スクラム開発とは?メリット3つや開発の流れを徹底解説

株式会社エン・PCサービス
監修者
最終更新日:2024年03月11日
スクラム開発とは?メリット3つや開発の流れを徹底解説
この記事で解決できるお悩み
  • スクラム開発とは?
  • スクラム開発のメリットは?
  • スクラム開発の流れは?

「スクラム開発を計画したいが、メリットや流れがわからない…」という方必見!スクラム開発は効率性や柔軟性、品質向上、顧客満足度向上などのメリットがあるため、多くの組織で重要視されています。

この記事ではプロジェクトマネージャーやソフトウェア開発者に向けて、スクラム開発のメリットを分かりやすく解説します。最後まで読めば、スクラム開発の流れや必要な役割もわかります。

スクラム開発を行う際の注意点も紹介しているため、プロジェクト関与者やチームメンバーもぜひ参考にしてください。

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スクラム開発とは

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スクラム開発は、アジャイル手法の1つであり、複雑なソフトウェアおよび製品の開発プロセスを柔軟かつ効果的に管理するためのフレームワークです。スクラムは、チームが継続的に価値ある成果物を提供することに焦点を当て、変化に対応するための柔軟性と協力を強調しています。

特に変化の激しい環境や要求仕様が不確かなプロジェクトに適しており、効率的かつ柔軟に製品を開発するための方法として広く利用されています。

アジャイル開発とは

アジャイル開発は、現在主流となっているシステムやソフトウェアの開発手法の1つです。
最大の特徴は「計画→設計→実装→テスト」の開発工程を、小規模なサイクルで繰り返すことです。

スクラム開発のメリット3つ

ここからは、スクラム開発のメリットを3つ紹介します。

  1. 迅速な価値提供が可能になる
  2. 顧客満足度が向上する
  3. リスク軽減につながる

1. 迅速な価値提供が可能になる

スクラムでは通常、2週間〜1カ月のスプリントが設定されます。短い期間で成果物を生み出すことが求められるため、プロダクトの機能や改善点を素早く実装することが可能です。

スクラムでは各スプリントごとにプロダクトの一部がリリースされるため、段階的に進化していく様子がわかります。ユーザーは短い間隔で新しい機能や変更点を確認でき、プロダクトの進捗をリアルタイムで把握できます。

2. 顧客満足度が向上する

スクラムでは、オーナーが製品のビジョンを確立し、プロダクトバックログで優先順位を明確にします。プロダクトバックログとは、開発すべき製品の機能やタスク、改善点、要件などをリストアップしたものです。ユーザーの期待にあった機能や要件が優先的に開発され、ニーズが重視されます。

ユーザーの要望や、市場の変化に対して柔軟に対応できるのがスクラムの特徴です。ユーザーの状況や要求が変わった場合でも、適切な調整が可能であり、満足度が高まります。

3. リスク軽減につながる

スクラムは短いイテレーションやスプリントを通じて段階的にプロダクトを構築するため、プロジェクトの進捗が透明になります。早い段階で問題が浮かび上がり、対処することでリスクを早期に発見できるでしょう。

スクラムでは各スプリントごとにプロダクトの一部を試作し、ユーザーからのフィードバックを受けます。定期的な検証により、プロダクトが期待どおりであるかが確認され、リスクの早期発見と修正が可能です。

スクラム開発の流れ

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ここからは、スクラム開発の流れを解説します。

  1. プロダクトバックログの作成
  2. スプリント計画
  3. デイリースクラム
  4. スプリントレビュー
  5. スプリントレトロスペクティブ

1. プロダクトバックログの作成

プロダクトバックログは、製品に関する要件や機能をまとめたリストであり、優先順位をつけて管理します。リストはプロジェクト全体の方向性を示し、柔軟な変更に対応できるように常に更新されます。開発チームやユーザーとのコミュニケーションにおいて、明確かつ透明なバックログが重要です。

2. スプリント計画

スプリント計画では、開発チームとプロダクトオーナーが協力して次に取り組むべき仕事を選択し、そのスプリントのゴールを確立します。時間ボックス内で計画が行われるため、焦点を絞り、効率的な進捗を図ります。ポイントの見積もりや、リソースの可用性に十分留意することが重要です。

3. デイリースクラム

デイリースクラムは、開発チームが毎日15分程度の短いミーティングを行う場です。進捗、課題、および次に取り組むべき仕事に関する情報共有が行われます。各メンバーは進捗と問題を共有し、迅速な問題解決と全体の進行状況の把握をしましょう。

4. スプリントレビュー

スプリントレビューでは、開発チームが成果物をデモンストレーションし、プロダクトオーナーやユーザーからのフィードバックを受けます。フィードバックを元にプロダクトバックログが修正され、次のスプリントへの学びが反映されます。

5. スプリントレトロスペクティブ

スプリントレトロスペクティブは、開発チームがスプリントの過程を振り返り、プロセスやコラボレーションの向上点を議論する場です。挙がった課題や改善点を実行可能なアクションに結びつけ、次のスプリントに向けて改善を促します。

スクラム開発に必要な役割一覧

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スクラム開発では、重要な役割を揃える必要があります。スクラムのプロセスを効果的に適用し、チームの協力と生産性を最大化するのに不可欠です。スクラム開発に必要な役割は、以下のとおりです。

プロダクトオーナー 製品に対するビジョンを持ち、プロダクトバックログを作成し優先順位をつける役割。開発チームとステークホルダーの要望を調整し、プロダクトの成功を確保する。
スクラムマスター スクラムの理解と実践をサポートし、障害や課題の解決を手助けする役割。開発チームがスクラムを効果的に適用できるように促進し、アジャイルなプロセスを最適化する。
ステークホルダー フィードバックを提供し、プロダクトの成功に寄与する役割。プロダクトに関心を持つ利害関係者が必要であり、エンドユーザーや組織内の他の部門、上級管理者などが含まれる。
開発エンジニア プログラミング、コーディング、テストなどの技術的なスキルを持ち、プロダクトの実装に関与する役割。
エンジニアリングマネージャー 開発プロセスの進行やチームメンバーのサポートを行う役割。サポートすることで効果的な開発が促進される。
ユーザーエクスペリエンス(UX)デザイナー ユーザビリティやユーザーエクスペリエンスに関する知識で、製品の使いやすさや魅力を向上する役割。

スクラム開発を行う際の注意点2つ

ここからは、スクラム開発を行う際の注意点を2つ紹介します。

  1. プロジェクト管理が難しい
  2. 非機能要件が不足する可能性がある

1. プロジェクト管理が難しい

スクラムでは透明性が重要ですが、進捗や課題の適切な把握が難しい場合があります。各スプリントでの進捗レビューやデイリースクラムを活用して、プロジェクト全体の透明性を確保しましょう。

スクラムは変更への柔軟性を提供しますが、適切な変更管理がないと、プロジェクトが過度に変動し、計画の立案や進捗の予測が難しくなります。変更を適切に受け入れつつ、コントロールする仕組みが必要です。

スクラムの原則に従いつつ、組織やプロジェクト特有のニーズにあわせて調整を行うことが重要です。

2. 非機能要件が不足する可能性がある

スクラムは主に機能の開発に焦点を当てており、非機能要件(パフォーマンス、セキュリティ、拡張性など)に対する考慮が不足しやすい傾向があります。開発チームが主に機能の実装に集中している場合、非機能要件に関する十分なスキルセットが揃っていない可能性があるため注意しましょう。

プロダクトバックログに非機能要件も含め、全体の要件を網羅的に管理することが重要です。プロダクトオーナーと密に連携し、ビジネスの視点と技術的な側面のバランスを保つよう努めましょう。

まとめ

スクラム開発は効率性や柔軟性、品質向上、顧客満足度向上などのメリットがあるため多くの組織で重要視されています。スクラム開発における組織内の抵抗や課題がある場合は、ビジネスコンサルタントに依頼してみてください。

比較ビズには、スクラム開発に詳しいビジネスコンサルタントが多数在籍しています。利用は完全無料であるため、まずは開発プランや予算から相談してみてください。

監修者のコメント
株式会社エン・PCサービス
代表 齋藤完次

株式会社エン・PCサービス代表。信州大学工学部情報工学科卒。卒業後富士通FIP(現富士通)に就職。某コンビニエンスをクライアントに基幹系、情報分析系、会計・SFAなどのシステム提案、構築、運用サポートを行う。他、ネットワーク構築やサーバー構築も行うなど、フルスタックエンジニアとして活躍。その後、広く多くの人にサービス提供を行いたいという想いから独立し、主にウェブ技術を用いて自社サービス構築と運営を行う。同時に日本のビジネスを底上げするという想いから、中小スタートアップ企業を対象にITシステム開発事業を、企画立案からマーケティング、運営サポートまでワンストップ対応している。

スクラム開発が効果的なのは、関わる人間全てが共通のゴールを共有し密なコミュニケーションをとれる状態にある場合でしょう。オーナーのぶれないビジョン、リーダーによる統率、クリエイター都合でないビジョン指向の関わり方、相手任せにしない責任感など、関係者全員の高いコミット力が要求されます。

開発を外部に委託する場合や予算や納期が決まっている場合は注意が必要です。外注先の品質が心配だから頻繁に進捗を確認したい、そういう理由でスクラム含めたアジャイルを選びたがる人がいますが、その理由であればスクラム開発は選択しない方がよいでしょう。専門家に相談のうえ最適な開発方法を選択される事をお勧めします。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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