V字モデルとは?メリット3つや計画のポイントを徹底解説

株式会社エン・PCサービス
監修者
最終更新日:2024年04月08日
V字モデルとは?メリット3つや計画のポイントを徹底解説
この記事で解決できるお悩み
  • V字モデルとは?
  • V字モデルのメリットは?
  • V字モデルを計画する際のポイントは?

「V字モデルを計画したいが、メリットやポイントがわからない…」という方必見!

この記事ではビジネスオーナーやシステム開発者に向けて、V字モデルのメリットをわかりやすく解説します。最後まで読めば、V字モデルを計画する際のポイントもわかります。

V字モデルは、品質管理やプロジェクト管理の観点から重要視される手法です。V字モデルを行う際の注意点も紹介しているため、プロジェクト関与者やチームメンバーもぜひ参考にしてください。

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V字モデルとは

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V字モデルは、ソフトウェア開発のためのプロセスモデルであり、ソフトウェアエンジニアリングにおける開発手法の1つです。開発プロセスが、V字の形を描くように進行するためにその名がついています。

この手法では、各開発フェーズでの検証と検査が重視され、特に品質管理は上流工程から焦点があてられています。各フェーズでの検証や確認が行われ、エラーが上流で早期に発見されることがV字モデルの長所です。

要求分析 →受け入れテスト
要求定義 →システムテスト
基本設定 →統合テスト
詳細設計 →単体テスト
開発 →コードレビュー

V字モデルの活用例

V字モデルは、特に安全性や信頼性が重要なシステム開発で活用されます。V字モデルの活用例は、以下のとおりです。

  求められる性質 活用例
医療機器開発 ・信頼性
・規制要件の遵守
・要件の正確性のチェック
・設計の適合性の確認
航空宇宙産業 ・耐久性
・高い安全基準
・要件の適合性と一貫性の確認
・システムの信頼性テスト
鉄道システム開発 ・安全性
・効率性
・要件と安全性の検証
・システムの正確な運行テスト
産業制御システム ・正確性
・柔軟性
・制御プロセスの正確性の確認
・環境変化に対する柔軟性の検証

上記の分野では、V字モデルが要求される高い品質基準とプロジェクトの特性に適しているため、広く活用されています。

V字モデルのメリット3つ

ここからは、V字モデルのメリットを3つ紹介します。

  1. 早期にエラーや問題を発見できる
  2. 品質管理がしやすくなる
  3. ユーザーの要求に対する適合性を確認しやすくなる

1. 早期にエラーや問題を発見できる

V字モデルでは、開発プロセスの最初の段階である要件定義から検証が始まります。プロジェクトの初期段階で、ユーザーの要求事項を適切に理解し、正確な要件が収集されるようになっています。要件に不備や矛盾がある場合、早い段階で発見・修正することが可能です。

ソフトウェアの実装(コーディング)段階でも、コーディングの規約や品質基準に適合しているかを確認する単体テストが行われます。実装段階でのプログラミングエラーや不具合を早期に検出できます。

2. 品質管理がしやすくなる

V字モデルは、各フェーズでの検証を進行するため、要件から設計、実装、テストに至るまでの一貫性が確保されます。開発プロセス全体での方針や要求事項の統一が簡単です。

V字モデルは、上流工程から下流工程にかけてのトレーサビリティ(追跡可能性)が確保されます。各要件がどの設計やコーディングに対応しているかを追跡でき、品質問題が発生した場合に原因を特定しやすくなります。

3. ユーザーの要求に対する適合性を確認しやすくなる

V字モデルは、プロジェクトの初期段階からユーザーとのコミュニケーションを積極的に行い、システムが要求を満たしているかを確認しやすいです。ユーザーの変更要求が発生した場合でも、要求仕様に適切に統合され、各フェーズで検証が行われるため、変更に対する迅速で正確な対応が可能です。

プロジェクトの進行中においてユーザーとの期待値が一致し、最終的な成果物がユーザーの期待に応えやすくなります。

V字モデルを計画する際のポイント3つ

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ここからは、V字モデルを計画する際のポイントを3つ紹介します。

  1. リソースとスケジュールを評価する
  2. 変更管理の計画をする
  3. リスク管理戦略を立てる

1. リソースとスケジュールを評価する

プロジェクトに必要なリソース(人員、ツール、設備など)とスケジュールを適切に評価し、必要なリソースが利用可能であることを確認しましょう。開発およびテストに使用するツールやテスト環境を確認し、必要であれば導入します。これには統合開発環境や自動化テストツールなどが含まれます。

各フェーズごとに、詳細なスケジュールを策定しましょう。各フェーズの開始と終了のタイミング、担当者、マイルストーンなどを具体的に計画します。

マイルストーンとは

マイルストーンは、プロジェクトの進捗を示す重要なポイントや区切りのことを指します。
プロジェクト計画の中で時間的な目標を示すことで、プロジェクトの進行状況を測定し、評価するための基準として活用します。

2. 変更管理の計画をする

V字モデルは、計画中に変更が発生する可能性があるため、変更管理の計画を策定します。変更の評価、承認、実施手順などを含め、変更に対する柔軟な対応が求められます。変更の緊急度や重要度に基づいて優先順位を付けることで、限られたリソースや時間を最も重要な変更に集中できるでしょう。

変更を管理するためのツールやソフトウェアを導入することで、効率性が高まります。変更管理ツールは、変更の履歴やステータスの追跡、承認プロセスの自動化などをサポートします。

3. リスク管理戦略を立てる

プロジェクトに潜むリスクを明確に特定します。技術的なリスクやスケジュールの遅れ、要件変更、外部依存関係などを考慮し、リスクを回避するための戦略を策定します。

プロジェクトに潜むリスクを避けるための方法を考案しましょう。たとえば、特定の技術の変更や外部のサードパーティツールの利用など、具体的な対策を検討します。

プロジェクトが進行するにつれて新たなリスクが浮上する可能性があるため、リスク管理戦略は継続的に見直し、必要に応じて改善を行います。

V字モデルを行う際の注意点2つ

ここからは、V字モデルを行う際の注意点を2つ紹介します。

  1. リリースが遅れる可能性がある
  2. 柔軟に対応できない可能性がある

1. リリースが遅れる可能性がある

プロジェクトが進行する中で、ユーザーの要求や市場の変化に対応するために、変更が必要になる場合があります。V字モデルで変更が生じた場合、その影響を各段階で検証するための調整が不可欠です。変更が生じた分、品質の低下やリリースの遅れが起こる可能性があります。

V字モデルを採用する際には十分な計画と柔軟性を持ち、変更に対応できる体制を整えることが重要です。アジャイル手法の柔軟性を考慮することで、リリースの遅れを最小限に抑えることができます。

2. 柔軟に対応できない可能性がある

V字モデルでは、各段階が直前の段階に依存しており、前段階での成果が次の段階に引き継がれる仕組みです。1度進行が始まると、前段階での変更が後段階に影響を及ぼしやすく、修正が複雑になります。

プロジェクトに柔軟な対応が必要な場合は、V字モデルよりも柔軟性の高いアジャイル開発手法を検討することが有益です。

まとめ

V字モデルは、品質管理やプロジェクト管理の観点から重要視される手法です。実際のプロジェクトでの適用経験不足による不安がある場合は、システム開発会社へ依頼してみてください。

比較ビズでは、V字モデルに詳しいシステム開発会社を探し、比較することが可能です。比較ビズの活用は完全無料であるため、まずは相談から始めてみてください。

監修者のコメント
株式会社エン・PCサービス
代表 齋藤完次

株式会社エン・PCサービス代表。信州大学工学部情報工学科卒。卒業後富士通FIP(現富士通)に就職。某コンビニエンスをクライアントに基幹系、情報分析系、会計・SFAなどのシステム提案、構築、運用サポートを行う。他、ネットワーク構築やサーバー構築も行うなど、フルスタックエンジニアとして活躍。その後、広く多くの人にサービス提供を行いたいという想いから独立し、主にウェブ技術を用いて自社サービス構築と運営を行う。同時に日本のビジネスを底上げするという想いから、中小スタートアップ企業を対象にITシステム開発事業を、企画立案からマーケティング、運営サポートまでワンストップ対応している。

V字モデルを端的に言うと、設計・製造など開発フェーズでの成果物に対応しどう検証するかを定義しましょう、という事です。具体的には「設計製造の段階でテスト仕様書を作りましょう」という事です。

テスト仕様書があれば、設計段階で具体的な期待値が分かります。具体的ですから問題発見がしやすく品質も必然的に上がります。具体例があるから、ユーザー要求に適合しているか分かりやすくなります。

そう思っていただいたうえでこちらの記事を読んでいただくと、メリットデメリットなどがイメージしやすくなると思います。
比較ビズ編集部
執筆者

比較ビズ編集部では、BtoB向けに様々な業種の発注に役立つ情報を発信。「発注先の選び方を知りたい」「外注する際の費用相場を知りたい」といった疑問を編集部のメンバーが分かりやすく解説しています。

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