システムテストとは?テストの種類や流れを徹底解説!

株式会社エン・PCサービス
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最終更新日:2024年03月11日
システムテストとは?テストの種類や流れを徹底解説!
この記事で解決できるお悩み
  • システムテストとは?
  • システムテストの種類は?
  • システムテストの流れは?

「システムテストを計画したいが、種類や流れがわからない…」という方必見!システムテストは一般の方でも行うことが可能ですが、プロフェッショナルなテスターや専門家の経験や知識と比べると制約があります。

この記事ではソフトウェア開発者やテストエンジニアに向けて、システムテストとは何かをわかりやすく解説します。最後まで読めば、システムテストの種類もわかります。

システムテストの流れも紹介しているため、システム導入を検討している企業の担当者もぜひ参考にしてください。

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システムテストとは

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システムテストは、ソフトウェア開発プロセスにおける4つの主要なテスト段階の中で3番目に位置する重要なステップです。このテスト段階では、開発されたシステム全体の機能やパフォーマンスを評価し、システムが設計された要件と品質基準を満たしているかを検証します。

システム全体を対象とし、個々のコンポーネントが単独で正常に動作するかだけではなく、相互作用や全体のシステムの安定性を評価します。システムテストは、システムが実際の運用環境で適切に機能することを保証するために不可欠です。

システムテストの種類一覧

システムテストは、システムが要求される機能を持ち、高品質かつ安定していることを証します。プロジェクトのニーズや要件に応じて、各テストを組みあわせたり、重点を置いたりすることが一般的です。主なシステムテストの種類は、以下のとおりです。

  1. 機能テスト
  2. パフォーマンステスト
  3. セキュリティテスト
  4. ユーザビリティテスト
  5. 回帰テスト
  6. 互換性テスト
  7. ロングランテスト

1. 機能テスト

機能テストは、ソフトウェアやシステムが要件を満たし、期待どおりの機能を提供できるかを検証するテストです。個々の機能が正常に動作することを確認し、ユーザーがシステムを使用する際に必要な機能が適切に実装されているかを確保します。

正確性、効率性、セキュリティ、ユーザビリティなどの観点から機能をテストし、システムが要求を満たしていることを確信する重要な段階です。

2. パフォーマンステスト

パフォーマンステストは、システムが要求された性能基準を満たしているかを評価します。さまざまな状況や条件下でシステムの動作や応答を測定し、性能の問題を特定します。主な種類は、以下のとおりです。

負荷テスト ・システムに予想される通常以上の負荷をかけて性能を評価する
・通常の利用パターンを超えた場合にどのように振る舞うかを検証する
ストレステスト ・システムが限界点に近い状況下でどのように振る舞うかを評価する
・リソース不足や負荷が極限に達した場合の動作をテストする
スケーラビリティテスト ・システムが増大する負荷やユーザー数に応じてどのようにスケールするかを評価する
・追加の負荷やユーザーが増えた場合の性能を検証する

パフォーマンステストは、システムが要求された負荷やユーザー数に対応し、応答時間や処理能力が期待どおりであることを確認するために重要です。

3. セキュリティテスト

セキュリティテストは、システムやアプリセキュリティ強度を評価するテストです。潜在的な脆弱性を特定し、不正アクセスやセキュリティ上の脅威から保護するための対策を構築します。

ペネトレーションテストや脆弱性スキャンなどの手法を使用し、セキュリティの弱点を特定して修正することで、システムやデータの安全性を確保します。

セキュリティテストを行うことで、データ漏洩や不正アクセスからシステムを守り、信頼性を高められます。

4. ユーザビリティテスト

ユーザビリティテストは、システムがユーザーにとって使いやすいかを評価するテストです。ユーザーがシステムをどのように操作し、理解するかを検証します。

UIの直感性やナビゲーションのわかりやすさ、エラーメッセージの適切さなどを評価し、システムを効果的に利用できるように改善点を特定します。ユーザビリティテストをおこなうことでシステムが使いやすくなり、ユーザーの満足度を高めることができるでしょう。

5. 回帰テスト

回帰テストは、システムに行われた変更や修正が、既存の機能や処理に影響を及ぼしていないかを確認するテストです。新しいバージョンや修正を適用した後、以前に検証した機能が正常に動作していることを再確認します。

自動化されたテストスイートを使用して、修正が既存の機能に影響を与えていないことを効率的に検証します。回帰テストは、品質を保ちつつシステムを更新するために欠かせない手法です。

6. 互換性テスト

互換性テストは、システムが異なる環境やプラットフォーム、デバイスで正常に動作するかを確認するテストです。異なるオペレーティングシステム、ブラウザ、モバイルデバイスなどにおいて、システムが適切に表示され、機能するかを検証します。

ユーザーの多様な環境でシステムを利用可能にするために、互換性の確保は重要です。

7. ロングランテスト

ロングランテストでは、通常の使用条件に近い状況でシステムを運用し、パフォーマンスの劣化やリソースの枯渇などの問題が発生するかを検証します。システムが長期間の使用でも安定して動作するかを確認し、予期せぬ問題を発見することが目的です。

特に長時間稼働するシステムや、大規模なデータを処理するシステムなどでは、ロングランテストが重要になります。実際の運用状況で問題が発生する前に発見し、修正や対策を行えます。

システムテストの流れ

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ここからは、システムテストの流れを解説します。

  1. 計画と準備段階
  2. テスト環境の設定
  3. テスト実行
  4. バグの報告と修正
  5. 再テストと検証
  6. 報告と文書化

1. 計画と準備段階

システムテストの成功は、計画と準備により支えられます。テスト計画では、テスト範囲を明確に定義し、優先順位をつける必要があります。リソースの確保やスケジュールの調整も重要な要素です。

テストに用いるテストケースはシステムの各機能や操作に期待される結果を具体的に定義するため、詳細かつ明確に文書化しましょう。実際のテスト実施時に適切なガイドラインを提供し、システムの期待される動作に対する確認を簡単にします。

2. テスト環境の設定

テスト環境の準備は、システムテストの基盤です。本番環境に近い設定で、必要なハードウェアやソフトウェア、データ、ネットワークを整えましょう。実際の運用状況に近い環境でテストをおこなうことで、使用時のバグが見つけやすくなります。

3. テスト実行

システムテストでは、テストケースに基づいてシステムを実際にテストします。この段階では、正確なテストケースの選択と実行が重要です。テストケースの選択により、システムの機能や操作のすべてを網羅したテストができ、システム正確性やパフォーマンスを確認できます。

テストを実行するには適切な記録の取り方とバグの特定、優先順位付けが重要です。テスト結果を正確に記録し、発見したバグや問題を適切に特定して、優先順位をつけることで、開発チームがバグ修正に集中できるようにします。

4. バグの報告と修正

発見したバグや問題は、迅速かつ明確にバグトラッキングシステムで記録し、開発チームに報告します。報告を元に、開発チームはバグの修正に取り組み、修正後に再度テストを行いましょう。

円滑なコミュニケーションと即座の対応が非常に重要です。バグ修正の迅速な対応は、開発プロセスの効率性や品質を高め、プロジェクト全体の成功につながります。

5. 再テストと検証

修正したシステムを再度テストし、バグが解消したことを確認します。同時に、システム全体が要求された機能や品質基準を満たしているかを最終的に検証します。完全なテストカバレッジを確保するために、広範囲での再テストが必要です。

6. 報告と文書化

テスト結果や品質評価を文書化し、報告書を作成しましょう。テストの進捗状況、発見したバグや問題、テストカバレッジ、品質評価などの情報を含みます。

プロジェクトの進行状況を明確にし、今後の改善点や戦略に関する提案を含めることで、将来のプロジェクトに活かせる貴重な情報源となります。

まとめ

システムテストは一般の方でも行うことが可能ですが、プロフェッショナルなテスターや専門家の経験や知識と比べると制約があります。効果的なテストケースの設計に不安がある方は、ビジネスコンサルタントに依頼すると安心です。

比較ビズには、システムテストに詳しいビジネスコンサルタントが多数在籍しています。比較ビズの活用は完全無料であるため、まずは相談から始めてみてください。

監修者のコメント
株式会社エン・PCサービス
代表 齋藤完次

株式会社エン・PCサービス代表。信州大学工学部情報工学科卒。卒業後富士通FIP(現富士通)に就職。某コンビニエンスをクライアントに基幹系、情報分析系、会計・SFAなどのシステム提案、構築、運用サポートを行う。他、ネットワーク構築やサーバー構築も行うなど、フルスタックエンジニアとして活躍。その後、広く多くの人にサービス提供を行いたいという想いから独立し、主にウェブ技術を用いて自社サービス構築と運営を行う。同時に日本のビジネスを底上げするという想いから、中小スタートアップ企業を対象にITシステム開発事業を、企画立案からマーケティング、運営サポートまでワンストップ対応している。

テストは重要な行程でシステムの成否を大きく左右します。可能な限り網羅的に行う事が理想ですが、システムが複雑になればなるほどすべてをテストするのは難しくなります。ここで挙げられた7つの種類は、テストの観点を示した重要な指標なのでぜひ行ってください。

テスト項目は大抵ベンダーによって作られますが、発注者もそれをみてテスト項目に漏れがないか、期待値が合っているのかを検証する事を推奨します。また、正常系(通常の動き)をテストするだけでなく、異常系(普段しない操作)を項目に含めると良いでしょう。テスト項目は仕様策定の段階で作ると開発精度も上がりますので、ぜひ試されてください。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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