため アプリを公開して収入を得るため などの理由が多いのではないでしょうか?

,陵由であれば、実際に受注しようとしている案件を意識する必要があります。たとえば、業務アプリ開発の仕事を担当しようとしているのにゲームアプリの開発を行っても評価には繋がりにくいので注意が必要です。

△亙拔したい言語で開発することが重要でしょう。将来プログラマーとして活躍していくことが目的であれば、現在または将来的に需要が高い言語で開発してみることが望ましくなります。

であれば、場合によっては個人ではなく一緒に開発する仲間を集めて取り組むことも検討すべきかかもしれません。なぜアプリを開発するのか自分で明確にした上で、何をどのように会はすべきか検討し、ネクストアクションを決めていくことがポイントです。

AOIS Consulting株式会社
代表取締役 青井真吾
監修者

大学卒業後はIT企業に入社。システムエンジニアとして大手企業向けのERPシステム開発を経験。その後は、フリーのITコンサルタントとして、人材派遣会社の基幹システムの開発、不動産会社の商業施設での販促システムの導入、自動車メーカーでコネクティッドカー開発のプロジェクト管理、SIerでのSalesforceの導入、ファッション業界の企業でSalesforceと連携する周辺システムの導入を経験。現在は法人化し主に企業のシステム開発プロジェクトを支援。