データベース構築の流れとは?メリット・デメリットやシステム開発会社の選び方も解説

株式会社GeNEE
監修者
株式会社GeNEE 代表取締役 日向野卓也
最終更新日:2024年03月29日
データベース構築の流れとは?メリット・デメリットやシステム開発会社の選び方も解説
この記事で解決できるお悩み
  • データベース構築の流れとは?
  • データベースを構築のメリット・デメリットは?
  • 失敗しないシステム開発会社の選び方とは?

「データベースを構築して一元にデータ管理を行いたいが、構築する際の流れがわからない」とお悩みの経営者・エンジニア、必見です。データベースの構築の過程では、データの収集から整理・分析・そして適切なセキュリティ対策の実装までを含みます。

この記事ではデータベース構築に関心がある経営者やエンジニアの方に向けて、構築の流れを解説します。最後まで読めば、データベースを構築する際のポイント・メリットやデメリットがわかるでしょう。

データベースを提供している会社も紹介しているため、システム開発会社を探している方はぜひ参考にしてください。

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データベースとは

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データベースとは、体系的に整理・管理されたデータの集合体です。構造化データ(テキスト・数字・日付・画像など)を格納するために使用されます。たとえば、在庫管理システム・予約システムなどが管理される仕組みです。

データベースは、データを安全に保管し、検索や更新が高速で正確に行えるように多数の機能を提供しています。ビジネスや組織・研究分野などで、大量のデータを管理できるようになります。

データベース構築する6つのメリット

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現代のビジネスにおいて、多くのデータが生成され、正確かつ迅速に処理する必要があります。ここからは、データベースを構築することで得られる6つのメリットを紹介します。

  1. データの一元管理が可能になる
  2. データの高速な検索や更新ができる
  3. データの共有性が向上する
  4. データのセキュリティ強化につながる
  5. データの信頼性が高まる
  6. データを業務効率の向上や経営の意思決定に活用できる

データの一元管理が可能となり、共有性やセキュリティ性の向上を期待できます。それぞれのメリットをくわしく解説します。

1. データの一元管理が可能になる

データベース構築により、企業はデータを一元管理できます。重複したデータや誤った情報を排除でき、データの正確性と信頼性が向上します。

たとえば、顧客情報をエクセルファイルや手書きメモなどで管理していた場合、各ファイルを1つずつ開いて顧客情報を確認する必要がありました。データベースを構築することで、顧客情報を一元管理でき、素早くアクセスできるようになります。

顧客とのコミュニケーションがスムーズになり、サービスの向上につながります。

2. データの高速な検索や更新ができる

データベース構築により、データを高速に検索・更新できるようになります。データベースがインデックスを使用し、データを管理しているためです。

たとえば、在庫管理をエクセルファイルで行っていた場合、商品名や在庫数が変更されるたびに、ファイルを開いて変更を行う必要がありました。データベースを使用することで、商品名や在庫数を素早く検索し、迅速に更新できます。

在庫状況をリアルタイムに把握でき、注文処理がスムーズになります。

3. データの共有性が向上する

データベース構築により、データの共有性が向上します。複数の人が同じデータにアクセスできるようになるためです。

たとえば、エクセルファイルでプロジェクト管理をしていた場合、担当者ごとにファイルを作成していたため、全体の状況把握が困難でした。データベースを使用することで、複数の人が同じデータにアクセスでき、情報共有が簡単になります。

各担当者の業務効率が向上し、プロジェクトの進捗状況がリアルタイムに共有できるようになります。

4. データのセキュリティ強化につながる

データベース構築により、データのセキュリティ強化が期待できます。データベースがアクセス権限を管理でき、不正なアクセスを防止できるためです。

たとえば、従業員の個人情報を紙媒体で管理していた場合、外部から不正アクセスの可能性が高く、情報漏洩のリスクがありました。データベースを使用することで、アクセス権限の管理が可能になり、情報漏洩のリスクを低減できます。

データベースはバックアップ機能を備えており、災害時にもデータを保護できるため、業務の継続を確保できます。

5. データの信頼性が高まる

データベースによってデータの整合性や正確性が向上します。

トランザクション処理やデータのバックアップなどの機能を活用することで、データの信頼性を高めることができるでしょう。

6. データを業務効率の向上や経営の意思決定に活用できる

データベースに蓄積された情報は、業務プロセスの改善や経営の意思決定に活用されます。データ分析やレポート作成などの手法を用いて、データから洞察を得ることができます。

業務効率の向上や戦略的な意思決定が可能になるでしょう。

データベース構築する4つのデメリット

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データベース構築にはデメリットが存在します。以下の4つが挙げられます。

  1. 構築・運用コストがかかる
  2. 構築するためには専門知識が必要になる
  3. 自社の既存システムと連携できない可能性がある
  4. データの活用は個人の力量に左右される

データベース構築には、構築・運用コストがかかるほか、専門知識も必要となるため、事前に人的リソースを確保しましょう。

1. 構築・運用コストがかかる

データベースの構築には、ハードウェアやソフトウェア・専門家の給与・メンテナンス費用などが必要です。費用相場は20〜500万円です。企業にとってかなりの負担になる場合があります。

とくに大規模なデータベースや高い可用性が求められる場合は、さらに多額のコストがかかる可能性があります。

2. 構築するためには専門知識が必要になる

データベースの設計や運用には高度な技術知識が必要です。データベース設計では、正規化やインデックスの最適化などの概念を理解し、データモデルを設計する必要があります。

クエリの最適化やセキュリティ対策なども専門的な知識が必要です。知識やスキルを持っていない場合、データベースの品質やパフォーマンスに影響を与える可能性があります。

3. 自社の既存システムと連携できない可能性がある

既存のシステムやアプリケーションとデータベースが十分に連携できない場合があります。異なるデータ形式やデータベース管理システムを使用している場合、データの共有や統合が難しくなるでしょう。

以上のケースでは、データの一元管理や情報の共有が制限され、業務効率が低下する可能性があります。

4. データの活用は個人の力量に左右される

データベースから有益な情報を得るためには、データ分析やクエリの作成などのスキルが必要です。スキルを持つ人材が不足している場合、蓄積されたデータから得られる可能性の高い利益や洞察を最大限に活用することが難しくなります。

個人の能力や経験に依存しているため、知識やスキルの不足によってデータの分析や活用が制限される可能性があります。

データベース構築の流れ6ステップ

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データベースを構築するには、6つのステップを踏む必要があります。データベースを構築する際の流れを順番に解説します。

  1. 要件定義
  2. 論理設計
  3. 物理設計
  4. データのインポート
  5. テスト
  6. 運用・保守

データベース構築の流れは、まず要件定義から始まり、次に論理設計と物理設計を行います。次に、データのインポートを行い、テストを通じてシステムの正常性を確認しましょう。

最後に、運用と保守を行い、データベースの安定性とパフォーマンスを維持します。

1. 要件定義

管理する必要があるデータを把握するために、要件定義を行いましょう。要件定義をするには、ユーザーとのコミュニケーションが重要です。データベースがどういう目的で作られるのかを明確にし、必要なデータを収集することで、後のステップがスムーズに進みます。

2. 論理設計

次に、要件定義に基づいて、データベースの構造や関係性を設計します。データベースの目的や要件を把握し、必要なエンティティを決定します。データの整合性や正確性を確保するために、論理設計が重要なステップです。

エンティティとは?

データベースにおいて扱う対象となる実世界の事物や概念のことです。データベースにおけるデータの論理的な単位であり、属性(データの項目)を持っています。

3. 物理設計

論理設計が終わったら、物理設計に移りましょう。物理設計では、データベースを実際に構築するための詳細な設計を行います。サーバーやストレージの選定・インデックスの設定など、データベースの性能や安定性を考慮した設計を行います。

4. データのインポート

物理設計が完了したら、データをデータベースにインポートしましょう。インポートすることで、実際にデータベースを利用できます。インポートが完了したら、データの整合性を確認するテストを行いましょう。

5. テスト

データのインポート後、データベースのテストを行います。データの整合性や検索機能など、データベースが目的に適した動作をするのか確認します。

たとえば、データのインポート後に、データベース内の情報が予期しない形で整合性を欠いている場合が挙げられます。関連するデータが正しくリンクされていない、もしくはデータの重複が生じているなどの問題が発生する可能性があります。

テストの結果に基づいて、必要に応じて修正を行いましょう。

6. 運用・保守

最後に、データベースの運用と保守を行います。定期的なバックアップやパフォーマンスモニタリングを行い、システムの安定性と可用性を確保しましょう。利用状況や要件の変化に応じてシステムを適宜更新・改善します。

データベースを提供している3社

データベースを構築する際は、自社で行うだけではなく、既存のデータベースを提供している企業のサービスも利用できます。以下にデータベースを提供している3社を紹介します。

  • Oracle:世界トップの統合マルチモデルを提供
  • MS Access:ビジネスに最も適した形式で構築可能
  • EC2:Amazonが提供しているため信頼性が高い

それぞれの特徴を把握し、自社に合うサービスを選びましょう。

Oracle:世界トップの統合マルチモデルを提供

  • 高度な機能や安定性
  • 大規模なデータ処理に対応
  • 分散処理やクラスタリング機能を提供

Oracleは、世界的にもっとも普及したリレーショナルデータベースで、高度な機能や安定性が特徴です。高度な分散処理やクラスタリング、複数のノードでの同時実行などの機能も備え、大規模なデータ処理に広く利用されています。

Oracleは高度な安全性を持ち、大量のデータを高速に処理できます。多くの技術者がおり、サポートやトラブルシューティングが行いやすく、信頼性が高いため安心です。

MS Access:ビジネスに最も適した形式で構築可能

  • 簡単に使えるユーザーインターフェース
  • 軽量で、かつ比較的低コストで利用可能
  • シンプルなアプリケーションを作成する際に最適

MS Accessは、Microsoft Officeスイートに含まれるリレーショナルデータベース管理システムです。小規模なビジネスや個人利用向けのデータベースソフトで、簡単に使えます。データの作成や編集・検索・ソート・レポート作成などが直感的に行え、ユーザーにとって扱いやすいUIです。

MS Accessは軽量であり、比較的低コストで利用できます。大量のデータを処理する場合や、高度なセキュリティを必要とする場合は、より高機能なデータベースソフトウェアを検討する必要があります。

EC2:Amazonが提供しているため信頼性が高い

  • スケーラビリティが高い
  • カスタマイズが柔軟に可能
  • 高い可用性がある

EC2は、Amazon Web Services (AWS)のクラウドコンピューティングサービスで、スケーラブルな仮想サーバーを提供しています。データベースソフトウェアをインストールし、データベースを構築できます。

EC2は、複数のインスタンスを起動でき、必要に応じて自動的にスケールできるため、トラフィック量の変動に柔軟に対応できます。セキュリティや可用性にも優れており、AWSが提供する多様なサービスと連携することで、高度なデータベース環境を構築できます。

失敗しないシステム開発会社の選び方4つ

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システム開発はビジネスの成功に欠かせませんが、選び方を間違えると失敗につながるリスクもあります。以下に、失敗しないシステム開発会社の選び方4つを解説します。

  1. 信頼性の高い会社を選ぶ
  2. 経験豊富な会社を選ぶ
  3. コミュニケーション能力が高い会社を選ぶ
  4. 費用対効果が高い会社を選ぶ

信頼性が高く、経験豊富な会社を選ぶことで、品質の高いシステム開発が期待できるでしょう。

1. 信頼性の高い会社を選ぶ

システム開発会社を選ぶ際は、信頼性が重要です。信頼性の高い会社は、品質管理やリスク管理がしっかりと行われているため、品質の高いシステムを提供できます。納期の遅延やコストの超過などのトラブルを回避することもできます。

信頼性の高い会社を選ぶために、実績や評判を調べ、ISOをはじめとする認証を取得しているかを確認しましょう。

2. 経験豊富な会社を選ぶ

システム開発は、多種多様な技術と知識を要するため、経験が重要です。経験が豊富な会社は多数のプロジェクトを手がけているため、技術力や問題解決能力が高くなっています。クライアントの要望に応える能力が高く、よりいいシステムを提供できる可能性が高いでしょう。

経験豊富な会社を選ぶことで、失敗やトラブルのリスクを低減し、より高品質なシステムの開発が期待できます。

3. コミュニケーション能力が高い会社を選ぶ

システム開発において、要件定義や進捗管理など、コミュニケーションが重要です。コミュニケーション能力が高い会社は、ユーザーとのやりとりがスムーズで、ミスマッチが少なくなり、システム開発の成功につながります。

ユーザーに対するヒアリング能力も高く、細かな要望にも柔軟に対応してくれるでしょう。

4. 費用対効果が高い会社を選ぶ

開発費用が適正かどうか、コストパフォーマンスが高いかどうかを比較検討し、費用対効果が高い会社を選ぶことが重要です。費用対効果を高めるには、コスト削減や業務効率化につながるシステムを提供できるかを考慮しましょう。

価格競争が激化しているため、安易に価格が低い会社を選ぶと品質に問題があったり、納期が遅れたりすることがあります。コスト面だけではなく、提供するシステムの品質や保守体制、カスタマーサポートなどの比較検討が大切です。

データベースを構築する際のポイント4つ

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データベースを構築する際は、流れに沿ったステップを踏むだけではなく、他にも設計に考慮するポイントがあります。以下に、データベースを構築する際におさえておきたい4つのポイントを解説します。

  1. 要件定義を明確化しているか
  2. データに正確性があるか
  3. パフォーマンスの最適化がされているか
  4. バックアップとリカバリーの実施がされているか

ポイントをおさえておくことで、目的に沿ったデータベースを構築できるでしょう。

1. 要件定義を明確化しているか

データベース構築の最初のステップである要件定義は、最も重要なポイントの1つです。データベースが何を管理するか、どういう構成にするかを明確にすることで、データベースの設計に反映できます。

2. データに正確性があるか

データベースに格納されたデータが正確であることが必要です。データの正確性が重要な理由は、正確なデータが意思決定や業務プロセスに直結するためです。

誤ったデータに基づいて意思決定を行うと、誤った戦略や方針を立てる可能性があり、顧客満足度の低下や業務プロセスの混乱を招くリスクがあります。

正確性を確保するために、入力フォームやデータベースに設定されたルールに従い、入力や更新を行いましょう。

3. パフォーマンスの最適化がされているか

データベースのパフォーマンスを最適化することで、データベースの速度と応答性を向上できます。インデックスの設定やクエリの最適化などを行いましょう。

4. バックアップとリカバリーの実施がされているか

データベースには、バックアップとリカバリーの手順を定期的に実施する必要があります。データの損失や不具合によるサービス停止を回避できます。

まとめ

データベースは企業が保有するデータの一元管理を実現するために重要な存在です。データの整合性を確保するために設計されているため、不正確な重複や欠落を防げます。システム構築を専門の開発会社へ依頼もできるため、自社にあった方法で導入しましょう。

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監修者のコメント
株式会社GeNEE
代表取締役 日向野卓也

東京工業大学環境・社会理工学院卒業。慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了。MBA(経営学修士)取得。国内最大手SIerの株式会社NTTデータで大手法人領域(大手流通企業、大手小売企業)の事業開発、事業企画等の業務に従事。米国スタンフォード大学への研修留学を経て、システム/モバイルアプリ開発会社の株式会社GeNEEを創業。

企業がデータベースを設計・構築する最大の目的は、「業務効率化」と「業績向上」の2つに尽きるはずです。必要な情報を即時利用できるデータベースを設計・構築することで、スタッフの業務対応稼働を減らし、業績向上に繋がる情報をリアルタイムに取得できるようになります。

データベース上に存在するデータが適切に格納管理されていない場合、必要なときに必要な情報を取り出すことができません。結果として、データの価値を最大限に生かすことができず、重要な経営意思決定の誤りや遅延を招く可能性があり、それらがきっかけで競合他社に後れを取るリスクがあります。

自社の内部環境に適応したデータベースの設計・構築ができていると、販売情報や仕入情報、顧客情報、その他情報を上手く組み合わせ、複合的で質の高い経営意思決定が可能になるケースも多々あります。

データベースは、専門知識やノウハウが必要になりますので、取り扱いが難しいと考える経営者の方が多数いらっしゃいますが、それでも現時点のデータベース構成や運用が最適と考えず、定期的に見直しやチェックをされることをおすすめします。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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